ディラショーが1ラウンドTKOで防衛達成!DJは王座陥落、セフードがフライ級新王者に!UFC 227


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総合格闘技団体UFC(Ultimate Fighting Championship)は日本時間2018年8月5日(日)にアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスのステイプルズ・センターにて”UFC 227″を開催した事を発表した。

 メインイベントでバンタム級王座をかけて対戦した王者T.J.ディラショー(アメリカ 16勝3敗)と挑戦者コーディ・ガーブラント(アメリカ 11勝1敗)の一戦はディラショーが1ラウンドでガーブラントをノックアウトし、王座防衛を果たした。

 開始直後から2人のライバル関係を物語るような激しい打ち合いが繰り広げられ、ガーブラントが距離を詰めながら力強い打撃でディラショーを後退させるシーンも見られたものの、ディラショーの一撃を食らってダウンを喫してしまい、相手の追い打ちを何とか防いでスタンディングに戻したが、ダメージが激しいガーブラントは足元がふらついたまま、ディラショーに右フックを当てられて再びダウンし、懸命に立ち上がろうとするも反撃に出られず、レフェリーが間に入って試合を止めた。ガーブラントを2度に渡って退けたディラショーはTKO勝利で防衛達成に華を添えている。


 また、セミメインイベントではパウンド・フォー・パウンド王者にしてフライ級の絶対王者、デメトリアス・ジョンソン(アメリカ 27勝2敗1分)が同級ランキング1位につけるヘンリー・セフード(アメリカ 12勝2敗)を挑戦者に迎え、2度目の対戦に挑んだ。序盤、セフードはジョンソンの鋭い蹴りを受けた左足をかばうような仕草を見せつつも、第1ラウンド中盤にはバランスを立て直したようでステップを踏み出し、以降はジョンソンと互角の攻防戦を繰り広げています。テイクダウンを狙ったセフードの攻撃をジョンソンが華麗にかわす匠の技を披露すれば、セフードも一歩も引かない積極性を見せてチャンピオンを追い詰めていき、最終ラウンド終盤は激しい打ち合いを演じて試合終了を告げるホーンを聞いた。ジャッジに委ねられた結果はスプリット判定でセフードに軍配が上がり、ジョンソンの連続防衛を阻むと同時に、セフードが新フライ級チャンピオンに輝いている。

 次回、UFCは日本時間8月26日(日)にネブラスカ州リンカーンでUFCファイトナイトを開催される。ピナクル・バンク・アリーナが舞台のUFCファイトナイト・リンカーンではライト級ランキング7位のジャスティン・ゲイジーと同10位のジェームズ・ビックが対戦するメインイベントのほか、女子ストロー級トップコンテンダーのコートニー・ケイシー対アンジェラ・ヒル戦などが予定されている。

■ UFC 227
日時:現地時間2018年8月4日(土)、日本時間5日(日)
会場:ステイプルズ・センター(アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス)

<メインイベント バンタム級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○T.J.ディラショー
 1ラウンド(4分10秒)TKO
●コーディ・ガーブラント
勝者T.J.ディラショーのコメント
「バンタム級史上最強かつ最高として俺のレガシーが強固なものになった。打ち合いを始めた時にはすでにコーディがダメージを受けていたのは分かったから、とにかく打ち込んでいったんだ。ヤツを失速させてフィニッシュしなきゃいけなかった瞬間はちょっと興奮したけど、仕事は果たした。このゲームが大好きだ。戦うのが大好きだし、応援してくれたみんなに感謝している。ヘンリー・セフードよ、受けて立つぞ!」

<セミメインイベント フライ級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○ヘンリー・セフード
 判定2-1(48-47、47-48、47-48)
●デメトリアス・ジョンソン
勝者ヘンリー・セフードのコメント
「夢がかなった。オリンピックの金メダリストからUFCチャンピオンだ。自分はこのロサンゼルスの2ベッドルームのアパートで生まれた。応援してくれたカリフォルニアのファンに感謝している。この1週間ずっと見下されてきたように感じるけど、スーパーファイトの話題が多いから、今、ここにこうして立てた自分はメインイベント(バンタム級タイトルマッチ)の勝者と戦いたいと言おう」

【メインカード】
<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○ヘナート・モイカノ
1ラウンド(4分15秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
●カブ・スワンソン
勝者ヘナート・モイカノのコメント
「3ラウンドになると予想していたけど、最初の打ち合いで彼は自分のパワーを感じたと思うし、俺は相手に感じさせられたと思っている。だから、この試合は早めに終わるかもしれないと思った。カブ・スワンソンはベストファイターの1人だ。自分にとってはUFCキャリア最大の勝利。ベルトがほしい。ブライアン・オルテガの名前を言ったのは彼がナンバー1だからだけど、自分の目標は世界チャンピオンになることだ。チャンスを手に入れられたと思う。俺のチームはUFCで一番のフェザー級ファイターになるために自分の成長を手助けしてくれている。そう信じている。それを世界に知らしめるチャンスがほしい」

<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○J.J.アルドリッチ
 判定3-0(27-30、28-29、28-29)
●ポリアナ・ヴィアナ
勝者J.J.アルドリッチのコメント
「すべて計画通りにいったわ。ゲームプランを立てていてそれに沿って挑んだ。彼女はレンジのいい優れたストライカーだし、その力を見せつけられた。でも、私たちはそれに対応できるように計画していたから、それが今日の勝利につながったと思っている。自分のレンジを見いだせるまでペースをコントロールできたと思うし、その後はいい打撃を繰り出せたと思う。目標は常に成長すること。その最大の要素は自信を持つことだと思っている。自信がつけば試合に臨んで自分らしく戦える。それから、その自信は私を支えてくれている世界一のチームがもたらしてくれている。うちにはチャンピオンのローズ・ナマユナスがいるし、パット・バリーや他にもたくさんの素晴らしい人たちに囲まれているの。パットと一緒に取り組むことがどれだけすごいか説明しきれないわ。私はスポイラー役が気に入っているから、ヴィアナが大げさに評価されていただけに一層うれしいとも思う。ゆっくりとレーダーを進んでいくことが大事だと思っているから、次が誰だろうと気にしない。UFCが戦ってほしいと言う相手がいれば戦うわ」

<ミドル級マッチ 5分3ラウンド>
○チアゴ・サントス
 判定3-0(29-27、29-27、29-26)
●ケビン・ホランド
勝者チアゴ・サントスのコメント
「試合は計画通りにいかなかったけど、ここに至るまでのことは受け入れられる。柔術もレスリングも、試合をコントロールするために必要なMMAのあらゆるものを見せられたし、自分のファイティングスタイルをすべて見せられたから、最高の試合になったと思っている。相手をかなり痛めつけられたけど、彼はかなりクリエイティブだったし、彼のタフネスさは尊敬する。俺の階級からたくさんのトップファイターたちがニューヨークで戦うことになっているから、自分も加わりたい。試合ができる状態をキープして、体重を維持するつもりだ。ぜひ参加したいからね。UFC 230でミドル級のトップと戦いたい」

【プレリム】
<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○ペドロ・ムニョス
 判定3-0(30-26、29-28、29-27)
●ブレット・ジョーンズ
勝者ペドロ・ムニョスのコメント
「最高の気分だよ。カリフォルニアに住んで7年、観客の声が聞こえただろ。俺をサポートしてくれたし、声援も送ってくれた。信じられない気分だよ。最高の試合、タフな試合を見せられたはずだ。何度かかなりキツめに打ち込んだのにフィニッシュできなくてかなり驚いたけど、でも、ブレット・ジョーンズは本当にタフなやつだ。真の戦士だし、彼と戦えてうれしい。次は自分の力を見せるためにもトップの人とやりたい。これで俺は9位になるから、アルジャメイン・スターリングと戦えたらうれしいね。ランキングも近いし、いいショーを見せられるはずだよ」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○リッキー・シモン
 判定3-0(30-27、30-27、29-28)
●モンテル・ジャクソン
勝者リッキー・シモンのコメント
「まず、こんなにも直前の試合を受けてくれたモンテル・ジャクソンに感謝したい。彼は長身だから距離を詰めてレスリングスキルを最大に生かしていかなきゃいけないことは分かっていた。今日の観客の前で勝ててうれしいし、自分がここにふさわしいことを証明していきたい。大げさに扱われている奴らを片っ端から撃破してやるつもりだけど、俺がここにいるのは自分こそが最高だと示すためだ。これで14勝1敗だから、UFCが俺に望む相手なら誰とでも戦ってやる。俺は将来有望だ。それは誰も否定できない。あとはもう時間の問題さ」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○リカルド・ラモス
 判定2-1(29-28、29-28、28-29)
●カン・ギョンホ
勝者リカルド・ラモスのコメント
「プランでは試合に臨んで第1ラウンドでフィニッシュすることだったけど、相手がものすごくタフだった。何度か重い打撃を当てていったけど、決めきれなかった。それはびっくりしたけど、UFCでは誰もがタフなヤツだし、とにかく自分が力強くぶつかって試合を決めるしかない。次の試合についてはショーン・オマリーとやりたい。俺たちはどちらも新鋭だと思うし、自分たちがこの階級のどこに属しているのかを証明しないといけない。スマートな試合になると思うし、ファンにも楽しんでもらえる試合になると思う」

<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○シェイモン・モラエス
 判定3-0(28-29、28-29、28-29)
●マット・セイルズ
勝者シェイモン・モラエスのコメント
「UFC初勝利を挙げられて本当にうれしい。これまでキツイこともたくさん乗り越えてきた自分にとっては本当にでかい。子供が生まれたけど離婚した。ザビット(マゴメドシャリポフ)との試合は負けた。だから、ようやくすべてが報われた気分だから本当にうれしい。ここが自分のホームだってこと。自分がいるべき場所はここだ。今はLAに住んでいるし、全力を尽くしてトレーニングに励むのみ。今日の対戦相手はかなりタフなやつだった。あまりスペースを与えてくれなかったし、俺も相手にスペースを与えたつもりはない。でも、楽しい試合だった。お互いに激しく打ち合ったしね。この後は息子と時間を過ごして、月曜日にはジムに戻るつもり。うまくやれたこともダメだったこともすべては学び。そこから成長できる。もっとうまくなって戻ってくるつもりだ。ファンのためにいいショーを見せ続けたい」

【アーリープレリム】
<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○アレックス・ペレス
 1ラウンド(3分46秒)KO
●ホセ・トーレス
勝者アレックス・ペレスのコメント
「今日の試合は自分が戦いたかった形よりも少し雑だったけれど、ファンに最高のショーを見せられたし、楽しんでくれたと思う。まだ改善できる余地があると思っているし、一番はディフェンスだ。デメトリアス(ジョンソン)といろいろあったけど全然問題ない。トーレスはタフな相手だし、今後もう一度やることもあるだろう。俺からしてみれば、その日にどっちの方が優れているか、それだけだと思う。次はナンバー15、佐々木憂流迦とやりたい。ジェネル・ラウザ戦はすごかったし、俺はこの階級を駆け上っていきたいから、最高のショーを見せられると思う」

<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○ジャン・ウェイリー
 判定3-0(28-29、28-29、28-29)
●ダニエル・テイラー
勝者ジャン・ウェイリーのコメント
「UFCで戦うということはこれまでにない経験だったから、試合に向けて準備する中でいつもより緊張していたけれど、自分の音楽が流れ始めたら緊張が解けて、オクタゴンでもホームのように感じた。今回のチャンスをくれたUFCにとても感謝しているわ。中国のMMAが何たるかを世界に知らしめることはとても特別なこと。昨年、UFCが中国デビューを果たしたから、チャンスがあれば中国でまた試合がしたい。最高のショーを披露して、今日よりももっといい試合を中国のファンに見せたいわ」

<バンタム級マッチ 5分3ラウンド>
○マルロン・ヴェラ
 2ラウンド(4分53秒)TKO
●ウリジ・ブレン
勝者マルロン・ヴェラのコメント
「復活だぜ! また勝てて最高の気分だ。最初のラウンドは良くなかった。何度か打たれたし、あれが何だったのか正直分からないけど、打たれたと思ったし、その後は自分の思っていたように戦えなかった。インターバル中、コーチからお前の試合なんだぞって言われて、やりたいことをやればいいと思い出させてもらったから、第2ラウンドは取りにいったんだ。もう二度と負けられないと思っていたからね。自分のためにも負けらなれなかったし、今日、見に来てくれている家族のためにも負けるわけにいかなかった。今日の出来は誇りに思っている。勝利街道に戻ってこられて最高だ。次は南米のイベントで戦いたい。UFCの南米組では知られた顔の一人だと思っているし、みんなのために戦いたいんだ」