松本幸代のミルブロ!

【女子ボクシング大会】
新宿フェイスで開催された女子ボクシング大会の取材。
ここ2年ぐらいの女子ボクシングは、アンダーカードからメインまでレベルが格段に上がっていて、7年前の旗揚げ時とは隔世の感がある。
今回も印象に残る選手がたくさんいた。
まずは旗揚げ当時から参戦していた久保真由美。技術は昔から確かだったがずっと勝ち星に恵まれず、ひょっとしたらこのままやめてしまうかなと思う時が何度もあった。
しかし、今年10月の岡山大会で悲願の1勝をあげ、今回も判定勝利。しかも目に見える進歩が見て取れた。諦めず、地道に練習を重ねているこんな選手には、心から「おめでとう」と言いたくなる。
女子総合格闘家・せりから目の覚めるようなKO勝ちを奪ったツナミは今、もっとも注目したい新鋭の一人だ。海外遠征の多いツナミだが、図抜けたディフェンス力と倒すパンチをもっと多くの日本のファンに見てほしい。
それから女子キックボクサーを相手に、エキシビションとは名ばかりのガチンコ勝負を繰り広げたWBC女子世界王者の菊地奈々子。試合はもちろんだが、試合後のマイクアピールは説得力十分であり、会場にいた誰もが思わずホロリと来たはずだ。
「後に続く選手のためにも、世界王者として一千万円プレーヤーになる」と宣言した菊地。語る言葉を持つ女子ボクサーとして、2007年はどんどん表舞台に出てほしい。
そして最後にライカ。フェザー級からスーパーフェザーに階級を上げて以来、ライカの前には次々と“世界のまだ見ぬ強豪”が立ちはだかっている。今回の相手、テリー・ブレアーも素晴らしい選手だった。正直、どちらが勝ってもおかしくない試合展開だった。9ラウンドのライカの猛攻、そして最終ラウンドのバッティングによる注意がなければ、勝敗は逆転していたかもしれない。
「世界には強いヤツがゴロゴロいる」
ライカの言葉はウソではない。60キロ以上の階級は外国人天国であり、ライカは今後もシビアな倒しあいを余儀なくされるだろう。幸い、そのことをライカはしっかりと自覚し「望むところ」と覚悟を決めている。ライカがリングに立ち続けている間はその覚悟を見守り続けようと、私も覚悟を決めている。
12月23日(土)午後1時25分から1時間にわたり、今回の大会の模様を含めた女子ボクシングのドキュメンタリー番組が放送されるそうだ。秘蔵映像もあるとのウワサ。今から楽しみだ。
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