10・28アレナメヒコCMLL女子グランプリ会見 CMLL日本女子選手権試合ダリス本間多恵

 9月28日、東京・原宿のmildom本社にて、メキシコ・CMLLの第二回女子版グランプリ(10月28日、アレナメヒコ)出場選手の記者会見が行われた。
 出席選手は本間多恵、清水ひかり、駿河メイ(以上、日本代表)、ダリス(メキシコ代表)、ステファニー・バッケル(チリ代表)の5選手。

 グランプリは、メキシコ軍と多国籍軍に別れ、残りの2選手になるまでトルネオ・シベルネティコ(CMLL式イリミネーションマッチ)で戦い、残った2選手で国籍関わらず決勝で争うというルールで行われる。
 それぞれ、グランプリ出場に当たり次のようにコメントした。


・本間多恵
(グランプリ出場は)すごいことになったと思ったのと、優勝したい気持ちでいっぱいになった。ダリスとはメキシコでも続きを戦いたいし、私が3年前にメキシコへ行くきっかけとなったマルセラも対角にいるので、その二人にはバチバチに戦って今の自分を見つけたいと思います。

・清水ひかり
自分はまず、メキシコへ行くことができなかったので、行けるようになったときに、メキシコに行ける~と言うのと、さらにアレナメヒコも行けるのってすごくうれしかったです。メキシコではいろんなものを吸収して帰りたいです。戦いたい相手はやはりダリスですけど、ダリスが今、日本に来てるからこそスゲーというのが伝わってくるので、今度は私たちがメキシコに乗り込んで日本スゲーと思わせたいです。

・駿河メイ
CMLL、しかもアレナメヒコという場所で試合ができるということを自分の人生の中で想像したことがなかったです。それが実現できることになった感動と、チャンスをくださってありがとうございますという気持ちです。日本を背負って試合してきます。
 メキシコやルチャにかかわるのも今回で初めてになるので、キャリアの多い選手、特にダリス選手と当たれたら一回でメキシコを感じれるので、ダリスと当たりたいです。


・ダリス
世界中の人々がアレナメヒコに注目していただけるのはとてもうれしく思います。そしてこの10月はCMLLにとって、女子がとても注目される重要な月です。ぜひ、CMLL女子にも注目してください。

・ステファニー・バッケル
チリ代表として、チリを背負って戦いたいと思います。今回のグランプリで優勝して、チリの名前を世界中に広めたいと思っていますので、期待していてください。

 また、9月25日に行われたCMLL日本女子戦、ダリス対本間多恵戦について、二人はそれぞれ次のように振り返った。

・ダリス
これまでタエとは何回も戦ってきたけど今回は本当に強く感じた。私の知らない技もたくさんあって、でもタイトルを失いたくないので、一生懸命に戦いました。

本間
負けたときは悔しい気持ちもめちゃめちゃ強かったですけど、それ以上にリスペクトの気持ちが強くなりました。でもこれで終わりではなくて、メキシコでも続きをしたいですね。今回の試合では、自分が持っている技を全部出し切りました。日本で初めて当たった時に衝撃的すぎるパワーボムで撃沈したので、今回は食らっちゃいけないと、その回避方法を研究していっぱい練習してきました。でも、最後はああいう形で終わったので、この敗戦をまた次につなげたいです。


■ アイスリボン×CMLLレディースリング合同興行
日時:9月25日
会場:レッスル武闘館

<CMLL日本女子選手権30分1本勝負>
○ダリス
 14分48秒 変形ラ・カシータ
●本間多恵


 2020年1月、白川未奈を破り、初代CMLL日本女子王者となったダリスの防衛戦。本間多恵は8・28CMLLレディースでの大会でメキシコ遠征者トーナメントで優勝。その結果をもって、ダリスへの挑戦を表明した。

 本来なら、お台場デッキにて開催中のフィエスタメヒカーナ(メキシコ祭り)で1万人の参加者を前に繰り広げられるはずだったタイトル戦だったが、台風接近により中止。急遽、アイスリボン道場で行われることになったが、会場の広さなど二人には関係なかった。

 序盤は互いにレスリングで勝負をする静かな立ち上がり。ルチャのタイトル戦は序盤、このようなレスリングの展開で互いの手の内を探り合うが、本間も、あえてメキシコスタイルで挑んだ。
 ダリスはカンパーナで本間を揺さぶりかけると、本間も体を入れ替えジャパニーズレッグロールクラッチでフォールの体勢へもっていく。

 本間は腕ひしぎで得意の関節技勝負に出るが、ダリスは宇宙一の怪物パワーで片腕一本で持ち上げる。ならばと本間もアームドラッグで
投げ返す。さらにドロップキックでたたみかけると、ダリスは場外転落。ここで本間はトップロープからの豪快なプランチャ。まるで次のメキシコ遠征でアレナメヒコにて飛ぶことをアピールするかのように思い切りダイブした。

 さすがのダリスもこれにはダウン。本間はさらに場外で攻撃を仕掛ける。ダリスの動きが完全に止まったかに思われたが、エプロン上での攻防でダリスが流れを変えると、本間をロープにもたれさせ、背中ごしへのドロップキック。しかし本間もダリスをコーナーに呼び込むと、ぶら下がり式への腕ひしぎでダリスの右腕を破壊に行く。

 ダリスは再び本間を捕まえると、リバース式のゴリースペシャルに切り返すが、本間は体を起こすと、強引にミステリオラナで固めてフォールへ。必死に返すダリスだが、本間はここでなんとラ・ミスティカを繰り出す。ルチャのムーブを完璧にこなしていく本間にダリスがことごとく追い込まれていく。本間のタイトル奪取か?と思われるシーンの連続で場内の熱気は最高潮。なんとか右腕一本で本間の腕ひしぎを振りほどいたダリスだが、この日本遠征でフィニッシュとしているセカンドロープからのセントーンを狙うと、本間がすかさず飛びつき、雪崩式の腕ひしぎへ。今度こそダリスがギブアップかと思われたが、かろうじてロープに逃れる。

 ここで両者のエルボー合戦へ。ダリスは本間をパワーで持ち上げると、高角度のッライガーボム狙いに行くが、これもまたウラカンラナで
本間は切り返す。前回のシングルはこれで敗れた本間だが、これをクリア。勝機が見えてきた本間だったが、ダリスはエビ固めで固められている体勢から立ち上がるとそのままラ・カシータへ。夫・ネグロ・カサス譲りの絶対的な技だが、これも本間は2でクリア。しかし、技の流れは止まっておらず、そのまま体重を浴びせてエビに捕らえると、ついにカウント3が入り、決着の時となった。

 本当にあと一歩まで宇宙一強い女を追い詰めた本間だが、最後はダリスの実力が上回った。

本間「あー、悔しい。あと本当に少しだった。最後も私は返したと思っている。ダリスとは何回も何回も戦ってきたけど、今日は本当に追い込んだと思っている。まだ私は諦めない。メキシコでも日本でも戦いたい」

ダリス「私は日本人選手と試合をするのが好きだ。中でも本間との試合が一番良いと思ってる。日本でもメキシコでもまた戦おう」

 最後はにらみ合いから抱擁へと変わり、互いを認め合った本間とダリス。この続きは日本か、メキシコか。今日の戦いは終わりではなく、さらなる続きへと繋がっていく。