コリアンゾンビがエドガーにTKO勝利!フェザー級タイトル挑戦に名乗り!UFCファイトナイト釜山


Jeff Bottari/Zuffa LLC/UFC

 総合格闘技団体UFC(Ultimate Fighting Championship)は12月21日(土)、韓国・釜山のサジク・アリーナを舞台に2019年を締めくくる”UFCファイトナイト釜山”を開催した。
 メインイベントで実現したフランキー・エドガーとジョン・チャンソンによるフェザー級マッチは、”ザ・コリアンゾンビ”の愛称で親しまれる地元の英雄チャンソンがランキング4位につけるエドガーに対して開始早々からプレッシャーをかける展開となった。しかしながら、何度も強打を浴びながらも必死に粘るエドガーがグラウンドゲームから脱してスタンディングに戻った直後、再びチャンソンの強打がさく裂して万事休す、ブライアン・オルテガの負傷欠場により試合直前のオファーを快諾して韓国に乗り込んだエドガーでしたが、チャンソンのTKO勝利で幕を閉じている。
 また、ヴォルカン・オーズデミア対アレクサンダル・ラキッチのライトヘビー級マッチが行われたセミメインイベントは激しい乱打戦の末、オーズデミアがスプリット判定で勝利を収めた。

■ UFCファイトナイト釜山
日時:現地時間および日本時間2019年12月21日(土)
会場:サジク・アリーナ(大韓民国・釜山東莱区)

【メインイベント】
<フェザー級マッチ 5分5ラウンド>
○ジョン・チャンソン
 1ラウンド(3分18秒)TKO
●フランキー・エドガー

ジョン・チャンソン

「本当にうれしい。自分にとってはクリスマスのプレゼントさ。エドガーとは25分間、戦いたかった。その点については悔やまれるけど、ホッとしている気もする。10週間、行ったり来たりしていたからね。勝利に見合っていると思う。地元での試合はかなりのプレッシャーを感じた。最近の試合はメインイベントで、海外の試合が多かった。今回は違っていたけど、今日のメインイベントの準備にはなったし、地元ファンの前で戦う準備にもなったと思う。オクタゴンに向かうとき、あまりファンのことは気にしていない。完全に試合に集中しているし、今日もそれは同じだった。今日の結果には大満足。ファンのためにショーを見せられてよかった。今日はこんなにもたくさんの人が応援しに来てくれて本当にうれしい。またやろう、今度はソウルだ!」

【セミメインイベント】
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ヴォルカン・オーズデミア
 判定2-1(29-28、28-29、29-28)
●アレクサンダル・ラキッチ

ヴォルカン・オーズデミア

「本当にいい気分だ。もっとラウンドがあれば、今回の試合はもっと俺のものになっていただろう。相手の体が疲れてきているのは分かったし、弱くなってもいた。ボディショットや膝をボディに打ち込むたびに、相手の息が上がっているのが分かった。メンタルも徐々に下がっていっていたから、ラウンドを重ねるたびに今回の試合は俺のものになっていった。2020年は俺の年になる。今回のキャンプ中はいくつかケガとの戦いもあったけど、韓国のファンのために、すべてのUFCファンのためにあきらめたくなかった。だからがんばることにした。俺はあきらめるようなタイプじゃない。ケガでも戦う。しんどくても戦う。危険な相手と戦って勝利を得るためにオクタゴンにいるんだ。俺は今、レイエスを待っている。いろいろとあるみたいだから、彼が戻ってきたときに備えて、ここで待っているつもりだ。その一方で、また戦いたいと思っているのはアンソニー・スミスだ」

【メインカード】
<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
●チェ・ドゥホ
 2ラウンド(4分32秒)TKO
○シャルル・ジョーデイン

シャルル・ジョーデイン

「今回の試合はかなりのプレッシャーを感じていた。自分に対して、負けたらこのスポーツではおしまいだぞ、と言っていたんだ。この勝利が必要だった。今日のように逆境で戦ったことは一度もない。2回もロックされて、最初のラウンドの方は詳しく覚えてすらいない。第1ラウンドでかなり激しく打たれてしまったけど、兄弟から“あいつはこれで終わりだ。第1ラウンドで仕留めるタイプだから。プッシュし続けろ”と言われたんだ。第2ラウンドに入ると、何もかもが自分の追い風みたいに感じたし、相手を追い詰められる気がした。向こうがもっと攻めてくるかと思ったけど、自分の手数を計算していたらしく、ちょっと変な感じがした。だから、もしかすると最初のラウンドでノックダウンされたことで、向こうは自分のゲームプランを考え直し、かけるはずのプレッシャーをかけてこなかったのかもしれない。オクタゴンでも言ったように、カブ・スワンソンと戦えたら名誉なことだと思う。彼が膝の手術から早く回復することを願っている。そうすれば彼と戦うチャンスがあるかもしれない。2020年がどうなるか分からないけど、今回のような勝利を挙げられたんだから、チェ・ドゥホ以上に有名なファイターと戦うにふさわしいと思っている。いいファイターがたくさんいるけど、ビッグネームはいない。このスポーツで名を馳せたい。まだランキングに入っていないけれど、そういうビッグネームのファイターとやりたい」

<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○チョン・ダウン
 1ラウンド(1分04秒)KO
●マイク・ロドリゲス

チョン・ダウン

「これまでで一番のパフォーマンスだった。ノックアウトできて本当にうれしい。今日は自分のことを誇りに思う。トップのファイターたちに近づいていることは実感している。ジョン・チャンソンやキム・ドンヒョン、チェ・ドゥホとかね。こんなに早くノックアウトできるとは思っていなかった。彼に対して自分のレスリングを生かすプランだったんだ。UFCではこれが2回目のフィニッシュだから、これからもトレーニングに励んですぐに試合ができるように願っている。前から言っていることだし、今日も言ったけど、自分は今でもジアン・ヴィランテとやりたい。でも、トップ20にいる選手なら誰でもいい。誰かと戦うことで自分が成長できるなら、喜んでその試合を受ける。地元で戦えるなんて信じられなかった。ファンからの応援もエネルギーもすごい。今回の勝利を挙げるためのパワーをもらった」

<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○パク・ジョンヨン
 判定3-0(29-28、29-28、30-27)
●マルク・アンドレ・バリオー

パク・ジョンヨン

「今日1日はまるで夢がかなったかのよう。ここにいることが信じられないくらい。今回の試合に向けて本気でトレーニングしてきたし、勝利した今も、自分が狙っていた完璧な結果じゃなかったことを悔やんでいる。前回の試合ではできるだけ早くフィニッシュしようとしすぎたけど、今日はコントロールしようとしつつ、試合の流れに乗ろうとした。マルクは思っていたよりもタフだった。ここからは今日の試合で改善が必要だと思った部分を改善させたい。特にテイクダウンとディフェンスのキックはうまくならないと」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○カン・ギョンホ
 判定2-1(29-28、28-29、30-27)
●リュウ・ピンユエン

カン・ギョンホ

「計量から体が重くて、今回の試合はあまり力強さを感じられなかった。体が言うことを聞かなくて、相手にダメージを与えられなかった。リュウは強力な右のオーバーハンドを持っているから、プレッシャーをかけられたらタックルして時間を稼ぐつもりだった。3ラウンドの終盤にはユナニマス判定で勝つと思っていたからスプリットだと聞いてびっくりだ。今日のカット(傷)はたいしたことない。こういうのはあることだし、特に問題はないよ。すべてのファンが自分を応援してくれる地元での試合は本当に力になったし、この傷ができても、今回の勝利をとても支えてくれたと思っている」

【プレリム】
<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○シリル・ガーヌ
 判定3-0(30-26、30-26、30-26)
●タナー・ボーザー

シリル・ガーヌ

「かなり自信があったし、3ラウンド中も気楽にいけた。ボーザーは楽な相手じゃない。たぶん、少し正確性を失っていたんだと思う。そのせいで少し難しかった。無敗記録を更新できて本当にうれしいし、この半年で3回も戦うチャンスを得られたことも満足だ。本当にうれしい。でも、少し悲しいのは初めてフィニッシュできなかったこと。これから少し休んで、理想としては3月か4月に戻りたい」

<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○チェ・スンウ
 判定3-0(29-26、29-26、29-25)
●スーマン・モクタリアン

チェ・スンウ

「2連敗した後のUFC初勝利だから、地元で勝利を挙げられてうれしい。最初のラウンドが終わったときに自分が勝っていると思ったけど、オリジナルのゲームプランにこだわらなかったことを悔やんでいる。地元では今回が2試合目。海外での勝利もうれしいけど、家族やファンの前で勝てるのはもっと特別な気分だ。勝ち続けたいし、UFCで長くやっていきたい。もちろん、いつかはチャンピオンになりたいと思っている」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○オマール・アントニオ・モラレス・フェレール
 判定3-0(27-30、26-30、28-29)
●マー・ドンヒョン

オマール・アントニオ・モラレス・フェレール

「これが俺の夢だった。ここに来るまでものすごい必死でがんばってきたし、負けて家に帰るわけにいかなかった。移動距離が長かろうと、ファンに人気の相手と戦おうと、そんなこと知ったこっちゃない。みんなが彼のことを応援していたのは分かっていたけど、それは俺に関係のないこと。事実、俺はそっちの方がいいかもな。チャレンジは好きだから。今日は自分がこの場所にいるべき才能があるんだと示せたと思うし、自分よりも経験豊富な、UFCでの戦歴の長い相手と戦った。自分の価値を示し続けたい。相手は本当にスマートだった。相手の過去の試合はすべて見たし、オーソドックスのファイターと戦う準備はできていた。向こうは完全なサウスポーみたいにして俺と向き合っていた。彼は自分のスタンスを変えられるようにやれることをすべてやったと思うし、それによってこっちは大変だったけどな。ひとつのことに備えてきたのに、行ってみれば完全に違ったようなもの。だけど、第2ラウンドは自分の方が相手を読めていたし、いくつかパンチも当たり始めていた。本当にタフな相手だったし、フィニッシュできなかった。今は家に帰って家族とお祝いしたい。それがすんだら次の試合に備えるよ。できれば家に近いところだといいな」

<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○アレクサンドル・パントーハ
 1ラウンド(4分17秒)KO
●マット・シュネル

アレクサンドル・パントーハ

「マットはとても才能のある人で、かなり特殊な戦い方をするから、始まったときからこっちがプレッシャーをかけていかないといけないことは分かっていた。俺がこのラウンドを制するんだぞというのを見せる必要があった。トレーニングからオクタゴンに上がるまで、かなり集中していた。前回のフィゲイレード戦を終えて、ショーを見せないといけないのは分かっていたから、今回の勝利を得られてうれしい。これで次のタイトル戦線は俺の番だと思っている。何度も力を示してきた。たぶん、フィゲイレード戦は俺の番じゃなかったんだろう。でも、もっとうまくなって戻ってこられると分かっている。チームも俺も何度もあの試合を振り返ったし、分析もして改善できるところは分かっている。常に改善の余地はあるし、俺はパーフェクトを狙っている。フィゲイレードに勝ってもらって、またやれたらいいなと本気で願うよ。次はタイトルをかけた戦いだ」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ラオーニ・バルセロス
 判定3-0(29-28、29-28、30-27)
●サイード・ヌルマゴメドフ

ラオーニ・バルセロス

「ヌルマゴメドフと対戦するために今回が3度目のフルキャンプだった。相手がどれだけ危険か分かっていたからかなり慎重だった。いつもオクタゴンに上がるときはゲームプランに沿って進めようとしている。相手をノックアウトするか一本を取るか。何度か関節技をかけにいったんだけど、できなかった。ストライキングが少し厄介で、でも、すでにみんながタフな試合になることは予想していただろうし、そうなったと思う。彼と戦えたことはうれしいよ。ロシアでは有名な人だし、地元の団体ではチャンピオンだった人だ。今回の勝利で俺のランキングが上がるだろうから、MMAやUFCの世界で注目されるようになるはずだ。とにかく成長し続けたい。俺は自分自身に厳しい。前回の試合も今回も、いくつか細かいところが気になる。特にストライキング。これは取り組んでいかないといけない。そのせいで試合中に何度か食らってしまったけど、トレーニングして、そういうところを正していかないといけない。そして、もっと強くなって戻ってくる。いつかチャンピオンになるために戦えるようにね」

<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○アマンダ・レモス
 1ラウンド(3分43秒)テクニカルサブミッション(タップなし)
●ミランダ・グレンジャー

アマンダ・レモス

「戦えずに本当につらい時期が続いていたけど、神様のおかげで戻ってこられた。復帰できて本当にうれしいし、勝利を持ち帰れるなんてもっとスペシャル。自分の気持ちを言葉にできない。戻ってこられたことが最高だし、自分の階級で戦えたことが最高。ストロー級は私が一番調子の良いところだし、チャンピオンになるまでこの階級で戦い続けるつもりよ。リアネイキドチョークは私がずっとトレーニングしていたポジションだし、かなり強いと思っている。自分の復帰戦で、最高の形でそれを使えてよかった。対戦相手を選ぶつもりはないけれど、もっと戦うチャンスがほしい。自分の力を見せて、それぞれの試合ごとに進化しているところを見せたい。ブラジリアで戦いたいわ。地元で戦えれば最高よね」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○アラテン・ヘイリ
 判定2-1(29-28、29-28、28-29)
●ライアン・ブノワ

アラテン・ヘイリ

「第1ラウンドで相手の力を試そうとしてみたんだけど、思っていた以上に相手がタフだってことに気づいた。第2ラウンドはパンチを打ち始めながらコンビネーションも打っていって、第3ラウンドはレスリングを仕掛けられたし、予定していたことができたと思う。最後は勝ててうれしい。これからもトレーニングに励んで戦い続ける。まだまだ学ぶことがたくさんあるし、この階級にはたくさんの素晴らしいファイターがいる。UFCが次に用意してくれる相手なら誰とでもやるつもりだ」