3・24リアルジャパン決戦直前!4選手インタビュー!

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初代タイガーマスクリアルジャパンプロレス3.24.後楽園決戦直前インタビュー第1弾!
【“猛虎No.1遺伝子”スーパー・タイガー(リアルジャパンプロレス)】

3月24日(木)東京・後楽園ホールで開催される『初代タイガーマスク黄金伝説~LEGEND OF THE GOLD Ⅳ』のセミファイナルにて、船木誠勝・鈴木みのる・川村亮組と対戦するスーパー・タイガー(タカ・クノウ・佐藤光留とタッグ)が決戦に賭ける意気込みを語った!

――スーパー・タイガー選手は、リアルジャパン3・24後楽園大会でセミファイナルの6人タッグマッチに出場します。船木誠勝&鈴木みのる&川村亮組vsS・タイガー&タカ・クノウ&佐藤光留組。このカードについて、どのようなイメージをお持ちですか。
「ボクの感じだと、陰と陽、太陽と月みたいな組み合わせですね。今回、ハッキリとそういった部分が色分けできるカードかなと、ボクのなかでは思ってます」
――どちらかのチームが太陽で、一方が月であると。
「船木、鈴木、川村というのは常に陽の当たる場所で、やることなすこと全部にスポットが当たる。やっぱり、ボク、タカ・クノウ、佐藤光留だったりというのは、佐藤君がむかしからハードヒットでよく言ってたようにオレたちは太陽になれない、でも月は月なりに輝くんだと。それが今回おもしろいくらいにそういう色分けができるカードになったなと思って。そのなかでもやっぱり上位概念と上に置くのもあれですけど、陽の当たる人たちと闘うと。それに対して我々は腹に一物持ってるので、いまに見ていろ、いつまでも下に見るなと。月が悪いわけじゃないですけど、ボクのなかでもそういった思いがある。あなたたちを輝かせるための存在じゃないんだと、下剋上に近い気持ちですね。プロレスってボクのなかでは上位概念をいかに崩してアピールしていくものだと思ってるので、今回、技術を越えてやっぱりそういった思いがタカ・クノウも佐藤光留もボクも持ってる。(船木組は)そういったものを一番ぶつけやすい人たちだなと。打てば響く人たちだと思ってます」
――太陽に例えられる対戦チームですが、あまりにも大きな存在ですよね。
「ハイ」
――レジェンド王座を奪われた船木選手とも再び対戦しますが。
「もともとボクがプロレスラーになる前からの大きな存在でしたし、タイトルマッチの前にはタッグも組んで、そういったなかでも常に憧れだったり、そういったものは抜きにして競争相手だとも思います。前回越えられなかったというのは、まだまだボク自身の覚悟の部分で足りなかったから。船木さんは、あの歳でフリーになって守りに入らず攻めに一歩出た。その船木さんにかなわない部分があったのはもう自覚しているので、そういった部分でもそのままでいいのかというとそういうつもりはサラサラない。ここでまた挽回するチャンスがあるのであれば船木さんにも一撃を入れたい。鈴木みのるさんもずっとボクを引っ張ってくれた先輩でもあるので、恩返しの意味でもいかに頑張れるのか。川村亮というのもチャンピオンでありパンクラスの社長もやったくらい責任感のある男なので、また今後、プロレス界、リアルジャパンでも怖い存在でもあると思し、先に潰しておきたいと思います」
――6人タッグということで、このなかで誰が一番のインパクトを残すか、誰がもっとも目立つかという勝負にもなってくると思います。やはり一番目立たないといけないのがスーパー・タイガー選手なのかと思いますが。
「ハイ。試合巧者の鈴木みのる、そして船木さん、ここをいかに崩していくか。この2人のなかでもタッグを組んでいての闘いがあると思うんですよね。要はパートナーであってもオレはオマエに負けないよと、いやいやオレだってという船木さんと鈴木さんの闘いもあるので、そこに着目されないように、ここはウチのリングですからと。あなたたちはこれから下がっていく身、私たちは最前線にもっともっと出ていくためにあなたたちを倒していきますよという覚悟を見せる闘い。そういう試合にしていきたいと思います」
――6人タッグマッチはプロレスならではのルールですが、闘いにくいですか、それとも闘いやすいですか。
「というよりも、一回でこの3人を相手にできるというのは幸せでもあって、この闘いを通してまた個人のシングルマッチをやれるチャンスも出てくるので、この6人タッグをまたきっかけにしたいですね。そうすればいくらでもまた物語を続けていけると思うので、そういった部分ではありがたいです」
――ある意味、おいしいですよね。
「そうですね。リアルジャパンの年4回のペースで船木さんとやって鈴木さんとやって、川村君とやってと考えたら、それで一年が終わってしまうので。相手チームもチーム内での闘いがあるように、我々もオレが目立つ、オレが目立つというみんな個人の闘いだと思うんですよね。そこにやっぱりボクが上がらなかったらリアルジャパンではないとなるんで、メインで関本さんと長井さんが闘う時点でボクの敗北感もある。悪いけどもメインを超えた6人タッグにしたいし、スーパーは誰とやってもシングルで見たいと思わせる試合じゃなかったらダメですね」
――いまメインの話が出ましたけども、メインでは関本選手がレジェンド王者で長井選手が挑戦者。タイガー選手にとってはベルトを取られた船木選手との再戦を見据えていたと思うのですが、船木選手が陥落してしまった。このことについてはどうですか。
「それは残念な部分がありますけど、関本はどの団体においてもチャンピオンになれるし、ホントは自分がその位置にいてそれをやらなくてはいけないところ。でも、関本が船木さんから取ったことでボクは関本という新たな敵と勝負(できる)。リアルジャパンだけじゃなく、この後に続く全日本のチャンピオンカーニバルもあります。リアルジャパンでも一度もやったことのない関本大介とのシングルマッチが(全日本の公式リーグ戦で)組まれますから、ボクとしてはタイトルマッチの延長だと思って闘います。今回もありますし、その先もというように、特に今年はそういった部分でもどんどん攻めて守りにいかない。いまやらなかったらいつやるんだ、もうないと思ってますから。そういった覚悟を闘いで見せていきたいですね」
――メインの関本vs長井のレジェンド王座戦、どう予想されますか。
「予想というよりも、いまは自分のことで精一杯。アタマが回らないですね」
――なるほど。いずれにしても近い将来、タイガー選手がふたたびレジェンド王座戦線に絡んでこないといけないですよね。
「ハイ。でも今回、どっちが勝ってもボクにとってはチャンスが回るまでに自分自身を上げないといけない。またその間にチャンピオンは変わるかもしれないし。その時に強い選手がチャンピオンになるので、がどうというよりも、目の前の敵を倒すことのみを考えます」
――全日本プロレスチャンピオンカーニバルの話も出ましたが、こういったリーグ戦への出場は初めてですよね。どのように準備しますか。
「初めてですね。まずそこ(4・9後楽園での開幕戦)へたどり着くまでにケガをしないこともそうですし、連戦で自分自身が精神的にも肉体的にもガス欠を起こさないように。ただやってみないとわからないので、次もあると考えて闘うことはないですね。終わったら終わったで次だと思うので、一試合一試合、次を考えないですべて全力投球でいきたい。それができないようだったらやらないほうがいいと思ってます」
――他団体本格参戦と言っていいですよね。
「ハイ。これを皮切りにいろんなところでいろんな選手と、今までできなかった分を全部ぶつけていきたい。そしてその上で勝ち残って、リアルジャパンにそれを持ってきて、その時にボクがまたタイトルマッチをして、チャンピオンになれたとしたら、またベルトの価値が上がると思う。いままで2回(レジェンド王座の)ベルトを獲りましたけど、いままでとは比べ物にならないくらい大きなものを持ち帰って、みんながリアルジャパンに出たい、リアルジャパンをめざす、そういう団体になっていけるようにこれから覚悟を決めてやっていきたいというのがあります」
――関本選手とは全日本のリーグ戦でも対戦しますが、同じブロックにはS・タイガー、関本選手のほか、秋山準選手、宮原健斗選手、野村直矢選手、The Bodyguard選手、真霜拳號選手がエントリーしています。意識する選手は?
「秋山さんですね。東京でやれる、後楽園での開幕戦でやれる。下手したらそれで潰される可能性もありますけど。次に現在の三冠王者・宮原選手。ここをどう崩すか。ほかも初めてやる選手が多いので、どの試合も油断できない。まずは初日(秋山戦)、武者震いが起きるくらいのカードですね。これをリアルジャパンでもやりたいくらい。ただ今回、全日本に出られるのも昨年闘った諏訪魔選手、いまケガで欠場してますけどあそこから始まったものだと思ってますし、諏訪魔選手とはまだまだ闘いたい。早く足を治してもらって、その上でもっともっとぶつかれるように。近い将来リングで会えるのであれば、ボク自身も恥ずかしくない状況にもっていって、スーパーはこの期間でこれだけ変わったのかと言われるくらい闘う者同士で見せられる選手になっていきたいなと思います」
――諏訪魔選手との遭遇というのはものすごく…。
「あれはもの凄く大きかったですね。やっぱり全日本プロレスというのはボクのなかで通ってこなかった王道。いままではどちらかというと新日本の系列だったりUWFだったり、それに近い部分が多かった。ある意味で真逆の、全日本の王道に触れて感じるものがものすごくあった。それが今回、王道のなかに入ってどんな闘いを見せられるかもボクの闘いの幅を広げられるものになると思います」
――そこで得たものをリアルジャパンに持ち帰るということですけども、現状では初代タイガーマスク選手の欠場が続いています。そのなかで、いまどんな気持ちですか。
「申し訳ない気持ちが一番ですよね。今回(3・24後楽園で)メインを張れなかった。いろんな人からも言われますけども、リアルジャパン所属じゃない選手がメインを張っていいのかと。いいわけがない。それはもう、はらわたが煮え返るくらいの思いはありますけど、現状として現実としてもボクはいまチャンピオンじゃないので。チャンピオンじゃないとしてもやっぱりスーパーがいればやっていけるんだと思われるように、これから少し旅にも出てしっかりしたものを得て、持って帰りたいというのがあります」
――初代タイガーマスク選手もいずれリングに戻ってくると思います。いままではいないことへの不安が大きかったと思うのですが。
「ハイ」
――これからはもしかしたら戻ってくることへの焦り(カムバックのときにスーパー選手がトップに立っていないといけないというプレッシャー)みたいなものも生じてくるのではないかと…。
「そうですね。そのときにトップに立ってなかったらダメ、ですね。スーパーに安心して任せられるから無理して出なくてもいいなと言われるくらいにしたいですよね」
――そのためにも、チャンピオンカーニバルの経験も重要ですよね。
「そうですね。他団体の闘いで、でもまずはこのリアルジャパンでしっかり見せて、ここで得たものを他団体でも見せて、その上で、他団体で得たものをこちらに何倍にもして持って帰ってきたい」
――プロレスデビューからちょうど9年になりました。いままでを振り返ってみてどうですか。
「いままでは絶対的に試合数が少なかったというのがあるので、ただそれがここにきて増えてくるというのは、ボクはここからが始まりなんだと思ってます。いままではある意味で下積みだと思ってますので、これからもっともっと自由に闘っていきたい」
――いままでがもったいなかったなという気もしますが。
「こればっかりはもうボク個人で動けるものでもなかったんで、そういったものも含めて9年かかったのかなと」
――プロレスキャリア10年目に入りました。団体も旗揚げから11年目になります。今後はどんな闘いを?
「やっぱりストロングスタイルを追求した上で、茶番じゃない闘い。この前の諏訪魔選手との試合もそうですけど、熱い闘いを通して感じるものがあったらまっすぐぶつかればいい。茶番をやるつもりもないし、そういうリングにはしたくないですね。やっぱり男と男がまっすぐな気持ちで闘って、その上で感じるものがあれば融合するし、しなければしないで。やっぱり正統直系のストロングスタイルを見せられるのはやっぱりリアルジャパンなんだって、一見さんからしてもこれってなんか違うよねと、そう思われるようにしないといけないと思ってます、リアルジャパンは」
(聞き手・新井宏)

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初代タイガーマスクリアルジャパンプロレス3.24.後楽園決戦直前インタビュー第4弾!
【“マッスル・モンスター”[第9代レジェンド王者]関本大介(大日本プロレス)】

3月24日(木)東京・後楽園ホールで開催される『初代タイガーマスク黄金伝説~LEGEND OF THE GOLD Ⅳ』のメインイベントに於いて、“疾風怒涛”長井満也(ドラディション)の挑戦を受ける関本大介がリアルジャパンレジェンド王座を語る!

――昨年12月9日におこなわれた船木誠勝選手とのレジェンド選手権試合について振り返っていただきたいのですが、どんな心境で臨みましたか。
「正直、恐怖がありました。船木選手の蹴りの鋭さはホントに日本一だと思います。ボクはよく日本刀のようなキックだと表現するんですけど、ホントにそのようなイメージ。一瞬でも気を緩めたら首をはねられると思って臨みましたね」
――実際に闘ってみてどうでしたか。
「船木選手のキックが首筋に入ったんですよ。次の瞬間、ボクは倒れて、カウントが6くらいで気付いてヤバいと思って起き上がったんです。それがすごく印象に残ってます」
――その試合は結果的に関本選手が勝ってレジェンドのベルトを獲得しました。多くの人たちにとってあの結果は衝撃的だったと思うんです。船木選手が一度も防衛せずに王座から陥落してしまった。フリーになった船木選手のチャンピオンロードをいきなり関本選手が破壊してしまったような感がありました。
「いやあ、もうボクはサプライズとか思っても考えてもいないし、試合に集中してとにかく勝ってやると。恐怖心があるなかで闘っていましたね。なにしろ、あのヒクソン・グレイシーと試合をした人ですからね。世界最強の男に挑んだ男ですから、それはもう恐ろしかったです」
――ジャーマンスープレックスでフォール勝ちを決めた瞬間は、どう感じましたか。
「正直、あまり記憶が定かではないんですよ。キックをまともに食らってからちょっと記憶が飛んで、6カウントくらいで目が覚めて、その後からのことはけっこうあいまいなんですよね」
――試合後“ダイニッポンコール”が沸き起こったのですが、聞こえましたか。
「ホントですか? うれしいですね」
――昨年では天龍源一郎選手引退大会でも沸き起こりましたが、あのコールがリアルジャパンのリングでも自然発生しました。
「嬉しいです。ありがとうございます。そう言われれば微かに記憶にはありますけどハッキリしてないです。ホントにあのキックをもらってからは曖昧で」
――リアルジャパンの大会で“ダイニッポンコール”というのが凄いことだと思います。
「そういう闘いができて、リアルジャパンのリングで大日本プロレスのアピールができて、ボクはホントに嬉しいし、ありがたいです」
――リアルジャパンのファン層は大日本とは違いますよね。
「リアルジャパンにはオールドファンというか、そういったファンが多いですよね」
――レジェンドレスラーたちを見に来るという。
「そうです、そういった方が多いですね」
――そのなかでダイニッポンコールが起きたことに価値がある。実際、このベルトを手にしてどう感じましたか。
「佐山(サトル=初代タイガーマスク)さんが巻いていたときのベルトをモデルにしたものですよね。それにレジェンドという名称がついているので、巻いてきた歴代の選手たちもレジェンドというか、その名にふさわしい人たちがたくさん巻いてきているので、ボクがこれを獲って、さあどうしよう、これ大丈夫なのかと。オールドファンの人にしてみれば、どこの馬の骨だと思われるかもしれないので、これはやっぱり責任が大きいと思います。なので、その責任を全うするためにも必死です」
――大日本、他団体、シングル、タッグを問わず、いままでいろんなタイトルを取ってきましたが、過去のベルトと比較してというか、今回レジェンド王者になったことの意味とはどういうところにあると思いますか。
「比べるとかというのはボクからはできないですけど、ベルトの価値というのはおのおのが持っていると思います。でもレジェンドという名前の付いたベルトをこうやって持っているということは、その名に恥じないような試合と、たたずまいを持たなくてはいけないなと思いますね」
――このベルトを獲ったということは、初代タイガーマスク選手が望んでいる両方の意味で価値があると思います。リアルジャパンの標榜するストロングスタイルの復興と継承。もうひとつは新しい世代の選手に出てきてほしいという願望。その両方を兼ね備えると同時に託されたのが関本選手なのではと思います。リアルジャパンに取っては待望のレスラー。
「ありがとうございます。そう言っていただけるなら、その言葉に恥じないように一戦一戦闘っていかないと。そういう気持ちですね。気持ちが引き締まります。そのプレッシャーでボクが押し潰されて前に歩けなくなってしまうんじゃないかと(笑)。ホントにそんな気持ちです」
――リアルジャパンとは関本選手にとってどんなリングですか。大日本とはまったく違うと思いますが。
「ホントに、ボク個人では経験ができないことをさせてもらってるリングですね。いろんなチャンスというか、いろいろ転がってると思うんですよ。それを与えてくれるところ、きっかけを作ってくれるリングかなと思います」
――初防衛戦となる3月24日、後楽園ホール大会が近付いてきました。挑戦者の長井満也選手は関本選手がベルトを奪取した直後にリングに上がり挑戦表明してきましたが。
「そうですね。長井選手とはタッグでは何度も闘っているんです。シングルでは過去2回闘ってて、両方とも不透明決着だった」
――長井選手がレジェンド王者時代に関本選手が2度挑戦、2試合とも両者リングアウトですね(2010年11月7日、相模原&2011年2月18日、代々木)。
「長井選手がヒールなんで、メチャクチャするんですよ。場外乱闘に引き込んだり、ボクをリングに戻さない。戻ろうとしても無理やりグチャグチャにしたりとか。あのときは、そういうレスラーだったんですよね、悪の限りを尽くすというか」
――過去のシングルでは長井選手にもっていかれたと。
「そうです、ハイ。長井選手の長井選手ワールドに完全に引きずり込まれてボクがもがき苦しんでた」
――引き分けというよりも、やられたという印象ですか。
「引き分けイコール負けですよ。向こうの土壌に引きずり込まれたわけですから。そして12月のときには船木選手との闘いに勝ってベルトをもらった後に長井選手がリングに上がってきてボクを見つめ、次はオレに挑戦させてくれというんですよね。いままで闘った長井満也とは違う目をしていたので、ああ、これはもう本気なんだなと。ボクはそう感じました」
――長井選手といえばなにを思い浮かべますか。
「ボクの場合は蹴りですね。船木さんが日本刀のような蹴りを放つと表現するのであれば、長井選手の蹴りはハンマーですね。ハンマーでぶっ叩かれるような感じです。急所を鋭く蹴るというよりも、全身に響くような重みがあります。コンパスが長くて体重もあるじゃないですか。だから威力がすごいんですよ。胸を叩かれても丹田に響くような」
――カラダの中心に響いてくるようだと。
「そうですね」
――今回は王者と挑戦者の立場を変えての対戦になりますよね。今度は関本選手がチャンピオンとして迎え撃つわけですが。
「そうですね。でも、あんまりボクはチャンピオンだからとか、向こうが挑戦者という意識はなく、クリーンに闘おうと思ってます」
――長井選手もこんどはクリーンにくるでしょうか。
「ボクは絶対にそうだと思います。目を見ればわかります」
――以前の対戦とはまったく違ったものになると。
「ハイ。12月の時点では目が違いましたね」
――大日本では現在シングルリーグ戦「一騎当千~strong climb~」の最中です。そのなかでリアルジャパンのタイトルマッチをおこなう。気持ちの切り替えとしてはどうですか。
「気持ちの切り替えということについては、あまり考えてないです。問題なく入っていけます」
――では、長井選手よりも優っているところ、劣っているところとは?
「ボクが長井選手に優っているところは、年齢が長井さんより若いのと、まあ、筋出力くらいじゃないですか。あとは体重ですかね。それくらいですね。劣っているところは、コンパス、リーチの長さ。あとは、打撃やサブミッションの技術」
――そのあたりが警戒するところですか。
「そうですね。打撃とサブミッションは警戒しますね。あとは、気持ちですね。気持ち(で闘う)」
――船木戦もそうでしたが、今回もいわゆるUWF系との闘いですよね。それは大日本ではできないことでもありますね。そこにリアルジャパンで闘う意味があるのでは?
「そうですね。大日本のリングでは経験できないことですね」
――もともと関本選手はU系のプロレスも見ていましたよね。
「見てました。リングスで田村潔司さんがヴォルク・ハンから初めて勝った試合を生で見てました。大阪府立体育会館でしたね。メッチャうれしかったですよ。まさか勝てるとは思わなかったんで。U系はすごく好きなんです。失礼ですけど、とくにリングスグルジア、リングスロシアとか、そういう怪しさというか(笑)、なんだコイツ、どんなのが来るんだろうみたいな、コマンドサンボとかわけわからない格闘技の選手がたくさん来てたので、そういうのが好きでしたね。Uインターも好きでした。ベイダーが髙田延彦さんとやったりとか。パンクラスには佐藤光留選手がいて、同級生なんでたまに練習会があったら呼んでもらったりもしました。いまはないですけど、たまに横浜道場に練習に行かせてもらったり、関節技を教えてもらったり」
――そういうトレーニングもしていたと。
「していたというか、多少教わったことがありますね」
――いまのコメントで出てきたリングスに長井選手は在籍していました。長井選手はリングスがデビューのリングですね。その長井選手と今回闘う。
「そうですね。ボク個人的にはうれしいというか」
――ファン時代に見ていた選手と闘える。
「ハイ。うれしいです」
――U系vsストロングBJという図式もあると思いますが。
「それはもう、そのように見ていただければと思ってます」
――U系とストロングBJの違いとは?
「個人的にはやっぱり、技術にどれだけ力が対抗できるのかなと、個人的には勝手に思ってます」
――そういうシミュレーションもしていますか。
「ハイ。どれだけ力でもっていけるかなっていう」
――やはり力で対抗していきますか。
「対抗したいです。力でなんとかいわせたいですね」
――最後はジャーマンで?
「まあ、そうですね、ボクの得意技なんで。それが一番(いい)。イメージするなかでは、一番いい勝利の仕方かなと思いますね」
――このところ、リアルジャパンのレジェンド王座の価値や注目度が上がっていると思うんです。初代タイガーマスク選手が欠場していることもあると思うのですが、今回もレジェンド王座戦がメイン。価値や注目度が上がっているなかで関本選手がふたたびリアルジャパンのメインを締める。そういう意識はありますか。
「責任は、感じます。責任しか感じません(苦笑)。まあでも、その責任というかプレッシャーを力に変えて、必ずいい試合をしたいなという気持ちですね。そのうえで防衛したいです」
――リアルジャパンでの目標は?
「やっぱり、レジェンドのベルトにふさわしい人間になることですね」
――ふさわしい人間?
「レスラーじゃなくて人間に」
――そこに深い意味があるような気がしますが。
「長井選手と熱い試合をして、防衛します!そしてレジェンドの名にふさわしい人間になります」
(聞き手・新井宏)

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初代タイガーマスクリアルジャパンプロレス3.24.後楽園決戦直前インタビュー第3弾!
【“疾風怒涛”長井満也(ドラディション)】

3月24日(木)東京・後楽園ホールで開催される『初代タイガーマスク黄金伝説~LEGEND OF THE GOLD Ⅳ』のメインイベントに於いて、関本大介(大日本プロレス)のレジェンド王座に挑む長井満也の25周年目の“覚悟”を聞け!

――3・24後楽園でのレジェンド王座挑戦、関本大介戦が近づいてきました。
「(関本とは)過去にもシングル、タッグ両方で闘ってますが、彼がチャンピオンで自分がチャレンジャーという立場になってからは初めて。大会のメインで当たるというのもあって、ワクワクしながらも少し緊張していますね」
――昨年12月9日のタイトルマッチ、船木誠勝vs関本大介をどう感じましたか。
「いちファンとして見ると、ボクが思っていた想像を超えたすごくいい試合というか、船木さんの持ち味がすごくよく出てたなかなと思うし、関本君がここ数年でレスラーとしての力をすごい伸ばしてきたなと感じた試合でしたね」
――フィニッシュのジャーマンスープレックスをどうご覧になりましたか。
「やっぱりあれは説得力ありますよね。ボクのなかでですけど、ジャーマンスープレックスってつなぎ技じゃなくてピンフォールが取れる(大技)。むかしはジャーマンって一年に何回かしか見られなかったですから」
――完全なる必殺技でしたよね。
「ボクが小学生とか中学生のころのプロレスではホントに年に数回出るかどうかの大技だったので、それをつなぎ技じゃなくて彼がそれで3カウントを取って会場のみんなが納得する必殺技に戻してくれたという感じがします」
――その試合後に長井選手がリングに上がり挑戦へ名乗りを上げました。その理由は?
「自分は今年デビューして25年、年齢も47歳になってやっぱりそれくらいになると、いますぐにではないにしろ、引退っていうんですかね、自分がリタイアする時期とかタイミングを考えるようになってきたんです。それで自分の引退試合、自分の最後の試合ってどうなるんだろう、誰とやるんだろうみたいなことを漠然と考えたとき、自分のなかで関本君みたいなああいう(選手とやってみたい)。レスラーとしても尊敬してるし、ひとりの人間としてもリスペクトできる。いつになるかわからないけど、選手としてリタイアする引退試合は関本君とやれたらいいなということをちょっと漠然と考えてて。それを考えたときに、自分がホントに体力的にも落ちてきたときにやるよりはまだコンディションを維持できるときに関本君と自分の節目になるような試合ができたらいいなと思ったんですね。そんなときに、関本君が船木さんとの試合でチャンピオンになったので、これはオレがいまいくチャンス、タイミングなんじゃないかなと思って行動に出たんですよ」
――引退試合ではなく、それよりも前にいまの段階でやっておきたいと。
「引退試合の前に引退試合のカードをやるみたいな感じですね。自分はデビューから15年、20年とかいう節目的なものをやったことがなくて、それを自分が引退試合のときにやりたいなと思ってた彼と、それもリアルジャパンのタイトルマッチでできるって、もしかして最高のステージなんじゃないかと思って、自分でアピールしたんです」
――関本選手とは長井選手がレジェンド王者時代に2回ベルトを賭けて闘っています。両方とも両者リングアウトでスッキリした決着がついていませんが、当時と現在の関本選手で強さに違いは感じられますか。
「上から目線なようでへんですけど、ボクも当時から彼のことをすごい認めてて、もし彼があと10センチ身長が高かったら世界チャンピオンになってると思うし、来るべくして上がってきた選手だと思う。当時もやっぱり、試合の攻めの迫力もあるし、受けの迫力もありました。いい選手だと思ってて。そこからキャリアを重ねて成熟してきて、これからが関本選手の全盛期じゃないけどレスラーとしてもっと上に上がっていく時期なのかなって感じていますね」
――レジェンド選手権は長井選手が過去2回巻いているベルトですけども、いまのレジェンド王座と違いはありますか。現在、初代タイガーマスク選手が欠場していることもあると思うのですが、レジェンドタイトルマッチがメインでおこなわれるようになってきていますよね。今回もメインです。過去はほとんどがメインではなく大会の中盤で組まれることもあった。王座の価値に違いが出てきたと思いますか。
「佐山(初代タイガーマスク)さんが欠場しているのはやっぱりリアルジャパンプロレスの大ピンチだと思うんですけど、佐山さんがいなくなるのはいつの日か来てしまうわけで、その日を迎えるためのいい時間なのかなって感じはありますね。団体のベルトってその団体の顔だと思うし、たとえば佐山さんが復帰して佐山さん絡みの注目カードが出たとしてもやっぱりメインはそこの団体のベルトのタイトルマッチがメインイベントになるみたいな、そうもっていけるようないい流れなんじゃないかなと思いますね」
――船木選手が巻いて関本選手が巻いて、こんど長井選手が挑戦する流れは明らかに過去のレジェンド王座の価値とは違うと思うんです。注目度がグンと上がってると思います。
「これで注目度が落ちないように頑張るだけですね(笑)」
――関本選手のどんなところを警戒しますか。
「警戒というか、ああいうごっついタイプの選手って攻めるときはすごいんだけど、自分が相手の技を受けたり守りになるとけっこうハートが弱い人だったりというのは多いんです。でも彼は受けるときも怖がらないで受けるし、攻めるときは迫力があるんで、(警戒すべきは)それですね」
――カードが決まってからは初代タイガーマスク選手が会見でも言ったように、長井選手に期待していると。すごく期待しているという話を聞いて、ご本人はどう感じますか。
「うれしいですけど、プレッシャーがきますよね。まあでもボクがリングスを辞めてK-1や他の団体に出させてもらった後に、本来のプロレスを一番最初に手ほどきをしてくれたのが佐山さんなので、そういう意味では佐山さんの団体の後楽園ホールのメインイベントで良い内容と結果を出して、佐山さんに恩返ししたい気持ちもありますね」
――長井選手に上がってもらわないと困るというようなコメントもあります。
「なにぶんボクも47歳なんで。でも船木選手もそうなんですよね」
――船木選手もリアルジャパンに来てからベルトを巻きましたから、負けてられないですよね。
「そうなんですよね」
――ただ長井選手はしばらくリアルジャパンのリングから消えていたようなんですけど、どこでなにをしていたんですか。
「そうなんですよ。ボクがなんでリアルジャパンのリングから消えていたのかは、平井(代表)さんのほうへ…」
――代表に聞かないといけない?
「ハイ(苦笑)」
――ただ、船木vs関本のタイトルマッチは直接見ていたんですよね。
「見てましたよ、ハイ。久しぶりに会場に来て(笑)」
――久しぶりのリアルジャパンはどう見えましたか。
「特にメイン(船木vs関本)はすごくいい雰囲気で熱がありましたね」
――個人的印象ですけど、リアルジャパンのベストマッチだと思いました。
「すごく悪い言い方ですけど、ここ数年の船木さんのベストマッチでもあると思います。初めからいい試合にはなるなと思ってましたが、船木さんはやっぱり船木誠勝というスタイルもあるしブランドもある。やっぱり会場に来てた人って船木さんと関本君の試合ってこうなるだろうなっていう、ボクらもそうですけど、その人たちの試合を想像するじゃないですか。その想像をたぶん超えるものを見せたから、あの日の会場は熱くなったと思うんですよね。船木さんもよかったけど、それを超えさせたのは関本君のレスラーとしての成長と成熟度がそうさせたと思うんですよね」
――次の長井選手との試合も想像を上回ることが期待されると思うんですが。
「そうですね。ボクのプロレスラーとしてのひとつの節目として残したい試合でもあるので、そこは自分がいままで学んできたものもそうだし、佐山さんに旭川の道場で教えてもらったものをボクなりに守ってずっとやってきたつもりなので、それをリングで出せればと思いますね」
――佐山さんは長井選手の蹴りにすごい期待しているようです。
「こないだの記者会見でもそうですけど、長井ちゃんの蹴りは遅いんだよって怒られているので、それはいま気にしてます(苦笑)」
――威力があるからこそ、そう言っているんでしょうね。もっとスピードを上げればすごいことになると。そういうアドバイスがあったうえで大会を迎えるわけです。
「このアドバイスがきちんと反映できなかったらちょっと怖いですね(笑)。でもそれだけ自分のことを気にかけてくれてるんだなっていう気持ちがありがたいですね」
――リアルジャパンでのメインは久しぶりですね。
「ボクがチャンピオンだったときにスーパー・タイガーと防衛戦をやったときがメインでしたね。佐山さんが大仁田さんとやった後楽園大会。そのとき以来だと思います」
――この25年間でプロレス団体、格闘技団体、実にさまざまな団体で試合をしてきた長井選手ですが、リアルジャパンに上がる意味とは?
「そうですね、ボクはプロレスが好きで見てたけど、自分もなりたいと思わせてくれたのが初代タイガーマスク。やっぱり初代タイガーマスクがいなかったらプロレスラーになっていないと思うし、佐山さんがキックを使ったからボクも使ってると思う。だからこの25年というか、むしろ12歳のときからずっとボクのなかで佐山さんを追い続けてると思う。すごく不思議な感じです。ボクは北海道の田舎にいた、ただのプロレスファンだったのに、それが実際にプロレスラーになれて、しかも憧れてた人がやってる団体に出て、そのメインでベルトに挑戦するという、なんかこう不思議といったらあれですけど、12歳のときからずっと追いかけ続けたものを追いかけ続けてここにたどり着いてるのかなって感じはします」
――もともと格闘技のキャリアはスーパー・タイガー・ジムから始まってるんですよね。
「それが初めてですね。まったくホントのド素人で、学生時代に格闘技なんてやったことないんで。それがたしか17歳のときですか。もう30年になるんですね」
――デビューにたどり着くまで団体が変わったりもしました。デビュー後もプロレス、格闘技、全方位のリングに上がってきました。次のタイトル戦は、ある意味でキャリアの集大成でもあるのでは?
「そうですね。ボクが格闘技を始めて佐山さんのところで手ほどきを受けて、リングスでデビューしたり、ほかのプロレス団体上がったりしましたけど、自分のひとつの集大成みたいなものですね。それをリングの上で出せられればと思います」
――リアルジャパンはストロングスタイルの復興を標榜しています。長井選手の考えるストロングスタイルとはどういうものですか。
「どうしてもこうリアルジャパンで佐山さんがストロングスタイルというのを口にするとやっぱりみんなUWFスタイル、あれに傾いていく(勘違いする)と思うんですけど、でもやっぱりそれだけじゃなくて、佐山さんのお言葉を聞くとスペクタクルじゃないとダメだし、飛んだり跳ねたりでもそこに意味のある、大きな会場にいるファンを惹きつけるようなものもないといけないという感じがあるんですよね。佐山さんのスタイルってただUWFスタイルを黙々とやるのでは全くなく、「ストロングスタイルの闘いを見せるせるもの」。自己満足に終わらないファンの気持ちというのか惹きつける動きだったりがあると思うので、そのへんってすごく難しいのかなと思いますね。たぶん選手一人ひとりによっても解釈は違うと思うし、ボクは残念ながら佐山さんみたいなセンスも運動能力もないですけど、やっぱりこうタイガーマスク時代から見てきたボクのなかの佐山さんの言うストロングスタイルとはこういうことなんじゃないかなというのをこの試合で出せられればと思いますね」
――いまセンスも運動能力もないとおっしゃいましたが、両方なければ25年も現役でできませんよ。しかもいろんな団体に出ている。U系もそうだし、純粋なプロレス、エンターテインメント性の高いプロレスも出ている。実に幅が広いです。
「う~ん、それだけにストロングスタイルってすごく難しい言葉ですね」
――関本選手の場合はストロングBJと呼ばれる大日本のストロングスタイル。それとUWFの系統からやってきた長井選手がぶつかる。そこが興味深いところでもありますね。
「やっぱりこう、異質っていうんですか。異質の者同士がリングでぶつかり、お互いの個性がぶつかり合うのがおもしろいと思うんですよね。関本君は大日本プロレスのスタイルというんですか、あれは俗に言うU系ではないですけど、佐山さんもすごい認めてるじゃないですか。そういうところってあるんじゃないかと思いますね」
――ストロングスタイルのなかでも異質なストロングスタイルがぶつかり合う。
「それがおもしろいんだと思いますよ、やっぱり」
――そこが大きな見どころですね。
「ボクがいまの関本君と正面衝突したらボクのほうが木っ端微塵にされてしまうと思うので、そこはボクのキャリアを使ってボクの持ち味の勝負どころまでどうやってもっていくかだと思いますね」
――王者の関本選手にとっても試練だと思います。キャリアではるかに上回る長井選手。しかも船木選手、長井選手という大日本では対戦できないストロングスタイルとの真っ向勝負が続きます。
「彼はそれだけのことができる技量がありますよ」
――だからこそリアルジャパンでも闘っている。
「そうだと思いますね」
――こんどチャンピオンになれば3度目の戴冠。レジェンド王座の最多戴冠記録になりますが。
「あ、そうなんですか」
――いまのところ、スーパー・タイガー選手と長井選手がともに2回ベルトを巻いています。ベルトを取ったらなにをしたいですか。
「ボクの大きな野望では、ボクがチャンピオンになって最初の挑戦者を船木さんにしたいなと。どうですか?」
――それは見てみたいです。
「ボクは20歳のとき初めて船木さんとUWFで逢って、いろいろ分かれて20数年ぶりに、2年前(2014年)の9月18日にリアルジャパンの後楽園で試合をしたんですよ。船木さんと佐山さんが組んで、ボクとAKIRAさんで闘ったんです。あのときボク、船木さんと初めて試合をしたんですよね。まだシングルで船木さんと試合をしたことがないんです。リアルジャパンのリングでタイトルマッチで船木さんと初シングルができたらおもしろいと、その先のことを思ってます」
――船木、関本、長井というレジェンド王座をめぐるトライアングルができれば。
「そうですね。そこにスーパー・タイガーが入ってきてくれればさらにおもしろいなと思いますね」
――そうなればリアルジャパンがより活性化されますね。
「ハイ」
――実現のためにも次のタイトルマッチは大勝負になりますね。
「大勝負ですね。それがホントにできたらすごくいいですね。船木さんとのシングルってやる機会があるとしたらリアルジャパンのリングくらいしかないと思うので、タイトルマッチという最高の舞台で初めてのシングルになれば、すごくいいなと思ってます」
――なにもなくカードを組むよりもどちらかが王者でどちらかが挑戦者というシチュエーションでやりたいですよね。
「そうなったら最高ですね」
――そうでもないとなかなか実現できないカードかもしれません。
「なんか知らないうちにやってたんだというよりは、ここまでシングルが一度もないんだったらリアルジャパンの後楽園ホールのメインでチャンピオンシップを賭けての初シングルになったらいいなと思ってます」
――おふたりのキャリアを考えてもその方がドラマチックですよね。
「ハイ」
――そのためにも関本戦は勝たないといけない。
「頑張ります!」
(聞き手・新井宏)

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初代タイガーマスクリアルジャパンプロレス3.24.後楽園決戦直前インタビュー第1弾!
【“無我を追及する男”倉島信行(ドラディション)】

3月24日(木)東京・後楽園ホールで開催される『初代タイガーマスク黄金伝説~LEGEND OF THE GOLD Ⅳ』で、“元総合格闘技DEEP王者&全日本サンボ王者”長谷川秀彦と対戦する倉島信行がリアルジャパン初参戦への思いを語った!

――意外と言うか、倉島選手は3・24後楽園ホール大会がリアルジャパン初参戦になるんですよね。
「初参戦ですね。参戦の経緯は、(佐山サトル)総監の興義館に練習をさせてもらいに行ってて、おそらくそこで練習しているものからボクが求めているもの、ボクが追及しているものも含めて(自分の姿を)見ていただけたんじゃないかなと。それで今回につながったんだと思います」
――興義館で練習を始めたのは?
「ここ半年くらいですかね。興義館では主にグラップリングの練習、総合(格闘技)の練習をしています。ボクは(試合では)蹴りとかあまりしないんですけども、そういったものも教えてもらったりして。自分ができなければ相手の技をよけることも受けることもできない。そういう面ですごく勉強させてもらっています。ボクが行く日はグラップリングの選手が多く集まりますね」
――先日、参戦が発表された会見では誕生日間近の倉島選手にバースデーケーキがサプライズでプレゼントされました。すっかり溶け込んでいるなという印象を受けましたが。
「ホントに嬉しいですね。この歳になってケーキもなにもないですけど、その気持ちが嬉しいですね。ここ何年もそんなことなかったですし。(練習)仲間かなってボクのなかで思ってる人たちがそうしてくれるというのが、一番うれしいですね」
――倉島選手は藤波辰爾選手主宰の無我で1996年にデビューしました。
「そうですね。96年の10月5日ですか。今年ちょうど20年ですね」
――当時、倉島選手、MAZADA選手、竹村豪氏選手と3人の若手がいました。現在ではそれぞれの活動という形になっています。
「そうですね。竹村はもう引退してますからね。MAZADAはメキシコに行って肉づけをしてきた。自分に関しては、なにも変わらないですけど」
――そこが倉島選手らしいところですが。
「でもやっぱり年齢重ねていくことによって、なんて言うんだろう、少しずついろんなことに関しての考え方が変わってきているかもしれない。ボクが初めて藤波さんに出会ったのがいまのボクの年齢の藤波さんで、ボクが22歳くらいのとき。なんていうんでしょうね、藤波さんがあの当時始めた無我の気持ちがなんとなくわかったかなと思います。ホントにプロレスリングが好きだっていう。ボクは藤波さんのその思いを、藤波さんを見てきて、この世界に入って、それを追い続けてるからボクの試合は第1試合でいいですと。ある意味、ウチの団体(ドラディション)にとって門番でいたいなと、そういう気持ちは常に持っていますね」
――次のリアルジャパンの試合も第1試合での出場です。なぜそこまで第1試合にこだわるのでしょうか。
「ふつうだったらどんどん上に行きたいというのがあるんでしょうけど、MAZADAなんかはメキシコに行って自分で肉付けして帰ってきた。竹村も新日本で、自分で肉付けした。ただボクはその根本の部分を極めたいというのかな、いまその極めたいという気持ちがすごく強いですね」
――その気持ちは無我の時代から変わらないと。
「そうですね。それをやっていけばやっていくほど難しい。武道と通じるようなものがありますね。精神的なものですかね。それがボクのなかでの無我。」
――現在、倉島選手がある意味で唯一、無我を守っているのかもしれない。
「ボクは自分のなかではそう思ってますけど。やっぱり、肉付けして大きくなってほしいのは親心でしょうけど、ボクはそこをそのまま貫いていきたい」
――ベルトとかにも欲はないですか。
「やる機会があれば。闘ってる人間ですからね、やりたいって気持ちは(ある)。ドラディションだったら別に第1試合にこだわらなくてもいいんでしょうけど、リアルジャパンだったら第1試合とか、何回も第1試合でボクの試合を見て、そしたら上に行きたいというのはありますからね。べつに許されるのならば、第1試合でチャンピオンにチャレンジするとか」
――根本は第1試合で自分のスタイルを極めることにありますか。
「そうですね。レスリング、プロレスを極める」
――第1試合からメインイベントというプロレスの興行において、第1試合の重要性というものを意識においているのでしょうか。
「ボクはそれが一番。だから第1試合にこだわるんです」
――第1試合が興行の流れを作る?
「そうですね。だからボクは昔と変わらない、怖い闘い。これが闘いであって、そういったものをやりたいですね。リアルジャパンには武道の匂いがするんです」
――3・24後楽園では長谷川秀彦選手と対戦します。プロレスというよりも格闘家(長谷川は昨年6月にプロレスデビュー)との対戦となるのでしょうか。長谷川選手はプロレスのリングでは4戦目になります。異種格闘技戦的な感覚なのでしょうか。
「相手がなんであってもボクはプロレスラーなので。あとは、プロレスって3カウントがあるじゃないですか。でも、総合にはそういうものがない。だからちょっとした隙を突いて(ピンフォールを)取るのもプロレスラーの闘い方ですよね。プロレスの闘い方で、誰が相手でも昔からやってるボクの闘い方をそのままぶつけますね」
――長谷川選手は元DEEPウエルター級王者。倉島選手も2004年にDEEP参戦がありますね。
「ありますね。ただ、あれはルールがイマイチよくわかってなくて、背中向けたらそこで止められちゃったんですよ。なんでこれで止めちゃうのって思って。そこの理解をもっとしてれば全然違う試合になったと思うんです」
――時期は違いますけでも、DEEPという共通点がある。さらには、おふたりとも柔道のバックボーンがあります。
「ハイ、そうですね。ボクのなかでは柔道プラス無我で習ったこと。スネークピットでもキャッチレスリングを教えてもらって練習しているので、そういったものを出したいですね」
――長谷川選手にはどんなイメージを持っていますか。
「(リアルジャパンで)タカ(・クノウ)さんとの試合を見ましたね。昨年12月の試合を見て、関節技とか巧いですよね。スッと入っていける。ボクらはそれをどういなして、どう極めるか、もしくは3カウントを取るか。プロレスラーとしてはピンフォールを狙いたい、関節とかじゃなく」
――警戒する部分は?
「足取りが巧いし、足の関節技ですね。あの動きを見ているとサンボが入っているような気もするので、バックを取ったときの足の返され方とか、その辺を気をつけないとちょっと怖いですね」
――今回初参戦になりますが、継続参戦を希望されますか。
「出られるのであれば何回でも。ボク自体も試合が少ないですからね、いまドラディションだけですから。それでは無我でやってきたものがなにも伝わらないし。ボクの試合、あのときの無我って、こう言ってはあれですけど、お客さんをあまり意識してなかった」
――それだけ対戦相手に集中していたと。
「ボクらがやってたときの無我ってお客さんがシーンとしてるんだけども、試合に見入ってくれた」
――そうですね。細かい攻防に見入る印象があります。
「そういう試合を必要だと思ってくれる団体、あとは考え方が合えばボクは出たいと思いますし。それを必要とするところがあるかどうかですね」
――無我的なものを前面に出す選手が少なくなったような気もします。
「そうですね。それはありえますね。だからあのときの無我はブランドになってましたね。その大切さをボクは大事にしていきたい」
――倉島選手が追及するのは、発足当時のあのころの無我?
「あとの無我は違うというか、ボクには“?”ですね。当初の無我がボクのプロレスラーの肉づけをする前の段階。それが極められればボクの肉付けになるし、骨格になる」
――では、リアルジャパンで興味ある選手、闘ってみたい選手は?
「やっぱりまず、スーパー(・タイガー)。以前、北海道でやられてますから。大阪では記憶飛ばされてるんで。ドラディションとレジェンドで闘ってます。その借りはやっぱり返したいですからね」
――そのためにも、次の長谷川戦で勝ってコマを進めたいですね。
「そうですね。ただ、スーパー(・タイガー)だとなかなか第1試合ってないでしょ(笑)」
――それは状況次第ではないですか。倉島選手がこだわりの第1試合をつよく主張すれば、メインクラスのカードでもその位置で実現するかもしれません。
「その試合が必要だと思ってリアルジャパンさんが組んでくれるのであれば、何試合目でも構いません」
――リアルジャパン初参戦後には3月29日にドラディション後楽園大会も待っています。
「ボクは三州ツバ吉と(シングルで)対戦します。アマゾンを走ってきたおかしいヤツです、ホントに(笑)」
――ドラディションの大会はどんなモチベーションで臨みますか。
「やっぱり自分の大会ですからね。ただそこでも変わらないですね、第1試合で。それをずっと続けてきてるわけで。ボクもこうやって話す機会がないから誰もわかってくれていないですけど、藤波さんくらいじゃないですかね。だからいつも第1試合にボクを置いていてくれる。ボクはそう思ってますけどね」
――では、あらためてリアルジャパン参戦への意気込みをお願いします。
「無我で培ってきた、“無我”を貫き通したい。倉島の試合をリアルジャパンのファンの人たちにどこまで見せられるか。なおかつ、長谷川選手からどうやってピンフォールを取るか。なるべく関節技とかではなく3カウントで勝ちたいですね。彼の関節技も怖いし。ただ、クイックなら3カウントを取ることもできますから。彼はたぶんそういうのを味わったことはない。ボクが持っているもので彼をどういうふうにするか。まあ、彼の思うようにされないよう気をつけながら次回につなげられるような試合にしたい。リアルジャパンから必要とされるような、そういう試合をしたいと思います」
(聞き手・新井宏)

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