ペットパノムルン・キャットムーカオ インタビュー『自分を選んでチャレンジしてきてくれる事にすごく敬意を払います。白鳥選手は上手くて強い選手なので、すごく楽しい試合になる』
–ペッチ選手は今どこにいるんですか?
ペッチ 今はタイのブリラム県にある自分の家にいます。
–カナダを拠点にしているそうですが、タイとカナダでは1年を通してどのくらいの割合で生活しているんですか?
ペッチ 7〜8ヶ月ほど大半をカナダで過ごして、タイには毎年2,3ヶ月くらい合計で帰ってくるイメージです。
–カナダでの生活というのは何年目になりますか?
ペッチ 今で2年になりますが、先ほどのようにまだ行ったり来たりはしている状態です。
–英会話の方はかなり上達しているんですね。
ペッチ 多少は、、、です(笑)
–カナダでの食生活はいかがですか?
ペッチ カナダはいろいろな食事があって、日本料理も中国料理も西洋料理もタイ料理もありますので、何でも食べています。ただ、何が1番好きかと聞かれたらやっぱりタイ料理が1番好きです。
–カナダはどこの都市にいらっしゃるんですか?
ペッチ バンクーバーです。
–バンクーバーは気に入った土地になりつつありますか?
ペッチ 住んでいるので好きな町です。
–将来的にはバンクーバーに永住することも考えているんですか?
ペッチ カナダは良いところではあるんですけど、将来的なことを言うとずっと居たいというよりは、まだ計画は立てていないですが、やっぱりタイに帰りたいという気持ちがあります。
–やはり地元のブリラムにいると落ち着きますか?
ペッチ そうですね。やはり家族と居られるので安心します。
–ちなみにペッチ選手はご結婚されていますか?
ペッチ 彼女はいますが結婚はしていないです。
–30代になったら結婚するという事も考えてはいるんですか?
ペッチ そうですね。それも良いと思いますが、まだ自分の準備が整った状態ではないので、もう少ししっかりと将来の状態を良くしてから次に進みたいです。
–ペッチ選手が所属していたキャットムーカオジムが閉鎖されたというニュースが日本にも届きましたが、タイに行った時はどこで練習していますか?
ペッチ ブリラムに帰ってきて1週間ほどですけど、またバンコクに戻る予定です。通常のトレーニング時はバンコクにあるスーパーレックのジムで練習をしています。
–ずっと自分が所属していたジムが閉鎖になるというのは、悲しい出来事でしたか?
ペッチ そうですね。少し寂しい気持ちはありますが、地元のジムには人がいない状態で、新しく選手を育てられるような状態ではなかったんです。僕も離れてしまったりスパーレックも自分でジムを開いたりといって、人がいないし子供もいない中で仕方のない事なのかなと思います。寂しい気持ちはありますが、僕は僕の未来を進んでいきます。
–先日の組み合わせ抽選会で、ペッチ選手が1番最初に自分で枠を決めました。そこに日本の白鳥選手が入ってきてペッチ選手との試合が決まりましたが、白鳥選手がペッチ選手との対戦を希望したことについてはどう思いましたか?
ペッチ 自分を選んでチャレンジしてきてくれる事にすごく敬意を払いますし、白鳥選手は原口選手と同様に本当に上手くて強い選手なので、すごく楽しい試合になると思います。
–現状で白鳥選手の事はどういう選手だと分析されていますか?
ペッチ 今のところ白鳥選手はすごく上手い、才能のある選手だと思っています。気をつけるべきところはパンチがとても素早いので、そのスピードのある強いパンチの対策をしています。強い選手なので難しい試合になりますが、勝ちを獲りにいきます。
–以前白鳥選手がRISEのリングで、タイでは有名なセクサン選手に勝った試合をご覧になったことはありますか?
ペッチ その試合はしっかりとは見ていないので、また時間を作って見たいと思います。特に注目して見たいのは、過去2,3試合なので、その試合を勉強する予定です。
–調べてみると1dayトーナメントには、2015年にタイで行われたムエマラソンに出ていましたけど、その時の1日に3試合をして優勝した時の記憶というのは鮮明にまだ覚えていますか?
ペッチ よく覚えています。
–1日3試合を勝ち抜くコツというのは、その時に身につけることができたのでしょうか?
ペッチ 確かに1日に何試合もするということは、経験にはなっているのですが、当時はムエタイの試合だったので今とは全く異なる形態だと思っています。そしてその後も試合をしてきているのはキックボクシングだし、今回は最強の選手が集まっているので、そういった中で緊張もあるのですが頑張りたいです。
–ワンマッチの時とトーナメントの時を比べると、試合を迎えるモチベーションに違いはあるのでしょうか?
ペッチ 全然違いますね。1試合の時は勝てば終わりですけど、勝ったと思ったらその次にまた別の試合が待っているので、間違いなく疲れますね(笑)
–1試合勝ち上がって、次の試合を待っている間はどんなことを考えているんですか?
ペッチ まずはしっかり座って休憩を取ることが大事です。その間は考えるというよりは、次の対戦相手の試合をしっかり見て、僕の試合ではどうするかというところの戦略を練っていくつもりです。
–優勝賞金として10万ドルがファイトマネーとは別で用意されていますが、優勝賞金があるのは別の意味でのモチベーションになりますか?
ペッチ 僕たち選手が試合をしている目的はプロとして試合をしてお金を稼いで家族を養うというところにあるので、賞金は間違いなく大きなモチベーションの一つです。
–今回のトーナメントは通常のRISEルールではなく、首相撲で攻撃を仕掛けていても、攻撃をしていたらずっと攻撃が認められるというルールが採用されていますが、その部分というのは自分に有利に働くと思いますか?
ペッチ 首相撲だけのところに注力して言うと、確かに少しムエタイ寄りといったところや膝を使えるテクニックというところで、少し得意で経験のある部分です。全体を通して全ての武器を使って攻撃を仕掛けていくところは変わらないので、全部の武器を使って勝負します。
–初戦の白鳥戦に勝利するということを仮定したら、準決勝ではペポシ選手かソンヒョン選手のどちらと対戦すると予想されますか?
ペッチ 2人とも同等に戦う選手なので、どちらが勝つかという予想は難しいのですが、ペポシ選手が若干優勢と見ていて、僕の相手になるのはペポシ選手の可能性が高いかなと思います。
–ペポシ選手がソンヒョン選手より上回っている部分というのは、どういう部分だと分析していますか?
ペッチ ペポシ選手のそもそもの強さや1つ1つの武器の重みという所と、そこに影響する体の大きさが少し優勢なのではないかと予想します。
–続く決勝戦では、もう一方のブロックから誰が勝ち上がってくると予想されますか?
ペッチ 今のはすごく難しい質問で、思わずすごく悩んでしまいました。なので誰が勝ち抜いてくるかっていうのは、想像すら難しくて選ぶことができないです。僕の個人的な気持ちとして、誰が決勝に勝ち上がってきてほしいかを言うと、チャド選手ともう1回試合ができたら良いですね。
–去年の12月末にチャド選手と日本で戦って、惜しくも負けてしまいましたが、あの試合を改めて振り返ってみると何が敗因だったと思いますか?
ペッチ 前に怪我のこともお話ししたかと思うのですが、前回は僕自身が全力じゃなかったり、万全じゃなかったことによって練習もしっかりと取り組むことができなかったのでそれが敗因だったと思います。それを確かめる上でも改めてチャド選手と戦うことで、僕自身の強さや彼の強さを改めてもう一度証明します。
–日本の気の早いファンはこのトーナメントを予想して、決勝戦はやはりペッチ選手とチャド選手が対戦するのではないかという声がすごく多いです。そういったファンの予想に関してはどのように捉えていますか?
ペッチ そのようにファンの皆さんが予想してくださっていることだったり、僕やチャド選手の試合を選手として興味を持っていただいていたり、そのチャド選手と僕の試合を見たいと思ってくれていることを本当に嬉しく思います。皆さんが満足するような、皆さんに楽しんでいただけるような試合を当日お見せします。
–世界トーナメントという名称に相応しく、いろんな国の選手が出てきますけど、ペッチ選手はこのトーナメントにGLORYの代表として出る気持ちとタイの代表として出る気持ちでは、どちらの方が強いでしょうか?
ペッチ やはりこういう『世界トーナメント』という名前がつく大会においては、僕はタイ人を背負ってタイ代表として戦い、試合に挑むつもりでいますし、必ずそういった試合の中でチャンピオンになろうと思います。
–タイ国内では、海外で活躍する選手に関してもの凄いリスペクトが送られますが、それはペッチ選手も感じていますか?
ペッチ 前よりは僕のことを知ってくれている人が増えたような気はします。ただその程度です。
–海外で活躍するという意味では、ブアカーオ選手やロッタン選手がいますが、彼らのことを意識する事はありますか?
ペッチ ライバル心とかは全くなく、同じタイ人を代表して世界で活躍し、ムエタイのことだったりタイのことを世界に広めるために活躍している選手たちのことを僕は本当に尊敬していますし、応援する気持ちでいっぱいです。
–同じブリラム出身のブアカーオ選手とは、最近話した事はありますか?
ペッチ 昔お会いしたことがあって、最近はお会いできていないですね。ただタイミングがあった時に会うことはあります。
–ペッチ選手はもう220戦以上戦っていますが、試合前は必ずこれをするとか、試合の日はこれを食べるというようなルーティーンはありますか?
ペッチ 特別やっているような行動とか、毎回食べているような食べ物はないです。ただ毎回試合前には必ず集中すること、リングに上がる前までにしっかり集中して、その日の試合のイメージを想像するということを行っています。
–今まで何度も日本で戦っていますが、日本でいう所の勝負飯というのは何を食べていたのでしょうか?
ペッチ 日本にいる時は試合に備えていることが多いので、やはりタイ料理を食べることが多かったり、日本食で言えば力になる焼き肉を食べるようなことが多いです。試合当日の食事は急いで会場に向かうケースが多いので、ホテルでの朝ご飯を食べた後は試合会場で配布される食事を食べています。
–少し気の早い話になりますが、来年5月で30歳になります。大きな節目を迎えるという事で、次の人生を考えることもありますか?
ペッチ 今はやはり試合に集中することだけを考えているので、あまり将来のことは考えていないのですが、今後35歳から40歳の間には自分のジムをオープンしたり、後は何か別のビジネスをできるようであればやってみたです。
–ペッチ選手と会話をしていて、学があり非常に思考が深いように感じたのですが、普段から勉強などをされているんですか?
ペッチ 学校に行って勉強をしたことはありますが、実際にはあまり成績は良いものではなかったです。ただ学びたい姿勢は常にあって、尊敬できる人だったり周りにいる強い人だったり、人間として尊敬のできるような人たちから学んで色々得るようにしています。
–ちなみに学校は大学や専門学校まで進んだのですか?
ペッチ 大学はバンコクの学校へ行きました。ビジネスを専攻して勉強していました。
–ではその大学で学んだビジネスを今後の人生に役立てたいというのは、来年以降に出てくるかもしれないですね。
ペッチ そうですね。それができたら良いですね(笑)
–では最後にペッチ選手の活躍を待ち侘びているファンの皆さまにメッセージをお願いします。
ペッチ 日本のファンの皆さま、そして世界のファンの皆さま、12月の試合を楽しみにしてくれている皆さまに、まずはありがとうと感謝の気持ちを伝えたいです。この12月21日の試合は面白い試合になることは間違いないですし、必ず僕がチャンピオンを獲りますので楽しみにしていてください。
イ・ソンヒョン『ファンの皆さんにイ・ソンヒョンっていう選手はこういう選手だっていう事をしっかり認識させるような試合にしたい』
–2つ目のジムがオープンしたばかりで忙しいと聞きましたがいかがでしょうか?
ソンヒョン チームの仕事をしながら、訓練もしながらなのでずっと忙しい日々を過ごしています。
–2号店の方も会員さんは集まってきていますか?
ソンヒョン 幸いな事にすごく集まっています。
–第2のイ・ソンヒョンはその中から生まれそうですか?
ソンヒョン まだ選手志望の人はいなくて、ただ運動しに来ているだけの人が集まっています。
–ぜひ強いプロのキックボクサーを育ててほしいです。
ソンヒョン ありがとうございます。僕もRAONジムから強い選手をたくさん輩出できたらと思っています。
–先日、『GLORY×RISEフェザー級世界トーナメント』の組み合わせ抽選会が行われて組み合わせが決まりましたが、改めてこの組み合わせを見ていかがですか?
ソンヒョン すごくドキドキしましたし、自分の名前が最後に出たのでドキドキが続きました(笑)。
–組み合わせが決まって、自分の対戦相手がべルジャン・ペポシだと分かった時はどんな気持ちでしたか?
ソンヒョン 個人的にはペポシ選手やヴィダレス選手を考えていましたが、そうでなかったらペットパノムルン選手を選ぶつもりでした。
–ペットパノムルン選手と1回戦で戦いたかった理由はなんですか?
ソンヒョン トーナメントの中でも1番強いですし、GLORYでもチャンピオンなので、そんな選手と1回戦ってみたいという気持ちがありまして、1回戦で相手を選べていたらペットパノムルン選手を指名する予定でした。
–ペポシ選手への対策は既に考えてありますか?
ソンヒョン 対策はしていますし、ペポシ選手のファイトスタイルは自分とも似ていると思います。相性も良いと思うので、今回の試合でKOしたいという気持ちがあります。
–ペポシ選手の過去の試合映像を見ると、ハイキックや左フックによるKOが多いのですが、彼の得意技はどういう風に分析していますか?
ソンヒョン 自分は最近の試合だけを見ていて、KOしている試合は特に見ていませんでしたが、最新の試合を見て分析をしています。なので過去のKO映像は見ていないです。
–ペポシ選手はソンヒョン選手よりちょうど10歳年下なのですが、年齢差は気になりますか?
ソンヒョン 僕は今の自分が全盛期だと思っているので、年は全く気にしていないです。
–今回は勝ち上がったら最大3試合まで行われる1DAYトーナメントになります。確かキャリアではトーナメントを何度か経験していると思いますが、このトーナメントという部分についてはいかがでしょうか?
ソンヒョン トーナメントの経験は、1DAYの4人で行われたトーナメントと8人で行われたトーナメントの2つを経験しています。まずは1回戦に集中して、もし勝ち上がったならその日に次の試合を考えるつもりで戦っています。だからと言って全く対策をしていない訳ではないのですが、その日に行われる1回戦をちゃんと対策して、勝ち上がったら次に戦う相手に力を注ぐという形で考えています。
–経験者として、1回勝ち上がって次の試合を待つ時の心境というのはどんな感じなんですか?
ソンヒョン 待っている間に次の試合についても考えますが、まずは怪我はないかなど自分のコンディションをチェックします。ちなみに前回のトーナメントでは全部の試合が終わった後、すごく寒さを感じました。だから体調管理を考えてしまいます。
–通常のワンマッチと比べると体力も気力の消耗も激しいですか?
ソンヒョン 始まる前は体力面の心配はありますけど、いざ1回戦を勝ち上がってみれば体力や精神的な部分も全然問題なくて、むしろ「これはいけるな」っていうのをトーナメントの時に感じました。
–今まで経験してきたトーナメントの中で、1番記憶に残っているのはどのトーナメントですか?
ソンヒョン 12,13年前に行われた、K-1MAXアジアトーナメントがすごく印象に残っていまして、その時に決勝戦でタイの選手と戦った試合が1番記憶に残っています。
–それだけ激しい試合だったという事ですね。
ソンヒョン そのタイ人の選手はトーナメントを全てKOで勝ち上がってきていて、キックもすごく強かったのでとても警戒していました。
–1日でトーナメントを勝ち上がって優勝した時の気持ちというのは、ワンマッチで勝利した時とは別の気持ちなんですか?
ソンヒョン その日に3回勝てるという事で、やっぱり3倍の喜びがあります。今回のトーナメントは自分が経験してきたトーナメントの中でも1番大きいタイトルなので、優勝したらすごく大きな喜びになると思います。
–優勝賞金の使い道なども考えていますか?
ソンヒョン 賞金は家を買う事に使うつもりなのですが、すぐには家を買うことはできないので、まずは貯蓄して後々家を買う資金にするつもりです。
–ちなみにそういったお金は奥様が管理されているんですか?
ソンヒョン 奥さんに管理されています(笑)
–優勝賞金の何パーセントかをソンヒョン選手が自由に使うことはできますか?
ソンヒョン 賞金をもらう時に奥さんに事前に相談して、どういう使い方をするかを説明して、その金額を引いて奥さんに残りを渡します(笑)
–今回は自分で使う分については考えていますか?
ソンヒョン チームに使うこともあると思いますし、個人的に使うこともあるかと思います。
–優勝したら家族で最高のクリスマスを過ごすことができそうですね。
ソンヒョン すごいクリスマスになると思いますし、ベルトと共に忘れられないクリスマスになると思います。
–子供達も高価なクリスマスプレゼントを狙ってくるんじゃないですか?
ソンヒョン 子供の年齢もあるので、そこは自分が調整して考えながら渡します。
–トーナメントの話に戻りたいと思います。
ソンヒョン はい。
–準決勝には白鳥選手とペットパノムルン選手のどちらが勝ち上がってくると思いますか?
ソンヒョン 自分を含めチャンヒョンやほとんどの選手がペットパノムルン選手を優勢と見ています。ただ白鳥選手は身長も高いですしサウスポーなので、予想外の何かが起こるんじゃないかと思っています。なので個人的には50対50で半々と見ています。
–巷の予想ではペットパノムルン選手の方が優勢とされていますが、白鳥選手が勝ち上がってくる可能性もあると見ている訳ですね。
ソンヒョン 白鳥選手が勝つ可能性も全然あると思いますし、普通のキックボクサーではなくサウスポーなので、ペットパノムルン選手が入って来たところに思いもよらぬフックをもらって、もしかしたら負けるのではないかという予想もあります。
–現時点でどちらの選手と戦いたいなど希望はありますか?
ソンヒョン 白鳥選手とは1度対戦経験がありますが、トーナメントは何が起こるか分からないので、どんな試合展開になるかも予想ができません。ペットパノムルン選手は自分が引退する前に対戦したい選手でもあるんですけど、どちらが勝ち上がってきても良いです。
–もう片方のブロックについては決勝まで誰が勝ち上がってくると予想されますか?
ソンヒョン チャド・コリンズ選手かミゲール選手だと思います。トーナメントを勝ち上がる要素を持っているので、どちらかの1人になるんじゃないかと思います。
–そうすると準決勝でチャド・コリンズ選手とミゲール選手が戦うと、どんな試合になると予想しますか?
ソンヒョン 決勝戦みたいに大きい戦いになると思います。まず1回戦目を早く終われるかどうかで、その日の展開は全く違うものになると思います。だからまだ分からないですね。
–今回の試合は通常のRISEのルールではなく、GLORYのルールも加味されたルールになると聞いています。ワンキャッチワンアタックではなく、GLORYの「首相撲は攻撃している限りそれが許される」というルールについてはいかがですか?
ソンヒョン もし1回戦でペットパノムルン選手かチャド・コリンズ選手が相手だったら、厳しい戦いになると思いますけど、ペポシ選手なのでそのルールについては考えていないです。準決勝でペットパノムルン選手に当たるようなことがあれば、そのルールに苦戦すると思いますが、1回戦ではそのルールに関しては考えていないです。
–これからペットパノムルン選手対策としての首相撲も練習していくわけですね。
ソンヒョン 首相撲の対策は元々しています。あとは1回戦がペポシ選手なのでそこに照準を合わせています。ペポシ選手に勝ったら、その日に対策を考えます。
–ソンヒョン選手は過去に欧米系の選手と何度も戦っていますが、アジア系の選手と戦う時は何か違いはありますか?
ソンヒョン アジアの日本の選手は技術があってすごく速い印象で、欧米の選手に対してはRAONジムのスタイルがピッタリ合うと思っています。なので、自分が今までやってきた事を出せれば、欧米の選手とはすごく相性が良いと思います。だからそこの違いはありますね。
–それはフィジカルでも負けないという事ですか?
ソンヒョン もちろん自信はありますし、70kgの選手と戦ってきましたし、もっと大きい欧米の選手とも戦ったことがあるので、今回のペポシ選手に対してもそのイメージは描かれています。
–プロデビューしたのが2009年でキャリアが15年になりますが、このトーナメントが1つの集大成になりそうですか?
ソンヒョン 今回のトーナメントが今までで1番大きい試合になりますし、トーナメントに出場する選手たちもすごいメンバーが揃っています。今回の試合が選手として頂点を取る、集大成になると思います。
–それだけ気合が入るという事ですね。
ソンヒョン デビュー戦のように気合が入っているので、その日を思い出しながら試合に挑みます。
–プロの戦歴が今で82戦ですが、勝ち上がっていくと85戦になります。近い将来100戦以上戦いそうな気配はありますか?
ソンヒョン 100戦目は自分の中でふざけながら考えることはしていました(笑)。この先についてはトーナメントの終わり方次第で、もっと続けるかこれで終わるか決まると思います。
–このトーナメントについて、チームメイトのチャンヒョン・リー選手は何か言っていますか?
ソンヒョン トーナメントではなくても、試合が決まったらチャンヒョン・リー選手と話し合います。今回はペポシ選手と試合が決まったので、そこに照準を合わしてやり取りをしています。
–奥様からはどのような激励がありましたか?
ソンヒョン なかったです(笑)
–どちらかと言うと、恐妻家のようなイメージがありますが実際はどうですか?
ソンヒョン いつもの僕は奥さんにスキンシップを自ら先にやるんですけど、ジムを運営してからはそれを疎かにしている部分があります(笑)
–その辺りもケアして頑張ってください。
ソンヒョン がんばります(笑)。
–最後に今回のトーナメントでの活躍を期待しているソンヒョン選手とRISEファンの皆さまにメッセージをお願いします。
ソンヒョン 日本人ではない外国人選手と戦うのが今回のRISEの大会で2,3回目になります。そのメンバーの中でも1番年上でベテランですけど、ファンの皆さんにイ・ソンヒョンっていう選手はこういう選手だっていう事をしっかり認識させるような試合にしたいと思います。皆さん是非応援よろしくお願いします。
ペポシ インタビュー『チケットを買って是非見に来てほしい。自分の試合も、他の試合も今年最大の規模感で行われるトーナメントだという風に思っています。当日は是非とも満員の会場で、多くのファンの皆さんとお会いしたいです』
–アルバニア出身と聞いていますが、現在はどちらにお住まいですか?
ペポシ ベルギーに住んでいます。
–ベルギーはどちらにいらっしゃるんですか?
ペポシ ブリュッセルにいます。
–何歳くらいからブリュッセルへ移住されたんですか?
ペポシ アルバニアで生まれて、約10年前に家族と一緒にブリュッセルに移住してきました。
–ご兄弟はいらっしゃいますか?
ペポシ 1人だけ年下の弟がいます。
–キックボクシングを始めたきっかけと、何歳頃から始めたのか教えてください。
ペポシ ベルギーに移住してきた時に、新しい生活で最初は友達もいなくて時間があったのでキックボクシングを始めたのがきっかけです。最初に試合をしたのは15歳の時だったという風に記憶しています。
–他にサッカーやボクシングなどのスポーツも選べたと思いますが、なぜキックボクシングを選んだのですか?
ペポシ アルバニアに幼少期に住んでいた頃は、ストリートでの喧嘩とかそういったものが頻繁に起こっている環境だったのですが、ベルギーに来てからの新しい暮らしでは、ストリートでの戦いとかそういったものが全く起こらないような環境でした。「昔のように殴り合いがしたい」となったらジムに行けば合法的にできるという理由から、キックボクシングを選びました。
–キックボクシングは自分に合ったスポーツでしたか?
ペポシ 始めた頃は自分でもよく分からないまま戦っていたのですが、その後すぐにキックボクシングというスポーツのことを理解しました。そして自分がこのスポーツで成功するであろうと、自分に才能があるだろうという事にも気づきました。
–始めてからすぐかは分からないですが、アマチュアムエタイの世界選手権とかに出て、メダルを獲得していましたが、国際大会に出て活躍したことで自分に才能があると確信することはできましたか?
ペポシ アマチュア時代に20戦くらいして、それが全部無敗だったのですが、その時は自分がそんなに強いファイターだとは思っていませんでした。ただその後、アマチュアの世界トーナメントがタイで行われて、そこで金メダルを獲った時に「もしかしたら自分はやれるんじゃないか」という思いが湧いてきました。
–それからプロでAクラスに昇格してから、9連勝くらいしていると思うのですが、連勝している時はすぐに自分はプロの世界でも、世界チャンピオンになれるというような自信はありましたか?
ペポシ IFMAというアマチュアムエタイの大会で戦った選手たちが強豪揃いで、それまでアマチュアでは上手くいっていたけれど、世界には強いやつがいっぱいいると思い知らされました。
–IFMAで戦った選手の中には、現在もプロで活躍している選手もいますか?
ペポシ 12月のトーナメントに出場するミゲール・トリンダーデもその大会に出ていました。ミゲールは準決勝で負けて、僕は決勝で同じ選手に負けてしまったので、僕とミゲールの対戦が実現することはありませんでした。
–プロになってから連勝を重ねていたと思うのですが、GLORYを主戦場にするようになってからは初めてプロでの連敗を喫したと思います。その連敗した理由は何が要因だったと分析されますか?
ペポシ 負けてしまった要因としては、プレッシャーを背負っていたという事と、GLORYはレベルが非常に高いので、そういったところで練習をやり過ぎていたところがあるかなと思います。実は今はジムとチームを変えていて、以前のところは練習をやり過ぎていたところがあったので、疲れていたというのが要因の一つです。ただ負けたとしてもその戦いは、Fight of the nightに選ばれるような戦いをしていたかなという風に思います。
–今所属しているValon teamに移籍してから好調になったという事ですか?
ペポシ そういう事です。
–今所属しているチームの特徴を教えていただけますか?
ペポシ GLORYの過去3戦でのパフォーマンスを見てもらえたら分かるように、まずフィジカル面でも非常に改善できたと思っています。あとはジムの特色として、スパーリングパートナーも色々な階級で色んなファイトスタイルを持った選手がいるので、そういったところが過去3戦の結果に表れていると思います。
–今行っている基本的な練習の練習時間や誰と練習しているかを教えていただけますか?
ペポシ 1部練が週に2日あって、2部練が4日あって、残り1日は休みでやっています。
–1回の練習ではどれくらい練習されるんですか?
ペポシ 練習の時によって違いはありますが、朝の練習だったら大体1時間くらいで切り上げて、夜だったら少し長めに1時間弱〜1時間20分くらいやる時もあります。
–練習ではマススパーリングかハードなスパーリングのどちらが多いですか?
ペポシ 週に2回スパーリングをやるんですけど、マスみたいなものではなくて本当に相手の事を倒せるものならいつでも倒そうとしてやっていますし、それくらい強度の高いスパーリングを週に2回やっています。
–ペポシ選手の横にいる方がチーフトレーナーだと思うのですが、お名前とトレーナーから見たペポシ選手の様子を教えていただけますでしょうか?
バシャ 私の名前はバシャ・ヴァロンです。ペポシ選手の良さに関しては、元々才能とかが備わっていると思うんですけど、才能に加えて非常に優れたトレーナーと優れている選手の才能が掛け合わされば、チャンピオンになることはできると思いますし、こういった選手がジムにいることの意味というのも非常に大きいですね。精神的にも非常に優れている選手です。
–チームにはプロの選手は何人所属していますか?
ペポシ ジムにプロのファイターは25人いて、UFCに出ているような選手もいますし、GLORYに出ている選手でいうと6人います。
–UFCとGLORYに出ている選手で、主な人の名前を教えていただけますか?
ペポシ UFCにはOki Bolaji、GLORYにはAsdren Gashi,Luigj Gashi,Sarah Moussaddak,Oussaid Abdellah,Arman Hambaryanなどがいます。あとは日本の海人と戦ったJames Condeがいます。
–12月のトーナメントについてお聞きしたいのですが、1回戦ではイ・ソンヒョン選手と戦うことになりましたが、ソンヒョン選手に関してはどんな印象をお持ちでしょうか?
ペポシ 彼の試合を見て、ファイトスタイルが自分に似ているなって感じるところがあります。あと彼は経験が豊富で、彼との試合はお客さんが喜ぶような試合になると思いますし、彼の実力は本当に認めています。
–ソンヒョン選手との試合は、どんな勝ち方をするか頭の中でイメージできていますか?
ペポシ 彼と試合をするにあたっての対策はこれから考えていく必要があります。最大で3試合あるトーナメントという事を考えて、怪我をしないということも考える必要があるかと思うのですが、それと同時にこの試合に勝たなければ先の試合のことを心配しても意味がないので、もちろんトーナメントという事を考えつつも、この試合に全力を出し切るという事は意識して、普段と変わらずに自分のファイトスタイルを見せられればと思います。気持ちとしては戦争に向かうかのような、そういった強い気持ちを持って挑みたいと思っています。
–1回戦のソンヒョン戦から、得意の左ボディーフックとか左ハイキックを狙っていきますか?
ペポシ さっき言ったことと同じような話ですけど、オールインで全てをかけて自分のスタイルでいくので、その中で自分が得意にしている左ボディーなどが当たる可能性もあります。
–準決勝では白鳥選手とペッチ選手のどちらが勝ち上がってくると予想しますか?
ペポシ このトーナメント自体も実力が拮抗しているので、どちらが明確に勝つかは分かりませんけど、どちらが勝ってもおかしくないと思っています。少しの差ですけど拮抗した試合になった時に、勝機があるとしたら白鳥選手なのかなと思っています。自分自身の希望としてはペッチ選手と準決勝で試合をしたいです。
–準決勝も勝ち上がったら、やはり決勝ではミゲール選手との対戦を望みますか?
ペポシ 以前も言ったように、ミゲールとの決勝が叶えば自分にとっては理想的ですね。このトーナメントの中でも若い2人が決勝で戦うという事になれば良いことだと思いますし。でもミゲールの初戦が原口選手で、経験やスピードが非常に優れていますし、そこは簡単ではないなと思います。ミゲールに個人的には勝ってほしいのですが、当日どうなるかは分からないですね。
–気の早い話ですが、優勝賞金の10万ドルの使い道は考えていますか?
ペポシ 優勝賞金は大金ですね(笑)。僕はまだ若いので、例えば家とか自分のためになる何かを買いたいですね。
–家を買うという大きな夢も抱いているわけですね。
ペポシ 僕自身がそういう夢を持っているのと同じように、トーナメントに参戦する選手全員がそれぞれの夢を持っていると思います。その夢を誰が叶えるられるか楽しみです。
–今住んでいるベルギーはオランダの隣の国ですが、オランダの方に出稽古へ行くような事もありますか?
ペポシ オランダの選手がこちらのジムに来て練習する事はあります。
–例えばどんな選手が来て練習しているんですか?
ペポシ 直近でK-1にも出ているダリル・フェルドンクやUFCに出場している選手も来ています。
–今回、初めてペポシ選手の試合を生で見る日本のファンが多くいると思うのですが、自分のどんなところに注目してほしいですか?
ペポシ 日本で戦えることが非常に楽しみです。日本のファンの皆さんは、僕のアグレッシブでプレッシャーをかけていくスタイルが気にいると思います。
–ペポシ選手の試合を楽しみにしている日本のファンに対して、熱いメッセージをお願いします。
ペポシ チケットを買って是非見に来てほしいです。自分の試合もそうですし、他の試合も今年最大の規模感で行われるトーナメントだという風に思っています。当日は是非とも満員の会場で、多くのファンの皆さんとお会いしたいです。
–試合が終わったら日本で何か楽しみたい事はありますか?
ペポシ 寿司が食べたいです(笑)。
■ RISE184
日時:2024年12月15日(日)開場17時/本戦開始17時15分
会場:東京・後楽園ホール
<第3代RISEスーパーフライ級(-53kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R>
政所仁(魁塾/同級1位、RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級トーナメント優勝)
vs.
花岡竜(橋本道場/同級3位、KNOCK OUT BLACK初代スーパーフライ級王者)
<RISE QUEENフライ級(-52kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R>
【王者】テッサ・デ・コム(オランダ/Fightteam Vlaardingen)
vs.
【挑戦者】小林愛理奈(日本/FASCINATE FIGHT TEAM/第3代ミニフライ級王者)
<SuperFight! アトム級(-46kg) 3分3R延長1R>
宮﨑小雪(日本/TRY HARD GYM/第2代アトム級王者)
vs.
タン・スアン・ユン(シンガポール/Eminent muay thai Gym/WBCムエタイ インターナショナル 女子ミニフライ級王者)
<フライ級(-51.5kg) 3分3R延長1R>
松本天志(TARGET SHIBUYA/同級2位)
vs.
麗也(team AKATSUKI/同級5位)
<フライ級(-51.5kg) 3分3R延長1R>
末國龍汰(フリー/同級4位)
vs.
KING陸斗(ROYAL KINGS/同級9位、第4代DEEP☆KICK-51kg王者)
<-58kg契約 3分3R延長1R>
戸井田大輝(日本/TOP LEAD GYM/フェザー級9位)
vs.
ドゥエルバート・マヌエル(スリナム/Team Wisse/Kickboxing Fearless)
<スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R延長1R>
小野幹晃(IGGY HANDS GYM/同級4位)
vs.
細越竜之介(team AKATSUKI/同級10位)
<バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R>
翼(TARGET/スーパーフライ級5位)
vs.
京介(サイガジム)
<アトム級(-46kg) 3分3R延長1R>
平岡琴(TRY HARD GYM/同級2位)
vs.
奥村琉奈(OISHI GYM/同級5位)
<フライ級(-51.5kg) 3分3R>
酒寄珠璃(TRY HARD GYM/第284回新空手道交流大会 K-2トーナメント軽軽量級優勝)
vs.
松田虎之介(STRIFE/Innovationフライ級王者)
<アトム級(-46kg) 3分3R>
世愛(TEAM KAZE)
vs.
島田知佳(team VASILEUS)
<ライトヘビー級(-90kg) 3分3R>
かずややねんけど(猛者連本部/突破-90kg級王者、突破無差別級王者)
vs.
鞠谷貴大(魁塾/第35回、第38回極真連合会 全日本ウエイト制重量級優勝)