初代タイガーマスク佐山サトル率いるストロングスタイルプロレス(SSPW)が10月21日(水)東京・後楽園ホールにて、「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.41 THE FIRST TIGER MASK 45th Anniversary Year」を開催する。今年、2026年は佐山サトルのデビュー50周年、故・新間寿会長プロデュースによる初代タイガーマスクのデビューから45周年にあたる。そんな記念すべき年に、SSPWはイベントも含め、10・21が5回目の“聖地”後楽園ホール。26年の総決算にあたる12・16後楽園に向けて、さらに勢いを増すことは間違いない。なぜなら今回の大会は、現在のSSPWを象徴するような、男女ともそれにふさわしいカードがずらりと並んだからだ。そこで本欄では、それぞれの対戦カードの見どころを探ってみよう(文・新井宏)
■ 初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.41 THE FIRST TIGER MASK 45th Anniversary Year
日時:10月21日(水)
会場:東京・後楽園ホール
<Wメインイベント① レジェンド選手権試合 60分1本勝負>
【第21代王者】黒潮TOKYOジャパン(プロレスリング・アップタウン) vs. 【挑戦者】阿部史典(格闘探偵団)
<Wメインイベント② SSPW認定女子タッグ選手権試合 60分1本勝負>
【王者】ジャガー横田(SSPW女子タッグ王者/CRYSIS/ワールド女子プロレス・ディアナ) 藪下めぐみ(SSPW女子タッグ王者/CRYSIS/フリー) vs. 【挑戦者】堀田祐美子(T-HEARTS) 豊田紗也夏(T-HEARTS)
<第5試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
船木誠勝(フリー) 高橋“人喰い”義生(藤原組) 小河彪(プロレスリング・アップタウン) vs. 村上和成(フリー) 関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術) 野村直矢(初参戦/リアルブラッド)
<第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
スーパー・タイガー(SSPWタッグ王者/ストロングスタイルプロレス) 日高郁人(ショーンキャプチャー) vs. 牙城(初参戦/IMPACT) 田馬場貴裕(初参戦/IMPACT)
<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
<スパーク・ラッシュ>Sareee(フリー) 彩羽匠(マーベラス) vs. 藤本つかさ(初参戦/アイスリボン) 優華(初参戦/アイスリボン)
<第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
竹田誠志(SSPWタッグ王者/フリー) vs. 間下隼人(ストロングスタイルプロレス)
<第1試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
MIRAI(みちのくプロレス) 花園桃花(初参戦/プロレスリング・アップタウン) 彩桜(初参戦/プロレスリング・アップタウン) vs. 里奈(LLPW-X) Chi Chi(フリー) 天麗皇希(マリーゴールド)

オープニングマッチはメインと言わずとも、セミファイナル級の興味深いカードと言っていいだろう。MIRAI(みちのくプロレス)&花園桃花&彩桜(さいら)組vs里奈&ChiChi&天麗皇希組だ。まず、この試合で主役の座を勝ち取りたいのが、みちのくのMIRAIである。なぜなら、みちプロ所属でありながら、MIRAIは佐山総監&新間会長との縁がきっかけでプロレスラーになった選手だからである。これまでいくつかの女子団体で活躍してきたが、SSPWのリングに上がるのは待望かつ必然でもあった。現在、みちプロをホームに女子のリングでのフリー的活動とともに継続参戦を続けており、この試合はSSPW女子のエースをつかむきっかけにしたい闘いでもあるだろう。そんなMIRAIは、アップタウンから初参戦の花園桃花&彩桜を率いる形。花園は独特の世界観を放つ色彩豊かな選手で、高校生の彩桜は今年プロレスデビューを飾ったパルクール界の次世代スター。ともに現レジェンド王者、黒潮TOKYOジャパンのアップタウンからやってくる“イケメン軍団”のメンバーだ。アップタウン勢のにぎやかなストロングスタイル上陸、花園のポップなパフォーマンスと彩桜の運動能力を活かした現代的ムーブが楽しみだ。対するは、里奈&ChiChi&天麗皇希の現世代を代表する、このリングでしか実現しないであろう混成トリオ。里奈は神取忍の愛弟子で格闘技の実績も豊富、ChiChiは諏訪魔の指導で男子プロレスのエッセンスも注ぎ込まれている。そこにアクトレスガールズからマリーゴールドでプロレスデビューし、現在はタッグのベルトを巻く天麗が加わる。天麗には、元マリーゴールドのMIRAIとの対戦も注目ポイント。SSPWきっかけでレスラーになったMIRAIと、デビュー前からSSPWを会場で見ていたという天麗だけに、このリングでの再会には大きな意味がある。
第2試合は、SSPW所属の間下隼人と、スーパー・タイガーとともに現SSPW認定世界タッグ王座を保持する竹田誠志の一騎打ちだ。間下は今年4・28後楽園で阿部史典とともにタッグ王座に挑み、兄弟子のスーパーに敗れた。また、8・27後楽園では黒潮TOKYOジャパンのレジェンド王座に臨むも、ベルト奪回には至らなかった。そんな間下にとって、竹田とのシングルはある意味で再起をかけた一戦にもなる。間下は竹田に勝ったことがないだけに難題ではあるだろう。だが、ここを乗り越えなければ巻き返しの第一歩は踏み出せないのではないか。迎え撃つ形と言える竹田は、言わずと知れたデスマッチの第一人者。しかしながら、あえてストロングのリングではそのスタイルを封印、根底にある格闘技の要素を押し出した闘いでベルトにたどり着いた。と同時に、ハードコア的なファイトがいつ飛び出しても不思議ではない。大仁田厚とも対戦した間下が、ハードコアファイトを仕掛け、竹田のスタイルを引き出すこともありではないか。ストロングか、ハードコアか。どんな形であれ勝機を見出し、間下が白星につなげたい試合である
第3試合では、“スパーク・ラッシュ”Sareee&彩羽匠組とアイスリボンの藤本つかさ&優華組がタッグマッチで対戦する。昭和の時代、日本列島に空前のクラッシュブームを巻き起こした“クラッシュギャルズ”長与千種&ライオネス飛鳥のレガシーを引き継ぎ、現在の女子プロレス界を代表するチームとなったSareee&彩羽組と、アイスリボンを代表する藤本&優華組。これもまた、まさかの対戦カード実現と言えるのではないか。彩羽はSSPW女子のカード第1号の選手で、団体が女子プロの試合を連続して組むようになったのが、ストロングスタイルの生みの親でもある故・アントニオ猪木の闘魂を継承するSareeeの出場とも言える。その2人が組むことによって、新しい流れを生み出したのがスパーク・ラッシュ。この2人によるSSPW参戦は1年ぶり2度目で、6人タッグでのトリオを含めば8・27後楽園以来、4度目。そろそろSSPW女子のタッグ王座挑戦を意識してもいいのではないか。そこに対する藤本&優華組は、ともにブランクがありながらもプロレスに復帰。優華には長期のブランクこそあれ、彩羽と同期にあたるという。藤本もかつて中島安里紗(引退)とのベストフレンズで女子プロ界トップのチームに君臨しており、優華をうまくコントロールしてスパーク・ラッシュに対抗したい。将来を嘱望される優華が、日常とは異なるファンが熱視線を送るストロングスタイル参戦でなにをつかむか。出世試合となれば最高だ。

第4試合には、SSPWと未知の団体IMPACTとの対抗戦とも言えるカードが組まれた。スーパー・タイガー&日高郁人組vs牙城&田馬場貴裕組だ。記者会見においてスーパーが門戸開放を宣言。SSPWに上がったことのない団体からも参戦、タイトル挑戦にも名乗りを挙げてほしいというのである。この呼びかけに呼応したのが、IMPACTの牙城&田馬場貴裕だった。IMPACTからやってくる2人は、地下プロレス的要素を含みながら、両者とも格闘技系のスタイルを武器にする選手でもある。まだ決してメジャーではないものの、参戦が認められたとなればそれ相応の実力者とみていいのだろう。迎え撃つスーパーは提唱者以上にSSPWのエースでもある。ジュニア戦線を仕切る日高はまた、SSPWのコーチでもある。そんな2人が初参戦の2人を査定する試合だが、初物にくわれてしまう恐れもないわけではない。というのも、昨今のSSPWでは初参戦の選手がしっかり爪跡を残し、次につなげるケースが多くなってきているのだ。牙城&田馬場がその名の通りのインパクトを残すかどうか、注目に値するカードだ。
第5試合は船木誠勝&髙橋“人喰い”義生&小河彪組と村上和成&関根“シュレック”秀樹&野村直矢組が激突する6人タッグマッチだ。その中心に位置するのが、初代タイガー欠場のリングを盛り上げてきた、元レジェンド王者の船木となる。村上、シュレックとも船木と組んだりはしたが、やはり初心貫徹、闘う道を選んだということなのだろう。8・27後楽園では同じコーナーに立った船木と村上。船木にあこがれSSPWにたどり着いたシュレックも、同じコーナーに立つより対する道を優先させた。そして今回、船木を囲むのが髙橋と小河。髙橋には船木との藤原組復活の意味合いがあり、小河は前回の後楽園で初参戦し船木に敗れるも、その独特な風貌もあって絶大なインパクト、船木から絶賛されたとのことだ。小河は船木からレジェンド王座を奪った黒潮TOKYOジャパンの弟子にあたる選手だけに、さまざまな思惑が絡み合うトリオでもある。対する村上和成&シュレック&野村組では、船木の首を狙う村上&シュレックと組む初参戦の野村にも注目か。元・全日本プロレスの野村は退団後、フリーの立場で古巣に参戦しながら北原光騎主宰のキャプチャーに所属、今大会でチームを組むシュレックとも2022年にグラップリングマッチで対戦した。今年は天龍プロジェクト参戦やGLEATのリングでUWFルールにも臨んでおり、格闘スタイルにも近く、かつ王道プロレス出身の野村がストロングスタイルのリングでどんな闘いを見せるのか、興味深い。
ダブルメインイベントの第1試合は、ジャガー横田&藪下めぐみ組vs堀田祐美子&豊田紗也夏組による、SSPW認定女子タッグ選手権試合である。女子プロレスの定着とともに新設されたタッグ王座。トーナメントを勝ち抜き、初代王者として認定されたのがジャガー&藪下組だった。このチームはここまで5度の防衛に成功。堀田組を突破すれば、6度目の防衛はもちろん、3年間の超長期政権が確実となる。そして今回、難攻不落の王者組に挑むのが、堀田&豊田組だ。堀田&豊田組と聞けば、堀田祐美子、豊田真奈美が在籍した全盛時の全日本女子プロレスを思い浮かべるファンもいるだろう。それもそのはず、堀田と組む紗也夏は豊田真奈美の姪っ子なのだ。”飛翔天女“豊田のネームバリューを背負いつつ、堀田のT-HEARTSに所属する紗也夏。しかし昨今は、同じ若手の叶ミクが先を走っている状況と言って差し支えないだろう。とはいえ、現在は叶が負傷により欠場中。本来なら叶が指名されるところだろうが、堀田はあえて紗也夏を抜てきした。紗也夏にとっては1年3カ月ぶり2度目のSSPW参戦で、キャリア初のタイトル挑戦。本人には多大なプレッシャーがのしかかるが、豊田真奈美のレガシーがかえってこの試合の注目度を高めているのもまた事実だ。ズバリ、試合のカギを握るのは紗也夏。ひざの手術を乗り越え、5年ぶりにタッグタイトル戦線に戻ってくる師匠・堀田をどうアシストするか? ジャガーの威厳、藪下のテクニックをかいくぐり、どこまで初代王者組に迫れるか? 紗也夏が玉砕覚悟で挑む闘いの行く末に注目したい。


現在、SSPWマットの主役は“イケメン”黒潮TOKYOジャパンと言って間違いない。WRESTLE―1時代の師匠・船木誠勝を破ってのまさかの王座奪取から1年以上、イケメンはずっとこのリングで主役を張り続けている。関本大介、関根“シュレック”秀樹、間下隼人を退けるとともに、ストロングスタイルのリングをイケメンワールドに染めてきているのだ。そして迎える第21代王者4度目の防衛戦は、4・28後楽園でタッグ王座に挑み、レジェンド王座には初挑戦となる阿部史典が相手だ。王者イケメンはSSPW所属の間下を破ったあと、次期挑戦者に阿部を指名。まさかのアピールでもあったが、イケメンはしっかりとこのリングの状況を観察していたのだ。おもに前半戦の登場ながら、常に観客を沸かせてきたのが阿部。彼は20年11・9神田明神で初参戦、次回参戦のケンドー・カシン戦でファンの心をつかみ、以来、SSPWの常連として活躍してきた。が、レジェンド戦線には意識こそあれ直接名乗りを挙げることもなくここまできた。が、SSPWの流れを変えたともいえるイケメンが光を当てたことで千載一遇のチャンス到来。イケメンは「フリーを極めた俺とフリーを極めた阿部の真剣勝負。プロレスラーが見たい試合ナンバーワンだと思う。この試合、世紀の一戦ですよ」。対する阿部は「興奮しています。最高・最強のチャンピオンとの対戦はものすごいチャンス。尊敬をもって挑みたい。怪獣ひしめくストロングスタイルプロレスのトップに私が立ちたい」と語った。SSPW所属選手のいないメインをSSPWの人気者が飾るのだ。ジャケット姿で闘うチャラいイケメンと坊主頭で黒タイツの阿部。対照的な2人だが、ファンの支持が高い者同士によるまさかの、そして必然のタイトルマッチ。入場シーンから釘付け必至。そして、その結末やいかに!?
