リコ・ヴァーホーベンが王座防衛!Glory 59アムステルダム

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 9月28日(現地時間)にオランダ・アムステルダムで『Glory 59: Amsterdam』が開催された。
 グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、ピーター・アーツやクリス・ナギンビ、ムラット・ディレッキーらは引退、タイロン・スポーンやグーカン・サキらは総合格闘技またはプロボクシングへの転向を表明するなど、キックボクシング界の人材流出が顕著になっていった。そこで、K-1を買収するつもりだったバス・ブーンと、ブーンに協力していた大手独立系スポーツ・マーケティング広告代理店トータル・スポーツ・アジア(TSA)、石油系ヘッジファンド『BlueGold』の運営で財を成した投資家のピエール・アンデュランド(Pierre Andurand)らが改めて結託し、ピエールとTSAが合わせて総額3000万ドル(約23億円)以上の出資をして、ゴールデン・グローリージムとは独立した興行の運営母体としてグローリー・スポーツ・インターナショナル(Glory Sports International Pte LTD.)を設立(略称はGSI)。2012年3月23日のモスクワ大会で事実上旗揚げした。但し、巨額の損失からバス・ブーンらは追われてしまう。何度かの組織変更の末、北米を照準にして2016年2月、UFCファイトパスでの配信を開始した。
 今大会のメインではヘビー級王座戦が組まれ、絶対王者として君臨するリコ・ヴァーホーベンが、ブラジルのグト・イノセンテの挑戦を受けた。フィーリョはヘビー級挑戦者決定トーナメントでジュニオール・タファに勝利するも、試合中にカットした為、棄権し、結果、そのトーナメントではベンジャミン・アデグバイが優勝したが、そのアデグバイに勝利した実績もあるイノセンテにも王座挑戦のチャンスが回ってきた。しかし、ヴァーホーベンの圧倒的な強さから、下馬評は当然、王者となっている。試合もヴァーホーベンが圧倒、イノセンテは苦し紛れに組みついて打ち合いを避けたり、キックでは反則の投げ飛ばすなどで判定まで持ち込むものの、判定は大差でヴァーホーベンとなり、見事に王座防衛を果たした。
 またセミファイナルではフェザー級王座統一戦が行われ、正王者ロビン・ファン・ロスマレンと暫定王者ペッパノムルン・ゲッムーガオが試合を行った。グローリー保守本流(オランダ人で白人)のロスマレンは現在、MMAと二足のわらじを履いているが、本業のキックでも圧倒的な強さを誇っている。そこに近年、グローリー進出してきたムエタイ強豪、WMC王者でもあるゲッムーガオが挑むという一戦は、ゲッムーガオが判定で王座統一を果たした。

■ Glory 59: Amsterdam
日時:2018年9月28日(現地時間)
会場:オランダ・アムステルダム

<ヘビー級王座タイトルマッチ>
○リコ・ヴァーホーベン(オランダ/王者)
 判定
●グト・イノセンテ(ブラジル/挑戦者)

<フェザー級王座統一戦>
○ペッパノムルン・ゲッムーガオ(タイ/暫定王者)
 判定
●ロビン・ファン・ロスマレン(オランダ/王者)

<ウェルター級>
○マーセル・グローエンハート(オランダ)
 2R 1分05秒 TKO
●モハメド・ジャラヤ(モロッコ)

<ヘビー級>
○ジャマール・ベン・サディック(モロッコ)
 1R 0分57秒 TKO
●ディアンジェロ・マーシャル(米国)

<フェザー級>
○アレクセイ・ウリアノフ(ロシア)
 判定
●ザカリア・ゾウガリー(オランダ)

<ライト級>
○ティジャニ・ベズタティ(モロッコ)
 判定
●クリスチャン・バヤ(アンゴラ)

<ヘビー級>
○ロエル・マナート(オランダ)
 判定 5-0
●ダニエル・スクバー(チェコ)

<ライトヘビー級>
○マイケル・ドゥート(オランダ)
 3R 2分56秒 KO
●ムラッド・ボウジディ(オランダ)

<ライト級>
○ストヤン・コプリフレンスキー(ブルガリア)
 判定
●アニール・カブリ(チュニジア)

<ミドル級>
○ドノヴァン・ウィッサ(スリナム)
 判定
●ケヴィン・ヴァン・ヒークレン(オランダ)

<ウェルター級>
○マイルス・シムソン(スリナム)
 1R 0分54秒 TKO 
●ケヴィン・ヘッスリング(オランダ)

<72.5kg契約>
○ロニー・ヘイグマン(オランダ)
 判定 5-0
●ブラヒム・カラア(モロッコ)