初の計量オーバー国崇KO敗!ミネルヴァタイトル 日泰団体対抗戦「NJKF 2024 west 5th」

写真&レポート:高崎計三
 10月27日(日)、岡山・倉敷市真備町のマービーふれあいセンターで、NJKF拳之会主催興行「NJKF 2024 west 5th」が開催された。今回も2018年西日本豪雨の真備町復興支援を掲げ、収益金から寄付が行われた。今回、大トリに組まれたのは、4月の復帰戦でKO勝利した国崇の国際戦。当初予定されていた対戦相手クァク・リョンピョの負傷により、RAONジムのユン・ドクジェとの対戦となった。ユンはこれまでにKTK57kg級、MAX FC55kg級のタイトルを獲得しており、昨年9月のNJKF大阪大会でJyoseiをハイキックでKOしている他、韓国では竹内賢一、MOMOTAROに勝利している強豪。2019年にはRISEにも参戦し、鈴木真彦と対戦している。セコンドには同門のチャンヒョン・リーがついた。連勝が期待された国崇だったが、前日計量で760グラムオーバーとなり、計量をパスできず。競技の結果、2点減点及びグローブハンデのペナルティーが科された上での試合決行となった。国崇は2000年のデビューから108戦目で初の体重オーバー。拳之会の小川春彦会長によると、「アマチュアも合わせて200戦以上の中でも初めて」という。その会長の「倒すしかないからな!」という声を背に試合に臨んだ国崇だったが、1R、右オーバーハンドと左フックで2つのダウンを食らい絶体絶命に。ローやカーフ、ボディストレートを中心に攻めてくるユンを相手に、やはり本調子でない様子が感じられる。勝負は時間の問題かとも思われたが、2Rに入ると国崇はローを中心に攻め、得意の左ボディも繰り出す。ユンはボディストレート、ハイキックなどを出し、ややローを嫌がる場面も。3Rもユンの攻めに対し、国崇はローから左ボディをヒット、ヒジを見せる場面も。3Rまでの判定は30-25、29-25、30-24でユン。客席からは国崇の逆転勝利を願う声援が飛び交う中、4Rにはローからさらに左ボディを繰り出す国崇だが、ユンはその左ボディに右ヒジを合わせ、またダウンを奪う。さらに右ボディで国崇がうずくまると、レフェリーは試合をストップ。ユンのTKO勝ちとなった。勝ったユンは、国崇の体重オーバーにも「選手としてはやってはいけないことですけど、あり得ることですし、自分もレジェンドの国崇選手と戦いたかったですし、日本で試合がしたかったので、試合を受けました」とのこと。試合については「レジェンドを相手に緊張しましたが、怯えることなく練習通りに技を出せました。同じRAONジムのイ・ソンヒョン選手やチャンヒョン・リー選手が12月にRISEの大きな大会に出るので、自分もそういう大会に出たいですし、これからも日本で戦いたいです」と語った。国崇は4月の佐藤亮戦で拳を負傷し、練習できない期間に通常体重が増えたことがオーバーの要因で、そのための調整不足もあったという。 
 2025年の拳之会主催興行はすでに4月20日の岡山コンベンションセンター、10月16日のマービーふれあいセンター大会が発表されているが、ここまで地元興行を引っ張ってきた国崇がどう再起を図るかにも注目される。
 今大会では第4試合に出場した三宅美優を含め、拳之会から出場した3選手が全員KO負けという、23回目の同ジム主催興行の歴史の中でも初の事態となった。来年4月と10月の主催興行も含め、彼らの再起が期待される。

■ NJKF拳之会主催興行23Rd ~NJKF2024 west 5th~
日時:2024 年10月27日 (日)開場12:30 / 開始13:00
会場:マービーふれあいセンター (岡山県倉敷市真備町箭田40-1)
主催:NJKF拳之会 ファイトプランニング
認定:ニュージャパンキックボクシング連盟
お問い合わせ:NJKF拳之会 TEL (086)426-5560
拳之会mail:kobushi@nifty.com

<WメインイベントⅡ 日韓国際戦 58kg契約 3分5R ヒジあり>
●国崇 (NJKF拳之会) WKAムエタイ世界フェザー級王者
 4RTKO 2分15秒
○ユン・ドクジェ (韓国) 元KTK57kg級王者 ※クァク・リョンピョ(韓国/ソルボンジム)より変更
 ※国崇は計量オーバーにより減点2、グローブハンデ

<WメインイベントⅠ NJKFミネルヴァ ライトフライ級王座決定戦 3分3R>
●美斬帝 (テツジム) ミネルヴァライトフライ級1位
 判定0-3 (29-30、29-30、28-30)
○MARI (ナックルズGYM) ミネルヴァライトフライ級2位

 Wメインイベント第1試合はNJKFミネルヴァ・ライトフライ級王座決定戦で、過去にミネルヴァのアトム級、ピン級王座を獲得している同級2位のMARIが3階級制覇を目指して、同級1位の美斬帝と激突。MARIはこれが約1年ぶりの復帰戦でいきなりの大勝負となったが、これまで幾度も挑戦しつついまだベルトを巻けていない美斬帝も初戴冠に意欲を燃やしているだけに、両者には多くの声援が集まった。1R、序盤から前に出てカーフやパンチを出してくる美斬帝に、MARIはパンチで応戦、組んでのヒザも繰り出す。その中で美斬帝も距離を取るとパンチを返していく。2Rになると打ち合いの場面が増え、美斬帝のパンチがヒットする場面も。だが全体には上段前蹴りなども交えて攻めるMARIが優勢で、2R終了時の判定は3者とも20-19でMARIを支持。3Rにはさらに打ち合い中心の展開となり、美斬帝も最後まで攻めの姿勢を見せたが、判定は30-29が2人、30-28が1人の3-0でMARIに。MARIが復帰戦で勝利し、3階級制覇を成し遂げた。ベルトを巻いたMARIはマイクを持つと「ケガして1年ぶりの復帰戦で、しかもタイトルマッチになって不安な部分もけっこう大きかったんですけど、皆さんの応援のおかげで獲ることができました。3階級制覇することができて、同じベルトなんですけど、一番重さを感じます。打ち合いの中でも『絶対負けない』という気持ちで戦いました」とコメント。さらに試合後には「久々の復帰戦で、力が入って疲れました。打ち合いの中では、自分の方が若干当てているかなという実感はありました。今後は、3階級制覇に実力が伴うようにしたいのと、まだ世界タイトルに挑戦したことがないので、そのチャンスを掴めるように頑張っていきたいです」と、早くも次の目標を掲げていた。

<セミファイナル 日泰国際戦 57kg契約 3分5R ヒジあり>
○ダウサヤーム・ウォーワンチャイ (ウォーワンチャイプロモーション) 元ラジャダムナン スタジアム認定Sフライ級6位
 1RTKO 1分32秒
●庄司理玖斗 (NJKF拳之会) NJKFスーパーバンタム級6位

 セミファイナルには拳之会のホープ、庄司理玖斗が登場。4月大会では初の国際戦で中国人ファイターに勝利し、「国崇越え」を掲げている庄司だが、今回は元ラジャダムナン・ランカーのダウサヤーム・ウォーワンチャイとヒジあり5回戦で激突。初のタイ人との対戦に意気込んだが、開始早々からパンチを振るってくるダウサヤームにヒジを食らうと、おびただしく出血し、ドクターチェックを経てレフェリーがストップ。庄司はムエタイの壁の前に地元で初の敗北を喫する結果となった。

<第8試合 NKB・NJKF団体対抗戦 バンタム級 3分5R ヒジあり>
●則武知宏 (テツジム) NKBフライ級1位
 3RTKO 2分33秒
○山川敏弘 (NJKF京都野口ジム)

<第7試合 交流戦 62kg契約 3分3R>
○平尾一真 (Blaze)
 3RTKO 2分10秒
●平田大輔 (平田道場)

<第6試合 交流戦 72kg契約 3分3R>
○本野有哉 (照道会)
 2RTKO 2分54秒
●磯村真言 (グラップリングシュートボクサーズ)

<第5試合 交流戦 スーパーバンタム級 3分3R>
●大村絆人 (魂心舘)
 判定0-3 (28-30、28-29、27-30)
○丹孔志狼 (NJKF心将塾)

<第4試合 NJKFミネルヴァ スーパーフライ級 2分3R>
○上野hippo宣子 (ナックルズGYM) ミネルヴァスーパーフライ級2位
 3RTKO 2分06秒
●三宅美優 (NJKF拳之会)

<第3試合 NJKFミネルヴァ バンタム級 2分3R>
○珠璃 (闘神塾) ミネルヴァ スーパーバンタム級5位
 判定3-0 (30-29、30-28、29-28)
●MEGUMI☆KICK SPARK (KICK‐SPARK)

<第2試合 交流戦 60kg契約 3分3R>
○崇斗 (HAKUBI GYM)
 判定2-0 (30-29、30-28、29-29)
●中川滉基 (一神會館)

<第1試合 NJKFミネルヴァ 59kg契約 2分3R>
○RIKI (VERSUS)
 判定3-0 (30-28、30-27、30-26)
●日立 (NJKF GRABS Kickboxing)
 ※日立は計量オーバーにより減点2

アマチュアキックボクシングNEXT☆LEVEL提供試合
<OP第2試合 NEXT☆LEVEL 62kg契約 1分30秒3R+ex1>
○宮地龍我 (OU-BU GYM)
 2RTKO 18秒
●赤城卓 (FORCE GYM)

<OP第1試合 NEXT☆LEVEL 55kg契約 1分30秒3R+ex1>
○村上剣心 (闘神塾)
 2RTKO 1分15秒
●梶原一晃 (BOSS GYM)