■ パンクラス大阪主催大会
日時：2015年７月26日
会場：大阪・アゼリア大正ホール 観衆：461人（満員）
＜第８試合 メインイベント ライト級 ５分３Ｒ＞
○児山佳宏（パラエストラ松戸）
３Ｒ３：００、判定３−０
●山﨑悠輝（パンクラス大阪 稲垣組）
児山は2005年、修斗でプロデビュー。DEEP、CAGE FORCEなどで活躍し、2011年には修斗環太平洋ウェルター級王座にも就いた実力派の34歳。2014年５月からパンクラスに参戦しており、同年は３連勝。今年は３月にＵＦＣ帰りの徳留一樹に敗れている。全てを賭けて臨んだ試合に敗れ引退が危ぶまれたが、挫折から立ち直り参戦。再びベルトを目指すため、この大阪から歩き出す。
対する山﨑は稲垣組期待の23歳。2014年にパンクラスデビュー、これまでにワイルドな攻めで３戦連勝し、７位に駆け上がった。円熟のベテランと、伸び盛りの若手。タイトル戦線に一歩近づくのはどちらか。
児山のセコンドには、ＵＦＣファイター・川尻達也と先頃DEEPで引退した「DEEPの鉄人」梅田恒介、山﨑のセコンドには稲垣克臣と金太郎がつく。
１Ｒ、山﨑は最初からパンチを当てていく。児山は組んでコーナーへ。ヒザを打つ。山﨑は離れてパンチを振る。これをかわした児山はコーナーに押し込んでヒザ、ボディブロー。コーナーへ押し込むと、山﨑が投げてアームロックを狙う！ 児山はこれを外し、バックに回ってコーナーへ押し込む。打撃で押したい山﨑と、組んで勝負した児山のせめぎ合いで終了。
２Ｒも同様の展開。冷静に動く児山。山﨑は打撃も出させてもらえず、次第に余裕がなくなっていく。児山は、もがく山﨑のバックをキープし何もさせない。パンチで引き離して打撃勝負をしたい山崎。コーナーに押し込まれ、ヒジで抵抗するが、児山は脱出させない。児山がテイクダウンしたところでゴングとなる。
３Ｒ。これまでとは逆に、山﨑がバックに回るが、児山はすぐに離れて辛合わない。打撃に切り替える山﨑だが、児山はコーナーですぐに入れ替える。さらにバックを取る児山。思うように攻められず、ポイントを稼げていない山﨑に焦りの色が見える。ようやく脱出するも、児山は片足を取りまたもやロープへ詰める。なんとか向き合った山﨑。しかし、児山はコーナーへ押していく。ようやく離れ、パンチで前に出る山崎だが、児山はもらわずテイクダウン！ すぐにサイドポジションへ。残り60秒！ もがく山﨑。会場から大「山﨑」コールが湧き起こる。児山は冷静に回ってハーフマウント、そして再びサイドをとりつつ、殴って最後まで抑え込んだ。
判定は３−０で児山。山﨑は児山の術にはまり、ほとんど何もできずに３Ｒを終えた。
児山 リング上コメント「すみません。僕が勝ってしまってすみません。僕は今年で34歳になりました。格闘技人生も残りわずかだと思っています。今年３月に負けてしまって、格闘技をやることを続けていいかも分からなくなりました。こんなことは初めてでした。でも、大阪でこのようなチャンスをいただき、パンクラスの皆さん、大阪の皆さん。本当にありとうございました。金曜日から大阪に来ていますが、まだ何も楽しんでいないので、楽しみにして来た道頓堀やお好み焼き、たこ焼きを楽しみたいと思います。どうもありがとうございました」
児山 試合後コメント「今日は、相手を倒すとかいうことより、キツイ試合をしようと思いました。でも、相手には申し訳ないけれど、トップ選手に勝ったわけではないので。
考えたら、最後に負けて病院送りで終わるのはいやでした。自分が納得するまで続けようと思ったときに、すぐオファーをいただいたので、ありがたかったです。こうして大阪で試合をしてみて、東京以外の選手がやっていくことは、すごく大変なことだとわかりました。
大阪はケージではなくリングということで、少し考えましたが、パンクラスのためにひと肌脱ごうと思って受けました。
でも、試合をするのは怖かったです。自分に自信がなくて、試合が始まるまで毎日、怖いと思って日々を過ごしてきました。試合が決まるまでは、もう辞めようかとも思いましたけど、まだまだ続けていたいです。だから今日は、少しだけ自信がつきました。これからも、またやっていきます。大好きな格闘技をイチからやって、続けていきたい。そして、やるからにはトップを目指して闘っていきたいです。」
＜第７試合 セミファイナル バンタム級 ３分３Ｒ＞
○野中 翔（パンクラス大阪 稲垣組）
１Ｒ １分40秒、ギブアップ／変形スリーパー
●花レメ紋次郎ＴＫ（総合格闘技コブラ会）
野中は2010年ネオブラッド・トーナメントでパンクラスデビュー。天性の運動神経とセンスで技の研究に余念がない。地元・大阪での試合が多いが、東京で格闘技ファンにもっと見てもらいたい選手の１人だ。今年は２戦して１勝１敗。地元で白星先行したいところ。
対する花レメ紋次郎ＴＫは2011年パンクラスデビュー、５戦している。今回は約２年ぶりのパンクラス参戦となる。地元での試合でもあり、お互いに負けられない。
１Ｒ、野中が右ハイキックで急襲。花レメは足をキャッチ、テイクダウン。さらにサイドポジションへ移行する。野中はオープンガードに戻すも、花レメは再びサイドへ回る。しかし、野中は花レメのボディをかかえるようにしてバックを取って腹部に載せ、そのまま後ろからチョークへ。流れるような動きの中でしっかり極まり、花レメはタップした。
野中 試合後コメント「よくわからないうちに極まっちゃったって感じです。得意技はいっぱいありますけど、今日もその中の１つが極まりました。寝技は全部得意で、どこからでもああいう技が出せます。相手はその１つに引っかかってくれましたね。
普段、みんな一緒の練習をしているんですけど、ああいう発想というのを自分は持っていると思います。練習しているうちに勝手に身体が動きますね。寝ている時も、これをやったらどうなるかとか、技をイメージしている、そんな感じです。新しい技を考えたり作ったりするのは大好きです。
相手に対して試合前はちょっとビビッていましたけど、ビビッて損しました。でも試合は、いつでも相手の方が格上だと思って、当たって砕けろという気持ちでやっています。
この勝利は大きいです。ここで勝つのと勝てないのとでは全然違う。勝ててよかったです。思い出多いアゼリアでの最後の大会で勝てたのもうれしいです。記念になります。
次の目標は、次の試合に勝つことですね。大きい目標とかはないです」
＜第６試合 ウェルター級 ３分３Ｒ＞
●草・ＭＡＸ（TEAM CLIMB）
２Ｒ ２分１２秒、ギブアップ／チョークスリーパー
○ 住村竜市朗（トリニティーサンズ）
１Ｒ、ローキックの応酬でスタート。住村がハイキックを放つと、草はパンチを返す、住村は組んで倒し、すぐにバックを取る。草は立って蹴り、パンチで攻めて組むが、コーナーへ押し込まれてしまう。再びバックを取った住村がロープへ押し込んだところで終了。
２Ｒ、草はミドルキック、左ハイキックと足技で攻める。フェイントをかけつつチャンスを狙っている住村。住村のパンチがヒット、草が尻餅をつくと、住村はすかさず上に。草はガード、立とうとしたところを住村が首を捉えた！ そのままチョークスリーパーが極まり、草がタップした。
【レッツ豪太あいさつ】
ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト、レッツ豪太がリングインしファンにあいさつ。
「総合格闘技道場コブラ会のレッツ豪太と申します。現在ウェルター級キング・オブ・パンクラシストです。王者になれたきっかけは、このパンクラス大阪大会です。当時、ネオブラッド・トーナメントの決勝で負けてしまいましたが、ランカーの選手と試合をする機会をこのアゼリア大正ホールでいただいて勝って、上に上がることができました。この会場にはホンマ感謝しています。
このあとの試合も、実力者がそろっていて面白いと思います。メインは間違いなく面白いです。アゼリアでの大会は今日が最後ですけど、これからも大阪大会でチャンスをつかんで、チャンピオンになる選手が出て来てほしいと思います。
僕は、次の試合はタイトルマッチが決まっていますが、ベルトを守りながらＵＦＣを目指していきます」
＜第５試合 フライ級 ３分３Ｒ＞
●三谷敏生（総合格闘技道場コブラ会）
３Ｒ３：００、判定０−３
○吉村友菊（総合格闘技道場reliable）
１Ｒ、いきなりハイキックで奇襲する吉村。まだゴングが鳴ってない！ 三谷は落ち着いてパンチ。次の瞬間、吉村のパンチでフラッシュダウンするが、すぐに立つ。冷静を保とうと努力している様子。三谷がミドルを蹴ると、再び吉村のパンチがヒット、フラついてしまう。吉村はさらにパンチでたたみかけるが、三谷は組む。しかしコーナーへ押し込んだのは吉村だ。ここで吉村の蹴りがローブローとなり、試合がストップ。しばらくして再開されたが、三谷にはダメージが残ったようす。苦しそうな表情の三谷はタックルからコーナーへ押し込むが、吉村はすぐに離れてパンチ。ダメージのある三谷は打撃戦を避け組みにいくも、入れ替えられてしまう。
２Ｒ、フェイントでプレッシャーをかける三谷。続いてタックルからコーナーへ押し込むが、吉村のヒザとパンチ、ハイキックに苦しむ。三谷も右ハキックを返すが、明らかにパワーが落ちている。打撃の勢いを増す吉村は、シングルレッグからコーナーへ。パンチを振り離れると、三谷がバックキックを放つがもらわない。
最終ラウンド。苦しそうな表情の三谷だが、ローキック、バックハンド、前蹴りと果敢に攻める。タックルからコーナーへ追い込むも攻めきれない。終盤、首を狙うが、これも極めきれない。吉村が体を入れ替えてパンチを打ち、三谷がミドルを蹴ったところで時間切れ。主導権を握った吉村が判定勝利。
＜第４試合 スーパーフライ級 ３分３Ｒ＞
○ＮａｖＥ（Grand-Square）
３Ｒ３：００、判定３−０
●平田丈二（総合格闘技 暗愚羅）
１Ｒ、ハイキックから組みにいく平田。ロープへ押し込んで投げを狙うが、これは成功せずＮａｖＥが上となる。ＮａｖＥはローリングクレイドルのように回りながら殴る。立とうとする平田だが、ＮａｖＥはバックを取ったまま立たせない。ここでドントムーブがかかり、位置が悪いためブレイクとなる。パンチを振って行く平田だが、ＮａｖＥは再びバックを取る。終了直前、腕十字に移行するが、時間が短過ぎて極まらず。平田はゴングに救われる。
２Ｒ、パンチで出る平田の首をＮａｖＥ捉える。平田は頭を抜き、足を狙うが、ＮａｖＥはまたバックを取りクレイドル。諦めず足を狙いにいく平田だが、決められない。ＮａｖＥはサイドを取り、さらに後ろから首を狙う。極まりそうかと思われたが、平田は再びゴングに救われる。
３Ｒも同様の展開。平田は初盤でつかまり、脱出できない。ＮａｖＥも首を極めることはできなかったが、３Ｒ通して相手をコントロールし、判定３−０で勝利した。
＜第３試合 バンタム級 ３分３Ｒ＞
○秋葉大樹（総合格闘技reliable）
１Ｒ １分51秒、ギブアップ／腕十字固め
●キャプテン禎（修斗GYM直心会）
１Ｒ、秋葉がパンチからすくってテイクダウンを奪う。バックマウントに移行し、殴る。キャプテンを腹部に乗せながら殴り、さらに腕十字へ。１Ｒ２分足らずで１本勝ちを決めた。
＜第２試合 フライ級 ３分３Ｒ＞
○後藤琢也（パンクラス大阪 稲垣組）
３Ｒ １分44秒、ギブアップ／アンクルホールド
●ＭＡＧＩＳＡ（ゼロ戦クラブ 水島支部）
2015年のネオブラッド・トーナメントには残念ながら勝ち進めなかった後藤。今後を見据え、地元で勝っておきたいところ。
１Ｒ、ＭＡＧＩＳＡが片足タックルからコーナーへ押し込む。後藤は入れ替えるが、ＭＡＧＩＳＡがテイクダウンを奪う。後藤は下から足関を狙い、離さないままゴング。
２Ｒ。後藤が飛び込んでパンチ。これを受けたＭＡＧＩＳＡがテイクダウンを奪いそうになるが、後藤は４点ポジションで踏ん張る。ＭＡＧＩＳＡの足を取り、そのまま立ってコーナーへ押していく。ＭＡＧＩＳＡは体を入れ替えて潰し、上から殴る。後藤は根性で立ち、ロープへ押し込むと、ＭＡＧＩＳＡが投げたところで終了。
最終ラウンド。ＭＡＧＩＳＡはパンチと前蹴りで激しく攻める。手数を出せない後藤。前に出た後藤の片足をＭＡＧＩＳＡがつかみ、コーナーへ押し込んでヒザを打ち込む。倒してバックを取り、ヒザ。ピンチの後藤。しかし、後藤が一瞬のチャンスを逃さず下からアンクルホールドへ！ これが極まり、後藤が大逆転勝利をものにした。
＜第１試合 フェザー級 ３分３Ｒ＞
○大道翔貴（TEAM TED）
１Ｒ ２分49秒、ＴＫＯ／レフェリーストップ
●室川和登（総合格闘技ゴンズジム）
１Ｒ開始直後から、いきなりパンチを振っていく大道。パンチでプレッシャーをかけながら前に出ていく。室川も前に出て、腕を後ろに組み大道を挑発。大道はそれを見て笑ってしまう。大道がさらにパンチで前に出ると、室川も釣られたように笑いながらボディブロー。お互い笑いながら打ち合う。しかし、大道のパンチがヒット、室川がダウン！ すかさずかぶさり殴り掛かった大道をレフェリーが止めた。
【パンクラスゲート】
＜第４試合 ライト級 ３分２Ｒ＞
△太田裕稀（格闘技 吉田道場）
２Ｒ終了、時間切れ
△ 藤崎航汰（P’sLAB大阪）
＜第３試合 バンタム級 ３分２Ｒ＞
△鈴木崇豊（和術慧舟會奈良 TEAM VAMOS）
２Ｒ終了、時間切れ
△ 松野祐哉（タナベMMAクラブ）
＜第２試合 スーパーフライ級 ３分２Ｒ＞
△前田慎次朗（総合格闘技 暗愚羅）
２Ｒ終了、時間切れ
△酒井一貴（NASCER DO SOL）
＜第１試合 ライトフライ級 ３分２Ｒ＞
△川原波輝（総合格闘技スタジオSTYLE）
２Ｒ終了、時間切れ
△ 松井全司（パラエストラ東大阪）