廣虎がメインでKO勝利!『TENKAICHI 77』

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 9月13日に開催された『TENKAICHI 77』の試合結果が発表された。

■ TENKAICHI 77
日時:9月13日(日)
会場:沖縄・コザ・ミュージックタウン音市場

<第9試合 メインイベント ミドル級(72.6kg) 3分3回戦(延長1R) TENKAICHI KICK ルール>
○廣虎(ワイルドシーサー沖縄/WPMF世界スーパーウェルター級9位、WPMF日本スーパーウェルター級王者、WPMF日本ミドル級王者)
 2R 0分53秒 KO
●トム・サントス(ブラジル/チーム・ブラジリアンタイ/ファイトドラゴン70kg級王者)
 ダニロ・ザノリニ(HEATミドル級王者、RISEウェルター級王者)の強力推薦を受けてTENKAICHI初参戦となったトム・サントスは、ザノリニが「(自分と比べて)今でそんなに変わらないくらい強いよ」と言ってのけたが、それがリップサービスではなかったと思い知らされる力を第1ラウンドに発揮した。
 廣虎より明らかにスピーディで獰猛。余程タフネスに自信があるのかグイグイと前に出て下がることをしない。ローキックとボディーブローが特に重く、廣虎は何度か表情を歪め、サントスが不敵な分、弱気にさえ見えた。
 そんな不安を抱えながらの第2ラウンド。地元の英雄、廣虎の応援団の声が響くがどこか不安げな気さえした刹那、量を増して突進してきたサントスに鮮やかな廣虎の右ストレートがカウンターで突き刺さり、膝や背骨がなくなったかのようにブラジリアンがダウン。これはあまりにも痛烈。それまでの重い空気が逆転して場内は爆発的な勢いで温度が上がる。サントスは立ち上がりカウント8でファイティングポーズ。だが、身体がユラユラと揺れており、数分前までギラギラと光っていた眼光も虚ろ。

 そこで廣虎は、試合再開後、躊躇なく細かなフック、アッパーを冷静に交えたコンビネーションを繰り出し、ガードの上からでも構わずに効かせるようなスイングを織り交ぜて追い込む。この連撃に耐えきれず倒れたサントスは、それでも気丈に先のダウンよりも早く立ち上がって見せるが、視線や身体の弛緩の弱さを認知したレフェリーは試合終了を宣言し、今年5月31日、あまりにも悔しいWPMF世界タイトルマッチの敗北以来、大復活を遂げた結果のKO勝利を手に入れた。

 その直後のマイクで廣虎は、「もう勝てないんじゃないかと思っていた」と涙ながらに告白し、「次の試合を最後位にしたい」「世界チャンピオンになりたい」とメインイベンター故の一見矛盾した希望を口にして、満場の拍手を浴びた。

<第8試合 セミファイナル INNOVATION次期フライ級(50.8kg)王座挑戦者決定戦 3分5回戦(延長1R) WBCムエタイルール>
●ローズ達也(ワイルドシーサー沖縄/INNOVATIONフライ級1位、TENKAICHI KICK バンタム級王者)
 判定0-3(47-49、47-49、47-49)
〇岩浪悠弥(橋本道場/INNOVATIONフライ級3位)
 現在、勇児が持つINNOVATIONフライ級王座への挑戦権を賭けた試合、完全なアウェーを承知で乗り込んできた名門・橋本道場きってのホープ、岩浪悠弥は、鋭い才気を残暑の沖縄で爽やかに溢れさせて涼やかに登場。
 群馬から沖縄に移り住み10年近くが経つローズにとって最早ホームタウンとなった沖縄興行のリングで気合十分のローズは、自身の格闘技入門のルーツとなったカンフーへの愛着を込めて初のヌンチャクパフォーマンスを披露しながら入場。ゴングと共に動き出した両者の鋭く正確な動きは、この試合が群を抜いた高レベルであることを速やかに観客に伝え、緊張感に包まれる。
 第1ラウンド、距離感が抜群だがアウトボクシングに終始してしまうこともある岩浪が、ローズの全身を当然のように受け流しにかかるが、時として思い左ミドルキックの直撃を構うことなく右ストレートで迎え撃つなど、これまでと打って変わった攻撃性を見せる。
 第2ラウンド、岩浪の変化をむしろ歓迎するように打ちに出るローズがそのまま首相撲に入るが、岩浪も負けておらずまったく譲らない。しかし、そんな端正な攻防を打ち砕くように強引に繰り出すローズの左右のラフな肘打ちが当たり優勢。ベテランの引き出しの多さを見せたローズの強さが光る。

 第3ラウンド、良い流れを拡大しようとアクティブさを増してプレッシャーをかけるローズの思惑を突き刺すように砕くのはノーモーションでロングレンジもショートも使い分けた岩浪の右ストレート。初回から積極的な試合だが、両者の手数は増え続けていく。そんな中、「肘打ちならローズ」の雰囲気がありながら、岩浪が左振り下ろし縦肘の高難易度技で額のカットに成功。流血もありすぐにドクターチェックが入る。傷は小さいが深さがありそうながら試合再開。ローズは、奪われたであろうポイントを取り返そうとしたか、やや粗い動きになるのを構わず攻めに入るが、岩浪の最もパラメータの高い防御力にほとんどを無力化される。
 第4ラウンド、勝負所で気合の入るローズに岩浪のノーモーションパンチと速く鋭いやはり距離を使い分けた左右のキックがローとハイを織り交ぜながら放たれ、そこを強引にローズが攻めて左ミドルキックや強引な肘打ちが掠ると場内の応援団が湧いて声援を強めるが、ペースは岩浪。
 第5ラウンド、勝ちに行くにはこれだと腹を決めたローズの動きに迷いはないが、攻め気に逸る粗さを冷徹に岩浪のパンチやキックが差し込まれる。ラスト1分を切るとリザーブタンクを空けたように岩浪がラッシュを仕掛け、ローズが削られるようにしてコーナーに釘づけにされる。ベテランの失速は明らかで、ホープの勢いは止まらない。悲鳴の異様なローズへのコールが聞こえる中、試合終了。

 判定はジャッジがラウンド採点までも完全に一致する47-49、ユナニマスデシジョンで岩浪が勝利。これにより今年12月12日のJAPAN KICKBOXING INNOVATION主催、ディファ有明興行で王者、勇児に岩浪が挑戦するINNOVATIONフライ級タイトルマッチが内定したこととなった。

<第7試合 ミドル級(72.6kg) 3分2回戦(延長Rなし) TENKAICHI KICK ルール>
〇マーカス・スミス(天下一道場沖縄/TENKAICHI KICK ミドル級2位)
 判定3-0(30-28、30-29、30-29)
●杉田裕希(天道會/元SKKBミドル級王者、元GLADIATORスーパーミドル級王者)

< 第6試合 フェザー級(57.15kg) 3分2回戦 TENKAICHI KICK ルール>
○真夜(SHIMAZILIANS/TENKAICHI KICK フェザー級6位)
 2R 1分45秒 KO
●我那覇友麻(赤雲會/TENKAICHI KICK フェザー級7位)

<第5試合 ライト級(61.3kg) 3分2回戦 TENKAICHI KICK ルール>
●基(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE/TENKAICHI KICK スーパーライト級5位)
 1R 1分48秒 KO
○稲嶺 徹(神風塾/TENKAICHI KICK ライト級7位)

<第4試合 フライ級(56.7kg) 3分2回戦 TENKAICHI MMA ルール>
〇塩浜康太(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE /TENKAICHI MMA バンタム級4位)
 判定3-0(20-18、20-18、20-19)
●末吉竜馬(Theパラエストラ沖縄)

<第3試合 スーパーライト級(63.5kg) 3分2回戦(延長Rなし) TENKAICHI KICK ルール>
○リュウイチ(神風塾)
 2R 0分2秒 TKO
●ハマジン(team HAMAHIGA)

<第2試合 60kg契約 3分2回戦(延長Rなし) TENKAICHI KICK ルール>
〇ダイスケ(エボリューションムエタイジム)
 判定(20-19、20-19、20-18)
●LUIGI(虎の穴)

<第1試合 ライト級(61.3kg) 3分2回戦(延長Rなし) TENKAICHI KICK ルール>
●修平(エボリューションムエタイジム)
 判定(18-19、18-19、18-19)
〇鉄(ワイルドシーサーコザ)

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