3・19後楽園ストロングスタイルプロレス初出陣! 女子4戦士インタビュー!!

 いよいよ目前に迫ったリアルジャパン3・19後楽園『ストロングスタイルプロレス』。
 リアルジャパン旗揚げ以来初となる女子選手参戦を前に、4戦士のインタビューが届いたのでお届けする。

松本都

 なお、第1試合に出場予定だったランズエンド伊香保京介が練習中の怪我の為、欠場が決定。それに伴い、同じくランズエンドプロレスのレブロンの参戦が決定した。

 また、コロナウイルス対策の為、来場者へ諸注意がある為、要確認となる。

◎リアルジャパンプレスリリース
【3月19日(木)後楽園ホール大会にご来場予定の皆様へ】
「新型コロナウイルス感染症」対応といたしまして、大変お手数ですが以下の対応へのご理解とご協力をお願い申上げます」

(ご来場前)
■ご体調不良(強いだるさや息苦しさ他)がある、お咳、発熱(37°5以上)がある場合は、ご来場をお控えいただけますようお願い申し上げます。

(ご来場時)
■ご来場の際、マスクのご着用、手洗い、うがい、消毒アルコールのご利用(会場入口、ロビー内、化粧室に消毒液設置)を強く推奨いたします。感染予防にご協力をお願い申上げます。
■マスク未着用の方へはマスクをご提供させていただきます(数量限定)。
■会場へのご入場時前(チケットもぎり手前)に弊社スタッフにより、ご来場者様への検温対応とお手のひらへの消毒スプレー塗布を実施をさせていただきます。
 検温にて発熱(37°5以上)が確認されました場合はご入場をお控えいただきます。
■ご入場後に体調を崩された場合には、速やかにご退場をお願いさせていただきます。
■咳エチケットには十分ご配慮をお願いいたします。
■ご着席周辺のお席に余裕がある場合、(可能な場合)1席飛ばしで着席を
 していただく事もご検討いただければと思います。
■休憩時間中に、(後楽園ホール担当者にて)空気の入れ換え(換気)を行います。
■(可能な場合)密室になるエレベーターの使用を避け、階段をご利用いただけ
 ればと思います。
■大会開催中はスタッフもマスク着用にて対応させていただきます(リング上を含む)。
■グッズ売り場では、選手もマスク着用での対応となります。
■選手への握手、接触等はお控えいただければと思います。
 大変恐縮ではございますが2ショット撮影も本大会は原則禁止とさせていただきます。
■また、生もの・手作り・個別包装のない飲食物の差し入れはお控えいただきます
 ようお願い申し上げます。
■主催者側選手、スタッフも当日医師よる検温、問診を受ける予定です。
■厚生労働省公式サイト「国民の皆さまへ (新型コロナウイルス感染症)」を
 ご一読いただくことをお奨めいたします。
http://my142p.com/l/m/U3IXUfdJtLeMxp

◎リアルジャパン女子初参戦4選手インタビュー
(聞き手:新井宏)

■天才?狂女?“ダンシングクイーン”松本都インタビュー!
リアルジャパン3・19後楽園
団体設立15年で初めての女子プロレスマッチでストロングスタイルとは真逆の女!?

――リアルジャパンプロレスで初めて女子プロレスの試合が組まれます。リアルジャパンと言えばストロングスタイル復興を標榜する団体です。なぜ、松本都選手なんでしょう?
「そうなんですう(笑)。まず先に、3・19後楽園ホール大会への出場が決まったんですね。参戦を聞いたときは、自分とはホントにあまりにも真逆の世界なのでビックリしました。自分は極北というか、そういうところにいるので。でも、私にとってはそれが逆にチャンスだと。おもしろいなと思いました。たぶん、ふつうにしていたら一生縁のない団体だと思うので」

――まあ、そうでしょうね。
「運命的なものを感じました(笑)」

――しかも、マッチメークを担当したとのことで二重の驚きなのですが。
「そうなんですよ! いままで自分が自分の興行(崖のふち女子プロレス、みやここフェス)でマッチメークをすることはあったんですけど、全部ミックストマッチとかだったので、今回のような女子選手だけによる純粋な女子プロレスは初めての機会ですごい光栄でした。すごく燃えましたね。ここはセンスの見せどころだなと思って。結果、すごくいいカードが組めてしまったなって思ってます」

――松本都(崖のふち女子プロレス)&彩羽匠(Marvelous)組vs朱里(MAKAI)&安納サオリ(フリー)組ですね。どのように人選をしていったのでしょうか。
「こういうのって自分のポリシー的に、一番無理そうな人からいくことにしているんですよ。妥協とかせずに、無理だろうなっていう人からいくことにしているんです。女子全体で見たときに、自分の中でいまの女子プロレスで一番上にいる人にオファーしていったら、全員にOKをいただけたんですね」

――それはすごい。理想通りの展開になったと。
「ハイ、理想です! たぶん女子プロ界全体を見てもすごくいいカードだと思いますよ」

――松本選手が彩羽選手とタッグを組んで朱里&安納組との対戦。この組み合わせにしたのは?
「出場メンバーが決まったときに、まず私は朱里さんと彩羽さんのバチバチは絶対に見たいと思ったんですよ。なので、そこは対戦してもらおうと思ったんですね。それに(彩羽の師匠)長与千種さんはこれから女子プロ界をすごくかき回していく方だと思っているので、その遺伝子に乗っかっちゃおうと思って、彩羽さんと組みたいと思いました。安納ちゃんは、アクトレスガールズをちょうど退団したタイミングだったので、あたりたいなと思いました。そこは、自分ひとりの希望ですね」

――彼女たちと絡んだことはありますか。
「ないですね。たぶん、全員。朱里さんとは組んだこともあたったこともない。全員が初めてです。ほかの3人もそれほど絡みはないと思います」

――彩羽選手と朱里選手はタッグで対戦したことはありますが、いずれにしてもそれほど絡む機会はないと思います。
「そうですよね。なので、おもしろくなると思います」

――マッチメークするにあたり、リアルジャパンでやるという部分を意識しましたか。
「そうですね。ストロングスタイルということで、朱里さん、彩羽さんは、そのテーマにすごく合ってると思います。意識はもちろんしました。まあ、私が一番合ってないと思うんですけど(笑)」

――そこは自覚している?
「このカードを見たらそうですけど。でも、決してできないわけじゃないんです。ストロングスタイルは好きだし、石川雄規さんに長い間、蕨の(アイスリボン)道場で教わってました。ちゃんと爪はあるので。隠してるだけですから」

――能ある鷹は(爪を隠す)、ですね。
「ハイ(笑)。それを全部この日にぶつけたいと思ってます。ふだんはちょっと我慢しているところがあるので(笑)。それは全部ホントなんですよ、うん」
――では、松本選手が考えるストロングスタイルとは?
「人それぞれいっぱいあると思うんですけど、私は、やっぱり怒りとか、コイツ嫌いとかいう生の感情を落とし込んだプロレスだと思っています。ディスるわけじゃないですけど、飛び技を見せたいとか、そういうんじゃなくて、ホントに生の感情をぶつけていくプロレスだと思ってます」

――技を披露するとかではなく、対戦相手に対する感情をぶつけていくのがストロングスタイルだと。
「ハイ、そうだと思ってます」

――松本選手が選んだ3人は、ストロングスタイルの選手であると考えたわけですか。
「そうだと思ってます。ストロングスタイルに見合いつつ、華もある。華やかな3人だと思ってます」

――この3人は嫌いな選手なんですか?
「いや、全然嫌いじゃないです(苦笑)。むしろホントに素敵だなと思ってます。まあ、商売敵としてはムカつくところがありますけど(苦笑)。そういうライバル的な感じの選手たちです。みんないい選手ですから、試合ではムカつくところをぶつけていくように、感情を増幅してやりたいなって思ってます」

――実際、絡んだことのない選手たちですから、やってみるまで好き嫌いはわからないですよね。
「そうですね。私、嫌いな選手ってひとり、ふたりしかいないんで」

――ひとりかふたりは、いるんですね。
「アハハハ。ハイ」

――松本選手は、リアルジャパンプロレスを見たことはあるのですか。
「映像とかではもちろん見てますよ。(初代)タイガーマスクさんとか、藤田和之さんとかも好きですし。藤田さんとは、試合したいです。すぐにでも(笑)。」

――そもそもリアルジャパン、知ってました?
「もちろんです! 生で見させていただいたことはなかったですけど。でも私には血が流れているので(笑)」

――なんの血が?
「血が流れているので(笑)」

――……。ところで、先日の会見で「初代タイガーマスクの技を練習している」との発言がありましたが。
「ハイ、してます(笑)。ホントにしてます! 」

――無許可でしていると思うのですが。
「無許可です(笑)。どういうものをしてるか、言ってもいいですかね?」

――なんでしょうか。
「タイガースピンをすごい練習してます」

――タイガーマスクが序盤で見せる動きですかね?
「ハイ、ステップ踏んで完コピしてます。でもやっぱり難しくて、なかなかすぐにはできないですね。でも、当日は出しますよ。怒られるかもしれないけど」

――怒られること覚悟で?
「佐山さんファンの方は怒るかもしれないです。でも私はギリギリをいきたいですから」

――それでこそ松本都ですからね。
「ハイ! 」

――リアルジャパンで初めての女子プロレスの試合になりますが、そこは意識していますか。
「そうですね。いままで女子の試合がなかった理由とかはあるんでしょうけど、そこを破ろうと思ってくださったのはやっぱりうれしいし、それに見合うことをやらなきゃなと思ってます」

――そもそも、崖のふち女子プロレスがプロレスの常識を破壊するような興行ですからね。
「え!? まあ、そうですねえ(笑)。確かにほかではできないことをやってますね」

――果たして女子プロレスがリアルジャパンのリングで受け入れられるのかどうか。そのあたりの自信のほどは?
「私はもう100%自信しかないというか、受け入れられなかったらおかしいと思ってますね。いまホントに女子プロは海外でもきてますし、たぶん、女子を見たことのないリアルジャパンのファンの方にも響くカードを組めたと思っているので。これが響かなかったらちょっとどうかしているなって思ってます、ハイ」

――リアルジャパンでの女子プロレスがこれっきりで終わるのか、それとも継続されるのか、この試合しだいかと思いますが。
「うん、うん。それは継続させなければおかしいと思っているので、やります、ハイ」

――まだ第1戦もおこなわれていませんが、いずれは松本選手が女子のプロデューサー的なものをやりたいのではないですか?
「そうですね、やりたいですね。誰の意見も聞いていないですけど(笑)。そこは腕がありますので、自信あります!」

――では、この試合でなにを見せたいですか、なにを見てもらいたいですか。
「やっぱり、いまのど真ん中の女子プロレスを見てほしいです。全日本女子プロレスとか過去の歴史はあるけど、そういうのは忖度せずに、いまの最先端の女子プロレスを、ハイ。なので、いろんなもの背負ってます、かなり」

――ストロングスタイルではあるけれど、それだけに限らず、いろいろなものが含まれるカードでもありますよね。
「女子にしかできない試合ですね」

――リアルジャパンでおこなうことによって、なにか新しいものが生まれるかもしれません。
「ハイ。この日、後楽園ホールにいらした方以外にも響かせられるような試合をします」

――この大会では、さまざまなカードが組まれますが、メインでは先程も名前の挙がった藤田選手が杉浦貴選手(NOAH)と組んで、スーパー・タイガー(リアルジャパン)&関本大介(大日本プロレス)組と対戦します。
「すごいカードです。絶対にすごいカードですけど、私の方が…。女子の試合は藤田さんにも見ていてほしいですね。試合したいです、ホント。私、何年か前から崖のふちの相手にと何回か言っていたと思います。だから今回はそのチャンスでもあると思っているので、逃げんなよって感じです、アハハハ」
――松本選手は、プロレスとは無縁のところ
からプロレスラーになったんですよね。
「そうなんです。もともと一度もプロレスを見たことはなかったんですけども、芸術系の大学(日本大学藝術学部)にいっていて、そのときにテレビ埼玉の『Muscle Venus』という番組に出るオーディションがありまして、その会場で初めて聞かされたのが女子プロレス映画の製作でした。実際にレスラーデビューすれば映画(『スリーカウント』)に出られるというお話で、なかば騙されるみたいな形で練習を始め、デビューしました(笑)。それまで一度もプロレスを見たことがなかったです」

――初めて見たプロレスはどうでした?
「(女子プロ団体の)NEOさんを見たんですけど、あまりに過激で交通事故現場を見ているようで、こんなの自分には一生無理だって思いました。なので、映画が公開されたらすぐにやめようと思ってました。それが11年も経ってしまいましたが(笑)」

――プロレスをやめずに続けられた決め手はなんですか。
「それまでは舞台(女優)とかをやっていたんですけど、そういった表現欲求みたいなのがすごい満たされるジャンルなんだなと気づいて。それまではただ暴力的なイメージしかなかったけど、プロレスって全然違うんだなっていうのがわかったので、そこに魅了されました」

――出演者候補から8人ほどが実際にプロレスデビューしましたが、公開後に残ったのは3人。その3人とも現在も現役で、その中のひとりが松本選手です。
「すごい3人。生き残りました、ヤバい(笑)」

――所属していたアイスリボンを退団し、所属時代に起ち上げた“崖のふち”を現在も継続させていますね。
「ハイ。崖のふち女子プロレスを結果的に独立させる形になりましたね。DDTの高木三四郎さんに買収してもらいました。事業譲渡という形で。こんど、3月12日の木曜日に事業譲渡してから3回目の大会を埼玉・蕨レッスル武闘館でおこないます(※取材日は3月7日)」

――崖のふちは基本ワンマッチ興行ですが、次回はどういう大会になりそうですか。
「基本はワンマッチです。プロレスとプロレス以外でもいろいろと闘っていくんですけど、事業譲渡してからは毎回ちょっとずつ違ったこともやっていて、1回目の黒潮イケメン二郎選手との試合では、アメリカにいく前の感動的な壮行試合になりましたね。2回目はクリス・ブルックスという外国人選手と残酷なデスマッチになりました。そして3回目はちょっと実験的なことがやってみたくて、テレビでリアリティーショーってあると思うんですけど、そういった番組の恋愛ドキュメントを今回プロレスに落とし込んでみたいなと思って、“力道山三世”力選手にオファーしました。力選手の嫁を探そうと思って。人の人生をプロレスで変えたいなって。それで嫁候補として、かなり狂ってるアイドルなんですけども、まおちゃんと白幡いちほちゃんの2人を呼んでやります。カードは、松本都with澤宗紀vs力withまお(せのしすたぁ)です。まお、白幡いちほの2人が嫁候補として来場します。白幡いちほちゃんは骨折してしまったんですけど、まおちゃんのライバルみたいな形で出てもらえたらなと思ってます」

――それにしても振り幅が広いですね。リアルジャパン参戦でさらにその幅が広くなりそうです。
「ハイ、私の考えるストロングスタイル、絶対に自信があるので楽しみにしていてください!」

■長与千種に憧れデビューした“紅の継承者”彩羽匠インタビュー!

リアルジャパン3・19後楽園団体設立15年で初めての女子プロレス
「長与さんから話を聞いていた佐山さんの団体。参戦が決まったときはガッツポーズでした! 」

――クラッシュギャルズで一世を風靡した長与千種さんにあこがれプロレスラーになった彩羽匠選手ですが、明らかにリアルタイム世代ではないですよね。
「まったく、違いますね。たまたま高校でパソコンを扱う授業があって、終わってからの自由時間でYou Tubeを見ていたんですよ。そのとき偶然、おすすめ欄のところに北斗晶さんと神取忍さんのバチバチの試合が出てきて」

――女子プロ対抗戦時代の両国国技館ですね。
「ハイ。北斗さんって(タレントとして)知ってるけど、そういえばプロレスしているところは見たことないなあと思いながら、興味本位で見てみたんです。そしたらメチャクチャ壮絶で衝撃的で、プロレスってすげえなっていう感覚で入っていきました。その時点でもうハマっていったんですけど、さらに神取さんの自伝を読んだときに、“長与千種だけはマジですごい”“長与千種だけはホントに尊敬する”みたいなことが書いてあって。あの神取さんが尊敬するってどんな人なんだろうと思って長与さんを調べ、ダンプ松本さんとの試合をまたYou Tubeで見たんですよ。それまでプロレスはすごくおもしろいという感覚で見ていたんですけども、長与さんの試合を見たとき、私と同じくらいの年齢、まだ10代や20代はじめくらいにもかかわらず、なんでそこまでしてここまで頑張れるんだろうというのがあって、そこですごい心を惹かれてしまいました。もうそのときにはすでにプロレスラーになりたいと思いましたね。なので、きっかけはホントに偶然です」

――プロレスを見始めた当初は、昔のプロレス専門ですか、それともリアルタイムのものも見ましたか。
「昔しか見てなかったですね。昭和の時代の女子プロレスです。男子ではなく、そのときは女子だけでした」

――長与さんを知ってからは、クラッシュの試合が中心になりましたか。
「そうですね。クラッシュの世代が多かったです。長与さんとダンプさんの試合も衝撃的だったんですけど、長与さんが一度引退されてから横浜アリーナで、ブル中野さんと限定復帰みたいなメモリアルマッチで一騎打ちをしてたんですね。その試合の技とかもすごかったんですけど、それ以上に表情だったり魅せ方だったりが、お互い譲らない。その表情に感動してしまって、ふたりをすごいカッコいいなと思いました。昔も今も変わらない、自分のベストマッチになって
ます」

――プロレスラーをめざそうとしたとき、長与さんはプロレス界にはいませんでしたよね。なので、長与さんの団体にいくという選択肢は初めからなかったことになりますが。
「ハイ、そうでした。自分、地元が福岡なんですけど、関東みたいにプロレスがどこにでもあって見られる環境ではなかったので、プロレスの常識、状況というのかまったくわからなかったんです。どういう団体があるのかも知らなかったし。なので、自分、長与さんに直接プロレスラーになりたいんですって言っちゃったんですよ。mixiを長与さんがやっていたことを知って、メッセージで伝えたら返事が返ってきたんです。“プロレスラーになりたいんですね”、みたいな。しかも“もし東京に来る機会があったら会いましょう”というメッセージまでいただいて」

――直接会えることになった?
「ハイ。ビックリしました。自分が言い出したんですけど、当時は長与さんがプロレスを離れているくらいは知ってました。それでも言ってしまって、お会いしていただけるのなら会ってみたいなと思って東京に行って長与さんとお話しさせてもらいました。そのときはまだ自分が大学に通ってたんですね。大学は剣道の推薦で入学したんです。まだそのときは一年生で、長与さんからは“とりあえず大学を卒業するまで待て”と。“その間にやれることはたくさんあるからとりあえず大学を卒業して、まだその気持ちがあるんだったらプロレスラーみたいになればいい”、というような言葉をいただきました。でも、自分はすぐ行動しちゃう方なんですね。なので、長与さんに会ったことによってもう完璧にプロレスしか考えられなくなって。もう(大学は)やめるってすぐ決めてしまいました。その後、たまたま東京に行ける機会があったときに、後楽園ホールで大会をしていた団体がスターダムだったんですよ。たまたまですよ。それを見て、ハイ、ここに入りますって決めました(笑)」

――スターダムに入門し、両国でデビューしました。その後、長与さんがプロレス界にカムバックする流れができて新団体を旗揚げすると。そこに彩羽選手は飛び込みましたよね。旗揚げ前の新団体という、ふつうに考えたらかなり無茶なことをしているんですが。
「ホントですよね(笑)」

――やはり長与さんのところでやりたいとの気持ちが大きかったからですか。
「そうですね。ホントに長与さんのことは尊敬してたし、スターダムも自分にはいまでも恩がありすぎるくらいに大事な団体。でもやっぱり自分のプロレス人生、長いか短いかわからないですけど、やりたいことをいまやらないと後悔すると思って、自分の原点を思い返したときにやっぱり長与さんのところで学びたいとの思いが強くて、(移籍を)交渉しましたね」

彩羽匠と長与千種

――彩羽選手があこがれた長与さんのプロレスって、いわゆる昭和のプロレスですよね。そして今回参戦するリアルジャパンも昭和のストロングスタイル復興をテーマにしている団体です。3・19後楽園への参戦が決まり、どう感じましたか。
「すごいビックリしましたね。うれしかったです。佐山(サトル)さんという長与さんから話を聞いていた方の団体ですから。マーベラスに移籍して、最初は長与さんと寮でふたり暮らしだったんですよ。そこで初めて言われたのが、ジャーマン・スープレックス・ホールドのやり方。それって、長与さんが佐山さんから教わった投げ方だったんです。その投げ方を自分が教えていただきました。(初代)タイガーマスク(の名前)はもちろん知っていたんですけども、それまで女子しか見てこなかったし、女子の世界にしかいなかったので、長与さんがずっと佐山さんから教わったこと、スープレックス系のことをすごい言われてタイガーマスクのことを調べてみたんですよ。こんなに長与さんが尊敬するなんて、いったいどんな人なんだろうと、どんどん興味がわいてきて調べるようになって。そこで発見したのが人間離れした強さだったり華やかさだったり、すべてを兼ね備えた人だったので、リアルジャパン参戦の声がかかったときは、ホントにガッツポーズでしたね(笑)」
――では、事実上初めて見た男子のプロレスが初代タイガーマスクだった?
「もしかしたら、ちっちゃい頃に見てるかもしれないですけど、意識して見たのは初めてですね」

――まさかその団体に上がることにはなると思っていなかったでしょう。
「そうですよね、ホントにまさか!です」

――対戦カードについてはどうですか。松本都&彩羽匠組vs朱里&安納サオリ組のタッグマッチで、リアルジャパンで女子の試合が組まれるのは今回が初めてになります。
「松本選手が一番のツッコミどころだとは思うんですけど(笑)」

――なぜ松本選手がストロングスタイルなのかと。
「ハイ。タッグマッチで一度アッサリ絡んだくらいしかないです。でも見ている感じだと、フワフワしているイメージがありますね。相手は私も使う蹴りを得意とする朱里選手ですか。そして、安納選手。大丈夫かな? 組む(パートナーの)方にですよ(笑)」

――タッグチームとして大丈夫か、という不安?
「そうです。いろんな意味で、ですけど。(松本に)持っていかれないようにもしないと。安納選手はアイドル的な要素もありますけども実績もありますし、経験も積んでるので、この3人(彩羽、朱里、安納)はホントにストロングスタイルって言えると思います。この3人がストロングスタイルをやるなかで、松本選手の闘い方によってはヘンに食われちゃうかもしれないなって」

――チームだけど、パートナーひとりに持っていかれるのではないかと。
「そうです。そういう部分の闘いでもありますよね。だから全員が敵っていう感じです」

――朱里選手とは?
「最近はけっこう他団体でも絡みがありますね。お互いに蹴りを使うし。朱里選手は格闘技の経験からも相手を一発で動けなくする蹴りを持ってる。実は長与さんから蹴りを教わったときにも、佐山さんの名前が出てきてたんですよ」

――スープレックス系に限らず、キックも?
「ハイ。長与さんも教わっていたみたいで、腰をこう使うんだとか指導を受けていたみたいです。そういった部分で自分にも意地があるので、絶対にその蹴りでは倒れたくないですね。自分も逆に一発で倒せちゃうよっていうところを見せたいですね」

――安納選手とは?
「Marvelousの札幌大会で一度だけ6人タッグでやってますね」

――松本選手との連係もありえますか。
「どうなんだろう? でもタッグの醍醐味って、やっぱりそういうものじゃないですか。ひとりで闘うのは簡単ですよ。だけどタッグの醍醐味ってそこ(連係)だと思うし、いかにアタマを使うかというのも大事。松本選手をどう動かすのか、どっちが指揮を執るのか。それによってスタイルも変わってくると思います。でもやっぱりここはストロングスタイルということなので、自分が指揮を執っていかないと。うまく松本選手を動かしていきたいというのはありますね」

――彩羽選手が引っ張る展開に持っていきたい?
「ハイ」

――ランニングスリーをはじめ、長与選手の技を彩羽選手は使いますよね。そういった技もリアルジャパンのリングで見せたいですか。
「そうですね。もちろん見せたいです。女子プロレス自体が初めてという方もいらっしゃると思うので、そのなかで女子のいまのイメージってアイドル要素、キャラクター要素が大きかったりと思われがちなんですけども、男子にも負けないよっていうストロングな部分を見せたい。身体のつくりとかはさすがに男性に負けるところはあるんですけど、気持ちの面とかバチバチ感、プロレスに対する愛情だったりとか、そういうものを見せたいですね」

――この試合に関しては長与さんの弟子とし
て闘うか、Marvelousを代表して闘うか、それとも個人として闘うのか。あるいは松本選手とのタッグチームとして闘うのか。いろいろな闘い方がありますが。
「そのなかに当てはまらない、女子プロレスを魅せる闘いですね。いまの自分は、女子プロレスのなかでも脂がのってる時期、自分のキャリアのなかでも脂がのってる時期で、背負っていかなきゃいけない、時代を変えていかなきゃいけない、もっと盛り上げていかないといけない気持ちがあります。初めて見るお客さんに対して、女子プロの試合によってすべてをつなげられると思うんですよ。全試合のなかで女子プロレスがすごかった、そのなかでも彩羽匠がすごかった。そこから彩羽匠はMarvelous、長与さんの作った団体だって伝えることで、いろんなものがつながっていくと思うんです。そういう意味で、まずは女子プロレスはすごいと思わせることが一番と思います。そこを意識したいです
ね」

――最近の彩羽選手を見ていると、他団体に出るたびに徹底的に鍛えられているなという強さが伝わってくるんですよ。強さが他団体参戦でよりいっそう際立つ。そのあたりは意識しているのでしょうか。
「もちろん。意地というか、そういうのもあります。いまはどちらかというとMarvelous内では新人がどんどんデビューしているのでそこを伸ばすところに焦点を当てつつありますから」

――さすが、Marvelous“代表”としての考えですね。
「ウフフ。なので、他団体での自分はMarvelousの彩羽匠として出るので、そうなるとエースというのがもっとも大きくなると思います。だからこそ、遠慮なくガンガンと自分を主張する部分をすごく意識してます」

――この1,2年で彩羽選手の存在感がものすごくなってきている気がします。強くなり、どんどん大きくなっている。
「メッチャきついんですよ、練習が。このキャリアになってまでこんなにきついことするのかって思うほど(笑)。ある意味、昭和っぽいところを練習の面で受け継いでいるのかもしれないですね」

――その強さがハッキリ伝わったのが、スターダム2・8後楽園でした。Sareee選手欠場により、彩羽選手が緊急出場。王者の岩谷麻優選手とノンタイトルながら一騎打ちをおこない、勝利しました。
「前日の夜ですよ、決まったのが(苦笑)。スターダムを見ようと当日のチケット取ってましたからね、自分。客席で見るつもりだったんですよ!」

――観戦予定だった?
「そうなんです。Sareeeさんと麻優さんの試合が見たくてチケット取ってもらっていたんですよね。でも急に参戦が決まって自分からキャンセルしてもらいましたよ(笑)。客席から見るつもりが、まさかリングに立つとは思わなかったです(笑)」

――そんなハプニングにも対処する。そういった部分でもホンモノのレスラーになったんだなって感じがします。
「ウフフ。おいしいと思いました! おいしいっすね、もうごちそうさまでしたって感じでした(笑)」

――急ではないですけども、リアルジャパン参戦もある意味でハプニング的な決定でもありますよね。リアルジャパン参戦後は、長与さんが起ち上げたGAEA JAPANの一夜復活興行4・15後楽園があります。彩羽選手はその大会でメインに出場。長与さんの弟子・彩羽選手は、長与さんの弟子・里村明衣子選手のさらに弟子である橋本千紘選手とシングルで対戦します。同世代による大一番でもありますが。
「大きな試合がつづくので、今回のリアルジャパン参戦で勢いをつけたい気持ちはもちろんありますね。大事な試合が立て続けに入っているなかで、ここ(リアルジャパン)で、もし落とす、自分が負けるようなことにでもなれば、たぶん長与さんから“ふざけんじゃねえ”って言われると思うんですよ。リアルジャパンさんのリング、とくに長与さんとも関わりのあった佐山さんのリング。GAEAも目前に迫っているなかで、自分が負けるようなことがあれば、もう、寮に帰れないです」

――Marvelous代表なのに?
「ハイ(苦笑)。帰る場所がなくなります」

――ホームリングに帰るためにも頑張らないといけないですね。
「ハイ。女子の試合を初めて見るお客さんを意識しながら、ストロングスタイルはもちろん見せつつも、女子ならではの華やかさ、男子にはない柔軟さだったり技の美しさとかもトータルで含めて、女子にしかできない闘いをしたいと思います。そこで強さも表現しつつ、勝負にもガツガツこだわりたいですし。そして、リアルジャパンのお客さんをMarvelousに引っ張っていくつもりでリングに上がります!」   

■UFCからプロレス復帰!“モノがちがう女”朱里インタビュー!

朱里

リアルジャパン3・19後楽園目前!団体設立15年で初めての女子プロレス
「ストロングスタイルは得意分野。カッコよくて華やかで、バチバチした熱い闘いを見せたいです!」

――朱里選手は2年ほど格闘技に専念していましたが、昨年8月、プロレスに戻ってきました。
「そうですね、いまプロレスがすごく楽しいです。それまではUFCに出ていて、契約上、プロレスができなかったんですけど、だからこそプロレスに対する思いが募って、やりたい気持ちもさらに強くなっていきました。プロレスに復帰できてホントにうれしいし、いますごく楽しいです」

――戻ってきて戸惑いはありましたか。たとえば、調整の仕方や試合勘など。
「気持ちが高まっていて楽しい方が全面的に出たこともあり、戸惑いとかはあまり感じなかったと思います。ただ、戻ってくる前には不安とかももちろんありました。でも、リングに上がって試合をした瞬間に、楽しい気持ちが全面に出ましたね」

――格闘技に専念していたときからプロレスに戻ってくる気持ちはあったのですか。
「やっぱり好きなので、ありましたね。でも、やれなかった時間があったからこそ、さらにプロレスのことを考えるようになりました。なにか人に与えたり、見て感じられるものがある、ホントにプロレスって素敵だなって思います」

――自身の自主興行で復帰するって、いろいろとひとりでこなさなければならないことも多く、大変ですよね。
「そうですね。しかも決めたのが大会から1ヵ月を切っていたんですよ。ホントにバタバタで会場探しもどうしようかと。空いている日も2日くらいに限定されていて。それでもやるしかない。スケジュールも、ほかの選手のみなさんが空いてるかどうかもわからないなかで、なんとか新木場で開催できました。実際やってみて、いろんな方に助けてもらい自分のやりたい試合ができたので、よかったです。協力してくれた方、見に来てくれた方に本当感謝ですね。おかげさまでチケット完売して、なかには(来場を)お断りする形にまでなってしまって。復帰戦がそういう(超満員の)空間でできたことは、ホントにうれしかったです」

――プロレス復帰後、現在上がっているリングは…。
「OZアカデミー、スターダム、アイスリボン、WAVE、センダイガールズ、SEAdLINNNG(シードリング)などですね。あと、YMZやガンバレ☆プロレスに参戦したり。プロレスではないですけど、自分の所属のMAKAIの公演が月イチであります」

――広範囲ですね。
「ありがたいです」

――格闘技、UFCの経験がプロレスに活かされている部分はありますか。
「海外でUFCという大きな舞台に上がれた事はものすごい経験になりました。普通では経験できないと思うし、声援とかもホントにすごくて、ひとりの選手としてのリスペクトや、待遇もしっかりしていて最高の場所に来たんだなという実感がわきました。UFCを経験したことによって、朱里という存在の見られ方が何倍も上がったと思います。プロレスに復帰したと同時にいろんな人からモノが違うというか、オーラがすごくなったという風に言ってくれる方もいました。そういう面でも、経験値がものすごい上がったと思います」

――大物感を醸し出すようになったと同時に、いい意味で変わらない部分もあるかと思います。“プロレスラー朱里”が帰ってきてくれたという感覚があるんです。変わった部分と変わらない部分。両方でもってプロレス界に戻ってきてくれたなと思います。
「そう言ってもらえるとうれしいです」

――格闘技とプロレスとの違いとは、あらためてなんだと思いますか。
「自分は昔からまったく違うものだと思っていて、プロレスをやってるから格闘技で勝てるかといったら絶対に違うし、格闘技をやってるからってプロレスができるかと言われたらまったく違うし。お互いがホントに違うものだし、それぞれしっかりと向き合って、それぞれのものを大切に練習していかなければ結果は出ないもの。ホントにそれぞれがまったく真逆で、ホントにそれぞれが素晴らしい競技だと思いますね」

――2つをこなすのが朱里選手のすごさです。
「プロレスラーデビューしていて、はじめて格闘技に出た時、すごいバカにされたりもしたんです。プロレスラーが勝てるわけないだろみたいな。でも自分は、プロレス と格闘技どっちにも向き合って、ものすごい練習をしてきました。でも、それを認めてもらうには結果を出すしかない。自分は絶対に結果を出して見返してやるという気持ちでキックボクシングをやってました。キックボクシングでチャンピオンになり、3回防衛し、そこからさらにもっと自分を高めていきたいと思った時に、UFCの映像を見たんです。それまで総合格闘技は絶対にやらないと思っていたんですけど、でもUFCを見て、ホントに強い人たちが集まった世界一の舞台。ここに出たい!と胸が高鳴ったんです。私はUFCを目指す!と思って総合格闘技に転向しました。朱里にはUFCは無理だろうと最初は思ってた人もいると思うんです。でも絶対に見返してやろう、自分は絶対にここに出るんだ、チャンピオンになるんだと。そういう思いをパンクラスの酒井代表に伝えて、参戦させていただいたんです」

――UFCを見据えてパンクラスに参戦した。
「ハイ。酒井さんやパンクラスの方には本当に感謝しています。そこからパンクラスのチャンピオンになって、UFCからオファーをいただいて、やった!と」

――そして、日本人で初めてUFCで白星を挙げた女子選手になりました。
「ハイ。すごく嬉しかったですし、無理だと思ってる奴見たか!と思いました笑

――プロレスと格闘技を両方経験しました。双方の決定的違いのひとつにタッグマッチがあると思いますが。
「ハイ。全然違っておもしろいですよね。志田(光)ちゃんはいまアメリカで活躍していますが、それまでは一緒にタッグを組んでいてベルトも巻いたりしていて、華やかで大好きなタッグチームでした。個々の力もあり、協力する部分もあり、志田ちゃんとは運命の人だと勝手に思っているのでまた一緒にタッグ組みたいなとも思ってます。タッグにはタッグのまた違うおもしろさがありますよね。」

――今回、そのプロレスにしかないタッグマッチでリアルジャパンに初参戦することになりました。参戦が決まったとき、どんな思いがありましたか。
「最初にオファーをいただいたときに、あれ、女子ってやってたっけって思いました。
それで聞いたら初めてで、(15周年)記念興行と聞いて、そこに出させていただけるのはホントに光栄だと思いました。みやここ(松本都)ちゃんがマッチメークしてくれたそうなんですけど、ホントにうれしい。女子を見たことない人もたぶんいっぱいいるので、(女子プロの)おもしろさを見せられればいいなと思ってます」

――朱里選手の場合、ハッスルでのデビュー当時から男子の団体で試合をするのはもはや当たり前でもありますよね。
「そうですね。違和感はまったくないです」

――リアルジャパンとはハッスルとは真逆というか、ストロングスタイルをテーマに掲げる団体でもあります。朱里選手のイメージするストロングスタイルとは?
「レスリングとか、蹴り合いとか、バチバチにやり合う。思い浮かぶのはホントに熱い試合ですかね。自分がやってきたこと、たとえば格闘技であったり、そういうバチバチしたものって自分にはすごい得意分野なので、ストロングスタイルというものは自分が一番出せるスタイルであるなと思っています」

――松本都&彩羽匠組vs朱里&安納サオリ組というカードについてはどうですか。
「ものすごくいいカードだなと思うんですけど…あれ?とも思いました。ストロングスタイルって言われたときに、みやここちゃんってストロングスタイルだったっけと思って(笑)。最近見た写真で竹串みたいなのが額に刺さってて、あれはメチャメチャ衝撃的だったんですけど(笑)。みやここちゃんにはストロングスタイルというよりは、自分の道を突き進んで突拍子もないことやっているイメージがあります。だからちょっと不安でもありますね。でも、異質なものが入るから逆におもしろいってところも確かにありますね」

――松本選手がストロングスタイルをテーマに選んだカードで、本人以外の人選ではブレてはいないかなとも思えますが。
「そうですね。彩羽選手とは昨年末にSareee選手の自主興行でのタッグマッチで当たってるし、Marvelous(マーベラス)、waveでも何回か試合をしています。安納ちゃんともOZアカデミーでシングルやりましたし、タッグマッチで当たったこともあります。やってて楽しい2人なので、すごく楽しみなんですよね。みやここちゃんとは久しく絡んでないと思います。やったことはあるんですけど、記憶がないくらいけっこう前。UFCにいく前だと思います。やっぱりこの試合ではバチバチな熱い試合を見せたいなと。もちろん女子ならではの華やかさも。カッコよくて華やかで、でもバチバチした熱い試合。そういう試合を見せたいと思います。そのなかで、みやここちゃんが対戦相手でどうなるんだろうっていう気持ちもあります」

――そこでどうなるのか、見る方は楽しみです。
「そうですね!」

――現在欠場中ですが、リアルジャパンは初代タイガーマスク選手が起ち上げた団体です。タイガーマスクについてはいかがですか。
「やっぱりすごい人っていう印象が大きくて、映像を見させていただいたときに動きがものすごくて、ホントにすごい人だなっていうのが率直な印象です」

――もしも現在の女子プロ界でタイガーマスクを選ぶとしたら、朱里選手が適任かなと個人的には勝手に考えたりもするんですよ。
「え、ホントですか!?」

――格闘技のベースがあったりとか、蹴りのスピード、キレを考えたら現代の“女子タイガーマスク候補”かなと。朱里選手のなかにタイガーマスク的な資質があるのではないかなと思うんです。
「考えたことなかったですね。でもそう言ってもらえるのはメチャメチャうれしいです!」

――そういった意味でも今回の参戦に朱里選手はバッチリ適しているかと思います。
「スタイルからしたら、そうかもしれないですね」

――今回はリアルジャパン参戦ですが、その後はどうですか。格闘技の方に再び出るのか、それともプロレス専念?
「いまのところはプロレスを頑張っていく予定です。今後の気持ちなんてどうなるかわからないですけど、いまはプロレスを頑張って最高に楽しんでいます」

――格闘技を経験したうえで、あらためてプロレスの魅力とはなんだと思いますか。
「うまく言えないんですけど、格闘技は格闘技の素晴らしさがあって、プロレスにはプロレスの素晴らしさがあって。プロレスって勝っても負けても、なにかを訴えられるというか、すごい温かいなって思います」

――プロレスを通じてなにかを訴えられるし、そこに対する反応が温かく感じると。
「そういうのってあると思います。お客さんの反応とかも含めて、プロレスと格闘技って全然違うんですよね、それだけに、こんどのリアルジャパンではお客さんの反応が楽しみです」        

■“絶対不屈彼女”安納サオリインタビュー

リアルジャパン3・19後楽園参戦直前!
団体設立15年で初めての女子プロレスマッチに「はじめましてのリングで、全員私に一目惚れ!」

――リアルジャパン参戦が決まったとき、安納選手はまずなにを感じましたか。
「名だたる選手の方たちが出ている団体ですし、初めての女子の試合なんですよね。そこに選んでいただけたってことが、すごくありがたいです。私を知らない方たちがたくさんいらっしゃると思うんです。だからこそ、安納サオリを知ってもらえるいいきっかけになるのかな、と思いました」

――旗揚げ以来15年間、女子の試合がなかったのは知っていましたか。
「あ、そうなんだと思いましたね。逆になぜこのきっかけで女子レスラーを出すのかなっていうのも、ちょっと思っちゃいました」

――これまでに男子の団体に参戦したことは?
「ありますよ。全日本さんの両国国技館とか横浜大会とか。男子の団体で試合をするのも楽しいです。お客様の反応など全然違いますよね。違うんですけど、女子のアピールもできるし。“この子って意外とできるんだ”、みたいな反応がすごいうれしかったりします。できなさそうな感じにけっこう言われるので(笑)」

――そのギャップがいいんですね。
「そうなんですかね(笑)。それはすごくありがたいですし、知ってもらいたい気持ちがあるので、(男子団体は)最高の場所だなって思います。なので“はじめまして”が多いです」

――リアルジャパンも“はじめまして”ですね。
「ハイ。そうなります」

――カードは、松本都&彩羽匠組vs朱里&安納サオリ組のタッグマッチです。松本選手がマッチメークしたのですが。
「このカード、魅力的すぎません? 私、このカードを見たときに、私がここに入っていいのかなって思っちゃったんですよ。だからこそ頑張ろうと思いましたし、誰よりも目立って、全員、私に一目惚れさせたろって思ったんですね(笑)。でも冷静に考えると、ドキドキしますよ。ワクワクもしますけどね!」

――彼女たちと試合をしたことは?
「最近、初めて朱里選手とシングルマッチをさせていただきました。2月16日、OZアカデミー前橋大会でした。それもすごくありがたいことに、カード発表したらけっこうざわついて。“安納サオリと朱里がやるの!?”みたいな感じになってました。それがこんど組むことになって、すごくうれしいです」

――朱里選手と試合をしてどうでしたか。
「負けちゃったんですけど、闘ってみて今後なにかあるだろうなって。朱里選手とは(今後)なにかあるなって直感的に思えたんですね。そしたらこんどタッグを組むことがわかって、やっぱりなって思っちゃいました(笑)」

――リアルジャパンとは、ストロングスタイルがテーマの団体です。安納選手はストロングスタイルと聞いて、どういうことをイメージしますか。
「ストロングをそのまま訳すと“強い”ですよね。強い選手が集まるってことですよね。そういう意味では、松本都選手から安納サオリは強いと思って選んでもらえたのかなって思ってるんですけれども、そうなんですか?」

――そこは本人に聞いてみないとわからないですが。
「アハハ(笑)。私は自分ではストロングスタイルだとは思っていなかったので。カード発表の会見に私は出席できなかったんですけども、あとからその模様を聞いて、ストロングスタイルで選手が集まっているんだと思いました」

――本人に自覚がなかったとしても、松本選手が考えるストロングスタイルの基準に合ったということだと思います。
「ハイ。でも、だからといって私のスタイルを変えようとは思わないですし、いつも通りの安納サオリでリングに立とうと思います」

――安納選手は「女優によるプロレス」をコンセプトにしているアクトレスガールズ出身ですから、一見ストロングスタイルとは対極のように思えます。松本都選手とも対極の存在というか。
「そうですね」

――ただ、ある意味「女優との両立」という色眼鏡で見られるからこそ、安納選手の試合からはしっかりしたプロレスをしようとの姿勢がうかがえるんです。
「そうですね。それしかなかったです、最初は。“オマエがプロレスラーなんて認めない”って言葉を受けるところから生きてきたというか。でもそれが悔しいから、やってやろうってずっと思ってやってきました。その言葉がなかったら逆にいま、こんな感じにはなっていないかもしれないし、いまこのリアルジャパンさんに出ることにはなっていないかもしれないです」

――見て納得できるのが、安納選手のブリッジなんですよね。ドラゴン・スープレックスやポテリング(逆さ押さえ込みブリッジ)におけるブリッジの角度、鋭さ、美しさにプロレスに対する思いが表われていると思います。
「ありがとうございます」

――やはり、そこは意識している?
「まあ、あんまり言いたくないですけど、そうですね。ちっちゃい声で言えば(笑)。小声、としておいてください(笑)。やっぱり、そこは大切にしていきたい部分ではありますので」

――プロレスをやるにあたり、手本にしたレスラーはいますか。
「いや、いないです。真似するのは違うかなと思ってて。でも、たくさん見ました。もう、ずっとプロレス見てました。男女問わず、ずっと見ていて、安納サオリ像とはなにかっていろいろ自分自身でも考えましたし、お客様が創り上げてくださったのかなというのもあるのかなって。求められたからこうやっているというのもないですし。まだまだ全然私の中では完成形ではないし、もっと変われるなって思います。でも、いまの段階ではみなさんで創り上げてくださった安納サオリのイメージなのかなって」

――プロレスデビューにあたり、アクトレスガールズでは堀田祐美子選手がプレイングマネジャーとしていろいろ指導していると思います。堀田選手といえば女子プロ界のレジェンド、これぞストロングといったイメージもありますよね。
「そうですよね。とにかく強い気持ちだったり、私は堀田選手と闘うことによって思いっきりいくということを学ばせていただきました。先輩だからって関係ないと。また、ほかの先輩方からもたくさん学ばせていただきましたし、たぶん私のちょっと(ヒールとして)悪いところだったりとかは、尾崎(魔弓)さん(の影響)だったり、ちょっと泥臭いところなんかは堀田さんからの教えだったりもしますし」

――では、安納選手はどういうことを心がけてリングに上がるようにしていますか。
「私は360度に安納サオリを届ける気持ちでいます。一点だけじゃなくて360度にプラスして、カメラの奥まで届けるように。その意識は常にしてますね」

――対戦相手はもちろん、正面だけでなく、後ろもすべて。
「ハイ。会場にいない人にも届けるつもりで」

――そういう意味での、カメラの奥?
「そうです」

――OZアカデミーの“正危軍”で、ヒールもしていますよね。
「もう1年半くらいになるんですよね」

――ヒール転向は横浜文体の大会場でした。初戦からヒールにハマっていたのには驚きました。もともと資質があったんですかね?
「エヘヘ(笑)。かもねえ、とか言って(笑)」

――リングに上がると人格、キャラクターも変われるものですか。
「(ヒールの)安納サオリになりますね。でもそのときは、自分自身がわからないです。なにをしているのかあまりおぼえていないですし。“役”ではないんですけども、無意識にそういうふうになってるんです。正危軍モードの安納サオリって、ふだんでは絶対できないです。たとえプロレスの取材中とかでも正危軍モードにはなれないんですよ」

――コスチューム姿でリングに上がると豹変する?
「ウフフ。入場曲がなって照明浴びると、プロレスラー安納サオリ!になります」

――ヒールモードがあるのは、今回試合をする3選手とは違うところですよね。
「あ、そっか。そういえば、そうですね」

――試合当日はヒールモードでいくのか、それとも…。
「どうだろう? そのときになってみないと、わからない。ウフフ」

――2月24日には超花火のリングで爆破デスマッチもやりましたよね。
「やっちゃったあ(笑)。サイコーでしたね。全然怖さがなかったんですよ。不安とかもまったくなくて。ワクワクしかなかったです。爆破受けちゃったんですけど」

――どうでした?
「痛かったですよ! メッチャ痛いし、メッチャ熱いし。だけど、ちょっとまたやりたいなって(笑)。またやりたいって思っちゃった(笑)」

――度胸もあるんですね。
「う~ん、度胸は、あると思います」

――度胸があるという部分でも、リアルジャパンのファンの前で堂々と試合ができるのではないかと思います。
「私は誰の前でも変わらず試合できると思います」

――基本的にリアルジャパンの会場では昭和のプロレス、昭和のストロングスタイルが好きなファンが多いのですが。
「そういうの初めてかもしれないです。楽しみ!」

――昭和のプロレスに対するイメージは?
「初代タイガーマスクの佐山(サトル)さんの試合も見ました。まだお会いしたことはないですけど、試合は見ました。動きがすごいですよね。なんか、人間を超えているというか。私は忍者戦隊カクレンジャー世代なので、たとえは違うかもしれないですけど、みんなのヒーローみたいに感じました。みんなの憧れの的。なんか映画を見ているみたいな感覚でしたね。4代目タイガーマスクさんの試合も見てますよ。女子では、全日本女子プロレスの試合はすごく見ましたし。雰囲気とか、すごいですよね。うまく言葉で言い表せないですけど、プロレスが一世を風靡していた時代ですし、アイドル的な印象もあり。逆に悔しいですよ、なんでいまはそんな感じじゃないんだろうって」

――そういう時代の熱を取り戻そうというのがリアルジャパンのコンセプトでもあります。
「なるほど。じゃあ、そこに少しでも貢献できるようにしたいですね」

――先程、ヒーローという言葉がありましたが、安納選手もヒーロー、ヒロインになれる世界にいるんですよ。
「ハイ、そうなんです。(ヒーローに)なります(笑)」

――今回のリアルジャパン参戦は、安納選手にとって挑戦のひとつですよね。
「うん、そうですね。ホントにそう思います。昨年末で(アクトレスガールズを退団し)フリーになって、試合の数が減ったりとか、チャンスがあまりなかったりするのかなって不安もあったんですよ。でも今回リアルジャパンさんに出られることだったり、先日の爆破マッチだったり、OZ4・11後楽園でも尾崎さんのベルト(OZアカデミー無差別級王座)に挑戦させていただけたり、そういうチャンスをいただけるってことは、すごくありがたいなって思う反面、フリーになったからこそ守るものは自分自身なので、しっかりと自分を背負ってリングに立とうという気持ちがよりいっそう大きくなりました」

――では、リアルジャパン3・19後楽園ではなにを見せたいですか、どういうところを見てもらいたいですか。
「もちろん、ブリッジは見ていただきたいです。“安納サオリってこんなブリッジができるんだ”って思ってもらえたら。このストロングスタイルの相手、パートナーの朱里さんもそうですけど、ストロングスタイルの中で同時に別のスタイルっていうのも見ていただけたらいいなって思います。それは華やかだったり、しなやかさだったり、そういうのも(ストロングスタイルの中に)あるんだよというのも見つけていただけたらなって思いますね」

■ 初代タイガーマスク 佐山サトル ストロングスタイルプロレスVol.5
日時:3月19日(木) 開場17:30 開始18:30
会場:東京水道橋・後楽園ホール

<メインイベントタッグマッチ>
藤田和之(はぐれIGFインターナショナル) 杉浦貴(プロレスリングNOAH)
 vs.
関本大介(大日本プロレス) スーパー・タイガー(リアルジャパンプロレス)

<セミファイナル シングルマッチ 30分1本勝負>
船木誠勝(フリー)
 vs.
澤田敦士(フリー)
※2019年12月大会より2度目の参戦。

<第4試合 UWA アジアパシフィックヘビー級選手権 3WAYマッチ>
[王者]
将軍岡本(ブードゥーマーダーズ)
 vs.
[挑戦者]
間下隼人(リアルジャパンプロレス)
 vs.
[挑戦者]
岩崎孝樹(ガンバレ☆プロレス)

<第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
アレクサンダー大塚(AO/DC) 鈴木秀樹(フリー) ロッキー川村(パンクラスイズム横浜)
 vs.
雷神矢口(浅草) タカ・クノウ(フリー) 関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)

<第2試合 一般社団法人国家資格対策センターPresents タッグマッチ30分1本勝負>
朱里(MAKAI) 安納サオリ(フリー)
 vs.
松本都(崖のふち女子プロレス) 彩羽匠(Marvelous)

<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
日高郁人(ZERO1) 石切(ランズエンドプロレスリング)
 vs.
最上九(2AW) レブロン(ランズエンドプロレスリング)

主催:ストロングスタイルプロレス実行委員会
問合せ:ユーレカ事務局03(3833)3662
席種・料金:VIP席(特典付):12,000円/RS席:8.000円 /A席:6.000円
B席5.000円/トライアルシート:3,000円

◎申し込み:
⇒ e+(イープラス)http://my142p.com/l/m/L3u5vetC6BlVxD
(PC&スマートフォン)
⇒ ファミリーマート店内Famiポート