Uウォリアー、レイザーラモン、ジェイク・ロバーツ、Litaらが感謝~WWE殿堂式典

   All photos by Mike Lano

 2014年のWWE殿堂式典が行われ、今回はWWEネットワークの開始に伴いノーカットで配信された。建前上は北米のみで視聴可能であるが、アメプロ好きであるとか、興味ないとかに関わらず、国際標準に大きく影響するマット界最大の祭典『レッスルマニア』の前夜祭であるだけに、現実には世界中の業界関係者や専門マスコミがリアルタイムで3時間半の生中継を視聴したと推定される。

リタ(トリッシュ紹介)
 リング上のライバルだったトリッシュは、子供が誕生して名づけ親になったそうだ。リタのが30分を超える超ロング・スピーチからだったのは予想外であろうか。但し、広く知られている話とはいえ、レスラーになりたいとメキシコに向かった話は妙に細かく、道場でラヨ・デ・ハリスコのマスクを盗んだ、それを今回持ってきたとか他、結構中身が「へぇ~」だったのは新鮮かも。「一度も会ったことはない」と述べたにせよ、豊田真奈美の名前までを出して讃えていたのは素晴らしい。
 リタの顔はヘビメタファンには北欧の至宝Nightwishの初代歌姫ターヤ・トゥルネンのそっくりさんとしても知られるが、本人はパンク/ハードコアの仲間たちに影響されて「自分の夢を叶える」という道を辿ったようで、ルチャリブレの話が長っただけでなく、パンクの盟友たちにも触れていたのが印象的だ。自虐的に数々の結婚ネタもやっていて、ECWのコンドーム場面は会場からECWコールも。バックステージに居た関係者は、笑っていのかどうなのか。
 持ち時間が延長だったのかどうかはともかく、トップバッターにしてかくも長尺で今回リタが大きく扱われていたのは正直意外だったかも。

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ドキュメンタリー映画『Beyond The Matt』ではドラッグ浸けの暗黒面がクローズアップされ、父グリズリー・スミスとまともに過ごしたことがない点を今回も繰り返していたが、今はなんとファミリーマンに浄化。「家族こそ宝」と述べるまでに。
ジェイク”ザ・スネーク”ロバーツ(DDPダイアモンド・ダラス・ペイジ紹介)
 リング・サイコロジーの大先生が大衆感情操作トリックの魅惑を語り、「リングとは女であり、生涯唯一、騙すことの出来なかった女だ」と語ったのは名言だろう。Litaと同じく仕事始めた頃のことも語っていたが、ヒロ・マツダの名前を出していた。「私のヒーローだ」と生後18ヶ月の孫を壇上にあげて『レッスルマニア50』の参戦を発表。ちなみにDDPは、落ちぶれた時期のジェイクを自宅に居候させた恩人であり、紹介者にふさわしいことは述べるまでもない。
 そのDDP、つい10数年前までは新聞が読めない、つまり無学文盲だったことを自伝で告白したいたものだが、なんと今回タブレットPCにスピーチ原稿だったのは驚きだ。

Mr.T(ジーン・オークランド紹介)
 7人の兄弟を育てた母ちゃんを讃えるスピーチはやや退屈か。気持ちはわかるがコーポレイト・ケインがマジに止めたのは仕方ないか。なにしろ予定時間をすでに大幅超過だったようだ。

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マネージャーとしてなくてはならない存在だった故ポール・ベアラー。
ポール・べアラー(ケイン紹介)
 アンダーテイカーが紹介かと思ったが、ケインがスピーチ。ちょろっと二人のそっくりな息子が「Oh! Year」とあの声で感謝を述べたあと、最後にキャラのコスチューム姿テイカーが骨壺を捧げる無言パフォーマンスの特大サービス!

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レイザー・ラモン(ケビン・ナッシュ紹介)
 酔っぱらって現れてしゃべれないんじゃないかとか、様々な下馬評と心配のあったスコット・ホールだが、きわめてまともだった。「Bad Timeはすぐに過ぎ去るがBad Guyは残る」との名言。そしてクリック派閥(ショーン・マイケルズ、トリプルH、1-2-3キッド)も合流、抱擁する閉めだった。

カルロス・コローン(カリート、プリモ、エピコら息子たち紹介)
 実はニューヨークで育ったカルロス・コローン、1973年に故郷プエルトリコに戻りキャピタル・スポーツを設立。大きな勢力に育て上げた功績を振り返った。妻ナンシーとはカナダで出あったそうな。苦楽を共にしたそうである。
 プエルトリコシーンの内情は電子書籍で詳しく記事なっているので併せてご購読ください。
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アルティメット・ウォリアー(紹介リンダ・マクマホン)
 一般ファン的にはハルク・ホーガンが紹介するのが順当なのだろうが、この二人は仲が悪い。ホーガンは最前列にいたのだが、出てきたのはなんとリンダ・マクマホン! これは「え? え?」だったのではないか。一部では嫌われていたウォリアーだけに、彼が「ママ」と呼ぶリンダが会社のコンタクト係りだったのに納得だ。そのリンダも話すように、当時はステロイドの影響もあってすぐに怒る、不満を並べるウォリアーが、未だ電話でも大声で話すことをうまくまとめていた。
 そして素顔の本人が登場。この人も、予定外のケーフェイを生中継でやってしまうんではないかとハラハラなスピーチだったが、「ホーガンに感謝」などは一切やらず(笑)、「本当の(リアル)スーパースターとはリング屋だとか、ジョブガイ(負け役)のことだ」との演説骨格は良かった。「最初のTVテーピングでグリーンな俺のムーブを何十回も受けてくれたホセ・エストラーダや、ブルックリン・ブローラー」の名前を出していたのは素晴らしい。
 リアルとお仕事の微妙な境界線についても触れていて、やはり”モーレツ男”の場合は本人が(良くも悪くも)ウォリアーそのものなんだなんだということか。『ベスト・オブ・アルティメット・ウォリアー』DVDの出来が最悪というのは、今回もやっぱり声高に非難していたのはどうしようもない。やめろと言っても言ってしまう。
 途中で何度も出てきた「ブロウアップ」は業界用語で、すぐに息切れして「はぁはぁ、ぜいぜい」になってしまうレスラーにことを指すが、ウォリアーに関しては頭の中もすぐに「ブロウアップ」してしまうことで悪名高った。それを面白おかしくスピーチに取り入れて、「ファンこそがアルティメット・ウォリアーをレジェンドにした、WWEユニバースのおかげ」と締めくくったのは良かった。

イベントの全容と詳細は、マット界舞台裏4月17日号WM30超合金戦士 IGF謎 AJスタイルズ計画 LegendミラノWKAB王座 ATブッチャーに収録されました。

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