UFCファイトナイト・ファイトアイランド4:アルダナを寄せ付けず、ホルムが圧勝


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 日本時間10月4日(日)、アラブ首長国連邦・アブダビのヤス島に特設したUFCファイトアイランドを舞台に、UFCファイトナイト・ファイトアイランド4が開催され、メインイベントで元女子バンタム級王者のホリー・ホルムがアイリーン・アルダナと対戦した。試合序盤からペースをコントロールしたホルムが終始、アルダナにプレッシャーをかけ続け、フィニッシュこそかなわなかったものの、最終ラウンドには圧巻のパフォーマンスを見せるなどユナニマス判定勝ちを収めた。セミメインイベントで対戦したヨルガン・デ・カストロとカルロス・フェリペのヘビー級マッチは、3ラウンドを戦い抜いた結果、フェリペがUFC初勝利を挙げた。

■ UFCファイトナイト・ファイトアイランド4:ホルム vs. アルダナ
日時:現地時間および日本時間2020年10月4日(日)
会場:UFCファイトアイランド(アラブ首長国連邦アブダビ・ヤス島)

【メインイベント】
<女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ホリー・ホルム
 判定3-0(50-44、50-45、50-45)
●アイリーン・アルダナ

ホリー・ホルム
「ゲームプランに沿っていけばこういう結果になると思っていたし、焦ってバカなことをやるつもりはなかった。コントロールして、チームの言葉を聞き、ゲームプランにこだわっていくことだけを考えたわ。それがこの結果につながった。どんなパンチでも試合を終わらせられるから、ずっと集中し続けたかった。この25分間のために必死にがんばってきたもの。だから、試合に臨んでその成果を上げたかった。負けて帰るなんて嫌だったし、そうなれば何も意味がなくなってしまう。それが今日のモチベーションだったわ。ノックアウトできなかったのが残念。ノックアウトは常にベストな方法だから、次は完璧に圧倒したい。誰が試合に勝ったかは明白。シンプルな話よ。この歴史的なものの一部になれたことを誇りに思う。どんな小さなことでもさらなるモチベーションにつながる。(UFCファイトアイランドのイベントでは)私たちの試合が初めて女子マッチとしてのメインイベントよ。とても誇りに思う。このポジションにいられることはとても名誉に思っている。こんな試合ができると私たちを信じてくれたデイナ・ホワイトとUFCに感謝している。もっと成長できるようにがんばるし、前進し続けられるようにがんばる。今後、どうなるかはそのうち分かるわ」

【セミメインイベント】
<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○カルロス・フェリペ
 判定3-0(27-30、28-29、27-30)
●ヨルガン・デ・カストロ

カルロス・フェリペ
「これはでかいよ。たくさんの人が自分のヒストリーを分かってくれていると思う。2年前、UFCと契約したけどカットされた。ものすごくイライラした。カットされたのと同じ月に祖母を亡くした。自分にとっては本当につらい時間だった。戦うのを辞めて、すべてを辞めてしまおうかと思ったこともある。コーチや友達がそれを許してくれなかったけどね。だから、今回の勝利は祖母と、昨年に自殺した友人に。今日の勝利は2人に捧げる」

【メインカード】
<女子バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ジャーメイン・デ・ランダミー
 3ラウンド(3分25秒)サブミッション(ギロチンチョーク)
●ジュリアナ・ペーニャ

ジャーメイン・デ・ランダミー
「試合前にコーチに言ったの。首を差し出してくれれば眠らせてあげられるからギロチンで決めるか、ノックアウトしてみせるわって。かなり雑だった気がする。緩めるつもりはなかったけど、向こうが首を差し出してくれたから、眠らせてあげたの。それが結果よ。腕が決まったとき、レフェリーに彼女が失神しているって言ったわ。そう感じたから。私自身、びっくりしている。ちょっとバタついたけど、それも勝負のうち。勝利を手に入れられたし、一本を決められた。前回の試合は相手が私にテイクダウンを仕掛けてきて、かなり退屈にさせられたから、おもしろいものよね。やるべきことをやってフィニッシュしないとってこと。私はキックボクサーだし、みんながテイクダウンを狙ってくる。でも、テイクダウンされたって、チョークで一発アウトにしてみせる。誰とでも戦うわ。試合に臨んでくる相手と楽しい試合がしたいの。私が望んでいるのはそれだけ。私がまだ1位よ。今日の結果がどうであれ、アマンダ・ヌネスと対戦する前に今日の勝者は私とやるべき。私がランキング1位のコンテンダーなんだから。アマンダ・ヌネスには家族と楽しんでもらいましょ。私とやらないとね。私たけのことじゃないわ。今日の私のことは忘れて。勝ちはしたけど、命をかけて最前線で戦ってくれている人たち、このコロナウイルスのせいで愛する人を失ったすべての家族のことを考えるべき。今日の試合をみんなが家の中で楽しんでくれているとうれしいわ。みんなを尊重したい。今の厳しい時間は気持ちを強く持っていないといけないから」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○カイラー・フィリップス
 2ラウンド(0分44秒)TKO
●キャメロン・エルス

カイラー・フィリップス
「自分の仕事が大好きなのさ。これ以上、自分に何ができるとも思わないし。もう1試合したい。ファイトアイランドはすげぇところだ。ここが気に入った。2020年は、環境がどうあれ、俺は恵まれていると思うし、それを最大に生かしたい。自分が一番だと思うから。だから俺はザ・マトリックスって呼ばれているのさ。もう一回、やろうぜ。もちろん、いろいろとレベルはあるし、予想もしていた。フィニッシュできると予想していた。相手は試合に臨み、ノックアウトしようとしてくる。右の強打がすごい。それを乗り越えられたことをうれしく思う。ヘッドキックでとらえられたと思ったんだけど、ちょっとためらってしまって、少し遅れたんだ。第2ラウンドはケリで相手を倒した。もっと自分のパンチに自信をもちたかったし、終盤のケリももっと決めていきたかった。相手がダウンしたとき、俺にはギブアップし始めているように見えた。でも、すごい試合にできたのは彼のおかげでもあるけど、これにはレベルというものがある。毎日、一瞬一瞬がそれを生かすチャンスになる」

<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○ドゥスコ・トドロビッチ
 2ラウンド(3分15秒)TKO
●デクアン・タウンゼンド

ドゥスコ・トドロビッチ
「デクアンがどんな卑劣な攻撃にも耐えられるってことは分かっていた。彼のキャリアを見ても、ノックアウトされたり、ストップが入って負けたりすることがほとんどない。スタンディングでノックアウトするのが難しいのは分かっていたこと。うまくいったけど、相手のリズムに乗りたくなかったし、自分が息切れするリスクを犯したくなかった。だから、コーチにはレスリングでいけと言われたし、テイクダウンしていけって。それが俺の強み。柔術がある。今回の試合はフィニッシュで決めた。自分の多彩さは見せられたと思う。ミドル級には小さすぎると言われるんだ。デクアンはでかいし、元ライトヘビー級だ。俺の体がミドル級にちゃんと合っているってことをみんなに示せたと思うし、ここにふさわしいことも分かってもらえたはず。俺はUFCにいるんだ。スキルだけはしっかりと示している。クリーンに行きたいんだ。トラッシュトークは全然好きじゃないし、相手を罵ったりするのも好きじゃない。自分のスキルで名を馳せたいんだ。このスポーツの真のロールモデルになりたいからね。スポーツ選手は誰しもが、それぞれのスポーツのアンバサダーだから。俺たちは世界で一番でかいステージの総合格闘技を代表している。自分自身もそうだし、チームや母国を最高の形で代表して戦いたい」