[ファイトクラブ]蛇の穴 伝説の“キャッチ・アズ・キャッチ・キャン”が屋外で再現された!!

トップ画像:ライレージム京都の松並代表とその生徒達
[週刊ファイト3月14日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼蛇の穴 伝説の“キャッチ・アズ・キャッチ・キャン”が屋外で再現された!!
 photo & text by 藤井敏之
・決着が着くまで2時間や3時間もかかることがザラにあった”蛇の穴”再現
・子供たちも徐々に野原に馴染んで:松並代表と生徒達によるスパーリング
・子供たちが多く参加し、時間が経過するのも忘れるぐらいの反響があった


 ヴィクトリア時代のイギリス、あのビリー・ライレージムがあったウイガンは炭鉱の町で、住民の多くは地元の産業である炭鉱夫として働いていた。厳しい環境下で鍛えられた筋骨隆々の男たちは、過酷な仕事から脱却する為にレスリングを学んでいたという。
 レスラー同士が、ジム関係者らが、あるいはたまたま居合わせた客達が、パブやホテルに併設されていたボウリング(芝の上でやるカーリングのようなスポーツ)のボウリング・グリーンや広場の土の上で、週末にお金を賭けて試合が行われる事が多かった。

 縛られるルールもなく、決着が着くまで2時間や3時間もかかることがザラにあったと聞く。まさに1987年10月4日、アントニオ猪木とマサ斎藤が“巌流島の戦い(2時間5分14秒 猪木TKO勝ち)”として行ったような試合が日々行われていたのだ。

 そんな格闘ロマンを現代に甦らせるべく、ライレージム・京都の代表である松並修代表が当時の雰囲気を再現しようとして動いた。

 場所は、ジムから程近い“Enjoyfarm Tray”の地主さんの畑。毎年、冬野菜などの収穫を終えた後から次の春野菜の種付けまでの間、週末の限定日にそこを解放して、子供達に色々な体験をしてもらえたらという企画があるという。
 そのことを聞き、現代プロレス及びオリンピック・レスリングの原点であるcatch-as-catch-can Wrestling を、当時の雰囲気で体験してもらう事により子供たちにレスリングに興味を持ってもらえば、ということで先日(2024年3月2日)、ライレージムの生徒達を引き連れイベントに参加した。

▼畑の上にブルー・シートをひき会場のセッテイングを行う様子

 当日は雪がチラチラ降る時もあったが天候には恵まれ、畑の土の上に青いシートを引き、その上でスクワットなどの基本練習からスタート。最初、子供たちは向こうで行われている球技のほうに関心を示し、遠目で彼らの様子を伺う感じであった。
 その後、スタンドの攻防だけ、そしてグランドの攻防だけの制限付きスパーリングを開始、徐々に熱を帯び始める。やがて試合と同じスパーリングを互いに相手を替えながら2~3分、レベルを上げ5分~10分と行うにつれ、その迫力に興味を持ち始めたのか子供たちが、僕たちにも試合をさせて欲しい!! と徐々に集まって来た。

▼松並代表と生徒達によるスパーリングの様子。徐々にマットに馴染んできたようだ

 松並代表のレフェリーの元、二人ずつスパーリングまがいの試合をし始めたのだが、見様見真似かそれとも他のスポーツを体験していたのか、レスリングに順応して試合をするのである。しかも、喧嘩まがいではなくお互いを気遣い、技量を測りながら対戦するのには驚いた。

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