ネグロ・カサス「レジェンダ・デ・プラタ」優勝!5・22CMLL アレナ・メヒコ金曜日定期戦

(C)CMLL

 2015年5月22日にメキシコ・アレナメヒコでCMLL アレナ・メヒコ金曜日定期戦が開催された。
 今大会の目玉は、レジェンダ・デ・プラタの決勝戦だ。日本語にすると「銀の伝説」となるレジェンダ・デ・プラタは、元々は、ルチャリブレの枠を超えたメキシコの国民的英雄、聖人エル・サントを讃えるもので、エル・サント杯の事だ。しかし、近年、サントの息子であるイホ・デル・サントとCMLLが険悪な関係になってしまった為、サントの名前を全面に出さず、レジェンド杯という感じになっている。ちなみに、サントと双璧のスペル・エストレージャであるブルー・デーモンを讃えるレジェンダ・デ・アズル(青の伝説)も不定期で開催されている。

 今年のレジェンダ・デ・プラタの決勝に残ったのはネグロ・カサスとドラゴン・リーだ。カサスは55歳というベテランで、ローカル団体、UWA、そしてCMLLと渡り歩き、1992年からCMLL一筋で最前線で戦っている。ドラゴン・リーは、兄がルーシュ、ミスティコ(2代目)というサラブレッドで、若手でもっともプッシュを受けている。先日は、カマイタチとのマスカラ・コントラ・マスカラ(敗者、覆面剥ぎマッチ)で勝利し、カマイタチの覆面剥ぎに成功した。

 試合は、お互いに1本づつ取り合ったが、最後は何と、カサスが、ラ・マヒストラル(ラ・カシータ)で勝利。見事に銀の伝説杯を制したのだった。この勝負を決めたラ・マヒストラル、現在では日本のマットでも使われているが、元々は、カサスの父親であり名ルチャドールであったペペ・カサスが開発した技だ。カサス家の伝統芸という技でレジェンドを讃えるレジェンダ・デ・プラタを勝利したのは感慨深いだろう。とかくプロレス団体は、強引に新陳代謝をしようと若い選手を勝たせまくり、ベテラン勢を前座に追いやったり、若手の踏み台に使い、昔から応援してきたファンの心を踏みにじる事も少なくないのだが、このCMLLは、こうしたベテランが、売り出し中の若手ホープに勝利する素晴らしいものを見せてくれる。50代のカサスや、“レジェンド”アトランティスが現在もアレナ・メヒコのメインを飾っており、こうした歴史を作ってきた選手に敬意を表する事は日本の団体も見習うべきだろう。やはり、レジェンドこそ素晴らしい。レジェンドさえいればいい。

■ CMLL アレナ・メヒコ金曜日定期戦
日時:2015年5月22日
場所:メキシコ・アレナ・メヒコ

<6人タッグマッチ>
○ウルティモ・ゲレーロ、サンダー、エウフォリア
 2-1
●ボラドールJr、コルレオーネ、マキシモ

<レジェンダ・デ・プラタ決勝>
○ネグロ・カサス
 2-1
●ドラゴン・リー
※ネグロ・カサスが優勝

<6人タッグマッチ>
○レイ・エスコルピオン、ドラゴン・ロホ、ポルボラ
 2-0
●グラン・ゲレーロ、メフィスト、ニエブラ・ロハ

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