–今日はRISEの公式YouTubeチャンネルの企画で、2月大会の見どころをインタビューさせていただきます。2月23日「RISE176」のコンセプトや見所をお伺いしたいのですが、今回の大会はすごく若い選手が多い大会になりましたけど、改めてこの大会がどんな大会になったのかを教えていただけますか?
伊藤 21周年目の大会なんですけど、将来を担う若い選手を集めました。
–いろいろマッチメイクのタイミングもあったと思うんですけど、偶然こういうメンバーが2月に揃った感じなんですか?
伊藤 そうですね、ビッグマッチが3月17日にあるのですが、昨年も旗揚げ記念日は若手中心のマッチメイクをしました。それですごくいいイベントができたので、今年も昨年と同じようなマッチメイクをしてみたいと思いました。
–こういう記念の大会で未来を担う選手たちで一つの興行ができるという事はいろんな思いもあると思うんですけど、その辺はどうですか?
伊藤 やっぱり数年後には彼らがRISEのメインを張ってくると思うので、そういう意味でも2月23日はやる意味がありますね。
–昔の大会や歴史を振り返ると、若い選手とかまだあまり日の目を見なかった選手たち、あとは地方の選手とかそういった選手たちを積極的に呼んで試合を組んでいた印象があります。その辺は伊藤さんも意識されていたんですか?
伊藤 若い選手とか地方とかは特になくて上がってきた選手たちがたまたま地方で、若い子たちはアマチュア大会の「RISE Nova」があって、その後また育成の試合があってRISEに出るので、エスカレーター式に上がってくるシステムになっていて、その中に関西の子や地方の子がいたって感じです。
–伊藤さんもいろんな選手たちを見てきたと思うんですけど、今の若い選手の特徴とかよく目につく所っていうのはどんなところにありますか?
伊藤 とにかく上手いなっていうのはあります。今はいろんな選手の試合を映像で見て学べるし、練習の仕方もあるでしょうし、いろんな情報がいっぱいあるじゃないですか。その部分でいろんな吸収するものがあるんじゃないかな。
–例えばアマチュアの試合とかを見てて「もうこんなレベルなんだ」って驚くことはありますか?
伊藤 本当にもう子供なんかすごいですね。僕らの時代のレベルとは雲泥の差です。
–みんなプロになれるぐらいの感じですか?
伊藤 今の子達は僕らの時代だったらデビュー戦でタイトルマッチ出来るレベルですよ。
–そういう上手さもある中で、さらに最近思うのが少し前は上手いというかポイント取るのが上手い選手が多かったところに、最近倒せるとかKOする力を持った選手たちも出てきたのかなと思うんですけど、その辺は感じますか?
伊藤 数年前までは本当に上手い選手で、でも倒せないっていうのが多かったです。ここ最近はそこにプラスして倒していく、RISEが求めてるものに対して答えてくれる選手が増えてきました。
–それは単純なパワーではなく戦う姿勢ということでしょうか?
伊藤 リスクを背負うことによって倒せると思うんですけど、そこを行けるかどうか。そういう選手がお客さんを感動させられると思うんですけどそういう選手が増えてきましたよね。
–さっきのシステムだけじゃなくてRISEの戦い方みたいなものも、若い選手や今の選手たちに浸透してる感じですか?
伊藤 RISEは白黒しっかりつける大会だと。もちろんKOが良くて判定だったらダウンの1個、2個。昨年の試合が180弱あったんですけど、そのうちKOが68試合ぐらいあって、3試合に1回はKO決着なんです。そういうイベントなのでその部分も選手たちは理解してるのかなと思います。
–じゃあダウンだけで言ったらもっと?
伊藤 もっとすごいですよね。
–そういう中で去年RISE NEW WARRIORSトーナメントを2階級でやりましたけど、あの2階級を見て伊藤さんはどんな感想を持ちましたか?
伊藤 未来が見えたなと思いました。まだ本当に10代から20代前半。25歳以上の選手たちは普通はまだ若手なんですけど、RISEの中ではもう中堅から上のクラスの年代になるんですね。いずれ若い世代の子達も身体が大きくなるでしょうし、階級も上がってくるでしょうし、RISEの主力選手になってくるのかなと。あとファンがすごいんですよ、女の子のファンが。普段は細くてちっちゃいけど、試合すると強いっていうギャップなんですかね。彼らが出るとやっぱ会場の雰囲気も変わっちゃいますし面白いですね。
–ビジュアルがみんないいじゃないですか。やっぱり見られることとかもみんな意識してるんですかね?
伊藤 それはあるんじゃないですか。それがプロとして大切なので。選手によっては女子高生のファンとかたくさんいるんですよ。後楽園のエレベーターホールのところで出待ちをしてるので、昔僕らの時代のにはなかったなって(笑)。
–それはちょっと意外でした。どうしてもファンがついてくるのはもっとキャリアを重ねてからっていうイメージだったんですけど、今の子たちは露出の回数とかSNSとかで注目されるんですかね。
伊藤 「推し」なんじゃないですか。私の推しの選手みたいな。だからもう最初からこの子を推すみたいな感じでずーっと追っかけてくるんじゃないですかね。
–今そういうRISEの流れがある中で2月大会はメインイベントが数島大陸選手とクンスック選手の試合ですけど、数島選手は昨年10月にチャンピオンになって、今回タイ人との対戦というところでまずこの試合を組んだ意図を教えてください。
伊藤 先ほど話したように2月23日は若手中心の中で、若手の中で今トップが数島なので、チャンピオンになって第一戦ですごい重要だと思います。彼自身が我々やファンに求められてるものに応えられるのか、そういうところをしっかり見たいです。
–伊藤さんから見て数島選手の良さや特徴ってどんなところにありますか?
伊藤 やっぱり攻撃的なところと倒せるところじゃないですか。非常に攻撃的で倒しに行く姿勢があるので、そういう選手がトップに立ってるというのは非常に良いことだと思います。
–相手がタイ人の選手っていうところでは、ファイターとしてもチャンピオン一発目の試合でこういう強敵が相手という部分もテーマがあると思うんですが、ここはこういう相手を当てようと思ってたんですか?
伊藤 いろいろ考えたんですけど数島もある程度の相手とやってる中でトップなので、ちょっとチャレンジマッチというか。あの階級だとやっぱり強いのはタイ人なのでそれでやらせてみようかな。試されているというのもわかるだろうし、そういう試合をしてもらいたいなという我々の気持ちもあります。
–競技者としてもタイ人と真剣勝負の中で戦うのは成長に繋がったり、一つのターニングポイントになると思います。伊藤さんも現役時代にタイ人と戦うということはどうお考えですか?
伊藤 ターニングポイントというより数島はタイ人とはあまりやったことないと思うので、戦績も彼の3倍4倍あるので。その時に彼がどこまでのものを出せるかだと思うんですよね。キャリアとしてはすごくいい経験だし。ここの結果次第で彼の今後の方向性というか、スパって行っちゃうとバッていく可能性もあるし、苦戦したらそこを修正していかなきゃいけないし、テストマッチじゃないですけどそんな感じで私は見てます。
–この試合ももちろんですしここから数島選手がどうなっていくかっていう。
伊藤 それを彼自身に試合で見せてもらいたいなって思いがあります。
–タイ人とやる意味では長谷川選手とサンチャイ選手もありますけど、この試合は伊藤さんから見てどうですか?
伊藤 サンチャイって非常にテクニシャンで相手の光を消すのが上手なんですよ。長谷川はどっちかというと攻めなので、前回トーナメントの決勝で負けてしまいましたけど、ここでどれだけ成長してるのかを見たいです。長谷川にとってはサンチャイは非常にやりづらいですよ。ぶつかってくれないので。その部分で長谷川がどういう風に対応するかを見たいです。
–数島選手の場合は勝ってこういう相手にチャレンジするという試合で、長谷川選手は負けてまたチャレンジという意味では、負けた選手がここから這い上がってくるかって部分でも注目ですか?
伊藤 彼のこれからの復活ストーリーと言いますか、将来的にはタイトルにチャレンジしていくと思うので、そういうところをやっぱり見届けたいですね。
–同じ日本人vsタイ人という部分でこの2人の試合を見比べられるかなと思うんですけど、その辺で二人も競って良いものを見せてほしいですか?
伊藤 それはもちろんです。お互いどっちが良い試合できるかっていうのがあるので、それはいい試合した選手が勝ちですよね。やっぱり我々と、もちろんお客さんにも魅せる。参戦選手もそうですけど、私たち「RISE」とも戦ってほしいですよね、「伊藤見てろよ!」みたいな。
–対戦相手に対してだけじゃなく主催者に対しても勝負というか。
伊藤 こういう相手じゃない、もっとすごい相手だと。この選手とやって勝ってしまったらもっと強い相手をぶつけないといけないじゃないですか。日本人とやらせれないレベルだなとかそういうのを見せてほしいですね。
–そういう意味ではいろんな意味でそこの中に勝負があるわけですね。他にも今大会で言うと塚本選手とJIN選手の試合だ、末國選手と麗也選手の試合、安本選手も年齢的にはまだ若い選手ですし、他のカードの中で伊藤さん的に特に注目している試合はありますか?
伊藤 やっぱり塚本、安本です。期待された部分もあったんですけど伸びきれていない、2人とも良いところまでは行ってるんですけど、イマイチ伸びきれていないじゃないですか。だからこそ若手の中で思いっきり輝いてもらえたらと思います。選手それぞれいろんな理由がありますけど、やっぱり期待されてる選手ではあるんじゃないですか。その中で何かが止まってるんですよね。それが何かは分かりません、思いきりなのか彼ら自身の考え方なのか、何かが引っかかってるような気がします。それを取り払うような試合をしてもらいたいです。
–やっぱり若くて勢いがあってもその状況によっていろんなシチュエーションも違うから、そういったところでそこを超えられるかどうか、それぞれみんな課題やテーマが分かれてる大会なんですか?
伊藤 塚本と安本の2人以外にも選手はいますけど彼らもまさに同じようなテーマですね。
–2月大会もそういった選手が集まる中、3月の「RISE ELDORADO」にも若い選手たちたくさん出るので、そういった選手たちについてもちょっと触れていただきたいと思っていて、花岡竜選手、陽勇選手、田中佑樹選手も2000年以降に生まれですし、松本天志選手や那須川龍心選手、有井渚海選手と松下武蔵選手、この辺もまだ全然若い選手たちですけど、大会は違いますけどこの選手たちはどういう風に見てますか?
伊藤 もちろん2月23日同様期待してますし、近い将来彼らもRISEのトップに立つと思うんですね。特に対抗戦に出した陽勇と田中、彼ら自身も全勝で新人王を経験してて、ある意味ここは彼らが2、3ステップ上がるためのマッチメイクです。龍心と松本天志はお互いリターンもあるけどデメリットもいっぱいあるので、ある意味厳しいマッチメイクなのかな。でも勝負ってそういうものなので、ビッグマッチらしい試合が組めました。有井と松下は前回2人とも負けてるんですけど、僕はいつも言ってるんですけど「負けたら終わり」じゃなくて、やっぱりいい試合したら負けてもどんどん試合を組むよって。前回2人とも本当に良い試合したのでそういう意味でもこの2人のマッチメイクを組みました。
–新人王の2人は対抗戦の相手のこともあったと思うんですけど、試合のテーマって部分では彼らにもちょっと刺激を与えるというか?
伊藤 ここで刺激をもらってそれをクリアして一気に行く選手っているじゃないですか。そういう部分を見たいですね。
–この辺の世代とか上の選手って化ける瞬間って見ててやっぱりありますか?
伊藤 あると思いますよ。まさに対抗戦ですし、龍心も今くすぶってますけどもしかしたら松本天志を倒すことが出来たら上に行くかもしれないですし、色んな仕掛けをかけてるっていう感じですね(笑)。
–各選手にここを勝ったり良い試合すると何か変わるんじゃないかっていう。
伊藤 どうなるかわからないけどそこに仕掛けを置いています。
–でもそういう仕掛けを置いて試合を組んでると見てる伊藤さんも予想してない結果だったり内容だったりで跳ね方する選手もいるんじゃないですか?
伊藤 それがYA-MANです。YA-MANはオープンフィンガーやるまでは全然注目されてない選手だったんで。元々オープンフィンガーも彼のためやったわけじゃなくて、対抗馬として彼を入れたら彼が跳ねました。
–いわゆる青コーナー側で使ったと。
伊藤 そうです。
–先ほどの2月も含めてこの中からこの試合を経て選手がどう変わっていくか、そういった意味でも2月、3月いろんなマッチメイクがある中で、あえて若い選手に期待することとか、こういう試合を見せてほしいっていうものはありますか?
伊藤 今の子達って育ちがいいというかRISEのファイターは良い子ばっかりなんですよ。良い意味でもっともっとガツガツギラギラしてほしいです。オラつけとは言わないですけど、もっとガツガツとギラギラしてほしいというか、そういう部分では塚本なんかそうですけどそれで実力が伴ったら素晴らしくなるだろうし、安本なんかももっともっとギラギラガツガツしててもいいのかなって。そういうのが見てて面白いじゃないですか。
–そういった物って持って生まれたもんなんですか?
伊藤 持って生まれ持ったものもあるだろうけど、もっと自己主張するべきですね。
–例えば天心選手とかはやっぱギラついてたんですか?
伊藤 野心というんですかね、欲がすごいというか。これやったら次これ、また次これって、クリアしていくんですよ彼は。ここをクリアしたらこうしようっていうのを有言実行していく。それをクリアしていけばどんどん試合内容だったりいろんなことが変わってくるじゃないですか。
–伊藤さんからしてもこうなりたい!とかこうしてください!ってどんどん言う方が試合の組みがいもあるんじゃないですか?
伊藤 わからない部分もあるじゃないですか。最近僕すごい選手と話すようになったんですけど、そういうのも必要だなと思いました。話すと上手く意気投合できるというか。
–じゃあ若い選手たちはもっと野心を持って?
伊藤 もっともっと野心を持ってギラついてほしいです。
–あとは僕の立場であえて聞きたいことだったんですけど、上に選手がいると若い選手って「自分たちはこのぐらいでいいかな」みたいなちょっと遠慮がちなところもあるのかなと思っちゃうんですけど、もっと若いとか下の世代じゃなくて「自分たちが主役だ」ぐらいの気持ちを持って戦ってお客さんにも見せていってほしいという気持ちはありますか?
伊藤 もちろんですよ。やっぱり上の選手を食わないとダメですね。試合は順番もありますけど、やっぱりその中で一番いい試合したやつがメインだと思うので、ある意味野心というか思いですよね。絶対もう来年にはここのチャンピオン食ってやると、そういう選手がたくさん欲しいです。
–そこも含めてやっぱりこの選手たちはまだ若いですし、ずっとこれからも戦っていくと思うんですけど、いずれ彼らは何年後かにはRISE ELDORADOのメインとか、そういう選手たちになっていく可能性を持ってると思いますか?
伊藤 それはもちろんです。間違いなくなりますし、先ほど2月23日の話をしたけど昨年もそうですし今年も若手中心でやってますけど、ここに出てる選手たちが数年後多分ELDORADOに出てますし絶対そこのメインになってくると思います。2月23日はそれもセットで見た方が絶対楽しいです。青田買いじゃないですけど、やっぱりRISEは後楽園大会を見るからこそビッグマッチが面白いので。
–それで言うと年齢とかキャリアもありますけど田丸辰選手とかもう本当に1年後2年後にこういう選手になったわけじゃないですか。決して今の選手たちにとっても現実味がないことじゃないですよね。
伊藤 彼は先日22歳になりますしたけど、まだ22ですから。20代前半でトップでやってるので、だからみんなにチャンスがあります。
–トーナメント優勝してから発言とかも変わってきましたよね。
伊藤 一時いろいろとグラついてたけど、なんて言うかチャンピオンとしての意識が変わったんですかね。雰囲気も変わってましたし頼もしくなりました。
–今後に繋がるっていう意味でもやっぱりこの選手たちのライバル関係とか勝ち負けとかがすごいストーリーに繋がっていくじゃないですか。感情移入するという意味でも今のうちから見といた方がやっぱりいいですよね?
伊藤 2月23日見て3月17日見た方がいい。そうすると本当にこれとこれがライバルだったり、こっちに勝ってるけど、こっちの負けたやつに勝ってるとか色んなストーリーがあるので、そこも本当に楽しめます。
–ここまでたくさんお話聞いてましたけど改めて2月大会に伊藤さんが期待すること、選手たちにも期待すること含めてどんな大会になってほしいと思いますか?
伊藤 やっぱり各選手に自分の存在を大いにアピールしていただきたい。「俺がRISEを引っ張っていく」そういう選手に出てほしいです。
–試合順はありますけどさっき言われたみたいにやっぱり良い試合する、存在感を見せた選手がMVPでありやっぱりメインになると思いますし、主役をみんなで争ってほしいですか?
伊藤 全員が主役になるチャンスがあるってのも忘れてほしくないです。先ほど言ったように「良い試合したやつが主役だよ」です。
小林穂夏インタビュー『百花選手とはいつかやりたかったのでこんなに早くチャンスを頂けると思わなかった』
–昨年11月の平岡琴戦でOFGマッチをやって以来の一戦となります。結果はちょっと残念な結果に終わりましたけど平岡戦で得たものは?
小林 負ける怖さを知りました。負けるのが怖いって思ってなくて、負けるとも思ってなかったんですけど。
–実際にやってよかったと思いますか?
小林 やってよかったです。負けて一から気持ちを作れたので出て良かったです。
–一から気持ち作ることができたっていう話がありましたけど、そこに至るまではやっぱり時間がかかりました?
小林 めちゃめちゃかかりました。まずFIGHT CLUBのオファーを頂いた時に「オープンフィンガーかぁ」とか「ランキング2位の選手かぁ」とか、最初からビビってしまった部分があったので、そこはうーんって感じでした。
–もうすでに気持ちの整理はついてますか。
小林 そこはもう大丈夫です。
–所属してるNEXT LEVEL渋谷は女子の選手が多いですが、周りの選手からアドバイスや温かい励ましとかありました?
小林 いっぱいありました。オープンフィンガーのオファー頂いたのが1ヶ月ちょっと前ぐらいで、準備する時間も短い中で「あの舞台でよく頑張った」と言っていただきました。
–OFGをやろうとしてる小林愛三選手は何か言ってました?
小林 愛三さんもやっぱり同じことで、愛三さんも今練習してるので「1ヶ月でこれを作るのはすごいよー」って言ってくださってます。
–実際にやってみたら通常のボクシンググローブとOFGは全然違いますか。
小林 全然違いました。拳も痛くなるし、打ち方間違えると親指痛かったり全然違いました。
–今回はアトム級の百花選手との一戦になりましたが、このランキング戦はどういう風に自分では位置づけてますか?
小林 自分今6戦目で前回も負けちゃってるのでランカーの人と出来ると思ってなかったので、毎回RISEさんからの試練だなと思いながら、今回は試練を乗り越えようって気持ちです(笑)。
–前回の平岡琴戦から「小林穂夏試練の何番勝負」って路線がスタートしたってことですかね。
小林 自分的にデビュー戦からほぼ無敗の辻井和花選手でいきなりそこ?!って最初も思ったし、2戦目も西原朱花さんでずっと無敗って言われてたので「まじか〜」って。毎回毎回試練です(笑)。
–デビュー戦からずっと試練が続いてるわけですね。
小林 本当に「今回はイージーだよ」とか「今回は格下だから自分のやりたいことやろうよ」みたいな試合がなかったので、試合に向けて必死に必死にって感じです。
–でもそれはRISEが小林選手に期待してる裏返しでもあると受け止められますけどね。
小林 そうですね、ここを乗り越えて強くなってねって言われてるのかなって。
–百花選手はキックボクサーとしてどんな評価をしてますか?
小林 百花選手は自分が高校生の時から紅絹さんと戦ってたり、自分がアマチュアの時からGIRLS POWERに出てる選手で、ずっといるベテラン選手でもう突進突進みたいな感じで、いつかやりたいなと思ってたのでこんなに早くチャンスを頂けると思わなかったです。
–すでに分析は終わってますか?
小林 分析は完璧です。ばっちりです。もうこれ入れてこれ入れてパーン!
–何ラウンドぐらいに期待したらよろしいですか?
小林 うまくいけば2ラウンド目で今やってる大技出そうかなぐらいです。
–大技も狙ってるんですね。
小林 大技練習してますね。
–ここで勝って年内にでもチャンピオンの宮﨑小雪選手を見据えたいって気持ちもありそうですね。
小林 年内…もうちょっと試練をいただきたいところではあります(笑)。
–数戦は必要ですね。
小林 確実に勝てるって自分で思った時がいいので、まだまだ試練をたくさんください。
–今小林選手は大学生ですよね?
小林 3月25日に卒業式で、昨日卒業は確定しました。
–おめでとうございます。
小林 ありがとうございます(笑)。
–4月から肩書きはキックボクサーになるんですか?
小林 4月からはキックボクサーですね。やりたいことがあるのでバイトはしながらになるんですけど。
–やりたいこととは何ですか?
小林 自分料理がめっちゃ苦手なので調理師の免許が欲しくて、ちょっと給食のおばちゃんのバイトをしながら。
–もう決まってるんですね。
小林 料理できたほうがいいかなって。
–調理師の免許も取るんですか?
小林 取りたいです。何か意味があるとかではないんですけど、料理できる方がキック終わった時結婚できるかなって(笑)。本当にできないので料理できるようになりたいです。
–今どんなレベルですか?
小林 卵焼きギリギリぐらいですね(笑)。
–卵焼きギリギリ?まあまあのレベルですね(笑)。
小林 この間グラタン作ったら硬いって言われちゃいました。
–硬い?グラタンに硬いとかあるんですね。
小林 やばいですよね(笑)。
–3月のRISE ELDPRADOのオープニングマッチに出るTAKU選手と大学は同期なんですか?
小林 そうなんです!「RISE’s PRIZE」の時にTAKU選手から声かけていただいて、同じ大学同じ学部でした。
–同じ授業を受けたとかそういったことはないんですか?
小林 自分の同じ授業の子がTAKU選手と一緒で「RISE出てる子いるよ」みたいな話は聞いてたんですけど、自分が授業に全然出てなかったので(笑)、会ったことは多分ないです。
–世間は狭いですね。
小林 びっくりしました。言われて「えっ!?」みたいな(笑)。
–最後にファンの皆様に向けて熱いメッセージをお願いします。
小林 いつも応援してくださる皆様ありがとうございます。自分はまだまだ未熟なところがたくさんあるんですけど、前回は気持ちが折れてしまってなかなか面白い試合を見せれなかったので、今回は気持ちと心技体全部ぶつけて面白い試合、勝つ試合をしますので、これからも応援よろしくお願いします。
麗也インタビュー『生き様や人生の縮図をとにかく見て欲しい』
–試合が近づいてきましたが気持ちはどうですか?
麗也 RISEに出たかったのでめちゃめちゃモチベーション高くできてます。
–久しぶりのRISEルールになりますけどその辺は大丈夫ですか?
麗也 そこはしっかり準備してます。去年のNO KICK NO LIFEのトーナメントが終わって、ジムの移籍とかあった期間に、ずっとRISEに出たいと思っていたのでそのための準備はその頃からしてきました。実際試合が決まる時も研究したりして準備したので大丈夫なはずです(笑)。
–記者会見の時にも聞かれてましたが今回の対戦相手の末國選手が、以前麗也選手が一緒にやってた志朗選手と同じジムで練習してるということで、気持ち的には若干やりづらさもあるんじゃないかっていう意見もありますが実際は?
麗也 やっぱありますよ(笑)。やりづらさというかプレッシャーというか負けられないなっていう思いがあります。そういうのもあるけど、今回そこは気にせず末國選手って今RISEフライ級の3位の選手で、僕はRISEフライ級のタイトルを狙ってるのでシンプルにその一戦に集中できています。
–昔は麗也選手も新日本キックボクシング協会時代に10代で活躍されてましたけど、今逆に末國選手が10代で、いつの間にか麗也選手も30歳に王手をかける年代になってしまいましたけど、この辺はどうですか?
麗也 もう常々思ってます(笑)。僕がまだ若い時に年齢上の選手とやらせてもらった時とかはこういう気持ちだったんだろうなっていうのすごい感じます。年齢関係なく実力なのでそこは関係ないですけど、ただ試合とかってやっぱ自分の人生とか、その人の生き様の縮図だと思うので、だから伊達に年齢を重ねてきたわけじゃないっていうのを、末國選手に見せたいなと思います。
–麗也選手といえば以前はRISEのリングにも上がってた佐藤レイナさんとご結婚されて、今幸せな新婚生活を送ってると思いますけど。
麗也 はい。
–ちょっと声がちっちゃくなったような気がしますけど大丈夫ですか?
麗也 あははは(笑)。はい、大丈夫です(笑)。
–奥さんの方からは今回の試合はどんな風に言われてますか?
麗也 それこそ「お前もうこれ負けたら辞めろ」って言われてます。
–かなり厳しいですね
麗也 ほぼほぼ毎回それに近いくらいですけど、今回は特に階級を下げてフライ級に挑戦で、末國選手のことを見くびっているとかじゃないですけど、言うてもランキング3位なわけじゃないですか。まだ上がいるじゃないですか、チャンピオンがいてまだ1位2位もいる中で、ここを落としちゃうとまた遠回りになっちゃうから、冷静に考えて僕の年齢とか今まで怪我も何回も重ねてるし、そういうのも含めてそういう風に葉っぱをかけられています。
–今階級下げてっていう話もありましたけど、減量食はレイナさんが作られてるんですか?
麗也 うちはご飯担当が僕なんで自分で作ってます(笑)。
–そういえば昔アルバイトで調理とかずっとやってて中華料理とかお手のものですよね?
麗也 そうです。なので作るのが一応特技…?見た目は悪いですけど味は美味しいんで、全然作るのが苦でもないし、特に減量の時は量とか食べたいものってその日によっても変わるので、やっぱ自分で作っちゃった方が楽なんですよね。
–ちなみにレイナさんは麗也選手が作った料理の中で何が一番美味しいって言ってますか?
麗也 ガパオです。和風ガパオですけど結構気に入ってもらって、あとはパッタイとか。麺はうどんとかにして作るんですけどタイ料理系のやつですね。
–麗也選手はタイで修行していた時もありますけど、やっぱりタイ料理は体の根本になってますか?
麗也 たまにあの味というか風味を味わいたくなります。
–所属のteam AKATSUKIは練習場所としてはどうですか?
麗也 練習場所としてすごくいい環境でできてますね。技術的にもそうですし気持ちとか体を強くするっていう意味でもすごい来てよかったなと思います。
–代表として指導者としての良太郎さんはどんなところに優れていますか?
麗也 選手それぞれの長所とか短所を見抜く力がすごいですね。その選手の長所短所に合わせて指導ができるのが一番です。トレーナーの人とかって良くも悪くもなんですけど、自分の型にはめちゃう方もいると思うんですけど、それで選手と合う合わないとか出てくると思うんですよ。そういう意味で良太郎さんは例えばその選手の打ち方があるとしたら、変に直そうとせずにその良さを生かしてより良いものにしていくみたいな、そういう指導をしてくれます。
–今team AKATSUKIは新たな所属選手も含めてかなりいろんな人が出稽古に来たりしてますよね。
麗也 いろいろキックもそうですしMMAの選手も来てくれて、そういう意味ですごい良い刺激にもなるし、それぞれの人で持ってる技術も違うので良い刺激と勉強になります。
–話を今回の末國戦に戻しますが、この一戦どんなところに注目してほしいですか?
麗也 注目してほしいところですか…何でしょうね?さっき言ったように、試合って技術とかじゃなくてその人の生き様とか人生の縮図だと思うので、とりあえず試合見てもらえれば僕の覚悟とか今回の一戦に向けてやってきたことが出るのでそこですかね。気持ち、覚悟とにかく見てもらえれば。
–以前の話だと思いますけどレイナさんに「志朗くんってかっこいいんだよ、強いんだよ」ってことを何度も
言ってたって話を奥さんのSNSで見ましたけど、その志朗選手が相手のセコンドに付くという部分は大丈夫ですか?
麗也 いや、ぶっちゃけ結構きついです(笑)。僕そういうのめちゃめちゃ気にするタイプなんで、当日どうなるか不安ではあります(笑)。リング上で多分中央来るじゃないですか、あの時が一番きついなって思うんですけど、さっき言ったように本当にそういうの気にせず今んところ試合に集中できてるので、多分大丈夫なんですけど、あんまりそういうのは思わないようにしてます(笑)。
–酷な質問ですみません。
麗也 そういうの乗り越えないとやっぱダメな問題で、本当にこのタイミングでこういう試合が組まれたのは縁だなと思いますよ。末國選手がBeWELLで練習しててそこで試合するっていうのが、自分が成長する上で大事な部分なので、ここは乗り越えたいです。
–最後に麗也選手のRISE登場を待ちわびていたファン、そしてRISEファンの方々に今回の試合に向けた熱いメッセージをお願いします。
麗也 いつも応援してくれている方々そして今回初めて見ていただく方々にも、僕は正直倒す技を持っているとかそういうタイプではないですけど、僕のこの試合の気持ちとか覚悟とか動きを見てもらえれば熱くなって感動する、人の心を動かす様な試合をしたいと思ってるので、注目して見てください。よろしくお願いします。
末國龍汰インタビュー『正直スピードが全然違うので僕には(麗也の攻撃は)当たらないです。』
–関東での生活には慣れましたか?
末國 まだ電車を間違えることとかありますけどだいぶ慣れました。
–電車間違って逆方向に行ったりしてるんですか?
末國 僕がもともと住んでたところは乗り換えとかそんなになかったので、こっちに来て乗り換えがいっぱいあるんで田舎もんには結構きついです。
–まだ末國選手が何で上京してきたかとか知らないファンの方もいらっしゃると思うのでちょっと聞きたいんですが、まず名前を空龍から本名の末國龍汰に戻した理由って何かありましたか?
末國 練習環境も変わって全部一新してというか心機一転でっていう意味でリングネームも変えました。
–広島から関東に来て選手として活動したいと思い立った最大の要因は何だったんですか?
末國 もともと志朗さんのファイトスタイルに憧れがあって、それで練習環境を変えるって考えた時BeWELLキックボクシングジムに来ようと思いました。
–志朗選手のどんなところに憧れたんですか?
末國 テクニックですかね。勢いがすごい選手とかもいるんですけど、その中でテクニックで相手をリングに沈めるというか、そこに憧れて。
–じゃあ今の練習環境とか練習のスタイルもだいぶ変わりました?
末國 こっちに来てプロのトップの選手と一緒に練習することも増えて、トレーニング内容自体もトップクラスのトレーニングをさせてもらってるので、その成果が今度の試合で出てくるかなっていうのは思います。
–志朗選手や梅井選手の存在は一緒に練習してみてどうですか?
末國 練習で実際にマスとかやって全然届かないなっていうか攻撃も当たらないしっていうところで、すごい学びだらけですね。
–そういう練習を積み重ねることで末國選手自体の実力が知らず知らずのうちにアップしてるっていう自覚はありますか?
末國 最初こっちに来たばかりの時は攻撃も結構顎が上がるぐらいポンポンもらってたんですけど、今は被弾率、攻撃をもらう数とかが減ってきて、ミットも自分でもパワーが上がってる実感もありますし、ニックさんとかにもミットを受けててもらってて実際言われたりもしますし、そういう面ですごいレベルアップしてるなっていうのは実感します。
–ニックさんのウエイトトレーニングとかフィジカルトレーニングの指導を受けた部分では自分のフィジカルが上がってる実感はありますか?
末國 フィジカルももちろん上がってますし、さっきのパンチ力とかに関してはフィジカルだけじゃなくて、打ち方・当て方・当てるタイミングとかで変わってきています。
–今回対戦相手が麗也選手になりましたけど名前を聞いた時はどんな気持ちになりました?
末國 僕は実際お会いしたこともなかったですし練習が被ったこともなかったので、僕自身はそんなに意識はなかったですけど、ジムの古い会員さんとかは結構深く関わりがあるので、そういう面ではお互い熱い良い試合ができたらなっていうのは思います。
–逆に麗也選手を分析する上で志朗選手から何かアドバイスを受けることはありますか?
末國 麗也選手がこのジムにいたのも結構前なので、そこから志朗さんたちと練習してた時より全然成長してると思いますし、癖とかはしっかり見つつ想像よりも強いというイメージをして練習してます。
–どんな一戦になると思いますか?
末國 正直スピードが全然多分違うと思うんで僕には当たらないと思います。
–末國選手の方がスピードがあるから麗也選手の攻撃は当たらないという解釈ですね。
末國 スピードとディフェンス力の強化もしっかりしてきたのでそこは自信があります。
–触らせない試合になるということですね。
末國 触らせずに自分の攻撃を当てていくっていうのが理想です。
–末國選手にとって今回の一戦はちょうど1年ぶりですよね?
末國 ちょうど1年です。
–この長い1年というブランクはどうですか?
末國 そこに関しては多少不安はありますけど、1ラウンド目は無理して行かずにしっかり試合勘を取り戻すというのを意識しながらやって、試合勘が戻ってきたなって自分で感じたらしっかり勝ちに徹して攻めていきます。
–今年9月には20歳になりますが今年はこの麗也戦を皮切りにどんな1年にしたいですか?
末國 ここまで連敗で負けちゃって落ちてるので、ここから這い上がってしっかりチャンピオンまで行きたいです。
–チャンピオンの背中は見えてきましたか?
末國 まだ最後負けて1回も試合してないですし、とりあえず今回しっかり勝ってからです。
–今のフライ級チャンピオンの数島大陸選手とは一度戦って勝っていますが(2022年1月)、その辺は自分にアドバンテージがあると捉えてますか?
末國 勝ったと言っても2年前ですし、数島選手もあの時より全然成長してるので、そこはアドバンテージとかは思ってないです。
–最後に末國選手の復帰を待ち侘びてていたファンの方々、そしてRISEファンの方々に熱いメッセージをお願いします。
末國 今回ちょうど1年ぶりの試合なんですけど、この1年間を埋めれるような、新たにファンになってもらえるような熱い試合をするので、応援よろしくお願いします。
対戦カード・大会概要