ロベルト・ソルディッチ王座防衛!スコット・アスカムが新王者!KSW 49: Materla vs. Askham 2

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 5月18日(現地時間)にポーランド共和国グダニスク/ソポトで『KSW 49: Materla vs. Askham 2』が開催された。
 KSW(Konfrontacja Sztuk Walki=コンフロンタチャ・シュトゥク・ヴァルキ)は、ポーランドの総合格闘技団体。団体名はポーランド語で「総合格闘技が激突する」という意味。2009年に地上波Polsatで生中継されたKSW 12は、視聴者数650万人を記録しサッカー EURO 2012に抜かれるまではポーランドのスポーツ中継で史上2位の記録だったほど欧州最大のMMA団体となっている。2017年には本拠地ポーランドで6万人を集めた大会を成功させ、欧州最大のMMA団体として存在感を示している。
 今大会はミドル級とウェルター級、二階級の王座戦が組まれ、メインのセミファイナルのウェルター級王座戦は、ロボコップの異名をとる王者ロベルト・ソルディッチがMMA7戦全勝のクリスチャン・カスボロウスキーの挑戦を受けた。下馬評は王者優勢となっている。試合はスタンドでの探りあいから、カスボロウスキーが突っ込んでくるところをソルディッチはカウンターで下がりながら左を当てるとカスボロウスキーが崩れ落ちてダウン。レフェリーがすぐにストップし、ソルディッチがKO勝利で王座防衛。衝撃的なKO劇にソルディッチは興奮し金網によじ登り喜びをアピール。ソルディッチが見事に王座防衛を果たした。
 セミファイナルではKSWレジェンドであるマメッド・ハリドヴが返上したミドル級王座決定戦としてミハウ・マテラとスコット・アスカムの間で争われた。元王者でありKSW保守本流のマテラと元UFC戦士であるアスカムは過去に一度対戦しており、その時はアスカムがKO勝ちしている。何としてもリベンジしたいマテラは強引にテイクダウンを奪ってグランドで上から攻め試合を有利に進める。2Rにもダウンを奪ってマテラが意地を見せるかと思われたが、3Rにマテラ失速。ここで元々、打撃では上であるアスカムがラッシュを仕掛けマテラ防戦一方となると、最後は飛び膝蹴りでアスカムがマテラからダウンを奪ったのだった。レフェリーがストップし、アスカムが逆転勝ち。アスカムがマテラを返り討ちにして新王者に輝いた。
 更に、強力なヘビー級戦が二つも組まれ、元KSWヘビー級王者カロル・ベドルフがUFCとベラトールというメジャー団体経験者のダミアン・グラボウスキーと対戦。いわばポーランドからみて海外を渡り歩いた男と国内で頑張った男の対決となった。下馬評はグラボウスキーがメジャー経験者とはいえKSWで中心だったベドルフの方が評価されている。しかし試合は先にダウンを奪ったのはグラボウスキーでパウンドを落として攻め立てる。ベドルフもなんとか凌いでスタンドに戻すもの、ラウンド後半にもまたグラボウスキーがキックでベドルフからダウンを奪って攻める。不利とみたペドルフは2Rからはテイクダウン狙いで、なんとかグランドで上を奪って有利に試合を進めるものの、グラボウスキーがなんと体勢を入れ替えグランドで上を奪い返す。そしてパウンド連打でペドルフは防戦一方となりレフェリーがストップ。グラボウスキーが下馬評を覆し、ペドルフに完勝した。
 そしてベルギーのボディービルダー、フィットネスモデルで、その圧倒的肉体美で人気があるエルコ・ユンがMMA三戦目をアコップ・アスタックを相手に行った。俳優のトマシュ・オズウィエンチンスキー、ラッパーのポペック・モンスターという大物を相手に連勝してきたユンだが、今回は同じボディービルダーであるアスタックとボディービル対決となった。試合は、なんとユンの秒殺KO勝ち。試合開始直後のスタンド打撃の攻防で、ユンの右フックがさく裂。アスタックは吹っ飛ぶようにダウン、ユン追撃のパウンドをレフェリーがストップし、見事なKO勝利。これでユンはMMA三戦全勝となった。

■ KSW 49: Materla vs. Askham 2
日時:2019年4月27日(現地時間)
会場:ポーランド共和国グダニスク/ソポト

<ウェルター級王座タイトルマッチ>
○ロベルト・ソルディッチ(クロアチア/王者)
 1R 1分25秒 TKO
●クリスチャン・カスボロウスキ(ポーランド/挑戦者)

<ミドル級王座決定戦>
○スコット・アスカム(英国)
 3R 1分23秒 TKO
●ミハウ・マテラ(ポーランド)

<ヘビー級>
○ダミアン・グラボウスキー(ポーランド)
2R 3分56秒 TKO
●カロル・ベドルフ(ポーランド)

<74キロ契約>
○ノーマン・パーク(英国)
 判定 3-0
●アルトゥル・ソウィンスキー(ポーランド)

<ヘビー級>
○エルコ・ユン(ベルギー)
 1R 0分36秒 TKO
●アコップ・アスタック(ポーランド)

<95キロ契約>
○マルチン・ザワダ(ドイツ)
 判定 3-0
●チアゴ・シウバ(ブラジル)