[ファイトクラブ]新日本プロレスG1SF革命失敗総括と本戦を楽しく観るためのオトナのたしなみ

[週刊ファイト7月19日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
Text by こもとめいこ♂
▼新日本プロレスG1SF革命失敗総括と本戦を楽しく観るためのオトナのたしなみ
・カウパレス1万人の木谷革命は何故ならなかったのか?
・7・4独立記念日に『ラブライブサンシャイン』6500人動員の衝撃
・北米事業反転攻勢へ本誌独自の本気の提言
・G1優勝予想、鉄板◎予想はあの選手

 新日本プロレスはいよいよ明日7・14大田区で夏の本戦『本戦戦国炎舞 -KIZNA- Presents G1 CLIMAX 28』の開幕を迎える。この猛暑の中、北は北海道から南は鹿児島まで、全19大会を4週間で周る過酷なツアーで、特設サイトの「BE A SURVIVER」のコピーが決して大袈裟ではないと思える。
 本誌独自の視点でG1の展開を予想する前に、サンフランシスコでの前哨戦を総括しておく。

7・7カウパレス

『BanG Dream! Girls Band Party! Presents G1SPECIAL IN SAN FRANCISCO』は、木谷オーナーの「北米に日本発のエンタテインメントで1万人集客し革命を起こす」という目論見に反して観衆は6333人(主催者発表)という結果に終わった。
 発売当初の出足は3000枚ほど、招待券もかなり出たといわれ、当日は物見遊山で来た一見さんがビールを求めて試合中に離席したりヤジを飛ばしたりと良くない雰囲気も感じられたと本誌特派員からの報告もある。
 そのせいか、試合前からベストマッチと予想された高橋ヒロムvs.ドラゴン・リーの一戦は死闘と呼ぶに相応しい熱戦となったが、払った代償も大きく、緊急搬送された高橋ヒロムは帰国後も入院中との事で長期離脱も心配される。

 セミファイナルではジュース・ロビンソンが左手を痛めながらUSヘビー級王座を奪取、メインがIWGPヘビー級戦であることとの整合性に首を傾げざるをえない。そのメインIWGPヘビー級戦も、ケニー・オメガvs. Codyのアメリカナイズされた闘いに、純新日本プロレスファンからは
「WWEの真似はやめてくれ」
との声もあがった様だ。ハシゴやイスが登場するギミック形式だったからだ。

 これぞ新日本プロレスというハードヒットのストロングスタイルから、ラダーを使ったアメリカンプロレスまで1度に観れてお得だったとみるか、大会としてはどっちつかずだったとみるか、評価は分かれるところだろうが、興行としては予想を遙かに下回った集客という結果は動かない。   
もちろん、LAに道場も構えて腰を落ち着けての進出である以上は中長期的にみる必要はあるが、コアなファンから試合内容に不満が出るようだと北米での軌道修正、テコ入れは急務かも。
 今回疑問点は、ブシロードのアプリゲーム『BanG Dream! Girls Band Party! Presents』として開催、木谷オーナーも「新日プロ、ヴァンガード、ガルパ(BanG Dream! Girls Band Party! の略称)3本の矢での侵攻」を表明しながら、ガルパ関連の施策といえば、ケニー・オメガのCMぐらいだった事であろう。

 遡って7月4日(水・独立記念日)にカリフォルニアのマイクロソフトシアター(キャパ7100人)で開催されたAnisong World Matsuriで、TVアニメ『ラブライブ! サンシャイン!! 』(三森すずこが出演していた『ラブライブ! 』の続編。ブシロードは引き続きアプリゲーム『スクールアイドルフェスティバル』を展開している)の声優による劇中ユニットAqoursが単独でライブを行い、6500人(主催者発表)を集客している。

 アニメとプロレスを単純に比較は出来ないが、欧米では格闘技イベントで合間にライブが行われる事はままあるのだし、プロレスに興味が無い客をタダで入れてやるぐらいなら、アニメ&ゲームのファンで客席を埋める手立てを考えるべきだったのではないかと思う。(『バンドリ! 』のPoppin`Partyは7・21上海メルセデスベンツアリーナのAnisong World Matsuriには出演する)

 と、興行的には厳しかったカウパレス大会だが、ケニー・オメガとCodyが和解した直後、タマ・トンガ&タンガ・ロアのG.O.Dが急襲、バレットクラブの内部抗争が新たな段階に入る展開があった。これは当然本戦でも引き継がれる筈で、恐らくはタマ・トンガにバッドラック・ファレも合体して一大勢力結成となっていくであろう。
 ここで本題のG1の予想に入るが、大前提として、G1の優勝者が、年明け1・4東京ドームのメインでケニー・オメガ(ドデケガ=どでかい怪我がなければだが)とIWGP戦を行うという事実を考える必要がある。となると、巷間言われるオカダ・カズチカの優勝は真っ先に否定される。前回の3本勝負での敗戦から日が浅いという事もあるが、何より、リマッチがあれば次はオカダが勝たねばならない。せっかくオカダの長期政権を止めたのだから、最終的に戻すとしても何人か戴冠させてからの方が得策だろう。

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