[ファイトクラブ]開戦したスターダム世代闘争も課題とチグハグさ残る初陣!原因は”実年齢”と曖昧な立ち位置?

 スターダムで突如開戦した世代闘争。その初戦が6・4後楽園ホールで行われたが、悪くない試合内容とは別に、どこかグダグダ感の残る終わり方となった。
 その要因は、様々な矛盾を抱え、曖昧になっている世代闘争の構図そのものにあるのではないだろうか? 煮え切らないスターダムの世代闘争初戦で見えた課題とは・・・?


[週刊ファイト6月15日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼開戦したスターダム世代闘争も課題とチグハグさ残る初陣!原因は”実年齢”と曖昧な立ち位置?
 photo & text by 鈴木太郎
・どこか趣の異なるスターダムの世代闘争
・”実年齢ベース”が歪み生み出すノレない世代闘争必然性は何処へ?
・立ち位置の分かりづらい対決構図
・キャリアではなく、年齢で分けた組分けのミス
・30代後半がほぼ皆無な世代分布が闘争の仇
・【新世代・鈴季すずよりキャリアが下な現世代軍】という矛盾
・実績充分な林下や上谷は果たして”追う側”の人間?
・2023年デビュー組無くして形にならぬ闘争の悲哀
・唐突な世代闘争は○○○○再編の布石?
・キーマンは高橋奈七永?世代闘争喰らうもパッション爆発-水森由菜戦
・【パッション注入マッチ】が一番世代闘争だったという皮肉
・煮え切らない世代闘争だからこそ必要な高橋の存在
・”全女魂”掲げて挑発したスターライト・キッド


■スターダム 『STARDOM in KORAKUEN 2023 Jun.』
■日時:2023年6月4日(日) 11:30開始
■会場:東京・後楽園ホール 観衆1,167人(=主催者発表)

 今大会で、選手間の世代闘争が本格開戦したスターダム。ユニット抗争を軸にしている同団体において、ユニット間の枠組みを明確に取り払ってきたのは異例のことではないだろうか?
 キッカケとなったのは、2023・5・21スターダム富山大会のメインイベント終了後のことだ。舞華と共に現れた鈴季すずが、所属選手達に強烈な一言を投げかけた。

鈴季「詩美、上谷、そして舞華。あのさあ、スターダムってもっと新陳代謝してると思ったらよお、全然してねえじゃねえか! オマエらさ、そんなんでいいの? 上のヤツらが抜けるの待ってるの? そんなんでこの世代が最前線歩けると思ってるのかって聞いてんだよ!? 舞華、オマエも関わってるんだろ」

舞華「あたりめえだろ。そんなことわかってんだよ。(中略)私らで、上の世代ぶっ潰そうよ。わかってるの?」

 早速、6・4後楽園ホール大会で世代闘争と銘打たれたカードが2試合組まれた。
 しかし、今のスターダムで掲げられた世代闘争は、過去のプロレスの歴史にあったような世代闘争とは趣を異なるものにしている。世代闘争における各選手の立ち位置が曖昧模糊としていて、一見して分かりづらい構図が生まれているからである。これは、スターダムが持っていた強みが仇になってしまった事でもあるのだが・・・。

”実年齢ベース”が歪み生み出すノレない世代闘争必然性は何処へ?

 今回のスターダムの世代闘争において、筆者が指摘したい一番のネックは「キャリアと実年齢」である。世代闘争は、ベテランと新世代による覇権争いが中枢に位置しているが、組分けの基準がスターダムの場合は非常に曖昧で、各選手の立ち位置が分かりづらいものになっているのだ。

 新世代として共闘を呼び掛けたのは鈴季すずと舞華で、メインではこの2人に林下詩美や上谷沙弥が加わった。対する、世代交代を掲げられた陣営には、岩谷麻優、朱里、中野たむ、ジュリアが並ぶ構図。旗振り役の鈴季や舞華、対角線に立つ岩谷や朱里は、キャリアの面で新旧世代分かれる箇所には納得と言えるだろう。問題は、他の各2選手である。実際のキャリアや実績ではなく、実年齢で振り分けたと思われる並び故、「この選手は果たして新世代なのか?」という疑問符が付いてしまったのだ。(その逆もしかり)

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