佐々木貴の”第2の故郷”とも言える神奈川県茅ヶ崎市で、プロレスリングFREEDOMSの興行が開催された。
イベントプロレスで開催実績はあったものの、本興行は今回が初。当日は雨天+興行戦争という悪条件に加え、FREEDOMS得意のデスマッチが開催できなかったものの、子供が「カッコいい」という言葉を漏らし、終始熱気に包まれた空間は、FREEDOMSの底力を体感する内容になったのである。
[週刊ファイト3月30日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼デスマッチ/ハードコア無しでも魅力十分!FREEDOMS茅ヶ崎大会詳細
photo & text by 鈴木太郎
・大興行戦争+雨天も活気を見せた場内
・デスマッチだけではない、FREEDOMSという団体の魅力が発揮された大会
・子供から飛び交う「カッコいい」!opening竹田誠志ジャーマン葬レッカ
・Jr.抗争ダムズvs. F-SWAG香取貴大ガイア・ホックスから殊勲pin fall
・吉野コータロー地元・茅ヶ崎市凱旋!高岩竜一 デスバレーボム葬圧巻
・女子プロ豪華絢爛!ダイナミック受け光る安納サオリ平塚市・松本浩代
・普段ならデスマッチも身一つで盛り上げた葛西純ダムズ正規軍-E.R.E.
・【茅ヶ崎生活30年】佐々木貴D-ガイスト葬ドリュー・パーカーから勝利
■プロレスリングFREEDOMS 『SMCフェスタ2023』
■日時:2023年3月18日(土) 15:00開始
■会場:神奈川・茅ヶ崎市総合体育館
■観衆:405人(主催者発表)
神奈川県茅ヶ崎市に事務所を構えるプロレスリングFREEDOMSが、地元茅ヶ崎でチャリティー興行を開催した。
代表を務める佐々木貴が茅ヶ崎に住み始めて30年目という節目の年に、(イベントプロレスを除くと)団体としては初の地元・茅ヶ崎での興行となったが、この日は関東圏内でも屈指の大興行戦争で、当日はまさかの雨天。
道路を隔てて会場向かいにある公園内では、キッチンカーの出店やイベントが予定通り開催されたものの、雨により、開始1時間前で公園内に来場者は十数名という状況。
イベントとのコラボが予定通りにいかない誤算はあったものの、これらの悪条件の中、会場に400人超えの動員をもたらしたのは十分大健闘と言えるのではないだろうか?
FREEDOMSの得意としているデスマッチやハードコアマッチは、会場の関係もあってなのか、この日は1試合も組まれなかった。
しかし、普段プロレスを観ないと思われる子供たちが選手の名前を叫び、「カッコいい」と洩らす空間は、今大会の盛り上がりを如実に示していたのではないだろうか?デスマッチだけではない、FREEDOMSという団体の魅力が発揮されていた大会だった。
メインイベントでは、KING of FREEDOM WORLD TAG CHAMPIONSHIP・『佐々木貴&マンモス佐々木vs.ビオレント・ジャック&ドリュー・パーカー』が実現。
デスマッチファイターが通常ルールで観客を盛り上げた熱闘は、この日の主役である佐々木貴がD-ガイストでドリューを下し、王座防衛に成功。
佐々木貴にとって第2の凱旋でもあった本興行を、見事勝利で締めくくったのである。
子供から飛び交う「カッコいい」!opening竹田誠志ジャーマン葬レッカ
<第1試合 シングルマッチ>
〇竹田誠志
(7分55秒 ジャーマンスープレックスホールド)
●レッカ
デスマッチを主戦場にする竹田誠志が、レッカとシングルで対戦。
ダムズの通常興行では見かけない組み合わせではあったが、会場の子供達からは「カッコいい」という言葉が洩れるなど、オープニングを盛り上げて見せた。
場外戦も交えながら進められた試合は、竹田がジャーマンスープレックスホールドで勝利。リバースUクラッシュや膝蹴りが印象的だった竹田のフィニッシャーだが、最近はこの技で勝つ機会も増えてきた印象。デスマッチではない通常ルールだからこそ、シンプルな技が光っていた。
Jr.抗争ダムズvs. F-SWAG香取貴大ガイア・ホックスから殊勲pin fall
<第2試合 6人タッグマッチ>
神威 ドラゴン・リブレ 〇香取貴大
(7分41秒 ウラカン・ラナ)
政岡純 進祐哉 ●ガイア・ホックス
ダムズジュニアと、外敵中心で結成された『F-SWAG』とのタッグマッチ。
初見でも正規軍とヒールという構図がハッキリ分かる点はプラス要素。観客の反応を煽る政岡純の良さも光った。
両軍バチバチにやり合った試合は、香取がガイア・ホックスからウラカン・ラナで勝利。試合後、敗戦に抗議した『F-SWAG』の面々は、ダムズジュニアを制裁。試合後の光景は、どちらが勝者だったのか分からない程であった。
吉野コータロー地元・茅ヶ崎市凱旋!高岩竜一 デスバレーボム葬圧巻
<第3試合 タッグマッチ>
平田智也 ●吉野コータロー
(12分47秒 デスバレーボム⇒片エビ固め)
○高岩竜一 GENTARO
茅ヶ崎市出身の吉野コータローが、平田智也と組んで、高岩竜一&GENTAROと激突。
吉野は2AW所属であるが、地元凱旋はこの日が初。終盤の1vs1で高岩とやり合い、試合の主役に躍り出たものの、最後は高岩の必殺フルコースの前に撃沈した。
それでも、この1~2年で身体を一気に絞り、顔つきにも精悍さを増した吉野の姿には、思わず目を見張るものがあった。体格的にも、FREEDOMSのジュニアヘビー戦線に入ってくると面白くなりそうな存在である。