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9月17日(現地時間)にメキシコ合衆国イダルゴ州パチュカで『AAAアレナ・アフィシオン』興行が開催された。
メキシコの二大ルチャリブレ団体のひとつAAA。1992年、CMLL(当時の団体名はEMLL)のブッカーを務めていた故アントニオ・ペーニャが独立し、メキシコシティに設立して旗揚げ戦を開催した。アメリカンプロレスを意識したエンターテイメント性の強いプロレスを推し進めてメキシコを基盤に南米やアメリカへの人気を獲得していく。
今大会は、なんとメインでレジェンド同士のカベジェラ・コントラ・カベジェラ(敗者髪切りマッチ)が行われた。ルチャリブレの世界では、覆面を賭けるマスカラ戦が最高峰で次いで、髪の毛を賭けるカベジェラ戦がビッグマッチだが、それを御年66歳のマスカラ・アニョ・ドスミルとエル・オリエンタル51歳で行う事になったのだった。
ドスミルは紀元二千年仮面と呼ばれ、兄シエン・カラス、弟ウニベルソ・ドスミルと組んだダイナマイト兄弟として、1980年代から2000年代にかけて、CMLL、AAAを又にかけてトップ選手として君臨。60年代からのトップ選手であった大物アニバルの覆面を奪う実績があるが、AAA最初のトリプレマニアで、長期に渡り抗争を繰り広げていたペロ・アグアヨとのマスクと髪の毛を賭けた大一番で、セコンドのウニベルソ・ドスミルがレフェリーと揉めている間にアグアヨの反則ローブローを食らいまさかの敗北で覆面を脱いでいる。
オリエンタルも同じくレジェンドで、日本でも活躍したルチャドールだが、プロモシオネス・グティエレス1 周年記念ショーで、あのミスティコに敗れ覆面を脱いでいる。従って今回は、髪の毛を賭けた大一番となったが、試合は、まず一本目、ドスミルがセコンドと同士討ちして隙が出来た時に、オリエンタルがラ・マヒストラルで丸め込んで先取。続く二本目は、場外での攻防となると、やはりルード(悪役)として活躍してきたドスミルが老獪にペースを握り、リングに戻るとジャベを極めて、ドスミルが取り返した。そして運命の三本目、年齢を感じさせない激しい展開の中、ドスミルはセコンドの介入や反則のローブローを繰り返すが、怒ったオリエンタルのセコンドが逆にドスミルにローブローをしてオリエンタルにフォールさせた。しかし、レフェリー不在の中のスリーカウントは当然、認められず、試合続行。最後はドスミルがオリエンタルのムーサルトを自爆させた後、ジャベを極めて勝利。ドスミルの勝利となり、オリエンタルは丸坊主となった。
■ AAA アレナ・アフィシオン
日時:2024年9月17日(現地時間)
会場:メキシコ合衆国イダルゴ州パチュカ・アレナ・アフィシオン
<カベジェラ・コントラ・カベジェラ>
○マスカラ・アニョ・ドスミル
2-1
●エル・オリエンタル