マメッド・ハリドヴが秒殺KO勝利で新王者に輝く!『KSW33』

(C)KSW

 11月28日(現地時間)にポーランド・クラクフで『KSW 33: Khalidov vs. Materla』が開催された。
 欧州最大のMMA団体として、2015年11月には英国進出も大成功させたKSWだが、今大会は本拠地、ポーランドに戻っての大会。メインでは団体エースであるマメッド・ハリドヴが遂に王座獲りに動いた。ハリドヴはKSWライトヘビー級王者だったが、ミドル級に階級を下げた為、返上。しかし、ハリドヴは東欧では一人だけレベルがずば抜けていた事もあり、ミドル級王座は狙わず、KSW最高のエースである怪力世界一男にしてポーランドの国民的英雄、マリウス・プジアノフスキーと共に、メインで(ポーランドから見て)海外のメジャー選手を迎え撃つという王座より上に位置する立場で活躍していた。マット・リンドランド、メルヴィン・マヌーフ、ケンドール・グローブ、桜井隆太という世界的な大物達から次々と一本勝ちを収め連勝し、完全な団体のエースとして重宝されていた。そのハリドヴが、遂に王座獲りに動いたのは、自分以外のポーランド勢の成長を感じたからだろう。実際に、近年、ヨアンナ・イェンジェイチックはUFC初のポーランド人王者になっている。

151113wf010chirashi週刊ファイト11月19日号潮崎豪ノア終焉存続1.4新日真琴UFCヨアンナMハント中国遠征記
 稲垣收のUFC情報~ポーランド人初のUFC王者、ヨアンナ・イェンジェイチック。アーネスト・ホーストの弟子の元キック世界王者ヨアンナは、カーラ・エスパルザを倒し、UFC女子ストロー級で2代目の王者となった。この日曜、11月15日にオーストラリアのメルボルンで開催されるUFC史上最多観客動員となる7万人超の大会、UFC193のセミファイナルで、カナダのヴァレリー・レトゥルノーを相手に2度目の防衛戦を行なうヨアンナに、国際電話で直撃インタビューした!
▼女子S級王者ヨアンナ・イェンジェイチック インタビュー
 Text by 稲垣 收
・「私たちレディーが世界を制するのよ!」
・日本には5回も行ったわ! 牛丼、大好き~!!
・戦極王者サンチアゴをKOしたハリドフとも練習してるわ
・私はコンプリート・ファイター。寝ワザでも戦えるわ
・K-1でレ・バンナと戦ったノックウィーのジムでも特訓したわ

 他にもKSW育ちのヤン・ブラホヴィッチなどがUFCに参戦すると共にKSWでも各階級の王者が外国勢に負けない活躍を見せている。現ミドル級王者のミハウ・マテルラも宿命のライバル、ジェイ・シウバにも2勝1敗と勝ち越し、更にケンドール・グローブ、マット・ホーウィックという元UFCファイターにも勝利しており、母国の英雄ハリドヴの対戦相手としてふさわしい実績を積んできた。この王座戦が組まれたという事はポーランドKSWが成熟してきた証だろう。しかし試合は、ハリドヴの秒殺勝利だった。試合開始直後にハリドヴが狙い澄ました右フックでマテルラの顎を打ち抜き、更に右で打ち抜きマテルラがダウン。ハリドヴの追撃のパウンド連打でレフェリーがストップ。ハリドヴが完勝で新王者に輝いた。ポーランド勢は確かにレベルが上がっているが、ハリドヴは更に上にいっていたようだ。

 セミファイナルでは、ポーランドの国民的英雄パウエル・ナツラを倒してヘビー級王座に輝いたカロル・ベドルフが同じポーランドのミハウ・キタの挑戦を受けた。ベドルフは、ホーレス・グレイシーやピーター・グラハムという大物相手に防衛戦勝利している実力面では団体トップの存在。キタは連勝でKSW初参戦にしていきなり王座挑戦に抜擢された。これもポーランドMMA成熟の現れだろう。試合は、なんとキタがスタンドで押す展開。ベドルフも重たいキックを放つが、キタがベドルフを金網に追い込みパンチ、膝蹴りで攻める。ベドルフはここ最近、いわゆるレジェンドと言われる相手が多かったので、現役ばりばりのキタに分があるのかと思われた2R、ベドルフが強烈な右ハイキック、これがキタの頭部に直撃し、キタが完全にダウン。ベドルフの豪快な一発で見事なKO勝ち、王座防衛となった。

 フェザー級王座決定戦はアルトゥール・ソウィンスキーとクレベル・コイケの間で争われた。スタンドではソウィンスキーが圧倒、コイケは得意の柔術で勝負したくてグランドに引きこむが、ソウィンスキーが付き合わずスタンド勝負を仕掛けてくる。コイケは2Rにチョーク、3Rに腕十字であわやというシーンを作るが、スタンドで優位に進めたソウィンスキーが判定で勝利。新王者に輝いた。

■ KSW 33: Khalidov vs. Materla
日時:2015年11月28日(現地時間)
場所:ポーランド・クラクフ

<KSWミドル級王座タイトルマッチ>
○マメッド・ハリドヴ(ポーランド/挑戦者)
 1R 0分31秒 TKO
●ミハウ・マテルラ(ポーランド/王者)

<KSWヘビー級王座タイトルマッチ>
○カロル・ベドルフ (ポーランド/王者)
 2R 2分46秒 TKO
●ミハウ・キタ(ポーランド/挑戦者)

<フェザー級王者決定戦>
○アルトゥール・ソウィンスキー(ポーランド)
 判定 3-0
●クレベル・コイケ(ブラジル/日本)

<ミドル級>
○アジズ・カラオグル(トルコ)
 1R 0分30秒 TKO
●マイケル・ファルカォン(ブラジル)

<女子フライ級>
○アリアネ・リプスキ(ブラジル)
 2R 3分25秒 TKO
●カタジナ・ルボンスカ(ポーランド)

<ライト級>
○ウーカス・レウツキ(ポーランド)
 判定 3-0
●バルトミ・クルチェウスキ(ポーランド)

<ウェルター級>
○カミル・スミゾウスキ(ポーランド)
 判定 2-1
●ダービッド・ザワダ(ドイツ)

<フェザー級>
○アンゾル・アジエフ(ポーランド)
 3R 1分39秒 肩固め
●ヴァソ・ボコチェビッチ(モンテネグロ)

<ミドル級>
○ウーカス・ビンコウスキ(ポーランド)
 判定
●ピヨトル・ヴァジニアク(ポーランド)

電子書籍版は金曜4日発売『週刊ファイト12月10日号』に収録されました。
週刊ファイト12月10日号谷川貞治巌流島市来-本間曙王道RIZIN茨城清志G浜田特集UFC韓国

電子書籍『週刊ファイト!マット界舞台裏』の楽しみ方

THE_WEEKLY_FIGHT週刊ファイト!マット界舞台裏/単独名義作品/Tシャツなど新商品のご購入は、こちらより
クリックして最新刊/新商品順の販売ページへ移動する

【他媒体と圧倒的な差異~国際情勢詳報ダントツNo.1!海外情報局】
週刊ファイト10月15日号WWEアスカRAWレスナーTNAマットUFCコーミエCMLLアトランティス
週刊ファイト10月22日号RAWケインTNAルードCMLLアトランティスYOKKAOセンチャイ
週刊ファイト10月29日号RAWレジェンドTNAイーサンTOPKINGシッソーンピーノーンKTMMA
週刊ファイト11月05日号WWEピンクリボンRAWヘルインアセルROHクンルンファイトTHAI FIGHT
週刊ファイト11月12日号週刊ファイト11月12日号WWEウーソーズTNAヤングCMLLクンルンファイト
週刊ファイト11月19日号週刊ファイト11月19日号ミルコ引退WWEロリンズ返上RIZIN榊原信行氏ベラトール
週刊ファイト11月26日号UFCロンダ敗北RAWフランステロ追悼TNAルードROHエルガン挑戦権