[ファイトクラブ]“闘神”となったアントニオ猪木 INOKI×巌流島は迷作か、それとも名作だったのか?

[週刊ファイト1月12日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

【格闘技I記者考殺シリーズ其の4】 “闘神”となったアントニオ猪木
12・28INOKI×巌流島は迷作か、それとも名作だったのか?

▼INOKI×巌流島は迷作かそれとも名作? “闘神”となったアントニオ猪木
 photo: INOKI BOM-BA-YE 巌流島 松橋隆樹 by 格闘技I記者 w/編集部編


 物議を醸し出した青木真也vs.秋山成勲を第1回目とし、猪木大往生考察、GLEET MMA旗揚げ戦と続いた格闘技I記者の考察シリーズ。本編からは装いも新たに、“考殺シリーズ”として不定期ながら連載させて頂く。

【INOKI×巌流島 12・28 両国国技館決戦】

 まず、本大会メインイベントのカードを見た時に頭によぎった疑問符。

 新日本提供試合なのに、なぜUWFルール?なのだろうか。

 新日本とUWFの構図は、あの当時の東京ドーム満員記録を打ち出した新日本VSUWFインター・ナショナルの伝説の一戦からもわかる史実の通り、決して新日本が提供するコンテンツやルールとはほど遠い遺産であり、それをプロレス内に取り込むということは、当時青春の全てを捧げて密航を繰り返してきた“U”信者への冒涜となる可能性があると過去何度も注意喚起してきたつもりだ。ここはどう考えても、猪木メモリアルを謳うなら”異種格闘技戦”敢行だと考えていた。

『迷走 谷川貞治。』

 私は、本記事の見出しは一時こう書こうかとも考えた。

 しかし、裏を返せばある意味こんな見方もあるのではないか?

 この大会は猪木メモリアル記念。全ての格闘技の源流はアントニオ猪木に繋がると。


 大会終了後のセレモニーでRIZIN榊原信行氏他、マット界の錚々たるメンバーが猪木氏の威光に恐縮していく中、藤原(喜明)組長がマイクを取り「あー、めんどくさい。俺が締めるわ!」と、とっとと「ダァー!」で締めた。まさにこれこそが猪木イズムなのである。

 多分、猪木さんもご存命ならそう言ってマイクを握っていたと思う。

 10月1日、天国へリングインした偉大な男

 その偉大さが後塵に続くもの達の背中を押して、僅か2ヶ月弱という短期間でのビックマッチ開催は、客入りの苦戦があったにしろ盛況のままに幕を閉じた。多分、本大会関係者には猪木がいろいろな人に、この言葉で背中を押していたと思う。

 “迷わず行けよ!行けばわかるさ!”


 良しも悪しも多くの情報、噂が交差した中では確かにあったが、近年まれに見る味わい深いイベントだったと記者は思う。

 試合内容は・・・

記事の全文を表示するにはファイトクラブ会員登録が必要です。
会費は月払999円、年払だと2ヶ月分お得な10,000円です。
すでに会員の方はログインして続きをご覧ください。

ログイン