RISE183中村拓己の見所コラム「数島大陸vs那須川龍心に求められるのは圧勝&完全決着、新たなライバルストーリーの誕生にも期待」
2024年のRISE後楽園シリーズも残すところ2大会。各大会で様々なテーマのメインイベントやタイトルマッチが組まれてきたが、今大会のメインイベント=王者・数島大陸vs挑戦者・那須川龍心のフライ級タイトルマッチほど、お互いの感情をむき出しにしたライバル対決はないだろう。
発端は王者・数島のXでの発言。9.8RISE横浜大会を観戦していた数島が「昨日の那須川龍心の試合の後、リング上に上がる予定やったのに上がられへんかったから言おうと思っていた事をここで言うけど、次のフライ級タイトルマッチでRISEが龍心に勝たそうとしてるのがすごく感じる。だから龍心のファンじゃなくて、RISEファンの皆さん、実力でどっちが強いか見ててほしい。今回はRISEとの勝負でもある。RISEもあんま俺の事舐めんなよ」と龍心、そしてRISEへ不満をぶちまけたのだ。
その後、数島と那須川の対戦が正式に決定し、記者会見の場が設けられると、ここでも数島は龍心とRISEを“口撃”した。
「今回は那須川龍心選手との戦いだけではなくRISEとの勝負もあると思っている。那須川選手は色々なメディアに出て、勢いもあって注目されていて、RISEもいい待遇を与えていると思っている。そんな奴には負けたくないし“お前ら全員見とけよ”と思っている」
「どちらかというと僕は無口で結果で証明してきたけど、今は結果だけ出していても本当に強い奴は注目されていなかったり“RISEはガチ”と言っている割には数字ばっかり気にしているんちゃうかなと思う」
一連の数島の発言に、龍心も「自分自身、飛び級でここまで来たわけじゃないと思っているし、しっかり一歩ずつ勝たなければいけない相手に勝ってきたので、それをとやかく言われる筋合いはない」と反撃。さらに自身のXで「流石に数島選手の発言がダサすぎるんで、自分がベルトを取ってさらにカッコいいベルトにします」と王者失格の烙印を押した。その後も数島と龍心はSNSや煽り映像内で互いの主張をぶつけ合い、平行線のまま試合当日を迎えることになる。
数島は昨年10月に松本天志を降して第2代RISEフライ級王座に就き、今年はクンスック・ペッティンディーアカデミー、スドロー・ソージョートンプラシンとムエタイの強豪に連勝して、まさに言葉ではなく拳で王者としての強さを見せてきた。
一方の龍心も昨年2月に塚本望夢に敗れたあとは連戦連勝。今年はABEMAの恋愛リアリティーショー「今日、好きになりました。」出演で一般的な人気を集める一方、3月に数島と王座を争った松本を下し、6月には塚本へのリベンジを果たし、実力で挑戦権を勝ち取った。
数島・龍心はどちらも周囲を納得させるだけの結果を残したうえで、お互いの感情を言葉にしている。この2人の主張が注目されて賛否両論を生むのは、どちらの言葉にも説得力があるからだ。だからこそ今回もリング上で白黒をはっきりつけて、どちらがチャンピオンに相応しいか、どちらの主張が支持されるかを結果で見せる必要がある。
RISE伊藤隆代表も両者には「数島はあれだけのことを言うのであれば圧倒的な差をつけて勝つべきだし『だから俺は違うだろ』というのを見せて欲しい。龍心も会見では静かでしたが(数島から)そう言われるんだったら圧倒的に差をつけて勝つべき。ここは僅差の判定ではファンも納得しないし、両者とも納得しないと思います」と完全決着を求めている。
ライバル闘争にピリオドを打って、最後にベルトを巻くのは王者・数島か、それとも挑戦者・龍心か。
今回の数島VS龍心のようにライバル対決は周囲も巻き込んで盛り上がる。例えばライト級は王者・中村寛が頭一つ抜けている状況で、伊藤澄哉vs髙橋聖人と北井智大vs塩川琉斗の2試合が組まれた。この4選手には結果はもちろん試合内容でも、中村のライバルになる可能性を示す試合が必要だ。フェザー級でも翔vs久津輪将充と寺山遼冴vsKING龍蔵が組まれているが、新王者・安本晴翔と前王者・門口佳佑に割って入る新たなライバル登場が待たれる。京谷祐希VS長谷川海翔は本来スーパーフライ級の長谷川がバンタム級挑戦も見据えた一戦でもあり、この試合の結果によっては長谷川がバンタム級に新しい風を吹かせることになる。
数島VS龍心が雌雄を決する今大会、新たなライバルストーリーの誕生にも注目したい。
数島大陸インタビュー 「実力を証明する事によって、自分の言っている事が正義になるので、絶対に負けられない」
–試合まで1週間となりましたが、今はどんな感じでしょうか?
数島 早く戦わせてほしいです。僕を解放してほしいです。
–数島選手が怒っているという事が話題になっていますが、その件に関してはいかがでしょうか?
数島 怒っているというか、僕的には思っている事を言っているだけなのですが、動画の編集だったり僕が早口で言ってたり、めちゃめちゃ怒っている感じになっているけど、僕は今のRISEのあり方について、もっとこうあった方が良いっていうのを言っているだけ。
それを怒っていると言われるのであれば、RISEは何がしたいのかなって。
–数島選手の怒りと見えるものが、RISEに対する意見や要望という事ですね。
数島 要望というか格闘技はこうあるべきちゃうかっていう事を思って言っている発言をRISEは怒っているという風に捉えているから、そこの食い違いをRISEがしてるんじゃないですか。
–RISEが食い違いをしている?
数島 もちろんエンタメとか数字とか大事だから、そういう格闘技団体もあって良いですよ。だけど僕はバランスが大事だと思っていて、やっぱりRISEは本当に強い選手がいますし、RISEはガチ路線で攻めて行ってほしいんですよ。エンタメ性のある団体もあって良いけどRISEもエンタメ寄りになってきている感じがするから、そうなってしまうと全部がエンタメ性のある大会になってしまって、サーカスでもしているのかなってなるので、それだったらRISEは本当に強いやつがいるからガチ路線を貫いてほしいなっていう意見で言ったら、怒ってるという表現になったので、そこはしっかり考えてほしいです。
–自分の意見が揚げ足を取られているような感じですね。
数島 そうですね。その分今回の試合は注目を浴びているので、見てもらえる人が多くなれば分かってくれる人も多くなるので、その部分に関しては良いですね。
–数島選手の周囲も、いつもより温度感が違うということで、何か異変を感じたりはしていませんでしたか?
数島 皆んなには「なんで怒ってるん?」ってめちゃめちゃ聞かれます。
–ジムのチームメイトも異変を感じていますか?
数島 ジムの子たちは、僕がRISEに対して言いたい事を言ってんだろうなっていうのを分かってくれる人が多いので、周りのジムの子らもサポートしてくれたり、今回は相手も相手なので注目度も高いから、その分皆んな応援に来てくれるので、すごい良い状態ではあります。
–ご家族の方は心配されていませんか?
数島 家族には、会見ではじめに言った時は「いらんこと言わんでええねん」って怒られましたね(笑)。
–今は応援してくれていますか?
数島 やるからにはお父さんもお母さんも全面的にサポートしてくれているので、あとは僕がやるだけです。
–今回数島選手が那須川選手に勝って、王座を防衛することで自分の意見はさらにRISEに通るという風に思っていますか?
数島 これだけ言って負けたら、周りにもRISEにも口だけだったなと思われるので、ここでしっかり勝って実力を証明する事によって、自分の言っている事が正義になるので、絶対に負けられないですね。
–その正義、世間では怒りと受け取られている自分の意見というのをこの試合を通して押し通したいという気持ちは強いようですね。
数島 そうですね。やっぱり格闘技をやっていて強くなる事が1番だし、強いやつとどんどんやっていって、そこで実力を証明していきたいです。数字とかも大事だとは思うんですけど、エンタメ枠はエンタメ枠の団体に任せておいて、RISEはガチ路線をひたすら貫き通してほしいです。
–よくRISEはキックボクシング界の中でも選手層の厚い団体という風に受け取られる事が多いと思うのですが、その中で自分がチャンピオンであるという事の誇りはお持ちでしょうか?
数島 チャンピオンという自覚を持って行動も発言もしなければいけないと思っているし、僕のことを狙ってくるフライ級の選手は若い選手が多いので、その中でも実力を証明しなければいけないし、発言一つにしても自分の思っている事がブレたらあかんなと思います。
–プレッシャーというのは今感じていますか?
数島 そういうのは全然ないです。自分もチャンピオンだからといって1番強いと思っていないし、まだまだ強いやつがいるので、そこに対して追われているというよりは、自分がずっとその上の自分より強い選手を追っているような感覚なので、それは今までと変わらないです。
–今回王座防衛戦を果たしたら、挑戦者の那須川龍心選手と語り合える日が来ると思いますか?
数島 仲良しこよしでやろうとは思わないので、それはないですね。引退したらあるんじゃないですか。選手としてはリスペクトしているので、そこに対しての「ありがとうございました」っていうぐらいですね。
–決戦まであと1週間と迫りました。どんな王座防衛戦になると予想されますか?
数島 色んな展開は考えていますし、那須川選手もめちゃめちゃ強いので、そう簡単には試合が終わらないと思います。色々なことを想定してやってきたので、それをしっかり出すだけかなっていう感じです。
–ファンの方々はどんなところに注目したらよろしいでしょうか?
数島 僕は王者ですけど、初めから那須川龍心という選手を食うつもりでいくので、ファンの方には1ラウンド目から瞬き厳禁で見ていてほしいです。僕はチャンピオンであっても倒しにいくスタイルが1番自分に合っているので、1ラウンド目から全部奪う気持ちでいくので、注目していてほしいです。
–那須川龍心選手の女性ファンを全て奪うような気持ちはありますか?
数島 女性ファンというか、那須川龍心選手ファンからのアンチは結構来るので、そいつらを全員黙らせたろうっていう気持ちはあります。
–数島チャンピオン、メンタルが強いですね。
数島 試合前はSNSとかで周りの反響をあまり見ないんですけど、那須川選手と試合が決まってからはDMとかで個人的に来るタイプが多いんですよ。そういうのは通知が来るから見てしまうけど、所詮目の前で言われないからいいかって思っているので、強い方なのかもしれないです。
–DMは結構ネガティブなものが多いんですか?それとも数島選手を肯定するものが多いんですか?
数島 選手からの共感してくれるものが多かったですね。今まで僕は他のプロ選手との交流っていうのがSNS上で繋がっているくらいだったんですけど、僕の会見での発言に対して「僕もそう思います」とか、Xだったら何も関わりなかった人とかがいいねを押してくれていたりとか、そういう選手からの共感の方が多かったですね。だから皆んなが思っている事なんだろうなと思いました。
–数島選手が声を上げたことで、選手間に新たな連帯感が生まれたって感じですかね?
数島 僕は皆んなが言えなかった事を言うつもりはなかったんですけど、僕が発言した事によって皆んな思うところはあったんだろうなって言う部分は感じました。それがやっぱり数字にも出ていると思うので、そこに対しては何かが生まれたと思いました。
–これからもRISEに対して遠慮なく意見を言っていくつもりでしょうか?
数島 それはこの試合が終わったからといって、意見を言うのをやめるつもりはないです。もちろん試合ができることにありがとうございますっていう気持ちはあるんですけど、だからといってRISEさんって媚びるつもりはないですね。自分の思っていることは言おうと思うし、RISEは格闘技団体としてこうあるべきっていう事を僕は言っていきます。
–でしたら今回王座防衛を果たしたら、リング上からファンに向かって、もしくはリングサイドにいる伊藤代表に向かってマイクアピールすることもあり得ますね。
数島 試合に勝ったらリングで「RISEはこうあるべきだ」って伊藤代表の目の前で言ってやろうかなと思っています。
–今以上に過激なことを言おうとしていますか?
数島 過激というか言葉のニュアンスはしっかり考えて言いますけど、会場のファンとかも全員巻き込んで「こうあるべきやろ」っていう周りの反響も伊藤代表に眼の前で見せてやろうと思っています。
–そうしましたら今回の試合は今までの試合と少し違いますね。
数島 今回の試合は実力を証明できるチャンスですし、今までやってきた事を証明をする絶好のチャンスなので、本当に楽しみです。
–最後にチャンピオンの今回の防衛戦を待ち侘びているファンの方々にメッセージをお願いします。
数島 色んな事を発言してきましたけど、僕は那須川龍心選手はすごい強いと思っていて、リスペクトしています。リスペクトした上で全力でRISEもABEMAも那須川家も全員潰しに行くので、皆さん僕に期待してください。必ず勝つので応援をよろしくお願いします。キックボクサーは泣かないぜ!
久津輪将充インタビュー「自分がミスしなければ全然負ける相手じゃない。足元をすくわれないようしっかり地に足をつけて、やってきたことを冷静にやる」
–最近は名前が表に出てきましたけど、まだ名前を間違えられることもあるみたいですね。
久津輪 伊藤代表が名前を間違えていた(つくわと)ので、僕の名前を今回で覚えさせたろうと思っています(笑)。
–フルネームで覚えさせたいですか?
久津輪 そうですね。フルネームで覚えさせたいです。そこに関しては反骨心があるので、実力で証明してみせます。
–直近の試合は5連勝中、しかも3連続KOで倒していますね。
久津輪 KOの1発目は1dayトーナメントの初戦だったので、実際は2連続ですけどそんな感じですね。
–好調の要因はどのように分析されていますか?
久津輪 日々やってきたことがやっと実って、それが結果としてつながってきたと思います。ここ2,3年は格闘技に集中して、格闘技のことだけを考えてやってきたので、それが結果として出だしたと思います。
–実は隠れた大ベテランといいますか、4歳の頃からグローブ空手をやっていたんですよね?
久津輪 そうです。ジュニアの時はちゃんとやっていて、グローブ空手の色々な大会でトーナメントにも出たりして優勝もぼちぼちしていました。中学校に入ったくらいで1回辞めちゃって、あまり行かないようになってしまってブランクが空いたんですけど、そこから復帰して今やっと結果が出だしたって感じです。
–20歳で復帰するというのはかなり勇気が必要だったと思うのですが、そこでなぜ1歩を踏み出すことができたのですか?
久津輪 僕のジュニアの頃にやっていた子がプロデビューして、その試合に誘われて見に行ったんですけど、その子がKO勝ちした姿を見て、もう1回やりたいなと思わされました。
–7年くらいブランクがあったかと思うのですが、それは大丈夫でしたか?
久津輪 全然ダメですよ。ブランクもあったし格闘技と練習のことだけ考えていられたかと言われると、初めは週2回しか練習していなかったし、当然その練習量だったら勝てませんでした。デビューしたては1勝3敗とかで、本当に格闘技をやるかやらないかと考えた時に、やるんだったら本気でやろうと決めて、そこから勝てるようになりました。
–でしたら今は本当に格闘技中心の生活なんですね。
久津輪 そうですね。格闘技中心の生活でやらせてもらってて、合間で働いてって感じでやっています。
–今所属しているnine plus labはどんなジムなんでしょうか?
久津輪 トレーナーがいてミットを持ってもらっていて、施設を使わせてもらって、火曜日と木曜日はいっぱい出稽古に来てくれるので、スパーリングをさせてもらっているという感じですね。
–最近はどんな方とスパーリングをしているんですか?
久津輪 ここ2年くらいというか、ジムができてからずっとみんな来てくれているんですけど、火曜日だったら黒田斗真君とかのK-1勢が来てくれていて、木曜日は塚本望夢とか長谷川海翔が出稽古に来てくれて一緒にやっています。
–火曜日も木曜日もどちらも刺激を受けそうですね。
久津輪 みんな結果を出している選手たちばかりなので、そこからすごい刺激をもらったし、自分も絶対いけると思いました。
–今回の試合について、塚本選手長谷川選手にはどんな風に言われていますか?
久津輪 望夢に関しては僕の事をずっといじってきますね。“ツクワ”って伊藤さんが間違えたのも今日早速いじられていますし、そんな感じですよ。ポスターも落書きされたりメチャクチャですよ(笑)。
–ポスターはどんな風に落書きされているんですか?
久津輪 鼻と目の部分を塗りつぶされてて、「鼻毛、鼻毛!」って言ってますね(笑)。
–子供のいたずらのようですね(笑)。
久津輪 ほんとそうですね。まあ、まだ19歳ですしあんなのばっかりですよ(笑)。
–6連勝がかかっている今回の翔戦は、非常に重要な1戦だと思うのですが、九州在住の翔選手はどんなイメージでしょうか?
久津輪 近い距離で打ち合うファイターのイメージですね。試合は面白いですけど、普通にやったら勝てる相手だと思っているので、自分がミスしなければ全然負ける相手じゃないので、足元をすくわれないようにだけしてしっかり地に足をつけて、やってきたことを冷静にやろうと思います。
–現在ランキングは翔選手の方が7位で上ですが、勝ったら間違いなく久津輪選手もベスト10以内に入ります。
久津輪 勝ったら僕が7位ですよね。
–やはりまずはそのランキングを狙っていきますか?
久津輪 去年から10位以内に入りたいと、ランカーとやりたいと言っていて、ちょっと遅れたけど一桁のランカーと試合ができることになったので、やっと来たなって感じです。
–最近の試合でよく相手を倒している左ボディーフックは今回も火を吹きそうですか?
久津輪 武器はそれだけではないので、それが当たれば倒れるだろうし当たらなくてもそれ以外でも全然倒せると思っています。色々武器は用意していて、蹴りもパンチもできるのでよく見ておいてください。
–ちょうど前の大会でフェザー級のチャンピオンが安本晴翔選手に入れ替わりましたけど、今チャンピオンの背中は見えていますか?
久津輪 そこを見ていると足元をすくわれるかなと思って翔戦に集中しているんですけど、安本君とはチャンピオンだろうがチャンピオンではなかろうが戦いたいなと思っていました。打ち合えるしフェザーの中では面白い選手なのかなと僕は思っているので、純粋に安本君と戦いたいです。今回の勝ち方次第で近づけるかなと、意識はしています。
–今回良い勝ち方をして2025年に繋げたいですね。
久津輪 ここはバチっと勝って、良い年末年始を迎えたいですね。そのために集中してやっています。
–今年で27歳になったんですか?
久津輪 はい。ちょうど1ヶ月前に27歳になりました。
–27歳になって良い1年にしていきたいですね。
久津輪 それは毎年思っていますけど、27歳もそろそろ30代になるのでダラダラしていられないです。自分も崖っぷちでやっているので頑張ります。
–5連勝中ですけど崖っぷちですか?
久津輪 位置的にはRISEの13位なので、これで負けでもしたらまた下に落ちるし、年齢的に考えても崖っぷちですよ。僕が19,20歳とかだったら「全然まだまだこれから」って言えるんですけど、27歳だと「これから」とは正直あまり言えないですし、もう負けられへんって思っています。だから本当に人生をかけて戦っているので、頑張っていきます。
–最後に試合を楽しみにしているファンの皆さまにメッセージをお願いします。
久津輪 僕の試合はどの試合も面白いと思っていますし、誰とやっても面白くなるので期待しておいてください。絶対面白い試合をして絶対勝つので応援をお願いします。
髙橋聖人インタビュー「兄弟(髙橋亮)揃ってRISEの上位ランカーになって、そこからタイトル戦に絡んでいけるように頑張りたい」
–RISEのリングに上がるのは今回が初めてですよね?
髙橋 お兄ちゃん2人は出たことが有りますけど、僕だけまだ出たことがなくて今回で初RISE参戦になります。
–一眞選手や亮選手が戦っているところをセコンドから見ていて、どんな感情を抱いていましたか?
髙橋 キックボクシングの2大巨塔というか、大きな大会に出ていて、いつか僕も出てみたいと思っていました。まさかこのタイミングで出られるとは思ってなかったです。
–オファーが来た時の気持ちはどうでしたか?
髙橋 最初オファーが来た時は12月の試合で声をかけられていたんですけど、少し経った後に「11月に伊藤選手とどう?」って聞かれて、ランキング1位の選手なので美味しいなと思って即受けました。
–今も名前が出ましたけど、髙橋選手から見て伊藤澄哉選手はどのように映っていますか?
髙橋 1位の選手で実力もあって倒せる選手なので、ここはしっかり勝ちたいですね。
–伊藤選手はものすごく礼儀が正しい方ですが、プロでやる前は地下格闘技で戦っていました。髙橋選手は地下格闘技出身の選手と戦った経験はありましたか?
髙橋 ないです。
–その辺は楽しみな部分でもありますか?
髙橋 楽しみというか地下格闘技とかで、バリバリの打ち合いをするファイターかなと思っていたんですけど、映像を見るとそんな事はなくて、しっかりとテクニックもある強い選手だなと思いました。
–お兄ちゃん2人はこの1戦に関して何か言っていますか?
髙橋 とりあえず「1位の選手といきなりできるなんてめちゃくちゃええやんけ!」って言われました(笑)。
–当然今回も髙橋3兄弟で対策を練って練習されているわけですね。
髙橋 そうですね。お兄ちゃんとマスもしますし、ミットも持って対策してという形で練習しています。
–今は髙橋3兄弟でTRIANGLEというジムを作って、そこを拠点に練習しているとお聞きしましたが、ここで指導もしながら自分の練習もしているんですか?
髙橋 普段は指導もしながら合間に練習をしています。
–兄弟喧嘩にはならないですか?
髙橋 結構皆さんに「兄弟でやってて喧嘩しないの?」って言われるんですけど、僕らはならないですね(笑)。
–言い合いしたりとか胸ぐら掴んだりとかはないんですね(笑)?
髙橋 なったことないです(笑)。
–一応、主導権を握っているのは長男の一眞さんなんですか?
髙橋 主導権というのは得にないですけど、各々意見を出し合ってやっています。
–前のRISEの後楽園ホールで次男の亮選手が出ましたけど、この1戦はセコンドからどの様に見ていましたか?
髙橋 とりあえずお兄ちゃんも全然勝ちがなかったので、その前のRISEに出させてもらった時もKO負けしてしまって、復帰からの勝ちに関してはほっとしていますけど、試合内容とかは納得していないと思います。
–弟から見たらどうでしたか?
髙橋 僕が言うのも何ですけど、もっと良い試合ができたんじゃないかなと思いますね。勝ちに徹したじゃないですけど。
–来年以降、今回の試合を足掛かりにRISEのリングを髙橋兄弟で席巻したいという野望はありますか?
髙橋 僕も今回1位の選手とできるので、ここを勝ってランキングに入って、兄弟揃ってとりあえずはRISEの上位ランカーになって、そこからタイトル戦に絡んでいけるように頑張りたいです。
–聖人選手は今まで肘と膝ありの純粋な昔のキックボクシングをやっていたというイメージがあるんですけど、今のこのワンキャッチワンアタックのRISEルールへの対応というのはいかがですか?
髙橋 大丈夫です。肘を出さなければいいだけなので(笑)。元々そんなに肘を打つ選手でもないので、そこら辺は大丈夫だと思います。ただ5ラウンドの方が動き的には良いですけど、そこは調整して3ラウンドの試合を想定して練習しています。
–RISEだと5ラウンドはタイトルマッチになるので、そこまでの辛抱になりそうですね。
髙橋 できるだけ早く5ラウンドをやりたいです(笑)。
–今まですごく若いイメージがずっとありましたが、誕生日が12月1日という事でこの試合が終わったらすぐに27歳になるんですね。
髙橋 そうなんですよ。僕もずっと自分が1番若手だと思ってたんですけど、どんどん若い選手が出てきて年齢でいうと全然若手じゃない域に入ってきました。
–これからはその若い芽を潰しながらRISEのライト級の王座を狙っていくという事になりますか?
髙橋 もうそんなに若くもないので、1戦1戦を大事に勝っていって、タイトル戦線に食い込んでいきたいと思います。
–現時点で伊藤澄哉選手よりも自分の方が上回っていると思うところはありますか?
髙橋 蹴りは全般的に上回っていると思います。パンチがめちゃくちゃ強い選手なので、蹴りも打ってこないわけではないですけど、蹴りは自分の方が勝っている自信があります。
–蹴りを中心に注目してほしいですか?
髙橋 最近はパンチ主体の選手が多いですけど、その中でも蹴れる選手っていうのを見てもらいたいです。
–今ライト級のチャンピオンは同じ関西の中村寛選手ですけど、既に背中は見えていますか?
髙橋 初参戦なので何とも言えないですけど、ちょっとやらなあかんのかなって思わせるくらいの試合をしたいと思います。
–聖人選手は小学校2年生からキックをやっていると聞いたんですけど、そう考えるとかなりのベテランですよね。
髙橋 そうですね。小学校2年生からずっとやってますんで。
–という事は20年くらいという事ですね。
髙橋 もう20年近くもやっているんですね。
–中堅という枠を飛び越えて大ベテランじゃないですか。
髙橋 歴で言うと大ベテランになりますね(笑)。
–決戦の日まで差し迫っていますが、お兄ちゃん2人にはお尻を叩かれて最後の調整に励んでいる状況ですか?
髙橋 しっかり追い込みをかけてもらって、兄弟で頑張っています。
–次男の亮選手のSNSを見たら、1人で黙々と追い込んでいるようなイメージがあったのですが聖人選手はどうですか?
髙橋 僕は1人でやる時もあればお兄ちゃんたちと一緒に追い込んでやる時もあります。
–高橋三兄弟は大阪でもかなり郊外の猿やたぬきが出る山の中にお住まいでしたけど、今はどちらにお住まいなんですか?
髙橋 今はジムの近くに引っ越してきて、前の所からは離れたところに住んでいます。
–兄弟は別々に住んでいるんですか?
髙橋 そうですね。3人別々です。
–昔はほとんど自分の部屋に行かないで、リビングに皆んなで過ごしていると一眞さんが仰っていましたが、今は寂しくないですか?
髙橋 僕は寂しくないですけど、親は寂しがっていると思います(笑)。
–時々実家には帰っていらっしゃるんですか?
髙橋 月に1,2回は帰っていますね。
–今回の試合をご両親も楽しみにしているんじゃないですか?
髙橋 いきなり良い試合を組んでもらえて喜んでいると思います。
–最後に髙橋聖人選手のRISEデビュー戦を待ち侘びていた、髙橋選手のファンと聖人選手を初めて見るRISEファンの皆さまにメッセージをお願いします。
髙橋 RISEファンの皆さま初めまして。髙橋聖人です。RISE初参戦で試合をさせてもらいますが、相手は1位の伊藤澄哉選手で強いんですけど、ここでしっかり勝っていきなりトップランカーの位置まで上り詰めるので、ぜひ会場に来て応援をよろしくお願いします。
那須川龍心インタビュー「いかに注目度を高めるか、求心力を高めるかっていうところが大事だと思う。僕はそこをやってきた自負があるので、優遇されてるとかは言われたくない」
–今日は可愛い髪型をされていますね。
龍心 まじですか。ちょっと短くしたらオン眉みたいになっちゃいましたね。
–試合のために短くしたんですか?
龍心 そうですね。少しでも判定に影響がないように(笑)。
–短い方が判定には好影響ですか?
龍心 どうですかね。分からないですけど勝つために短くしました。
–最近のSNSを見ていると毎日を楽しく過ごしているみたいですね。
龍心 本当に楽しいですね。調子良い時と悪い時の波があるので、それがあるから自分の中の正解を日々見つけていく感じがすごい楽しいです。
–調子が悪くてもポジティブになれるというのは、やっぱりタイトル挑戦というゴールがあるから前向きになれるんですか?
龍心 失敗して終わりというわけではないので、これをどう次の練習に活かして良くしていこうって感じでやっているので、その時調子が悪くても「明日はどうしよう」って感じなので、それがあるから楽しいです。
–そのポジティブシンキングはお兄ちゃん以上ですかね?
龍心 このポジティブは自分の中の考えの一つなので、兄以上かは分からないです。
–以前からそこまで強くポジティブに考えられていたわけではないですよね。
龍心 元からこういう感じですけどね。そこまで深く考えるタイプではないので、ずっとこんな感じですよ。
–そこは兄弟揃って精神的にファイター向きですね。
龍心 ありがとうございます。
–この間まで田丸辰選手とスパーリングをやっていたんですね。
龍心 昨日1回だけやりましたね。
–結構田丸選手の顔が腫れていましたね。
龍心 良いパンチが何発か入ったので、それで腫れたらしいです。
–田丸選手とのスパーリングはどうでしたか?
龍心 昔ちょっとやったことがあったくらいで、それ以外はそんなにやった事がなかったので、試合みたいな感覚で良い経験ができました。
–田丸選手とやることで自分の成長を実感できる部分もありましたか?
龍心 辰は5ラウンドの経験がすごいあるので、そこに対する意識とか気を付けるポイントとかも教えてもらって、楽しかったしすごく良い練習になりました。
–“5ラウンド”という言葉が出ましたが、今回はタイトルマッチなので5ラウンドまでもつれ込む事も想定しているわけですか?
龍心 そこまで倒しにいこうと思っているわけではないし、5ラウンドが初めてなので、想定しておかなければいけないと思っています。だけどタイミングが合えば倒しにいきますし、本当にタイミング次第ですね。5ラウンドを通して倒しにいきます。
–5ラウンドをフルに使うパターンや途中で倒しにいくパターンなど、色々なパターンを考えているんですね。
龍心 自分の中の良いパターンとこうなったら悪いパターンになるなとか、そういうパターンは用意しているというか、イメージはしていますね。
–SNSでお兄さん(天心)とのスパーリングもアップされていましたけれど、お兄さんとのスパーリングでも成長を実感する事はできましたか?
龍心 スパーリングというよりはマスでしたけど、要所要所で「こうした方がいい」と教えてくれたので、そこのポイントを意識して今練習しています。
–以前、那須川天心選手に龍心選手の話を聞いた時に「覚えるのが早くて、飲み込みも早い」と言っていたのですが、それは自分でもそう思いますか?
龍心 覚えるのが早いというか、天心と僕は兄弟なので感覚がすごい似ているんですよ。だから言っている事が自分の中に入りやすくて、それが理解の早い要因なのかなって思います。
–お兄さんと似ている部分があるから、お兄さんの言葉が余計に自分の心に刺さるわけですね。
龍心 刺さるというか分かりやすいですよね。スッと入ってくる感じがします。
–今回タイトルを獲得する事ができたら「自分の見られ方も変わる」っていう発言をしていたと思います。これはタイトルを獲る事によって、“那須川天心の弟”からの卒業という意味合いもあるのでしょうか?
龍心 ぶっちゃけたことを言うと、獲ったとしてもそこは変わらないと思うんですよ。“那須川天心の弟”というのはずっと言われると思います。だけどタイトルを獲る事によって、自分の発言力や説得力が増して、発言したことに重みが出てくると思うんです。今後自分がRISEやキックボクシングをどうしていきたいっていう発言がしやすくなるので、タイトルを獲りたいです。
–トップランカーとチャンピオンだと発言力は違ってきますよね。
龍心 全然違いますし、ベルトを持っていればあまり舐められることもないと思いますし、そこの戦いなのかなと思いますね。
–ここ1年の那須川選手の活躍と記録を見たら、誰にも舐められないんじゃないですか?
龍心 全然言われますね。
–まだ言われるんですか?
龍心 比べられるのが天心なので、自分が結果を残しても天心も結果を残しているので、そこはずっと比べられて言われますよね。
–チャンピオンの数島選手がSNSで「龍心選手は優遇されている」っていう事を言っているじゃないですか。あれはぶっちゃけどういう風に捉えていますか?
龍心 なんで優遇されているのかを分かっていないんじゃないですかね?理解していないでその場の感情で喋っちゃっているんだろうなって感じですね。大人なのに(笑)。
–今の時代のファイターだったら、試合だけではなくてSNSを駆使したり、自分やその競技を拡散する努力をしなければいけないという事ですか?
龍心 そうですね。やっぱりそういう事もしていかないとRISEの認知度も上がらないと思いますし、キックボクシングの認知度も上がらないと思うんですよ。どこでいかに注目度を高めるか、求心力を高めるかっていうところが大事だと思うので。僕はそこをやってきた自負があるので、優遇されてるとかは言われたくないですね。
–あとは試合で評価してほしいという事ですね。
龍心 メディアばかりに出て、試合で負けているわけではないじゃないですか。結果は残してきていると思うので、「どっちも揃っているから良くない?」って思っちゃいます。でも今回ベルトを獲って一気にひっくり返ると思うので、楽しみですね。
–ちなみにRISEのチャンピオンベルトは、他の人のチャンピオンベルトを触ったりした事がありますか?
龍心 触ったことはないかもしれないですね。
–お兄さんのベルトも触ったり腰に巻いたりしたことはないですか?
龍心 触った事はあるかもしれないけど、腰に巻いた事はないですね。
–それは来るべき日のために取っておいたんですか?
龍心 いや、そこまで考えてなかったです(笑)。
–ベルトを獲ったら、ずっと腰に巻いておくとか枕元に置いておくとか、その日にどう扱おうかとか考えていますか?
龍心 どうしたらいいか分からないけど、獲った後に考えようかなと思います。
–ちなみに今回の試合について、那須川代表はどういう風に受け止めていますか?
龍心 「お前が今やっている、俺が今教えている動きが完璧にできれば圧倒できるよ」と言われました。
–その言葉通りだと思いますか?
龍心 そうですね。今やっている事がハマればすげえ圧倒できると思います。でも今回ギリギリで勝つのではなくて“圧倒する”というのが自分の中のテーマなので、圧倒して完膚なきまでにボコボコにしてぶっ倒してやろうと思います。
–ベルトを獲ったら18歳での戴冠になりますが、18歳というのは予定通りでしたか?
龍心 遅いなと思いますけど、そう思いつつここまでやって来たなっていう実感はあります。
–現時点でチャンピオンの数島選手よりも、自分が上回っている事をアピールできる点はどこになりますか?
龍心 スピードもそうですし、技術やテクニックという部分もそうですし。パワーは相手の方がKOで倒しているので、そういう所は相手の方が上回っているなと思いますけど、それ以外のスピードや技術は自分の方が上回っていると思うので、あとはメンタル勝負で気持ちで勝とうと思っています。
–最後にファンの皆さまへ熱いメッセージをお願いします。
龍心 今回しっかりベルトを獲って、自分がベルト巻いていた方がより良いベルトになると思うし、より良い団体になると思います。自分がベルトを獲って、キックボクシングとRISEの認知度を上げていきます。絶対にベルトを撮るので応援をよろしくお願いします。
■ RISE183
日時;2024年11月23日(土祝)開場17時/本戦開始17時15分予定
会場:東京・後楽園ホール
<メインイベント(第10試合) RISEフライ級(-51.5kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R>
数島大陸(王者/及川道場)※初防衛戦
vs.
那須川龍心(挑戦者/TEAM TEPPEN/同級1位)
<セミファイナル(第9試合) バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R>
京谷祐希(TEAM TEPPEN/同級5位)
vs.
長谷川海翔(誠剛館/スーパーフライ級4位)
<第8試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R>
伊藤澄哉(戦ジム/同級1位)
vs.
髙橋聖人(TRIANGLE/元NKBフェザー級王者)
<第7試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R>
北井智大(チームドラゴン/同級2位)
vs.
塩川琉斗(TOP STAR GYM/同級3位)
秀樹(新宿レフティージム)引退セレモニー
<第6試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R>
翔(REVOLT/同級7位)
vs.
久津輪将充(RMC/9+nine plus lab./同級13位)
<第5試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R>
寺山遼冴(フリー/同級17位)
vs.
KING龍蔵(ROYAL KINGS/第3代DEEP☆KICK-57.5kg王者)
<第4試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R延長1R>
岩郷泰成(EX ARES/同級7位、AJKN日本スーパーフェザー級王者)
vs.
GUMP(TEAM TEPPEN/第9代DEEP☆KICK-60kg王者)
<第3試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R>
和田哲平(日本/FASCINATE FIGHT TEAM/第5代DEEP☆KICK-65kg王者)
vs.
狂狼(台湾/TKBA/PUNCHUP)
<第2試合 ミニフライ級(-49kg) 3分3R延長1R>
登島優音(日本/NEXT LEVEL渋谷/同級5位)
vs.
ワン・チンロン(台湾/TKBA/PUNCHUP/同級7位)
<第1試合 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R延長1R>
星憂雅(IDEAL GYM/同級7位、初代KROSS×OVER KICK -53kg王者)
vs.
山田貴紀(山口道場)