REBELS ~The FINAL~日菜太、海人、老沼隆斗、白幡裕星インタビュー

日菜太
「僕がずっと戦ってきた『REBELS』のいい幕引きに」

2・28『REBELS ~The FINAL~』の「REBELS-BLACK スーパーウェルター級タイトルマッチ/BLACKルール/3分3R・延長1R」で、海人の挑戦を受ける日菜太。『REBELS』最後の大会で、2年ぶりの防衛戦に臨むことになった彼にとって、『REBELS』とはどういう存在なのか。試合への意気込みにも関わる「『REBELS』への思い」を中心に聞いた。

──日菜太選手は、『REBELS』初参戦からちょうど10年になるんですね。

日菜太 そうみたいですね。新宿FACE昼夜興行の、昼のメインだったと思います。

──ですね。2011年1月23日、『REBELS-EX ~HINATA’s wave~』という大会名でした。

日菜太 まだK-1 MAXに参戦していた頃で、試合がしたくて組んでもらったと思います。韓国人選手と試合して、ハイキックでKOしてますよね。

──はい。チェ・ウヨン選手に3R、左ハイでKO勝利です。

日菜太 懐かしいな(笑)。思わずそう思ってしまうぐらい古い試合ですね。ちょうどその年(7月)に『REBELS.8 & IT’S SHOWTIME JAPAN』でジョルジオ・ペトロシアンとやって、その後にクロスポイント吉祥寺に移籍したんですよね。K-1 MAXも終わり始めてる頃で、「日菜太君、どうする?」みたいな時期だったんですよ。だから少しでも強い相手とやれる舞台がいいということで、IT’S SHOWTIME JAPANに出たと思います。

──それまではRISEやJ-NETWORK、それからK-1 MAXなどで戦ってきましたが、以後は『REBELS』がホームという意識になりましたか?

日菜太 移籍したクロスポイントの山口代表が主催するイベントだったので、必然的に出続けることになりましたよね。だから『REBELS』に出てた選手って数多くいると思うんですけど、最初の方から今まで出てる選手って、もうかなり少ないですよね。

──はい。炎出丸選手、T-98選手など、数えるほどです。日菜太選手自身、やはりREBELSを背負う気持ちというのは強くなっていきましたか?

日菜太 そうですね。REBELSのリングでアンディ・サワーとの再戦もやらせてもらいましたし(2015年9月、『REBELS.38』)、いろんな大会に出させてもらいました。もともと山口代表がムエタイ志向で始めた大会だと思うんですけど、僕は「ムエタイはやらない」ということはずっと言っていたので、ヒジなしの部分では僕がずっとメインカードをやってきたという自負はあります。

──自分の道を貫いてきたと。

日菜太 周りからは「『REBELS』はムエタイのイベントなんだからムエタイやれよ」とか「ラジャダムナンのベルトを目指すべき」とか言われることもあったんですけど、「僕はそういうつもりでキックボクシングを始めたわけじゃないです」って、昔言った気がしなくもないです(笑)。そもそもヒジありの試合自体、デビュー当初のJ-NETWORKとタイでの試合、合計数試合しかしてないですからね。

──2017年からは新生K-1に上がるようになりましたが、その時も最初は「REBELSの代表」としての言葉が多かった記憶があります。

日菜太 あの時は、僕が動いたことによって他の団体からもいい選手が集まって、一番K-1に人が集まった感じがしたんですよ。REBELSが「K-1で頑張ってこい」って気持ちよく言ってくれたので、REBELSの代表として戦っていこうという気持ちで挑戦しました。結局、チンギス・アラゾフには勝てなくて目標としていたベルトは獲れなかったですけど。その後も参戦していこうという気持ちはあったんですけど、「次からは67.5kgで」という雰囲気が出てきたこともあって、復帰戦はREBELSを選びました。

──その中で、今回防衛戦を行うREBELS-BLACKスーパーウェルター級王座は2013年に獲得して(当時は「REBELS 70kg級王座」と呼称)、8年間保持しています。このベルトへの思いはどんなものがありますか?

日菜太 今まで3回防衛して、今回は2年ぶりの防衛戦なんですよね。コンスタントに守ってきたというわけじゃないですけど、その分、自分にとっての敵がいなかったことでもあると思うので。今でも70kgの日本人では自分が一番強いと思ってるし、今度戦う海人選手は今の若手では一番強い選手なので、しっかりと勝って、日本人最強をもう一度証明したいですね。

──海人選手も「日菜太選手に勝てば日本人最強を名乗れる」と言っています。まさにそういう戦いですね。

日菜太 僕も気づいたらいい年になっちゃっているので、もう一度だけアラゾフみたいなヤツらと戦いたいんですよ。だからあと1年ぐらいは、海人選手には悔しい思いをしてもらって、僕の後に行ってもらいたいと思いますね(笑)。ホントに、この試合に勝った方がコロナ明けに世界の強豪とやらせてもらえる査定試合だと思っているので、ここはしっかり、落とさないようにしたいなと思います。

──そしてこの試合が行われるのは、『REBELS』がいったん封印されるという大会でもあります。

日菜太 そこはステップアップだと捉えてます。宮田プロデューサーが就任して、しっかりブランディングしていくために『KNOCK OUT』というブランド一本でやろうという話じゃないですか。だからイベントとしても挑戦の1年になると思うので、僕がずっと戦ってきた『REBELS』のいい幕引きにしたいなと思ってます。僕はあと10年はできないですし、今回と3月の『KNOCK OUT~The REBORN~』に出る若い選手たちには、これからの10年を担っていくような選手たちがいっぱいいるじゃないですか。

──このところ、安本晴翔選手や龍聖選手を中心に、「『REBELS』の“顔”」争いが明確になってきています。「『REBELS』の“顔”は俺だ」という意識というのはありますか?

日菜太 いや、そこは……昔からずっと思ってるのは、僕ぐらいの選手、1人出れば300人400人お客さんを呼べるみたいな選手が、団体に5~6人いた方が面白いんじゃないかと思っていて。その中でステップアップしていった方が、いい興行を回せると思ってるんですよね。正直、ここまで『REBELS』でやってきて、僕ぐらいまで来た選手って他にいないと思うんですよ。だから飛び抜けた存在になる若手がもっと出てきて、5試合ぐらいで後楽園ホールを満員にできたら、大きい大会もすぐできるじゃないですか。そうなってほしいなって思ってます。(電話の向こうから赤ちゃんの声)

──お子さんの声がしますね。

日菜太 はい(笑)。ウチの赤ちゃんが今回は見に来られなくて、見に来れらるぐらいの歳になるまでは負けられないので。会場に来てくれて、「見に行ったよ」っていう記憶がちょっとでも残ってくれたら、「お父さんの仕事はこういう仕事だったんだ」と思ってくれると思うので。そこまでは負けられないなと思います。ここまでずっと、11年ぐらいは日本人選手に負けてないし、ずっといい試合をしてきたと思ってるので。僕は昔、佐藤嘉洋さんや魔裟斗さんとやりたかったですけど、やれなかったですからね。でもだからこそ、僕は若い選手とやらなきゃいけないなと思ってますし、まだまだ彼らに勝っていかなきゃいけないと思ってます。

──分かりました。熱戦を期待しています!

海人
「日菜太選手に『世界に行ってきてくれ』と言ってもらえる勝ち方をしたい」

2・28『REBELS ~The FINAL~』の「REBELS-BLACK スーパーウェルター級タイトルマッチ/BLACKルール/3分3R・延長1R」で、王者・日菜太に挑戦する海人。シュートボクシングのエースとして『REBELS』に乗り込んでくる彼は、タイトルマッチでの日菜太との対戦にどう意気込んでいるのか?

──1月24日には対戦カード発表会見に出席されていましたが、まずその時の服装がすごくカッコよかったですね。

海人 ありがとうございます(笑)。みんなスーツで来るかなと思ってたんで、それとはちょっと違うフォーマルな格好でいけたらなと思って、あれにしました。

──そういう狙いがあったんですね。普段から着るものにはこだわりが?

海人 そこまでこだわりはないですけどね。こないだみたいなフォーマルな格好もしますし、カジュアルな格好も普通にするので。

──その会見で日菜太選手とも顔を合わせたわけですが、実際の印象はいかがでしたか?

海人 70kgで引っ張ってきた日本人の風格というか、そういうものはあるなあと感じました。

──日菜太選手の試合というのは、どのあたりから見てましたか?

海人 昔のK-1 MAXに出ていた頃から普通に見てて、正直な話をすれば、その頃から左ミドルとかはすごいものを持ってるなあと思ってました。まあ、対戦することになるとかは全然考えてなかったですけど。そんな昔、僕がプロになる前からガンガンやってた選手なので、その左ミドルも勉強させてもらったというのも正直なところではあるんですけど、そういう選手を越えられる機会をもらったなあとは思ってますね。

──70kgで戦うようになってからは、「いつかは対戦するだろう」という気持ちはありましたか?

海人 それはありましたね。「対戦したい」というより、僕が目指してるのは日本ではないので、世界に行くためにやっとかないとアカン相手だなと思ってたので、いつかはやるだろうなとは思ってました。

──そういった選手との対戦となるわけですが、改めて、どう戦いたいですか?

海人 正直に言えば、今は蹴り勝つ自信ももちろんありますし、パンチなんかでは僕が圧倒的に勝っている部分もあると思うので。70kgでガンガンやってきた選手と、今70kgでやっていこうと思っている選手と、しっかり追い上げていく姿を、日菜太選手に見せたいですね。70kgをしっかり任せられるというところを、日菜太選手に見せつけたいです。

──「時代はもう変わった」と認識させたいと。

海人 そうですね。日菜太選手に「世界に行ってきてくれ」と言ってもらえるようにしたいんで。ギャラリーの皆さんにも、「海人やったらいけるな」と思ってもらえるような、そういう試合をしたいです。

──70kgでの試合というのは、今のところご自分でどうですか?

海人 正直、今のところは問題ないです。最初の頃はパワー差というか、体がぶつかった時に「まだ自分は早いのかな」という感覚があったんですけど、65kgでやってた頃から「もう65kgでも67.5kgでも相手も見つからないし、上げないとダメだな」と思っていて体作りはしてきたので自信もつきましたし、今は何の問題もなく戦えてるなという自覚があります。

──もう一つ、今回はヒジなしのBLACKルールになります。シュートボクシングではヒジありの試合でもいい勝ち方を見せていたりしますが、ヒジのあり/なしという点はどうでしょう?

海人 意識の部分で、ヒジありだと自由に戦えるなとは思うんですけど、なしでも全然戦えるので、どっちが得意とかはないですね。ヒジありが好きではありますけど、両方得意かなというのはあります。

──今回、最終的にはどう勝ちたいですか?

海人 判定とかじゃなく、しっかり倒して、圧倒的な差を見せたいと思います。

──勝ったら『REBELS』のチャンピオンということになります。『REBELS』という敵地に乗り込むという意識もあると思いますが、ベルトについては?

海人 『REBELS』に限らず、ベルトというものにそんなに興味があるわけではないんですが、こういう機会をもらえたのはすごくありがたいことなので、しっかり獲って、チャンピオンになったら『REBELS』も広めていけるようにしたいなとは思ってます。

──ベルトが第一の目的というわけではない?

海人 そうですね。『REBELS』のベルトがほしいというよりは、日菜太選手と戦って日本で一番になって、世界に行くスタートがしたいというのが一番で、そこにベルトもついてくるなという感じです。

──やはり今回、日菜太選手に勝てば、70kgでの日本最強と名乗れる?

海人 そうですね、対戦できる範囲では一番かなと思うので。

──昨年8月には2年ぶりにRIZINにも出場して上がる舞台も広がっていますが、そのあたりとの兼ね合いは?

海人 自分としては本物を目指していきたいので、世界と交われる舞台であればどこにでも行きたいと思ってます。もちろん、シュートボクシングを一番にしたいという気持ちが強いので、それが実現できるのであれば、どこのリングでも上がっていきたいと思っています。どんなルールでも戦える自信はあるので。

──では最後に、改めて意気込みをお願いします。

海人 ここでしっかり勝って、70kgを自分の時代にして世界に行きたいなと思っています!

──激闘を期待しています。ありがとうございました!

老沼隆斗
「唯一無二の『老沼スタイル』を築きたい!」

2・28『REBELS ~The FINAL~』の「REBELS-RED スーパーフライ級タイトルマッチ/REDルール/3分5R」で、白幡裕星を相手に防衛戦を行う老沼隆斗。老沼は昨年2月、ノンタイトル戦で当時無敗の白幡と対戦し、延長の末に判定勝ちを収めている。カード発表会見では「今回は普通に潰す」と宣言した王者の思いとは?

──まずは白幡選手との前回の戦いについてお聞きしたいと思います。今改めて振り返ると、どういう試合でしたか?

老沼 自分のいいところを出すよりも、相手のいいところを引き出しちゃったというか。自分のいいところをあまり出せなかったというのはありますね。

──相手のペースになってしまったため?

老沼 そうですね。1Rのバッティングで出血して左目が全然見えなくなって、慌ててしまって。それで空回りしたところをうまく攻められたなと思います。

──思うように進まなかった時の立て直しは課題だったりしますか?

老沼 はい、うまくいかないのに、意地になってその技を当てようとしてしまったり。「絶対当てる!」って感じでそこにしか向かなくなっちゃって、頭が回らない時は全然自分の動きができなくなっちゃうんで。そういう試合が何試合かありますね。

──ただ、前回の白幡戦ではそんな中でも最終的に勝利できました。その理由とは?

老沼 そこは、「負けたらダメだ」という気持ちの面で勝ったかなと。技もそうですけど、一番は自分の気持ちだと思います。

──負けられないという気持ちは、チャンピオンだからというのも大きい?

老沼 そこは全然意識していません。チャンピオンだからというより、勝ちにこだわっていて負けたくないという気持ちが強いだけですね。ベルトは持たせてもらっていますが、意識しすぎると守りに入ってしまうので、そこは全然気にしないでやっています。

──その試合も踏まえて、白幡選手とタイトルを懸けての再戦になります。今回はどういう試合にしたいですか?

老沼 毎試合そうなんですけど、自分らしい試合にしたいですね。蹴りの選手と思われがちなんですけど、蹴りだけじゃなくて全部できるので。練習でも、パンチとか組みも含めて全部できるんですよ。試合になると蹴りに頼っちゃうところがあるので、全部をいい形で出せたらいいなと思ってますね。蹴りで倒す、蹴りで魅せるということも意識はしてるんですけど、蹴りだけじゃなくてほかの技も見せたいなと思ってます。

──蹴りでいい勝ち方をしてしまうから、余計にイメージがついているのでは?

老沼 (笑)。蹴りで勝ってる時でも、意識しすぎてない時の方がいい勝ち方ができてるんですよ。意識しすぎると動きが固まってしまうので。

──では、そうするために一番カギになるのは?

老沼 この前、会長と話した時に、試合までに持っていくメンタルの部分でいいアドバイスをいただいたんですよ。詳しくは言えないんですけど(笑)、それを生かせば今までうまくいかなかったこともうまくいって、いい動きができるんじゃないかなと思ってます。

──このところ、「『REBELS』/『KNOCK OUT』の“顔”」争いというテーマが活発になっていると思うんですが、老沼選手はチャンピオンの一人として意識していますか?

老沼 僕自身は“顔”になるとか引っ張るとかいうことは特に意識していなくて、「唯一無二」の存在になりたいと思ってます。イベントの“顔”として他の選手と競うというよりは、「老沼隆斗という選手」の価値を上げることの方を目指していきたいというか。

──それはそれで大きなテーマですね。そうやって価値を上げていった先の理想像はどういうものですか?

老沼 僕のスタイルは空手をバックボーンにしてムエタイをミックスしたもので、さらにステップを使ったりもしてるんですけど、「唯一無二」という点では、「老沼スタイル」と呼ばれるようになるのが理想ですね。他の選手が僕のような動きをした時に「老沼スタイルっぽいね」と言われるような、そういうスタイルを確立したいと思ってます。キックボクシングとか空手とかムエタイというのと別で、「老沼スタイル」があるという、そういうところでの「唯一無二」ですね。戦い方が既存の枠にはまらないというか、そういう形になれればいいなと。

──現状では、その理想像にどれぐらい近づけていると思いますか?

老沼 15%ぐらいですかね。まだまだです(笑)。まだまだ、全然ダメダメなので。今度の試合でも、自分が追い求めているものに近づけたらと思います。

──また今回は『REBELS』のファイナルとなる大会でもあります。『REBELS』を主戦場として、チャンピオンにもなっている一人として、どんな思いがありますか?

老沼 このイベントで初めてチャンピオンベルトを巻いたので、やっぱり淋しさはありますね。でもこれからは『KNOCK OUT』一本になってさらに成長していくと思うので、「あの『REBELS』最後の興行は神がかってたね」と言われるような興行になって、僕も出場選手の一人として貢献できたらいいなと思ってます。

──本当は「貢献」どころではないのでは?

老沼 (笑)。本心では、その興行の中でも一番になりたいです(笑)。「特に老沼がすごかったね」みたいな。『REBELS』のファイナルという大会でこのタイトルマッチが組まれたのは、何か意味があると思うので、そこにふさわしい試合をしたいです。これだけ意味のある場でのタイトルマッチで、自分らしい試合をして勝ちます!

白幡裕星
「先輩との約束を果たす最後のチャンス!」

2・28『REBELS ~The FINAL~』の「REBELS-RED スーパーフライ級タイトルマッチ/REDルール/3分5R」で、老沼隆斗の王座に挑む白幡裕星。白幡にとって老沼は、昨年2月の対戦でプロ初黒星をつけられた相手でもある。リベンジマッチともなる今回、白幡には勝たなければならない理由がもう一つあるという。

──1月の岡山大会では平松侑選手に判定負けでキャリア2敗目を喫しました。今年1戦目ということもあり、勝って勢いをつけたかったところだと思いますが……。

白幡 メチャメチャ悔しくて、何日か寝られなかったです。でも次に老沼選手とのタイトルマッチも決まっていたので、「次こそは勝ってチャンピオンになる」という強い意志を持って、すぐに練習を再開しました。精神的にはつらかった時もあったんですけど、ある意味次の試合がすでに決まっていたから、気合いが入ったという部分はあります。

──その前の、プロ初黒星は前回の老沼戦でつけられたものでした。その時はどうでしたか?

白幡 そこまで8連勝していて無敗だったので、正直勝てると思ってたんですけど、あの試合では老沼選手に気持ちの強さとかそういう面で差を見せられました。延長まで行っていい勝負はしたんですけど、気持ちがまだ弱かったなと思わされました。ちょうどコロナの時期で練習もできなくて、試合後もしばらくけっこう凹みましたね。

──では、老沼選手は白幡選手にとってどういう相手ですか?

白幡 僕が初めて負けた相手でもありますし、『REBELS』のリングでやり返したいというのは、ずっと思ってました。だから今回、『REBELS』の最後の大会で対戦することができてよかったです。

──今回、勝つために必要なものとは?

白幡 もちろん倒したいとは思ってるんですけど、スパン!と倒れることはない相手かなとも思っていて、接戦で苦しい試合にはなると思います。そこで勝てるように、いつも以上に練習して挑まないといけないと思ってます。そして、最後に必要なのは気持ちですね。

──その気持ちの中に、ベルトの存在はどれぐらいを占めていますか?

白幡 ベルトというよりは、老沼選手に勝つことですね。勝てばベルトはついてくると思っているし、先のことを考えてもしょうがないので、目の前の老沼選手にしっかり勝つことを一番に考えています。

──先ほど、『REBELS』の最後の大会という話が出ましたが、白幡選手にとって『REBELS』はどういう存在ですか?

白幡 『REBELS』には強い選手もいっぱい出てますし、自分も出てみたいなという気持ちもあったし、すごくいい舞台だと思っています。プロデビューした時には、同じ橋本道場の安本晴翔先輩が『REBELS』のベルトを持っていて、僕もそのベルトがほしいなとずっと思っていました。だから最後の大会でタイトルマッチが組まれて、すごくうれしいです。

──ここでタイトルを獲るのは重要ですよね。

白幡 『REBELS』のチャンピオンになるチャンスは、もうここしかないですからね。

──あっ、そういうことですね。「『REBELS』のベルト」を巻きたいと。

白幡 そうなんです、ここしかチャンスはないので。前回、老沼選手に負けてしまった時に「『REBELS』のベルトを獲る」という目標を掲げたんです。『REBELS』フェザー級チャンピオンの晴翔先輩とも「一緒にベルトを巻く」という約束もしたので、ここは絶対に勝ちたいです。

──ところで今、自動車教習所に通われているという話を伺ったんですが。

白幡 はい、今通ってます。格闘技以上に苦戦してるんですけど(笑)。

──そうなんですか?

白幡 今日は仮免のテストだったんですけど、S字クランクとかで苦戦したりして、ダメだったんですよ。普通の人は2ヵ月ぐらいで取ると思うんですけど、僕は半年ぐらい通っててまだ仮免受かってないんです。

──それは大変ですね(笑)。しかしこれだけキックでも勝っているし、運動神経とかは問題なのでは?

白幡 いや、運動神経はメチャメチャ悪い方だと思います。キックでは練習量でそれをカバーしてるんだと思うんですけど、教習所ではそんなにたくさん練習できないじゃないですか。しかも試合が近づくと行けなくなるので、それで半年もかかっちゃってて。

──では次の試合でベルトを獲って、晴れて免許も取らないとですね(笑)。最後に改めて、意気込みをお願いします。

白幡 『REBELS』最後の大会でタイトルマッチなので、ここで勝って全部持っていきたいと思ってます。

──ありがとうございます!

橋本敏彦・橋本道場会長 (電話を替わって)インタビュー終わりました? 教習所の話も聞いた? 今、大変なんですよ(笑)。

──はい、伺いました(笑)。

橋本 裕星はもう一つ特技があって、ウチの選手の戦績を全部覚えてるんですよ。自分の分だけじゃなくて、他の選手の試合も、「●年●月●日、どこどこ、誰々に●R、KO勝ち」とか全部スラスラ言うんですよ。今、言わせましょうか?

──いえ、それはまたの機会に伺いたいと思います(笑)。しかし記憶力がすごいんですね。

白幡 いや、格闘技に関してだけなんです(笑)。

──ではチャンピオンになったらどこかで披露してください(笑)。ありがとうございました!