マラット・グレゴリアンが王座防衛!Glory 69

(C)GLORY

 10月12日(現地時間)にドイツ連邦共和国デュッセルドルフで『Glory 69: Dusseldorf』が開催された。
 グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、ピーター・アーツやクリス・ナギンビ、ムラット・ディレッキーらは引退、タイロン・スポーンやグーカン・サキらは総合格闘技またはプロボクシングへの転向を表明するなど、キックボクシング界の人材流出が顕著になっていった。そこで、K-1を買収するつもりだったバス・ブーンと、ブーンに協力していた大手独立系スポーツ・マーケティング広告代理店トータル・スポーツ・アジア(TSA)、石油系ヘッジファンド『BlueGold』の運営で財を成した投資家のピエール・アンデュランド(Pierre Andurand)らが改めて結託し、ピエールとTSAが合わせて総額3000万ドル(約23億円)以上の出資をして、ゴールデン・グローリージムとは独立した興行の運営母体としてグローリー・スポーツ・インターナショナル(Glory Sports International Pte LTD.)を設立(略称はGSI)。2012年3月23日のモスクワ大会で事実上旗揚げした。但し、巨額の損失からバス・ブーンらは追われてしまう。何度かの組織変更の末、北米を照準にして2016年2月、UFCファイトパスでの配信を開始した。
 今大会はライト級王座戦が組まれ、王者マラット・グレゴリアンがタイジャニ・ベズタティの挑戦を受けた。K-1MAX王者のグレゴリアンは、過去に四連続で敗れている難攻不落の絶対王者だったシッティチャイ・シッソンピーノンを五度目の挑戦で遂に判定勝ちして新王者に輝いたが、今回はモロッコの悪童と呼ばれるベズタティと防衛戦。初防衛戦から難敵と対峙する事となった。試合はグレゴリアンがパンチラッシュでダウンを奪う猛攻。結果、判定までもつれこんだが、王者グレゴリアンの判定勝ちで王座防衛。絶対王者に向けて一歩踏み出したようだ。

■ Glory 69: Dusseldorf
日時:2019年10月12日(現地時間)
会場:ドイツ連邦共和国デュッセルドルフ

<ライト級王座タイトルマッチ>
○マラット・グレゴリアン(アルメニア/王者)
 判定
●タイジャニ・ベズタティ(モロッコ/挑戦者)

<ヘビー級>
○ミッシェル・スモリク(ドイツ)
 判定
●モハメッド・アブダラ(ドイツ)

<ライトヘビー級>
○ルイス・タヴァレス(オランダ)
 判定
●マイケル・デュット(オランダ)