[ファイトクラブ]ぱんちゃん璃奈初戴冠で示された、最後に残った道標

▼[週刊ファイト9月10日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
ぱんちゃん璃奈初戴冠で示された、最後に残った道標
Photo & Text by こもとめいこ♂

・REBELS.65満員札止めの要因
・ぱんちゃん璃奈、女子格の黒船たる所以
・erika♡圧勝、平岡琴が沈んだREBELSブラック沼
・ブームから定番へ、女子格2.0
・REBELS/KNOCK OUT捲土重来への条件

 8月31日(月)12:15~『REBELS.65』の一夜明け会見が行われた。

 ツイキャスプレミアㇺでのPPVが予想以上の枚数に達した事を報告した山口元気代表が、2011年7月18日『REBELS.8 & IT’S SHOWTIME JAPAN countdown-1』のジョルジオ・ペトロシアンvs.日菜太1戦を引き合いに出し、
「北米向けに英語の解説まで入れたPPVを行って大惨敗を喫して、10年間封印してきたのがリベンジできた」
と笑みを浮かべたのが印象的だった。
 動員、配信、試合内容、総じて大成功の興行だったことは間違いない。 

『ツイキャスプレミア配信』PPV配信URL ※9月13日まで視聴可能
https://twitcasting.tv/kb_knockout/shopcart/15716


コロナ禍への対応で上限700人超が続く後楽園ホール。前売りの段階で早々に完売となった。


ベルトを無視された山口代表が「ゾーンに入ってた」と評したゴング直前のぱんちゃん璃奈


あばらを折って欠場の危機だったとは思えない闘いでの戴冠劇となったバズーカ巧樹

■『REBELS.65』
日程:8月30日(日) 開始18:00
会場:東京水道橋・後楽園ホール
観衆:未発表

<【無法島 presents】ダブルメインイベント 第7試合 REBELS-BLACK 63kg級タイトルマッチ 3分3回戦(延長1R) BLACKルール>
[REBELS-BLACK 63kg級王者]
●丹羽圭介(TEAM KSK)
 判定 0-3
○バズーカ巧樹(菅原道場)
[第10代MA日本スーパーライト級王者]

バズーカ功樹が新王者になる

<【創世のタイガ presents】ダブルメインイベント 第6試合 REBELS-BLACK 女子46kg級 初代王座決定戦 3分3回戦(延長1R) BLACKルール>
○ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)
 判定 3-0
●MISAKI(TEAM FOREST)
[元J-GIRLSミニフライ級王者]
ぱんちゃん璃奈が初代王者になる

<第5試合 52kg級 3分3回戦(延長なし) REDルール>
●濱田巧(team AKATSUKI)
 判定 0-3
○白幡裕星(橋本道場)
[MuaythaiOpenスーパーフライ級王者]

 山口代表が5Rで見たかったと振り返った激闘。

<第4試合 57.5kg級 3分3回戦(延長なし) BLACKルール>
●千羽裕樹(スクランブル渋谷)
 1R 0分59秒 TKO
○龍聖(TRY HARD GYM)

<第3試合 REBELS-BLACK 女子46.5kg契約 3分3回戦(延長なし) BLACKルール>
●平岡琴(TRY HARD GYM)
 判定 0-3
○erika♡(SHINE那覇)

<第2試合 46㎏級 3分3回戦(延長なし) BLACKルール>
○山上都乃(フェアテックス湖北)
 判定 2-0
●木幡紀帆(BELIEF/KROSS×OVER)

<第1試合 60kg級 3分3回戦(延長なし) BLACKルール>
●井樋大介(クロスポイント吉祥寺)
 1R 2分51秒 TKO
○斧田雅寛(KIBAマーシャルアーツクラブ)

「キックボクシングこそ時代の格闘技だ。
そう思えた時期があった。
昭和四十年代の後半。
沢村忠というスーパースターが出現し、キック・ボクシングの未来をバラ色にした。
沢村は必死に闘った。マスコミへの対応もこれ以上はないという協力で報いた。いつ会っても体のどこかに紫色のドス黒いアザがあった。
 正直言って殺し合いではない。それでいて、「十日に一度、それが精一杯」と、沢村はいつも笑った、プロボクサーと同じだ。トラックの運転手が本職のキックボクサーもいた。工員もいた。Sさんと同じように、アルバイトをしながら歯を食いしばってがんばった男達。
 それも、もういない。
 努力は、それが報いられてこそ、努力の二字が冠せられる。跡形もなく消滅したとすれば、努力は空しだけの川へ流れる。
川は今日も流れる。流れているからこそ川なのである。
エジプトはギザのピラミッド。かつては、そのすぐそばをナイル川が流れていた。だからこそ、ピラミッドを構成している巨大な石をイカダで運ぶことが出来た。三大ピラミッドが一直線に、しかも等間隔に並んでいないのはナイルが蛇行していたからである。
 ナイルが方向を変えて流れ始めたとき、偉大なる川は死に、都も滅んだ。その努力の空しさを、人は表現する術を知らない。
 三千年の歴史を刻むクフ王の墓。
 それはかつての栄光のしるし。

 利益が上がらねば、職業としては成り立たない。真の格闘技であっても、赤字つづきで団体が倒産してしまえば、「かつてここに真の格闘技ありき」で終わる。

~週刊ファイト初代編集長 井上義啓著 『猪木を信じよ』昭和60年10月みき書房刊~より


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