［週刊ファイト3月21日号］収録　［ファイトクラブ］公開中

▼新日『NJC 2024』開幕！ファンタズモ、成田蓮、本命・辻陽太2回戦へ
　photo & text by 西尾智幸
・試合巧者ファンタズモの期待を裏切らない闘い
・ただ決着は地味なフィニッシュ＝ファンタズモ
・成田蓮H.o.Tの力を借りて勝利も観客ストレス
・辻陽太コブの猛攻を耐え逆転勝利
・陽太試合後にマイクを取り優勝宣言
・ニューマン第2のWオスプレイになるか？

新日『NJC 2024』開幕！ファンタズモ、成田蓮、本命 辻陽太2回戦へ

■　ニュージャパンカップ2024
日時：2024年3月10日（日）　16時開始
会場：兵庫・ベイコム総合体育館(尼崎市記念公園総合体育館)
観衆：2476人

　今年も、ニュージャパンカップの季節がやってきた。2階の後部や1階の一部は空席があったとはいえ、しっかり入っているように見えた。公式発表では2476人と思ったより少なめ。
　満員マークもなく、過去の札止めと比較すると、1500人～2000人くらいは少ない。まあ、昭和だったらこれくらいでも、超満員5000人くらいになっていたと思うが(笑)。
　近年は、消防法も厳しくなり実数に近いことも多い。
　今回は、トーナメント戦が3試合。正直、記者にはどの組み合わせにも魅力はなく、ただ目の前の試合が面白いと思えれば、ああ面白かった！満足！　となるだろうと軽い気持ちで臨んだ。

《第6試合　NJCトーナメント1回戦　時間無制限1本勝負》
○エル・ファンタズモ
　13分21秒　十字固め
●マイキー・ニコルス

　まずは、外国人同士の闘い。すでに誰と誰がやるんだっけ？　程度の感じでいたのだが…。
で、ああファンタズモか！　と思った段階でちょっと期待があった。実は、クスっと笑えるコミカルで憎めない人間味のある部分と、別に天性のバネであっと驚くほどに軽く宙に舞う。過去にも期待していなかったが、特にシングルは案外面白かったとなることが幾度とあったのだ。
　ファンタズモのセコンドには、この日試合がないザック・セイバーJr.が付き、マイキーには邪道が付いた。そして、ゴング！　ロックアップ、そしてヘッドロックやショルダータックルとオーソドックスな展開からスタート。

　とにかく、ファンタズモの巧さが目立った。どこからでも飛んでくる長距離飛行。そして、受けに回った時も、そのバネを生かし試合を面白くする。マイキーのラリアットでの吹っ飛び方など、素晴らしいものがあった。
　最後は、返し返されのフォール合戦を繰り返し、ファンタズモが3カウントを奪ったが、ちょっとジュニアや女子ほど軽快なリズムでもなかったので、最後は盛り上がりに欠け、あっけなく終わってしまったかなという感じではあったのだが。
　ただ、個人的には、この先もビッグマッチでのファンタズモのシングルは期待したいし、前哨戦では有利に進めていたマイキーの健闘も称えたい。

《第7試合　NJCトーナメント1回戦　時間無制限1本勝負》
○成田蓮　
　18分54秒、ダブルクロス⇒体固め
●タイチ

　成田蓮はもともとレスリング経験者で、鈴木みのる率いるストロングスタイルにも所属。今は、H.o.Tとはいえ、NJCトーナメントだし、それなりに好勝負になるかなと試合前に期待してしまった記者だったが、あーあー！　で終わってしまった。その空気は、会場の全体でも感じられた。
　まあ、ヒールだし乱入は流れの一環としよう。ただ、最初は悪事を働かせて有利に立ち、仮面ライダーを苦しめたとしても、最後にショッカーは、負けるものである。
　なのに、やりたい放題でショッカーが勝ってしまっては、観客はストレスのみである（成田ファンはそれでいいのだろうが…）。　

《第8試合　NJCトーナメント1回戦　時間無制限1本勝負》
○辻陽太
　21分41秒　ジーンブラスター⇒片エビ固め
●ジェフ・コブ

　3試合の中では、ここが見ごたえあるのかなぁと…。メインだしね、どっちが勝ってもおかしくないから、先入観なしで観ようと思った。
　ゴングが鳴り、お互いに自分のコールの大きさを気にする。コブが辻をロープに詰めると、髪の毛を触り「髪ノ毛、ショッパイネー」と日本語でいうと、会場は沸いた（受けた笑）
　前半は、コブの凄さが際立った。序盤から場外のコブにトペ・スイシーダを敢行した辻だが、見事にキャッチして、そのままエプロンに叩きつけたのには、会場がどよめいた。
　後方へのスープレックスも辻の巨体を軽々と放り投げる！