[ファイトクラブ]秘蔵写真で綴る浪速のアントニオ猪木#8(1968年9・21独系悪党)

トップ画像:同シリーズ東京大会ポスター
[週刊ファイト5月27日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼秘蔵写真で綴る浪速のアントニオ猪木Part8(1968年9・21独系悪党)
 by 藤井敏之
・日本プロレス協会はNWA加盟が承認:ダイヤモンド・シリーズ開幕
・BI砲vs.ドイツ系悪党キラー・カールコックスとカール・カールソン
・馬場と猪木コンビネーションが絶妙に機能していたこの頃
・渋谷のエンパイヤ・ジムで卍固め開発に特訓を重ねていた猪木
・大阪大会控室フリチンのままアンフェアー裁定抗議のKKコックス貴重


 1969年から激化するアントニオ猪木とジャイアント馬場のライバル関係において、この年末へ向けてのダイヤモンド・シリーズは最後の蜜月時代ともいえる両雄のリング上での信頼関係が垣間見えた時であった。
 8月に日本プロレス協会はラスベガスでのNWA年次総会で正式にNWA加盟が承認され益々外人の充実化が進む中、AWA圏ではあのブルクラ・コンビと血で血を争う抗争をくりかえしている前AWA世界ヘビー級選手権者のマッドドック・バション、前年の馬場のインターナショナル王座に挑戦し両者大乱闘を展開したブレーンバスターを得意とする“殺人鬼”キラー・カール・コックスの再来日、同じく悪党でスウェーデン・ヘビー級チャンピオンのカール・カールソン、フロリダ地区のヘビー級王座であるレッド・バスチェンらを揃え開幕する。



試合前の”若獅子”猪木    カール・カールソン     悪役ドイツコンビ

 早々大阪府立体躯会館では、BI砲にキラー・カール・コックスとカール・カールソンのドイツ系悪党チームの挑戦が発表された。館内満員の観客の中、インターナショナル・タッグ選手権試合60分3本勝負の試合はスタートから大荒れの展開になり1本目(24分2秒)は血だるまのラフファイトで日本組の反則勝ち、2本目(2分19秒)は馬場がコックスに耳そぎチョッツプ、猪木の喧嘩ファイトからジャイアント馬場の32文ロケツト砲でカールソンをKOした。
 速攻のストレート勝ちとは言え、かなりのダメージを受けたチャンピオン組であるが見事6度目の防衛を果たした。この試合ではダイナミックな馬場が繰り出す大技と、猪木が悪役相手に見せるナックル・パートやストンピングとういう単純明快な技が、ラフファイト好きな浪速の大観衆ファンのヤンヤの喝采を浴び大ハッスル。

日本が誇るBI砲

 試合後、外人チームはレフェリーのアンフェアーな裁定をアピール、後日10月24日広島において今シリーズ最凶タッグと呼べる”マッドドック“バションと”殺人鬼“カール・コックスによるエース級二人の、インター・タッグ選手権への挑戦が日本プロレス協会より発表された。

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