ベトナム武道ボビナム世界選手権 日本選手インドネシアバリ島にて大奮闘

 11月2日~7日インドネシアはバリ島にて『第8回世界ボビナム選手権』がジンンデンデム村にあるガネーシャ教育大学のスポーツアリーナにて開催された。


 先ず、ボビナムとは1938年に創始者グェン・ロックにより設立されフランスやアメリカに支配されてきたベトナムの歴史の中で、体格に勝る相手を倒すために実戦化された武術である。そして、ホーチミン市に本部を置いた世界ボビナム協会の最高師範(グランドマスター)グエン・バン・チュウにより、日本人初のマスターに任命されたプロレスラー富豪2夢路ことマスターフゴが日本代表監督を務め、宮本伊都子(福岡)、大嶺創羽(神奈川)、玉木梓(福岡)、大村和也(東京)、泉高志(東京)、田馬場貴裕(東京)が2025年度の日本代表選手団として本大会に参戦した。


 世界83ヶ国からおよそ600人の選手が参加し、応援団含め1000人を越える人数が収容された活気溢れる会場内では母国の選手を応援する中、ヒートアップし過ぎる場面もあったが、そんな中で若干18歳の日本のホープ 大嶺創羽(神奈川)がロンホークェンで銅メダルを獲得した。これは日本人男子初の快挙であり、さらに大嶺は銅メダル獲得の翌日ボビナムでは難関中の難関ダイダオファップで世界の猛者達を抑えて堂々の銀メダルを獲得した。
 ダイダオとは三国志の関羽が振り回している武器でボビナムにおいて超高度な武器を使った型である。これはまさに大快挙であり、大嶺はマスターフゴが日本へボビナムを持ち帰った14年の歴史の中で、新世代の新たなスターとして世界中から注目を集めた。


 そして、『開運!何でも鑑定団』でお馴染みプロレス&格闘技グッズ販売専門店「闘道館」館長である泉高志が、複雑怪奇で難解な動きの連続であるヌンモンクェン(五門の型)で銅メダルを獲得。世界選手権において過去日本人が3度ヌンモクェンに挑戦もメダルには届かなかったが、泉がヌンモクェン初の世界メダリストとなった。

 プロレスラー田馬場貴裕がボビナムのラウンド制対戦形式の競技である対抗(ドイカン)に日本人初、いや東アジアから初のヘビー級戦士として92kg~120kg級クラスに出場。デビュー戦にして優勝候補国の一角であるアルジェリアに2分3R戦にて2R、度重なる反則による減点でポイント負けを喫した。

 多種多様な型、演武と、対戦形式である対抗(ドイカン)にて競われるボビナム。どちらにも本来は祖国や自分の愛する者を守るためにゲリラ戦を勝ち抜く為に編み出された、まさに総合武道の本質であり、マスターフゴが日本に持ち帰って14年。まだ日本人の間には定着しきっていない謎の武術という認識ではあるが、世界中では普及が続きアジアオリンピックの正式種目にもなっている。