[ファイトクラブ]8・7新日本G1大阪/ジョナがオカダ・カズチカを圧殺刑 連勝を3で止める

[週刊ファイト8月18日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼新日本8・7大阪:ジョナが圧殺刑でオカダ・カズチカの連勝を止める!
 ジュースとファンタズモの幅の広すぎるプロレス!
 photo & text by 西尾智幸
・大阪初日と比べ、カードが落ちた?
・動ける巨獣には、オカダが発揮した「火事場のクソ力」も通用せず
・ツッコミを呼んできてくれ! ジュースとファンタズモがゆるゆるの試合で和ませる
・おなら、おなら! ウ○コチェック!! お前ら子供か!!
・ゆるゆるから急展開のハードコア!ジュース流血!
・そして最後は、めちゃくちゃ落ち込むファンタズモ
・中島佑斗、先輩にも物怖じしない態度は将来有望
・いつも同じ選手が負ける試合って面白いの?
・ヘナーレの肉体改造や技のバリエーションに期待感
・トップ戦線離脱確定でも、手を抜かない石井智宏には好感


8・7新日本G1CLIMAX 期待薄の中で見た”インパクト有りの公式戦

 3年振りに、夏に戻ってきたG1リーグ。今年は、過去最多28選手エントリー。しかも22年振りの4ブロック制。コロナ第7波が猛威を振るう中で、果たしてどんなストーリーが待っているのか!

 ここ最近の大阪大会は、そんなに大盤振る舞いのカードはない。今年のDOMINIONこそタイトル戦ラッシュであったが、それ以外の大会は府立第1でも、タイトル戦は少ないし、喰いつくようなカードは正直なかった。現に、誰と誰が闘ったさえ記憶にないものの多い(それは歳のせいか?!)
 今回も、大阪2連戦の前日は前座でも棚橋弘至&オカダ・カズチカの越境コンビが見れたり、グレート-O-カーンvs.ジェイ・ホワイトの初対決、メインは鷹木信悟vs.ウィル・オスプレイと期待を寄せられた。しかし、2日目のこの日はオカダがジョナとの初対決。ジョナの仕事っぷりはまだ未知数だし、それ以外も個人的には特に期待する程のカードもなく、石井智宏なら誰が相手でもそれなりの試合はしてくれるだろう。あとは1試合くらい意外な好勝負があるのでは? という淡い期待程度で臨んだ。
 まあ、詳細はあとで書くとして、そのファンの期待度は、そのまま集客にも反映し、6日3,370人、7日2,609人と分かりやすい結果となった。

 さて、いざ蓋を開けてみるとどうだったのか?

■新日本プロレス G1 CLIMAX 32
2022年8月7日(日)  14:00開始
会場:大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)
観衆:2,609人(主催者発表)

メイン:動ける巨漢ジョナの肉弾圧殺に説得力あり!オカダ虚しく轟沈

《第9試合》
『G1 CLIMAX 32』Aブロック公式戦
○ジョナ
 21分53秒 トーピード⇒片エビ固め
●オカダ・カズチカ

 初対決となった両者。上手く噛み合うのか気になるところ。序盤は、ロックアップからヘッドロックと静かなスタート。場外乱闘になった頃から徐々にヒートアップ。鉄柵にジョナの足を絡めてダメージを与える。そして、更に花道の上でブレーンバスターを狙うが、阻止され逆にフライングボディーシザースドロップで圧殺されダメージ大! リング内に戻ると、お互いタックルやエルボーの応酬に。オカダが低空のドロップキックを放ち、場外に落ちたジョナとセコンドのバッド・デュード・ティトもまとめてトペ・コンヒーロをお見舞いした。


 ジョナをリングに戻し、投げたいが上がらない。逆に、スピア、セントーンと巨体を生かした攻撃にオカダ悶絶。ジョナが技を繰り出す度に、会場からはため息にも似た声が漏れる。
 ドロップキックで勝機を掴もうとするが、ダイビングボディーシザースドロップで再び圧殺。
 それでも、オカダは火事場のクソ力を発揮し、160kgのジョナをボディースラムやジャーマンスープレックスで投げてみせた。しかし最後の畳み掛けはエグかった。オカダはコーナーから人間離れの飛距離で、ミサイルキックを発射! しかし、それを軽く受け止めてそのままパワーボム!

 跳んだオカダも鳥人だが、受け止めたジョナも超人だ!! 更にブレックフォレストボムで叩きつけ、トドメはトーピード(フライングボディープレス)で完全に圧殺。場内からは悲鳴にも似た声があちこちから聞こえた。これは説得力あり!! オカダの連勝は3で阻止されてしまった。
 しかし、バンバン・ビガロ以上の動けるおでぶというか、体の重さを全然感じさせない機敏な動き。20分以上闘い抜いてもスタミナが衰えないところにも恐怖を感じる。5日の愛媛では、あのジェフ・コブをも圧殺刑で仕留めたジョナは、今後G1の、いや新日本の台風の目になる事は必至だろう。最後は、“THE MIGHTY DON’T KNEEL(強き者はくじけない)”とマイクで締めた。

第7試合:読めない展開!おふざけからのハードコアだがオチは・・・

《第7試合》
『G1 CLIMAX 32』Dブロック公式戦
〇ジュース・ロビンソン
 16分09秒 反則
●エル・ファンタズモ

 バレットクラブ同門対決ではあるが、正直個人的には期待値は低かったし、どっちが勝っても別に…って感じで臨んだ一戦。しかし、それが予想外の展開に!
ちなみに、ファンタズモの入場は、“令和のひとりちんどん屋”かと思う程派手である(笑)。

 勿論、実力者の2人ではあるが、そんなに面白い展開になるとは思っていなかった。
クリーンに始まるのかと思いきや、ゴングと同時に始まったのは、単なる馴れ合い(笑)。ジュースが手で「ぶーーっ」と音を鳴らすと、オナラ、オナラと2人で騒ぎだし、レフェリーに「ウ○コチェック!」といい、おしりを確認。「子供か!」とツッコみたくなる(笑)。その後もスローモーションでゆっくりと動き、ダメージも与え合わずに、緊張感は全くない状態。もう、ここにストロングスタイルの新日本はない(笑)。ゆるい大阪プロレスのノリである。ここに吉野恵悟レフェリーがいたら、いちいちツッコんでくれて、かなり爆笑が取れたと思う。
 ただ、時間切れまでこれで引っ張るのは厳しい。このあと、どういう展開になっていくのかが想像できない。どのタイミングで普通に戻るのか? いや戻らないのか?!
 しかし、突如気の緩んでいるジュースにファンタズモが猛スピードでスクールボーイからロープに足をかけてのフォール。ジュースもタイツを掴んでのスクールボーイでお返し。
 お互いの反則フォールにレフェリーが激しく注意すると、両者はレフェリーに突進していくが、巧くかわされぶつかり合ってしまう。これで、お互いの闘志に火がついた。罵倒し合いながら、ジュースがリング下からイスを出すと、ファンタズモはテーブルを引っ張り出してくる。いきなりハードコア?! ちょっと、急展開なんですけど! さっきの悪ふざけは何処へ?!

 凶器で、バシバシに殴り合うのかと思いきや、ジュースがテーブルを利用して、腕相撲を要求!「なんで、ここで腕相撲やねん!」。しかも、審判をしろとレフェリーを呼び込むと佐藤レフェリーは写真の通り!「あんたもやるんかい!」 いちいち、大阪人は心の中でツッコむ(笑)。
 両手でズルをしてファンタズモが勝つが、ジュースが怒りイスを投げつける。更に、花道でパイルドライバー! ファンタズモは、ギリギリカウント19で生還。その後も激しい攻防が続き、テーブルに頭の何度も叩きつけられたジュースは額から流血。本当のハードコアマッチに発展。ここからは、ファンタズモの逆襲。トペ・コンヒーロ、スワンダイブ式のサンダーキス’86、CRⅡと立て続けに大技を繰り出し、それでもダメならばと、バレットの歴史を思い出させる、スタイルズクラッシュ、Vトリガー、更に片翼の天使を狙う。
 ちょっと奥さん!! 面白い展開になってきたんですけど!! 片翼は阻止され、お互いに技の切り返し合い。しかしジュースがファンタズモの股間にヘッドバットを喰らわし左ストレートから完璧なパルプフリクションを炸裂! 誰もが決まったかと思ったが、これまた返すファンタズモ! 一体どうなるのだと思ったあと、すぐに勝敗は決まってしまった!

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