ジョセ・アルド復活!ダスティン・ポワリエがエディ・アルバレスにTKO勝利!UFCカルガリー


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 総合格闘技団体UFC(Ultimate Fighting Championship)は日本時間2018年7月29日(日)にカナダ・アルバータ州カルガリーにあるスコシアバンク・サドルドームにて”UFCファイトナイト・カルガリー”を開催した。
 メインイベントで対戦したのはUFC 211(2017年5月)で火花飛び散る大熱戦を展開しながらも、アクシデントによる反則攻撃でノーコンテストの裁定が下されたエディ・アルバレス(アメリカ 29勝5敗1ノーコンテスト)とダスティン・ポワリエ(アメリカ 23勝5敗1ノーコンテスト)だ。
 積極的に打撃を放つアルバレスにポワリエが応戦する形で展開した試合はアルバレスがペースをコントロールしようとしたものの、第2ラウンドにテイクダウンを狙っていったところ、ポワリエに首を取られて一本負けの危機に直面してしまう。それでも、難を逃れたアルバレスは再びポワリエに組み付いていき、ここでもギロチンチョークをかわしてマウントポジションを確保したが、パウンドを浴びせる中で反則にあたる垂直のエルボーを繰り出してしまい、レフェリーに注意を受けた。ブレイクを指示され、スタンディングに戻って再開された後は前回同様に激しい打撃戦が繰り広げられたものの、ポワリエの膝蹴りを受けた直後に左のカウンターをまともにくらったアルバレスがケージ際に追い込まれた。勝機と見たポワリエが猛攻を仕掛け、必死に踏みとどまったアルバレスも懸命に打ち返したが、疲れも激しく、ポワリエの連打を浴びて万事休す、膝が崩れたところでレフェリーが試合終了を告げ、因縁の2人の対決はポワリエに軍配が上がった。


 セミメインイベントで対戦したフェザー級ランキング2位のジョセ・アルド(ブラジル 26勝4敗)と同4位のジェレミー・スティーブンス(アメリカ 28勝14勝)の一戦は慎重なアルドに対して積極性を見せたスティーブンスが右の強打をヒットさせ、相手の足元をふらつかせる場面を作ったが、なんとか立て直したアルドが2発のボディショットを見舞うと、まともに食らったスティーブンスが顔をしかめながら倒れ込む格好となり、フィニッシュの好機と見たアルドが追い打ちをかけてパウンドの嵐を浴びせた。必死に耐えていたスティーブンスですが、防戦一方となったのを確認したレフェリーが試合を止め、アルドのTKO勝利を宣言している。


 また、王座奪還に闘魂を燃やす女子ストロー級の元絶対女王、ヨアンナ・イェンドジェイチェク(ポーランド 14勝2敗)がテシア・トーレス(アメリカ 10勝2敗)と対戦した試合は、序盤からスピードに乗っていったイェンドジェイチェクがトーレスをケージ際に追い込んで膝蹴りを連打するなど完全に試合をコントロール。危なげないパフォーマンスでフルラウンドを戦い抜いた末にユナニマス判定で白星を手に入れた。

 次回、UFCはアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスにて日本時間8月5日(日)にUFC 227を開催される。ステイプルズ・センターを舞台に行われるUFC 227は2大タイトルマッチが組まれ、メインイベントではバンタム級王者T.J.ディラショーがチャンピオンベルトを奪い返した相手であり、前バンタム級チャンピオンで現ランキング1位につけるコーディ・ガーブラントとの再戦に挑む。加えて、セミメインイベントはフライ級絶対王者にしてパウンド・フォー・パウンドランキングでもキングとして君臨するデメトリアス・ジョンソンが、五輪金メダリストにしてフライ級ランキング1位のヘンリー・セフードと2度目の対戦に臨み、12回目の防衛戦で史上最多防衛記録の更新を目指す予定。

■ UFCファイトナイト・カルガリー
日時:2018年7月28日(土)、日本時間29日(日)
会場:カナダ・アルバータ州カルガリー スコシアバンク・サドルドーム

<メインイベント ライト級マッチ 5分5ラウンド>
○ダスティン・ポワリエ
2ラウンド(4分05秒)TKO
●エディ・アルバレス
勝者ダスティン・ポワリエのコメント
「ダラスでこいつと対決してマジでイライラさせられたのに、辞めると言うために戻ってきやがった。俺は絶対に辞めない。これが俺の生業だ。これのために毎日生きているんだからな。俺は心の底からファイターだ。絶対に辞めない。そんな話は聞くのさえうんざりだ。試合が終わった後、エディが”やつらがお前を立たせた”と言ってきた。まるで、そのせいで俺が勝ったみたいに。垂直のエルボーは打つなってことだ。ダウンしている相手に膝を打ち込まないのと同じようにな。気分良くいけた。今までで一番落ち着いていたんじゃないかな。俺は若くてベテランだ。ここがホームのように感じている。4回続けてチャンピオンを倒した。これ以上、何をすればいい? ハビブ(ヌルマゴメドフ)よ、どこにいる?」

<セミメインイベント フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○ジョゼ・アルド
1ラウンド(4分19秒)TKO
●ジェレミー・スティーブンス
勝者ジョゼ・アルドのコメント
「最高の気分だ。2敗していたし、自分にもう一度勝つ力があるのか自分でも疑問だったから、思わず涙があふれた。最高のトレーニングキャンプができたし、チームメイトやコーチがいつも、お前はまだチャンピオンだと言ってくれたから、今回の勝利には本当に興奮しているし、特に、いい時も悪い時も、ずっと自分のことを支えてくれた人たちを思うとうれしい。もうすぐ娘の誕生日なんだ。今回の勝利は娘に捧げたい。しばらく休みを取って、少しだけ娘と一緒の時間を楽しむけれど、今でもベルトが目標だから、そこを目指していくつもりだ」

<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○ヨアンナ・イェンドジェイチェク
 判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●テシア・トーレス
勝者ヨアンナ・イェンドジェイチェクのコメント
「最高の気分よ。今回の試合は私にとって本当に大事な一戦だった。自分のことは分かっているし、どれだけハードにトレーニングしているかも分かっている。このスポーツで最悪なのは2位じゃダメってこと。でも、負けたファイターをただの敗者なんて呼んでほしくない。何週間も、ものすごい練習に励んで、家族や友達とも離れ離れでがんばっているんだから。今回の試合は私にとって違った。テシア・トーレスが違う風にしてくれた。クリンチが本当にうまくいって、かなり自信もあったし、予想はしていたことだけど、試合に勝ったなら変わる必要なんてある? 私の方がエルボーを打ち込んでいったし、膝も使った。打撃も私の方が多いから、私にとってはいい試合だったわ。ちょっと休むつもり。昨年はかなり忙しかったし、なんていうか、ジェットコースターに乗っているみたいだった。でも、タイトルのチャンスがあるのなら、来週にもフロリダに行ってチャンピオンと対戦するわ。私がナンバー1、目標はベルト(獲得)よ」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○アレクサンダー・ヘルナンデス
 判定3-0(30-27、29-28、29-28)
●オリビエ・オービン・メルシエ
勝者アレクサンダー・ヘルナンデスのコメント
「彼は素晴らしい対戦相手だったし、とにかく全開で行った。今回の試合にはかなりがっかりしているんだ。こんな風に勝ちたかったわけじゃないし、自分のベストなパフォーマンスを見せたい。自分らしくなかった。勝利はうれしいけど、最高のものを見せたくてここにいるし、自分を知らしめたい。今回はそうじゃなかった。相手は予想していた通りの動きだったけど、自分がいつもみたいに動けなかった。自分でいろいろと調整しないと。でも、今年末までにもう1勝したいから、秋頃には戻ってきたい」

【プレリム】
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ジョーダン・メイン
 判定3-0(29-28、29-28、29-28)
●アレックス・モロノ
勝者ジョーダン・メインのコメント
「アルバータ州のレスブリッジ出身だから、友達も家族もたくさん来てくれているし、地元で勝てて本当にうれしい。今回の試合はモロノがグラウンドゲームで何を仕掛けてこようとも料理してやろうと思っていた。ギロチンを決められると思ったんだけど、ディフェンスがうまかった。2勝した今はとにかくまたすぐに試合がしたい。UFCが用意してくれる相手とやる。準備はできている」

<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○ハキーム・ダオドゥ
 判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●オースティン・アーネット
勝者ハキーム・ダオドゥのコメント
「地元でUFC初勝利を遂げられるなんて最高だ。ものすごく自信になるし、今回の試合はちょっと控えめに行き過ぎたかな。地元でノックアウトしたかったんだけど、スマートにいかないといけなかった。コーチたちは俺が15分間戦えたことに満足しているし、俺自身は疲れてもいない。言っておくけど、次の試合は確実にノックアウトする。今回の試合は自分自身でも驚いた。相手の右もグラップリングも褒めすぎたかな。右を食らったけど、パワーを感じなかったし、俺の方が強い気がした。今回は俺に必要だった自信がついた。UFCが次に戦ってほしいという相手なら誰でも受ける。自分で選んだりしない。ランキングを駆け上り続けたいだけだ」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○イスラム・マカチェフ
1ラウンド(4分43秒)サブミッション(アームバー)
●ケイジャン・ジョンソン
勝者イスラム・マカチェフのコメント
「ケイジャンはそれほどでもなかった。いつも試合中は同じやり方だし、この結果を得るために俺はトレーニングを積んできたんだ。俺のプランは相手にプレッシャーをかけ、テイクダウンを仕掛けてフィニッシュすること。これが8回目の一本勝ちだから本当にうれしい。この階級のトップ10にいる誰かと戦うタイミングがきたんじゃないかと思う」

<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○イオン・クテラバ
1ラウンド(4分25秒)TKO
●ガジムラド・アンティグロフ
勝者イオン・クテラバのコメント
「UFCで最初の試合を経験して、いろいろと変えないといけないと気づいた。これまで以上にハードなトレーニングを始めたし、調整した部分もある。今はこの階級で成長を続けたいし、ビッグイベントで戦いたい。勝ち続けられると証明できたら、ライトヘビー級のビッグネームの誰かと対戦したいんだ」

【アーリープレリム】
<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○ジョン・マクデッシ
 判定3-0(30-26、29-27、29-28)
●ロス・ピアソン
勝者ジョン・マクデッシのコメント
「ロス・ピアソンはハイレベルのストライカーだ。これまではマイペースに行きたくて相手にある程度のスペースを与えてきたけど、今回の試合は、今回の相手に対してはかなりたくさん変更した。考え方も精神面も変えたんだ。そのリスクを取らないといけなかったし、苦境に立たされた。ロスはこっちのことをバックアップが多くてもっとレンジを与えてくれると予想していただろうけど・・・いったんギャップを詰めたら、パンチを当てていかないといけなかった。ジムではずっとそういう状況に自分を追い込んできた。あらゆるシナリオを想定してトレーニングしたけど、今回の勝利を手に入れるためには自分のスキルやトレーニングを信頼すべきだと思っていた」

<女子フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○ケイトリン・チョケイジアン
 判定3-0(28-29、28-29、27-30)
●アレクシス・デイビス
勝者ケイトリン・チョケイジアンのコメント
「アレクシスとの対戦はチャレンジングになるって分かっていた。彼女は地元出身だからジャッジの判定に委ねたくなかったんだけど、彼女は本当にタフ。この階級に焦点を当てているし、2連勝にとても満足している。できるだけたくさん戦い続けたいだけ。でも、近いうちにタイトル戦を話し合うべきだと思っているわ。ニコとワレンチナの結果を待ちつつ、NYC(ニューヨーク市)で戦いたい」

<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○ダスティン・オルティス
 1ラウンド(3分49秒)TKO
●マテウス・ニコラウ
勝者ダスティン・オルティスのコメント
「当然、今回の勝利でフライ級トップ5に入れるはずだし、タイトル挑戦権の候補は俺がナンバー1だ。自分がやるべきことをすべてやれば勝ち星がついてくると思っていた。かなり細かいゲームプランを用意していたんだ。自分を相手の立場に置いてみると、俺がレスリングを仕掛けてくるんじゃないかと考えている気がしたから、蹴りやパンチを見舞っていったら、相手はちょっとイラついている様子だった。フライ級はあまりフィニッシュが多くないし、試合に挑んで第1ラウンドにヘッドキックで相手をノックアウトするなんて・・・もうそれ自体が物語っているよね。トップ5にいる人なら誰とでもやりたい。まだ戦ったことのない相手とやりたい。今年中にもう一度戦いたいと思っている。俺は一貫性のあるファイターだ。常に調子を整えているから、いつだっていけるぜ」

<女子ストロー級マッチ 5分3ラウンド>
○ニーナ・アンサロフ
 判定3-0(28-29、28-29、28-29)
●ランダ・マルコス
勝者ニーナ・アンサロフのコメント
「UFCがトップ10の誰かとやらせてくれたら最高ね。でも、また1年も待ちたくない。誰かを指名するのは好きじゃないけれど、トップ10の誰かとやってもおかしくないと思う。今日は自分の思っていたようなタイミングを見つけられなかったから、ちょっと驚いた。いつもスロースターターだけど、試合が始まってしまえば行こうとするし、すべてをまとめようと努力する。テイクダウンのディフェンスが心配だったの。相手がそこを攻めてくると思っていたから。アマンダとのトレーニングでこのレベルがどんなものかが見えてくる。将来の見晴らしを知るにはうってつけね」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○デビン・パウエル
 1ラウンド(1分52秒)KO
●アルバロ・エレーラ
勝者デビン・パウエルのコメント
「UFCの初勝利を挙げられて最高の気分だ。前回の試合はやっと自分らしくいけたし、俺がもらったと思ったんだけど、スプリット判定だった。UFCでもう一度試合をさせてもらえるかどうか分からなかったんだ。この階級は激戦区だからね。心が折れそうになったけど、ジムに戻って必死にトレーニングを積んで、ようやく、本当にタフな相手にやり遂げられた。こんな風に彼を打ち負かせるなんて本当にうれしい。相手がかなりひどく痛がっているのは分かったけど、まだ手が上がっていたし、ボディを蹴り続けた。メインイベントが5ラウンドいってくれたらいいな。誰もフィニッシュしなければいい。そうすれば俺が初ボーナスをもらえるから」