[ファイトクラブ]回顧10.5.9 IGF大阪大会&猪木WWE殿堂入り祝賀会in大阪の貴重写真

[週刊ファイト6月3日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼回顧10.5.9 IGF大阪大会&猪木WWE殿堂入り祝賀会in大阪の貴重写真
 text & photo by 西尾智幸
・GENOME12、ショッパイ試合連発も猪木人気は不動!
・空席あるのに、超満員札止めは眉唾物
・ウルティモ・ドラゴンvs.ロッキー・ロメロは唯一のプロレスらしい好勝負
・ロメロの卍固めは鈴木みのるのリスペクトから
・実は、タコ焼き大好き、ネクロ・ブッチャー
・本日のメインといってもいい『猪木劇場』が始まる!
・後半戦の闘い、期待していいのかダメなのか? その答えはI・G・F
・I・・・猪木が G・・・元気ですかといえば F・・・ファンが喜ぶ団体
・アントニオ猪木プロレス殿堂入りを祝う会inホテル日航大阪の全貌
・ゲストも多彩で猪木もご満悦だがファンにもパラダイス。最高の祝賀会!


 今更、説明も不要だろうが、プロレス界に於いて、外す事の出来ないスーパースター、燃える闘魂・アントニオ猪木。1960年にデビューし、1994年に引退するまで、ライバルのタイガー・ジェット・シン、アンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセン、ビッグバン・ベイダーなど多くの選手と数々の名勝負を残した。

▲1982年12月9日 vs.アドリアン・アドニス戦より

 デビュー50周年を迎えた2000年には、日本人初となるWWEの殿堂入りを果たした。
WWEの殿堂入りとは、そもそもアンドレが1993年に亡くなった際、本人の功績を称え、WWF(当時)殿堂(Hall of Fame)を創設。
その後も、ボボ・ブラジル(1994)/フレッド・ブラッシー(1994)/アントニオ・ロッカ(1995)/バディ・ロジャース(1997)/ハーリー・レイス(2004)/ハルク・ホーガン(2005)/バーン・ガニア(2006)/ダスティ・ローデス(2007)/リック・フレアー(2008)/“ストーンコールド”スティーブ・オースチン(2009)/ザ・ファンクス(2009)/アブドーラ・ザ・ブッチャー(2011)/ボブ・バックランド(2013)/藤波辰爾(2015)/獣神サンダー・ライガー(2020)など錚々たるメンバーが殿堂入りされている(日本人は3人だけ)

 当時、WWE会長兼CEOのビンス・マクマホン氏も「アントニオ猪木氏は、日本そして世界におけるプロフェッショナル・レスリングの地位を高めたパイオニアです。50年にも渡るそのキャリアの中で猪木氏は、全ての素養を兼ね備えた選手、そしてプロモーターとしてさまざまな成功を成し遂げ、文化の象徴となりました。ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンから東京の武道館まで、猪木氏はその類まれなる技術で世界中のファンから称賛を得てきました。WWEは、プロレス史においてもっとも崇拝され、もっとも尊敬されてきた猪木氏にこの名誉を授与出来ることを大変誇りに思います」とコメントしている。
 今回は、同年5月9日、大阪にて行われた猪木50周年記念のIGFの興行から、ホテル日航大阪にて“殿堂入りを祝う会”までを秘蔵写真満載で振り返ってみよう。

20.5.9GENOME12、ショッパイ試合連発も猪木人気は不動!

■ GENOME12~アントニオ猪木デビュー50周年記念大会第2弾~
日時 2000年5月9日 17:00
会場 大阪府立体育会館
観衆 6588人(超満員札止め=主催者発表)

 まず入場の際に、パンフレットとタオルを全員に配布するというサービスには感激した。パンフは、猪木の50年の年表やインタビューなどもあり読み応えがあった。(まだ大事に持ってます)


 会場内には、大きな猪木のタペストリーが飾られていた。
 客入りは、今の新日と比較した場合、この一角の2階席が使用されていなかった事、1階も後ろの方に席が無かった事、2割くらいの空席もあった事を考え、せいぜい4000人くらいか?
 なので6588人札止めはさすがに無理があるが、ここは猪木だから何をしても許されるのだ(笑)。

<第1試合>
〇澤宗紀
 3分59秒 V1アームロック
●定アキラ
 短時間であっさり終了したのもあり、全く記憶のない試合(笑)。

<第2試合>
〇アイアン・プリングス
 3分46秒 顔面ニーアタック⇒OK
●アレクサンダー大塚
 膝が頭部ヒット、アレク動けずレフェリーがストップ。
 余談だが、大会翌日記者の営むバーにアレクと小猪木がご来店し、事前に来る事を伺ってたので、スリーパーの写真を進呈したら、表情やレフェリーのポーズ等、凄く気に入って頂いて、4ヶ月後に行われる、自身の15周年興行の公式カメラマンをお願いされるというおまけがついた(笑)。

<第3試合/IGFキックボクシングマッチ>
〇角谷正義
 3R 1分49秒 フライングミー⇒TKO勝ち
●軽部秀和
 大阪出身の角谷のデビュー戦。190を超える高身長で期待はされたが、本当のキックルールではなく、プロレスの範疇での試合だった為、本人も緊張している上に、不自然な動きも多く、挙句は失笑も起き、どんどん会場の空気が悪くなるのが分かった。「もう2人共、負けでええわ」と大阪らしい野次でお客も共感しちょっとスッキリ。最後はなんとか勝利は摑んだが・・・。

<第4試合>
○ウルティモ・ドラゴン
 6分20秒 アサイDDT⇒片エビ固め
●ロッキー・ロメロ
 この両者の身体能力に、やっと会場は盛り上がった。この頃から、アサイムーンサルトは仕掛けようとするが、阻止されるのパターンで、決まる姿を観る事はほぼなくなってしまったが、それを除けば、動きも良く、ロメロの空中戦にも互角以上であった。最後はアサイDDTでロメロの動きを止めた。
 これまた余談だが、この大会の後に本誌・藤井敏之記者と共に、ロッキー、ネクロらと食事に行かせて頂いたのだが、この時横に座っていたロメロに、撮った写真を見せていたら、この卍固めは鈴木みのるをリスペクトして真似ているといってくれた。あとの写真と比較して欲しい。

<第5試合>
〇ザ・プレデター
 12分53秒 キン肉バスター⇒体固め
●タカ・クノウ
 ブロディもどきのプレデターだが、入場で会場を徘徊する場面は意外に盛り上がった。やはり、クノウが上手くプロレス出来ず、噛み合わない感じで終わってしまった。

<第6試合>
〇ボブ・サップ
 7分58秒 雪崩固め⇒体固め
●ネクロ・ブッチャー
 まあこちらも、サップですからねぇ(笑)。ネクロが流血までして頑張ってくれたが、サップのイタさまでは、吹き飛ばせず。

 ☆おまけ画像 試合後の居酒屋にて
 プロレス持論を語ってくれたロメロと、あれだけ流血してたのに、大好きなタコ焼き食べれてゴキゲンなネクロ(笑)。

お待ちかね、本日のメインといってもいい『猪木劇場』が始まる!

 休憩後、まずWWE殿堂入りのVTRが流れる。そして、館内には“サンライズ”が響き渡り、不沈艦スタン・ハンセンが登場! ロングホーンの叫びに会場のボルテージは急上昇!
 お祝いコメントが終わると、満を持して猪木の登場!! 両雄の揃い踏みに早くもテンションMAXか?! 「元気ですかーっ! 元気があればなんでもできる」のお約束フレーズから始まり、WWEから殿堂入り表彰された話をし、そして更にとある農業団体からも表彰されたと饒舌に語る。
 そして、おもむろに筆を取り出すと、今度は文字を書き出す。
 書かれた文字は『田道』。「農業だけに、田圃の道で“でんどう”と読みます。ムフフフ」と得意のダジャレをかます。

 ここは大阪! 会場の空気はご想像できるかと思うが、受けようが、受けまいが関係ないのが猪木(笑)。ファンもそこは求めていない。更に、鍬を持ち出しての小ボケなど、猪木パフォーマンス全開! 最後は、“道”をサックスの演奏にて熱唱し『1、2、3、ダーーーッ!』で締め。
 正直、今日のお客さんの大半は、誰か分からない選手も多いのに、これだけ集まったのは、この猪木劇場を見たかったからであろう。現に、この日一番沸いたのはこの場面である。

後半戦の闘い、期待していいのかダメなのか? その答えはI・G・F

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