冨宅飛駆インタビュー:立川格闘技フェスタで魅せたUWF回転体の妙技!

 お客さんの沸き方からも、『立川格闘技フェスタ2020~復興~』でなにが印象に残ったかと問われて、久方ぶりに本格的なUWFプロレス回転体の妙技が堪能できたカードである。パンクラス対バトラーツとの叩き文句が踊り、KEITA in THE Houseと3分2Rを闘ったが濃厚だったのだ。

本誌論客KEITA in THE Houseとのバトラーツ対パンクラス特別試合

 やはり、腕を取り、足を取り合ってのプロフェッショナル・レスリングである。技術を披露しているんであって、ヨーイ、ドンでどっちが一本取るかの競技はスリリングな場合もあるが、ガチンコは誰にでも出来るもの。しかし、高度なプロレスリングは選ばれし者にしか魅せることの出来ないスポーツ芸術なのだ。KEITA in THE Houseこと矢野啓太も上手い。テキサス遠征記など本誌でコラムを何度も発表している論客でもある。

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 大阪在住の冨宅飛駆はスポーツ・インストラクターで生計を立てており月曜は●●、火曜は▲▲と、関西の各ジムを回っている。但し、あくまで現役選手であり、試合がある時は優先させてもらえる待遇だ。関西だと大会は大概が土、日なので、多い時は月に10試合とかもあるが、コロナ期間はやはり数試合だけに減ってしまった。

 しかし、自身が道場主となって運営にもという野望はないそうだ。あちこち回ってという今のやり方が性に合っているという。
 パンクラス時代の話もいろいろ聞いてみた。プロレス団体とは名乗ったものの、これまでと明らかに違うシュート革命の先陣を切ってはいるが、英国遠征を志願。「ドロップキックもやってきた」と当時のインタビューに答えていたのが記憶に残っている。「やはり場数が必要。パンクラスだと多くて月一回だから、それではプロとして経験が積めないと感じた」からだという。「3週間で10試合近くやり、学ぶことは多かった」とも。

UWFプロフェッショナル・レスリングとはなんであったのか?

 試合はあっという間に両者ロストポイントのないままドローに。ただ、ずっと両雄が動き回っていたから短すぎるとは思わなかったし、むしろ濃厚そのもの。当たり前のことなんだが、51歳の冨宅はまったく錆びついてないどころか、現役バリバリのままだった。

 ずっと関節の取り合いに終始していたわけではない。最後はKEITA in THE Houseがラフファイトを仕掛けていてヒールの役割を務めている。『立川格闘技フェスタ』、当然ながら立川コロッセオに集う大勢のジム生たちのアマチュア・ファイトというか、キッズファイト含み会場がヒートアップした試合も多数あった。ただ、プロフェッショナル・レスリングのカードがアクセントで入っているところが、キングダムエルガイツのUWF伝承なのだった。

UWF、藤原組、パンクラス~格闘家の旅は続く

 デビューは1990年8月13日、UWF横浜アリーナ大会での垣原賢人戦。「結局は・・・になった」と興味深い話が聞けた。先日、新たなケン・シャムロックの評伝が発売されている。恐らく日本語訳は出ないと思われるが、パンクラスについて色々と赤裸に語っている内容を告げると、「いや~、どうかな」という話になった。
 未だなんらかの”真相を解禁する”という体裁での「UWF本」が多数出版されている。冨宅は「大筋では合ってるんだけど、やはり自分に都合のいいように解釈してるからなぁ」と苦笑いする。どうしても作者側の美談になってしまうのだが、真実とは冨宅のシェイプされた肉体なのだった。


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