SEAdLINNNG旗揚げから3年。遂にシングルのベルトを創設し、その初代王座を賭けたトーナメントが10･3後楽園で始まった。
　1回戦第1試合、Marvelous彩羽匠が、WAVEのアニキ、水波を胴締めスリーパーで締め落とす壮絶な試合で幕を開ける。

　続く2試合目、PURE-Jの無差別級王者として背水の陣で乗り込んできた中森華子と、迎え打つ世志琥の1戦。お互い総合の経験を活かし、中森の蹴りの乱れ打ちを世志琥が肘で返す激しい打撃戦。最後は印象に無いと斬り捨てられた中森が意地のバズソーキックで世志琥を葬った。

　
　そしてセミファイナルは、事前の記者会見で松本浩代の
「3人のSEAdLINNNGにベルトは要らない」
発言で怒り心頭の高橋奈七永がコール中に急襲してゴング。

　無論、黙ってやられる筈もない松本浩代も応戦、場外では椅子を投げつけ合い、高橋奈七永がエプロンへのリバースパイルドライバーで頭をめり込ませると、松本浩代はエプロンにパワーボムで叩きつけ…と、危険な技の応酬に場内はヒートアップ。

　20分を越える2人にしかできないバチバチの攻め合いは、ベルトへの執念に勝った高橋奈七永に凱歌が上がった。試合後、勝利してなお、怒りの収まらない高橋奈七永は松本浩代に
「応援してくれるファンも侮辱した。2度とSEAdLINNNGのロープを跨がせない！ 」
と追放を宣言。

　記者会見場に姿を見せた長与千種に絶賛された高橋奈七永はご覧の表情。

　一方、良かれと思ってのベルト否定発言で想定外の高橋奈七永の激怒を引き起こした“破壊する女”“世界のレディゴジラ”松本浩代は、ショックを受けた表情で会見場に現れ、
「いずれ解ってもらえると思う」
と、発言の撤回はせず、SEAdLINNNGからの追放を受け入れる構え。
　「ベルト」を、団体の中で持ち合う物という概念で捉えれば、3人だけでやり取りする事になるのでは？という、高橋奈七永のプロレスへのリスペクト故の疑問を、団体の規模への批判と捉えられたというのが松本浩代の本意ではあろうし、プロレスの一面の真理を突いた発言でもある。
　だが、ラウェイへの挑戦、NOAH潮﨑との死闘と、従来の女子プロレスの概念をぶち破る続ける高橋奈七永としては、SEAdLINNNGが満を持して創設するベルトの価値がどう高まっていくか見てから意見を言えという事であろう。
　10･17新木場では、前哨戦としてトーナメントを勝ち上がった4選手でのタッグマッチが決定しており、SEAdLINNNGのベルトの行方を占う意味でも見逃せない闘いとなりそうだ。

　
■　SEAdLINNNG　d-HIGHER2018
日時：10月3日（水）　開始19:00
会場：東京水道橋・後楽園ホール

＜第1試合 ハイスピード6人タッグマッチ 20分1本勝負～Dedicate to Ray!　HIGHSPEED～＞
〇希月あおい　真琴　藤本つかさ（アイスリボン）
　12分05秒　旋回式ダイビングボディプレス⇒体固め
桃野美桜（Marvelous）　高瀬みゆき（アクトレスガールズ）　●笹村あやめ（KAIENTAI DOJO）

※ ハイスピードルール採用。レフェリー南月たいよう。希月あおい最後のシードリング参戦、最後の聖地、後楽園。


　最後のSEAdLINNNG参戦、プロレスの聖地･後楽園ともお別れとなったハッピーメイカー希月あおいに、夏月たいようレフェリーから花束が贈呈された。

＜第2試合 SEAdLINNNG BEYOND THE SEAシングルチャンピオン決定トーナメント1回戦 時間無制限1本勝負＞
●水波綾（ プロレスリングWAVE）
　13分13秒　胴締めスリーパーホールド⇒TKO
〇彩羽匠（Marvelous）

＜第3試合 SEAdLINNNG BEYOND THE SEAシングルチャンピオン決定トーナメント1回戦 時間無制限1本勝負＞
●世志琥
　6分05秒バズソーキック⇒片エビ固め
〇中森華子（PURE-J）

＜第4試合 SEAdLINNNG BEYOND THE SEAシングルチャンピオン決定トーナメント1回戦時間無制限1本勝負＞
〇高橋奈七永
　21分40秒　ワンセコンドEX⇒片エビ固め
●松本浩代

＜第5試合 SEAdLINNNG BEYOND THE SEAシングルチャンピオン決定トーナメント1回戦 時間無制限1本勝負＞
〇中島安里紗
　21分05秒　ムーンサルトプレス⇒体固め
●山下りな（OSAKA女子）

　高橋ｰ松本の女子のベテラン同士とは思えない21分の激闘の直後に、それとは別の色合いで、自分達にしかできない21分で会場を沸かせた中島安里紗と山下りなも賞賛に値する。
　最後はムーンサルトで舞った中島がトーナメント準決勝進出を決めた。